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樫田秀樹

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●NPO法人「ぼくいち」の票育

 「ぼくいち」という若者によるNPO法人があります。
 正確には「僕らの一歩が日本を変える。」
 ぼくいちは、22歳以下限定の学生が「若者と政治に新しい出会いを届けること」を目標に、中高生に「政治は身近だよ」と伝える活動を展開しています。

 ぼくいち、という名前は知らなくても、高校生と与野党国会議員とが毎年1~2回話し合う「高校生100人×国会議員」はよく報道されているので、ご存知の方も多いでしょう。
 ぼくいちは、ほかにも、未成年による「街頭模擬選挙」や、若者に政治に関心をもってもらおうと、「政治ゲーム」開発のための数十人での合宿など(残念ながら製品化には至らなかった)、常に斬新なアイデアで活動しています。

 しかし、これらの活動で見えてきた課題はいずれも「単発型」であること。そこで生み出されたのが、学校という公教育の場で模擬投票を経験する「票育」でした。
 これは、もちろん、その学校の協力、そして、その地域の選挙管理委員会の協力とで推進するものです。

後藤さんと票育←ぼくいち代表の後藤寛勝さん。

 とはいえ、模擬投票を実践する学校は昔から少数ながら存在し、18歳選挙権が認められたことで、今、全国の高校でも模擬投票を導入する動きはあります。
 しかし、ぼくいちが目指す票育はレディメイドではなく、すべて、その学校やその地域の実情に合わせたオーダーメイドであり、かつ、投票をゴールにしないことです。
 票育は昨年7月から始まり、12月21日、私はその11校目となる現場に立ち会いました。


●票育の現場

 昨年12月21日。
 この日、集まったぼくいちのメンバーは13人。
 都立葛飾商業高校(定時制)の体育館に集まったのは約100人の生徒、そして教師や選挙管理委員会。

円陣←円陣を組んで、票育への気合を入れるぼくいちのメンバーたち


 司会を務めるぼくいち代表の後藤寛勝さん(大学3年生。21)がまずこう尋ねました。

「政治に興味ある人は手を上げてください!」

 上げたのは少数。ざっと見た感じで2割くらいだったかと。

「OKです。これを今日は多くします!」

 と、後藤さんが話し出したのは「椅子」の話。

「みなさんが学校で使う椅子の値段を知ってますか?」

 スライドに1200円、2500円、7600円、1万4000円の4つの数字が並ぶ。4択問題だ。
 それぞれの値段だと思う生徒がバラバラと手を挙げる。

「はい、正解は7600円です。区の学校だけで2億5000万円になります」

椅子の値段


 こんな細かなことまで、ぼくいちのメンバーは調べているということです。
そんな情報に「へ~」と小さな声が会場から漏れる。

 そして現れたのは、大学生演じる、財源不足に悩む架空都市「ツカシカ区」の3人の区長候補者。3人は財源確保のためやるべき公約を述べるが、どれもけっこう「トンデモ」公約です。
 候補者Aは「図書館や街路樹の廃止」、Bは「赤字の病院廃止」、Cは「ゴミ収集廃止」。

トンデモ公約


 誰を選ぶか。生徒は7~8人ずつ輪になり、ぼくいちのスタッフが一人ずつファシリテーターとして議論を進めます。

 今回、ぼくいちのスタッフには二人の高校生が参加していました。その一人、芝浦工業大学柏高校2年生の小林毅大(たけひろ)さん(17)は、ぼくいちに入るまで政治にはまったくの無関心。
 ただ昨年8月、「高校生100人×国会議員」に参加したことで「意識がガラと変わりました」。

 自分と同じ高校生が、きちんと予習をしてきて、国会議員と当たり前に堂々と話し合うことを目の当たりにすると「政治は身近なんだ」と気づいたのです。
 その後、ぼくいちに本格参入し、「エンターテインメント性のある票育ならば若者を動かせる」と確信しています。

