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取材しても、記事にできる情報は1割未満。しかし捨てた9割にも、伝えられるべきものがあります。ボツになった企画も数知れず。そんなネタを紹介します。なお、本ブログの文章と写真の無断転載はお断りします。ご利用希望者合はご一報下さい。
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樫田秀樹

Author:樫田秀樹
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●入管の被収容者に「スペシャルルーム」として怖れられている部屋がある…。
 その部屋には何もない。あるのは、床に穴が開いているようなトイレだけ。そのトイレにしても、洗浄水を流すレバーがない。
水を流すときには、職員を呼び出すブザーもない。
 だから、監視カメラに向かって、ジェスチャーで「水を流して」と訴える。そして、カメラで排泄物を確認した後で職員が5分後くらいにやってきて、部屋の外にあるスイッチで水を流す…という。
 
牛久入管の保護室

この写真で説明すると、写真右の細長い穴がトイレ。男性の体の脇に見える黒い穴が手洗い場。
 保護室は24時間監視カメラで監視されている。

●簡単な経緯
 なぜこの画像が入手できたのか。
 その発端は2019年1月18日。法務省入管庁の「東日本入国管理センター」(茨城県牛久市)に収容されているトルコ国籍のクルド人のデニズさんが、不眠に悩み、「精神安定剤をください」と大声を出しドアを手で叩いたら、それが「蹴った」と見なされ、5,6人の職員が「生活指導のため」にデニズさんを居室から、まず「懲罰房」(正式名称は処遇室)という一人部屋に隔離して「制圧」行為を行う。それが下記の動画(職員が職務として撮影していた)。
 デニズさんは後日、この制圧行為に対して国家賠償請求を起こすが、その裁判資料としてこの映像が被告(入管)から提出され事実が公となった。画像はその一部を切り抜いたもの。



 これは実際の映像を短く編集したものだが、この映像のあとにデニズさんは、被収容者に「スペシャルルーム」として怖れられているのは「保護室」(写真の部屋)へと連行され、ここで5日間を過ごすことになる。
(なので、後日、前映像に開設の字幕を付けて、公開しようと思います)

●女性もスペシャルルームに連行される
 今年4月に「東京出入国在留管理局」(東京都港区)でも事件が起きた。
 コロナ感染予防のために、非入所者のうち仮放免(一時的に収容を解く)される人がいる一方で、長く収容されている人ほど仮放免されないことに、女性たちの間で不満が高まる。
 そして4月25日、女性たちは、「Let Us Free」(自由にして) と書いた紙やTシャツで仮放免を求めてサイレントデモを行ったら、その数人が「保護室」こ入れられた。
 
  私はそれら女性の2人に先日面会取材したが、取材前に、彼女たちが、スペシャルルームのことを「床は緑色のコンクリートで…」と支援者に説明していた記録を読んでいて、「もしかしたら」と、面会した女性(ネパールとコンゴ民主共和国)に「あなたが入ったスペシャルルームとはこれですか?」とこの写真を見せると、「これです! まったく同じです! 壁の色も床の色も」とその時を思い出して、興奮を隠さなかった。

 覆い隠す場所がないトイレの上に監視カメラがある…。
 そして、ここに入った男性、女性両者の話によると、夜寝るときに毛布も支給されなかったという。このコンクリートの上でただ体を横たえた。

 トイレしかない部屋と書いたが、こうも言える。彼らはトイレに隔離された。
 仮に規律違反があったとしても、こんな非人間的な空間に人間を入れることにどんなメリットがあるのか。
 今後の女性は、今もこの部屋に入ったことのトラウマに悩まされ、私の取材時で、2週間も胃と心が食事を受けつけないと語った。
 デニズさんは今年3月に仮放免されたが、今も悪夢を見るという…。

となりの難民
←入管問題に長年関わっている織田朝日さんの著書。足元の難民問題を平易な形で著した日本初の本。

月刊「世界」12月号
← 月刊「世界」12月号。ここに私の書いた入管問題のルポ。そして、仮放免者3組による座談会をまとめた記録を掲載しました。他の著者の原稿も熱いです。保存版の一冊だと断言しておきます。


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●デモに180人が参加
 5月30日15時。渋谷駅ハチ公前には、警官によるクルド人男性(ラモさん)への暴行事件に抗議するために約180人の人たちが集まった。主催者の鈴木さんによれば、ほとんどが初めて見る顔だそうだ。ということは…。

