再び、奨学金ホットラインのこと

●再度のお知らせ

　数日前に宣伝したばかりですが、もう一度。

　明日、9月29日、奨学金ホットラインが全国5箇所で開設されます。

　札幌　011-251-7561（札幌弁護士会館３Ｃ会議室）
　東京　03-3267-0266（「首都圏なかまユニオン」）
　名古屋　 052-916-5080（水谷司法書士事務所）
　大阪　06-6242-8130（「大阪なかまユニオン」）
　那覇　 098-863-4776（「沖縄なかまユニオン」）

　先ほど入った情報によると、ＮＨＫも取材に来るそうです。どういう扱いになるかは分かりませんが、テレビの影響は相当大きいはず。今後の進展に期待するばかりです。

　じつは私自身も、おそらく数万円程度のギャラにしかなりませんが、ある週刊誌にこの企画を売り込んだところ、先ほど、「記事を書いて」との連絡がありました。


●弁護士にも遠い問題

　今回、ホットラインが動くきっかけになった一つは、なんといっても、日弁連（日本弁護士連合会）に所属する弁護士で、多重債務を手がけてきたＩ弁護士が携わったことが大きいです。

　Ｉ弁護士は、長年、サラ金やヤミ金の多重債務問題を手がけてきたのに、奨学金の問題を知ったのは今年になってから。

「こんなサラ金やヤミ金の多重債務と同じか、それよりもひどい問題に、恥ずかしながら、弁護士である私は気づきませんでした」

　と、Ｉ弁護士は今必死にこの問題を分析し、その対処を考えておりますが、私はＩ弁護士に尋ねてみました。

ーーＩさんがこうして奨学金問題に関わってから、弁護士の世界でもこの問題は認知されてきているのですか？

「いえ、ぜんぜん。ほとんど誰も問題の存在すら知りません。私たちは、これから勉強を重ねるところから始めなければならないのです」

　弁護士が個人ではなく、チームで動くことで、奨学金問題は大きく解決に前進するはずです。期待します。


●ハンセン病もそうだった

　それにしても思うのは、これだけ情報が発達した現代の日本においても、法の番人である弁護士すらも知らない社会問題はけっこうあることです。

　たとえばハンセン病。

　このブログではまだ書いたことはありませんが、私はハンセン病を長年取材していたことがあり、初めて関わったのが１９９４年です。
　当時は、ほとんど誰もハンセン病の問題に気づかず、療養所のある町には偏見があった（今もないとは言えない）ものです。

　単なる病気を、囚人のごとく強制収用していた現実は明らかに人権侵害。それをなぜ弁護士は気づかないのか…。というのが、当時私が抱いた疑問でした。

　だが、その数年後、九州の療養所に住む13人の原告から始まった国家賠償請求裁判は、数多くの弁護士に支えられ、多くの国民の知るところとなり、ハンセン病の歴史がやっと公にされたのです。小泉潤一郎首相（当時）の控訴断念も記憶に新しいところです。

　奨学金の問題も同じです。

　ほとんどの弁護士が問題の存在すら気づいていません。だが、ここで法曹界を責めるのではなく、まずは、明日ホットラインを担当する「首都圏なかまユニオン」などの労働組合が問題の周知に努めてきたことを評価したいです。

　Ｉ弁護士が、毎月の定例会に欠かさず出席するようになってから、なかまユニオンの伴幸夫さんは「やっと弁護士が関わってくれました。何年もかかったけど、これで山が動くと思います」と顔にほころびを見せたのを私は覚えています。

　そのＩ弁護士はじめ、弁護士や司法書士などの有志も、明日、電話を取ります。

　具体的な解決方法を用意しているので、奨学金の返済に困っている人は遠慮なく電話してください。

　私も現場で取材をしています。

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