小林さん←パソコン片手にファシリテーターを務める小林さん。高校2年生。

 この「エンターテイメント性」も票育には欠かせない要素で、この3人のトンデモ候補もその一要素ですが、スライドの見せ方でも「ガチ、やば」などの若者言葉を駆使し、生徒たちが食いつくような仕掛けをいくつも考えているのです。

ガチやばい


 後藤さんがいうには、「僕たちのような、ちょっと年上のお兄さん、お姉さんが、同じ若者の乗りでやるから伝わる。そこが大事」。

 さて、公約発表の後、生徒たちは、7~8人ずつの班に分かれて、そこにぼくいちのスタッフがファシリテーターとして入ります。
どこの班でも、「東京に木は必要!」「木はいらないよ。病院を残そう」「隣の区の病院に行けばいいんじゃない」「ゴミ収集車は必要だよ」「民間に任せればいいじゃん」との議論が起こるのですが、必要に応じて、ファシリテーターが「でも、実際、ツカシカ区には予算がないんですよ。どうしましょうか」と議論が枝分かれしないように誘導する。
 実際、100点満点の候補者がいないので、なかなか結論が出ない。まあ、そこが狙いでもあるのですが。

 次いで投票へと移りますが、この投票所は葛飾区の選挙管理委員会が設置した本物です。選管の一人は「18歳選挙権が認められたことで、私たちも投票率アップを図りたかった。そこのところで、票育の情報が入り、これはいい、是非にとぼくいちに依頼したんです」と、票育への期待は大。

票育投票


 ところが、ぼくいちは、この投票でもって票育を終了するのではなく、次がありました。

 その後は「自分なら予算の何を削るか」と、区長を選ぶことから、「自分で考えて結論を出す」課題へと移り、ここで議論はさらに熱くなったのです。プールはいらない、信号機は不要、歩道橋は撤去しよう等々の不要論が出ては、いちいち「違う!」と異論が上がり、班によっては議論を楽しんでいるところもありました。

 新区長にはCが選ばれましたが、生徒の何人かに話を聞くと、投票よりも議論が楽しかったようです。じつはこれが表幾の狙いで、後藤さんいうところの、

「選択肢の限られた候補者選びよりも、自分でベストの解決案を出す」

 ということです。

 もちろん、最後まで議論に加わらず無関心な生徒も散見されましたが、議論を交わした生徒に話を聞くと、例外なく「今まで政治に無関心だったけど、少しだけ興味がわきました。参院選には行きます」と回答しました。

 とはいえ、課題はあります。
 新たに生まれる有権者は240万人。これを、ぼくいちの活動だけでカバーできるものではありません。

「だから望むのは、『若者と政治』分野で活動する同世代と手を組み、票育をパッケージ化して全国に波及させることです」(後藤さん)

 22歳までという条件があるため、後藤さん自身の活動もあと2年未満で終わりますが、ぼくいちの「熱さ」は私はけっこう好きです。 この票育の数日前のぼくいちのミーティングも取材しましたが、なかなかいい。「熱い」、「緻密」、「妥協を許さない」。

進行の要点←感心するくらいに、ぶれないポリシーを感じる。

 票育。これは、それほど目立たないけど、半永続的に続く運動のような気がします。

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2016/03/01 13:40 18歳選挙 TB(0) コメント(0)
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1都6県にまたがるリニア問題を一人で取材することは自分で選んだ道でありますが、それも多くの方から取材費カンパというご支援をいただいたからです。とはいえ、2022年末にその資金プールがついに底をつき、東京都や神奈川県以外の遠方への取材を控えざるを得なくなってしまいました。今一度、ご支援を賜りたくここにそのお願いをする次第です。ご支援者には、今年には発行予定のリニア単行本を謹呈させていただきます。私の銀行口座は「みずほ銀行・虎ノ門支店・普通口座・1502881」です。また100円からのご寄付が可能なhttps://ofuse.me/koara89/letter もご利用ください。私と面識のない方は、お礼をしたいので、ご支援の際に、できればお名前を連絡先を教えていただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  樫田拝
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