ラモさん we need justice ← 警察の威圧行為を受けたラモさん

暴力の写真 ← 警察から暴行を受けている時の写真をもつラモさん

 その何人かに尋ねると「ツイッターでの暴行映像を見て、黙っていられなくて参加しました」、「日本人として恥ずかしい」との回答が殆どだった。数十人が各自で印刷した抗議カードを掲げて、渋谷を歩いた。報道陣もざっと見るだけで、時事通信社、毎日新聞、NHK、東京民報、フリージャーナリストが5,6人がいただろうか。

抗議カード1 抗議カード2 抗議カード6 抗議カード7 
 抗議カード9

 事件の詳細は既に書いたので繰り返さないが、新たに判ったのは以下のこと。
 ラモさんに威圧行為を行ったのは、「警視庁第一自動車警ら隊」。そこが応援要請をして渋谷警察署からパトカー10台+警官約30人がやってきた。
 ラモさんが威圧・暴行を受けている間、友人二人は車の中からその様子をスマホで撮影していた。だが警官がスマホを取り上げ「消せ」と命じた。ところが、画面ロックされたので、警官は持ち主の男性の顔に近づけ『顔認証』でロックを解き映像を消去した。だが、この映像はスマホ本体に加え、クラウドでも保存してあったので、公開することができたのだ。
 また、車の中のすべての荷物がぐしゃぐしゃに荒らされ、路上に放り出された。
 結局、何も怪しいものが出るはずもなく、私服警官が免許証だけ確認すると「もう行っていい」と告げただけで、威圧・暴力行為に及んだ警官たちは謝罪することもなくその場を去った。
 ラモさんは、警官から首をヘッドロックされたり、足を蹴られて地面に座らされ、病院で「首の捻挫、全治1カ月」の診断を受ける。
 現場は自宅のすぐ近く。つまり近所の人たちが見ていた。

ヘッドロック←「こうやってヘッドロックされ、首がねん挫しました」と再現するラモさん

 ラモさんは「何もしていないのに、こんな目に遭ったところを見られて本当に恥ずかしい。私はもう引っ越しを考えています」と訴えた。なお、ラモさんは、5月27日にはこれら警官を刑事告訴で告発。さらに民事裁判で国会賠償請求の手続きもするという。

●以下、デモの写真です。

 デモ1 デモ2 デモ3 デモ4 

 私がこのデモで評価したいのは、この事件をヒトゴトと捉えずに、むしろ「間違っている!」として多くの人が声を上げたことだ。これまで、例えば、入管問題のデモは何度も行われているが、その多くは入管問題に携わってきた人たちであり、一般市民の参加は少なかった。だが今回のデモでは、「黙っていられない」として多くの市民が参加した。これは大きな一歩だ。
 
 180人のデモは「差別警官、懲戒免職!」と訴えながら、渋谷駅周辺を歩き、デモ終了後は有志が(といってもほとんどだが)、渋谷警察署前に移動して「暴力反対!」と抗議の声を上げた。

渋谷警察署への抗議1 渋谷警察署に抗議2 渋谷警察署に抗議4 渋谷警察署に抗議5 渋谷警察署に抗議7

●逮捕される
 この時事件が起きた。警察署前の植え込みで抗議をしていた男性が、そのまま建物(警察署)に入ろうとしたとして「公共施設侵入罪」の現行犯で逮捕されたのだ。
 その男性、以前もヘイトスピーチへのカウンター行動でやはり逮捕されている。
 警察にすれば、もしかしたらデモに参加した人たちを委縮させるために、微罪にもならない微罪で彼を逮捕したのかもしれない。
 その後、急きょ弁護士も駆けつけ、どうやら48時間の拘束を受けることになるとのこと。
 逮捕された本人も落ち着いているらしい。

●クルド人
 クルド人は世界最大の、自分たちの国を持たない民族と言われている。人口約4000万人。
 日本の埼玉県川口市や蕨市では約2000人が居住していると言われるが、私もその何人かには取材をしているが、強く受けた印象としては、とても家族を大切にする、友人を大切にする人たちだ。
 クルド人は、イラク、イラン、シリア、トルコの4か国に分断されて生きているが、一様に差別の対象とされている。実際、反政府デモに参加しただけで警察で拷問を受けた人もいて、その生活に耐えられず、国を出る人が絶えない。
トルコ系クルド人の場合、世界各地で難民として認められているが、日本での難民認定数はゼロ。在留資格のある人もいるが、少なくない数の人たちが「仮放免者」という「就労禁止」の身分に置かれている。
そういう彼らでも生きていけるのは、民族のなかでの助け合いがあるからだ。

ちなみに、ラモさんの場合は、在日15年で「定住者」という在留資格をもち販売業をして暮らしている。
今回のデモでも、彼を一人にしないと多くのクルド人が参加した。そして、彼らはデモに参加した日本人に対して、コンビニまで何往復もしては、水、コーラ、サンドイッチなどを差し入れてくれた。そのサービス精神には感謝するしかなかった。
 デモ主催者の鈴木さんによれば、同様のデモはまた続けるとのこと。
 続報はできるだけ周知したい。

●国会
 今回のデモには、国会議員ではただ一人、立憲民主党の石川大我議員が最初から最後まで参加し、またその後の警察署前行動も視察していた。石川議員は今回の暴力問題を国会で取り上げるとでも終了後に語った。6月第1週は難しいが、その翌週以降で質問するとのことだ。

石川大我議員←石川大我議員

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●ショッキングな映像
 
 5月23日、ショッキングな映像が回ってきた。
 東京都の明治通りの車道で、クルド人男性が2人の警官に抑え込まれ、「座れ!」と足を蹴られたり、「おい、なめんな!」と恫喝されている。
 車道であるから、当然、歩道を歩く歩行者はギャラリーとなり、この様子を見ている。


 
 この威圧行為を受けた本人からの話は以下の通りだ。

 明治通りの広尾付近。渋谷警察署が管轄する。
 ここを男性は歯痛のため歯医者に行こうと車を運転していた。左折するためにいったん信号前で停車した時、目が合った警官に「お疲れ様です」と挨拶をした。すると、警察車両が後をついてくる。
 そこで男性は車を停めて、警官に「なぜついてくるんですか。私は歯医者に行く途中です」と説明したが、それでも警察車両はまた後をつけてくる。そこで再び車を停め、警察に「何ですか。歯医者に行くだけですよ」と説明して車に戻った。
 すると、警察車両は、サイレンを鳴らして男性の車に停止を命じた。数分後には数台のパトカーや数十人の警官がやってきた。

 男性に近寄ってきた警官がマスクをしていなかったため、「近くに来ないでください」と言うと、警官が「オレに勝つと思っているのか」と、そこから、映像通りの行為が始まった。
 その間、車のなかには友人2人がいたが、車の外には出してもらえず、この行為を撮影していたら、それに気づいた警官がやってきて(映像最後)、「おい消せ!」と命令。映像の何本かが消された
 
 威圧行為は15分くらい続いたが、クルド人男性は、首を掴まれたり、映像にもある通り、足を蹴られるなどの行為を受け、その後病院で「捻挫」などの診断書ももらっているようだ。

 詳しい情報を欲しいところだが、少なくとも何ら犯罪行為を犯していない外国人に、なぜここまで威圧的行為に及ぶのか。
 男性はその後、弁護士に相談し27日は警察を告訴した。
 そして、事件当時、歩行人たちもスマホでこの様子を撮影していたが、クルド人男性は、その数人に「その映像提供してください」と頼んでそれを入手した。それが2本目の映像。
 映像のなかで、クルド人男性は何度も「何にもしていないのに!」と訴えている。

●考えたこと
 この件で私はちょっと考えてしまった。
●果たして、警察は欧米系の白人に同じことをするだろうか?
●衆人環視でこれだけの威圧行為ができるということは、取調室という密室であれば、その対応はより苛烈になるのでは?
●また、これは対外国人だからの警察の対応なのか? 私の知人(日本人)に痩せていて、無精ひげを生やしている人がいる。服装もラフ。その彼は、これまで2桁を数える職務質問を受けている。
 また、ツイッターを見ても、自転車に乗っていただけの高校生の女の子も、職務質問を受けたなどの事例が散見されている。
 これは警察が一般市民の監視を強め、特にアジア・アフリカ・中南米の人たちにはそれに加えて、威圧行為も辞さないとしているのだろうか?
●アメリカでは白人警官の黒人市民への発砲がたびたび報道され、それが大きな市民デモに発展するが、この映像では、むしろ助けを求めるクルド人男性に対して「受ける~」などの嘲笑が入っていて、その事実にぞっとする。だからこそ、あの嘲笑はたまたま周りにいた人たちの一般会話を拾っただけだと考えたいのだが…。
 下の動画は、その撮影者がクルド人男性に役に立つならと提供してくれたものです。


●5月30日15時。渋谷駅ハチ公前。デモ行動
 この事件を知ったある市民団体が早速、デモを準備した。
 明日、 5月39日15時に渋谷駅ハチ公前に集合して、今回の事件を起こした警察官が所属する渋谷警察署までを目指す。

 私は今、そのデモに向かう途中です。
 デモの様子は伝えたい一方で、警察の言い分を捉えることも必要なので、電話取材くらいはしたいと思う。

 デモには「黙っていられない」と若い日本人もクルド人も来る。間違っていることには間違っていると声を上げる。そんな当たり前の事が当たり前じゃないこの国で当たり前の声を聴きたい。

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●やっと国会が動く
 やっとこの日が来た…。
 5月18日。国会議員が入管問題に関する議員懇談会を結成する。
 5月13日、参議院議員会館にそれら議員が集まり、入管庁職員への公開ヒアリングが開催された。

公開ヒアリング全景


 2018年夏から入管問題を取材する私は、この21世紀において、先進国と言われるこの日本において、国の組織が、ここまで人権を蔑ろにする現実に、これは国会レベルで解決するしかないと思っていた。
 入管問題は大雑把に言えば
★収容施設での処遇の問題
 外出禁止。家族ですら許可されるのは30分だけ。1日18時間は施錠をされて、6畳の部屋に4,5人が押し込められる。職員からの暴力。いつ出られるのかの情報が全くないために、被収容者の多数が精神疾患を患う。
★仮放免生活の問題
 本国送還が条件である以上、就労禁止。仮放免者の子どもも仮放免だからどんなに高学歴でも働けない。許可なき移動も禁止。再収容や強制送還の可能性もある。
 
 この問題で、多くの市民団体が頑張っている。被収容者への面会、差し入れ、抗議行動、署名活動、デモ…。
 しかし、入管問題解決には市民の力に加え、「国会レベルの動き」こそが必要だ。入管法による運用の曖昧さが諸問題を生み出す以上、その方向性を修正し、運用を明確化するための法改正などは国会議員でしかできないからだ。

 ただ、私が「国会議員を動かすつもりはないのですか?」と関係者に問うと、この問題に長く携わる人のなかには「そんなの、もう何十年も訴えてきた。でも無駄だよ。彼らは票にならないことには動かないよ」と「取材を始めたばかりの奴がなに理想言ってんだ」と言わんばかりに私を冷ややかに見る専門家もいた。なかには「あなたが記事を書いて何か変わるの?」とはっきりと言う運動家もいた。
 どんな場合でも可能性はある。それを信じなきゃ書けるはずがないじゃないか。
 
●「難民問題に関する議員懇談会」
 この問題に関心をもつ国会議員がいないわけではなかった。ただし、政党としてではなく、有志のグループでもなく、関心のある議員が個々に動いているだけだった。
 だが、4月18日、15人の国会議員で「難民問題に関する議員懇談会(仮称)」が設立されることになった。この窓口になる議員が、石川大我議員(立憲)だ。

議員懇談会メンバー。左端でマイクをもつのが石川議員。  議員懇談会メンバー2

 入管問題史上最悪と言われた2019年に噴出した事件(餓死、集団ハンスト、2週間だけの仮放免で再収容等々)もそうだが、最近のきっかけとしては、今年4月25日の事件が懇談会の結成に至った。
 
●4月25日に何が起きたのか?
 事件は東京入管(東京都港区)で起きた。
 東京入管には女性被収容者も収容されているが、4月25日、彼女たちの何人かが、同じ被収容者でも仮放免される人、されない人がいることについて仮放免運用に関する説明を求め、自由時間が過ぎても(その後、居室に戻って施錠される)、回答が得られるまでは帰室を拒否するとの意志表明をした。これが「規定違反」だとして、突然、男性職員15、6人がやってきて彼女たちを制圧にかかる。
 その様子を部屋の中から見ていたという女性は支援者に以下のことを駒井知恵弁護士などに伝えている。

4月24日の事件について、当事者から電話を受けた駒井知恵弁護士
 
 ある女性は、多数の男性係官に腕で首を絞められ、ある女性は、もみくちゃにされてスカートが脱げた。その女性は下着姿のまま男性職員により懲罰房に入れられた。ある女性は、男性係官2名に頭を床に抑えつけられ、壁一面に窓がなく、トイレの穴が床にあいているだけの部屋に放り込まれた。彼女は、こんなところにいたら気が狂ってしまうとの恐怖から、係官の「もうやらないと言えば自分で歩いて部屋に戻るのを認める」との言葉にやむなく同意した。
 
●「個別の事案への回答は差し控える」
 5月13日の公開ヒアリングの議題は、「収容施設でのコロナ対策」「仮放免の運用」「女性への暴力事件」の3つ。
 やはり、 議員、そして会場にいるジャーナリストから質問が集中したのは、特に「暴力事件」への質問。

「男性職員が女性に直接接触したのか」、「女性は懲罰房に入れられたのか」、「何が原因と考えられるのか」等々。

 それら質問への回答は、ごく簡単に書けば、「個別の事案への回答は差し控えます」というものだった。

入管庁出入国管理部警備課長の岡本章氏←入管庁出入国管理部警備課長の岡本章氏

 一つだけわかったのは、入管庁として暴力を受けたとされる当事者への聞き取りは行っていないとのことである。
 入管庁側の職員は本当に真面目そうな人。おそらく、余計なことはしゃべるなとでも言われてきたのかと思われるほど、具体的回答は一切なかった。
 ただし、18日の議員懇談会の結成集会の直後に公開ヒアリングは受けるとのこと。次回は具体的回答を期待したい。
 最後に自慢ではないが、石川議員は私が書く入管問題の記事を知っていた。なので、彼の行動の100分の1くらいは役に立ったのなら嬉しく思う。

閉会後に取材に応じる石川大我議員


 石川議員は、「これまでは議員がまとまって動いていなかった。それが今後できます。また私たちならこうやって入管庁職員を呼ぶことができるので、そこにメディアの皆さんがいれば、彼らが普段伝えないことも伝えてもらうことができる。一緒に頑張りましょう」とコメントした。

となりの難民
←入管問題に長年関わっている織田朝日さんの著書。足元の難民問題を平易な形で著した日本初の本。

月刊「世界」12月号
← 月刊「世界」12月号。ここに私の書いた入管問題のルポ。そして、仮放免者3組による座談会をまとめた記録を掲載しました。他の著者の原稿も熱いです。保存版の一冊だと断言しておきます。

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●大便を床になすりつける男性
 牛久入管で続く長期収容に苦しむ被収容者は少なくない。
 自殺未遂する人(実際に死んだ人もいる)、餓死した人、目の焦点が合わない人、頭を壁に何度も打ちつける人。

 私はこれまで延べ100人の被入所者に会ってきたが(活動家の数千人に比べればすごく少ない)、そういった精神問題を抱える人たちとアクリル板を挟んで対峙するたびに、こちらの心も疲弊するのを感じてきた。

 そのなかでも、極め付けともいえる事例が、やってはいけないとは判っていても、自分の大便を床などに塗り付ける異常行動をやめられなくなったことだ。
 昨年秋から排せつコントロールができなくなったトルコ人のYSさんは、紙パンツをはいていた。
 シャワーも1カ月も浴びていない、シャツも同じく1カ月も洗濯せずに着続けて黄ばんでいる。

「やってはダメとは私も判っているんです。でもやめられない。私は今すごく臭い。だから一人部屋に入れられています」

●「娘に会いたいが、会えば実情を知られる。だから会いません」

 昨年、いろいろなことがYSさんには会った。

 集団ハンストに参加して体重を減らし、やっとつかみ取った仮放免は2週間だけ。再収容の直前には、またお父さんが仕事に行くと思い込んだ娘さんたちが「パパ、行かないで!」と泣いた。
 再収容後は、突然、成田空港に連れていかれて、トルコ行きの飛行機に乗せられそうになったが、徹底拒否。
 娘には会いたいが、面会を受け入れてしまうと、娘たちは自分の実情を知る。だから会えない。
 
 その苦しみの日々のある日、突然、大便をあちこちに塗る行為が始まった…。

 どこかの反社会的組織がYSさんにそういう行為を強いているのではなく、法務省入管庁という日本政府の機関がYSさんを追いこんでいる。私はそれを怖いと思う。

 YSさんについて書いた記事はこちらを読んで下さい。

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取材のカンパをお願いいたします
 ここ数年、この場を借りて、広範囲な取材が必要となるリニア中央新幹線の取材についての、取材費カンパをお願いしてきました。お陰様で取材費の一部を賄うことが可能になっております。本当にありがとうございます。  しかしここにきて、新たに「入管問題」という、これまた取材時間と費用は掛かるけれど、ほとんど儲からない、だけど伝えなければならない事案と2年前から関わるようになりました。当初は、リニアの取材費だけでもお願いするのは申し訳なかったのですが、入管問題も長年の勝負になると決めてから、背に腹は代えられない以上はと、こちらの事案についてもご支援を呼びかけさせていただくことになりました。リニアでも入管問題でも、ご支援者には、記事の案内やデータ送付、はたまた単行本の送付などをさせていただきます。私の銀行口座は「みずほ銀行・虎ノ門支店・普通口座・1502881」です。私と面識のない方は、お礼をしたいので、ご支援の際に、できればお名前を連絡先を教えていただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  樫田拝
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