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 この文面、外部の人間が読んだらよくわからないけれど、もらった人はとても喜びます。 

家族へボーナス


 近々、ある媒体に記事を載せるので、現時点では企業名と社長名は隠しますが、千葉県にあるこの会社、数年ごとに社員の家族にボーナスを支給しているのです。会社は社員に支えられ、その社員を家族が支えている…との感謝から始めた制度です。
 この会社は、リサイクル関係の職種で、離職率はゼロ。月の残業時間は平均6、7時間。社員からは提案カードを提出してもらい、いい案があれば積極的に業務に採用する。業績は赤字になったことはゼロ。取引先とは常に現金決済。取引先の社員にも生活がある以上、手形などで待たすことはしない。
 社員や取引先を大切にする会社はけっこうあちこちにありますが、社員の家族にボーナスを支給する事例は初めて知りました。
 掲載が決まったら、お知らせもかねて、企業名と社長名も公開します。

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●第5回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞

 3月20日、東京都の法政大学で「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」の授与式が行われました。この大賞については、以前も書きましたが、最低でも以下の5条件を満たしていることが「応募要件」です。

1.リストラをしない
2.労災事故を起こしていない
3.障がい者の雇用率が法定(2%)以上
4.下請けや取引先を大切にしている
5.黒字経営を続けている

 加えて、「残業が少ない(概ね月10時間台まで)」、「地域社会への多大な貢献をしている」「何歳まででも働ける」「女性社員への産休や育休制度が充実している」などが「審査要件」として加わります。


●富士メガネ

 私の自宅近くには「富士メガネ」というメガネチェーン店(本社・北海道札幌市)がありますが、ここは第3回日本で一番たいせつにしたい会社大賞での最高賞である「経済残業大臣賞」を受賞した会社です。
 国内での客への丁寧なメガネ販売にも加え、1983年から31回(2014年3月時点)にわたり、タイ、ネパール、アルメニア、アゼルバイジャン、ケニア、タンザニアの途上国の社会的弱者(難民など)に対して、「モノが見えることで人生を助ける」との信念のもと、社員が現地に赴き、無料で検眼をし、13万7220組のメガネを寄贈しているのです。北海道の盲学校でも、拡大読書機や弱視機などを寄贈しています。 

 ちなみに、私も先日、新しいメガネを富士メガネで買い替えたのですが、接客態度や気配りは言うことなしでした。

●協和

 さて、話を戻すと、これら応募要件や審査要件を知ると、私の知人は一様に「日本にそんな会社があるのか!?」と驚きつつ半ば疑われます。
 しかし、本ブログでも書いてきたように、あるのです。

 私がもっとも印象強く覚えているのが、ランドセルなど鞄製品のメーカー「協和」の工場です。

 その工場で会った聾唖の男性は、当時69歳。その2年前に協和に就職したというので、じつに67歳で入社したことになります。しかも正社員で。
 その男性は、様々な事情があり、文字の読み書きを覚える機会もなく、障がい者が働く作業所を転々とする人生を辿ってきました。しかし、どうしても一社会人として生きてみたいとの希求の多いで協和との面接に臨むことになります。

 この熱意を協和は受け入れました。
 男性は今、仕事を覚え、活き活きと仕事をしています。当初は同席していた手話通訳者は今はもういません。会社の同僚が支えてくれるからです。

 同じ工場には知的障害をもった女性も精神障がいをもった人もいますが、皆が正社員として働いています。


●今年の大賞
 今年の受賞企業は13社。
 うち3社が福島県の会社です。

 大賞実行委員会が、応募要件や審査要件のなかで、特に意識しているのが、障がい者の雇用です。
 障がい者の雇用については、本ブログでも日本理化学工業について書いたことがありますが、今回の受賞企業もその例に漏れませんでした。

 今回「厚生労働大臣賞」を受賞した(株)クラロン(福島県。スポーツウエア製造業)は、本人が望めば何歳までも働けるのですが、現在の最年長者は78歳の女性営業課長!
 そして、その障がい者雇用率は35.3%。。

 障がい者のなかでも、働くのは無理なのではないのかと思われるのが、いわゆる「多動」や「奇声」をあげる人たちです。
 だが、クラロンにはそういう障がい者もいる。受賞スピーチで、田中寿美子社長は以下のことを話してくれました。

「会社には、就業中に突然奇声をあげる男性A君がいました。突然、動き回ったりもしました。そういうとき、先代社長である私の夫が、その男性を倉庫にまで連れて行って『ここで思う存分、大きな声を出してごらん。動いてごらん』と指導し、気が治まったら、A君はまた職場に戻りました。社長はそれを毎日続け、2年たつと、A君は奇声を出すことはなくなりました。そして、社長はいつも男性を落ち着かせるため、『はい、肩ポンポン』と言って、肩を叩いてあげていました。その社長が亡くなりました。私が社長をすることになりました。私は、本当に私で社長が務まるのかとの不安を抱えながら、社長としての第一目を迎えるのです。その日、私が出社すると真っ先に私の元に駆けよってくれたのがA君でした。そして、A君は『肩ポンポン』と言って、私の肩を叩いてくれたのです。その夜、私は感動に浸りました。夫の意思はA君にきちんと受け継がれていたのです」

 ブラック企業のニュースばかりを見聞していると、気が重くなりますが、日本にはまだまだこういう会社も数多いことはもっと知られてもいいかと思います。


●一覧表

 今回の受賞企業13社の詳細をいままとめる時間はないですが、授賞式で配布された資料のコピーを添付します。

第5回大賞1 第5回大賞2


 また、第1回~第4回の受賞企業について、私が簡潔に整理した一覧表も添付します。

大賞1~4-1 大賞1~4-2


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「日本でいちばん大切にしたい会社」など法政大学大学院の坂本教授の数々の著書から、選りすぐりの数社を漫画にしたのが本書。日本理化学工業の話は素直に泣ける(立ち読みできます)。たった一坪の店舗で年商3億円をあげる和菓子屋「小ざさ」、高齢者だけを雇用する「高齢社」など、そこには、人を徹底的に大切にし、不況を言い訳にしない企業の姿がある。



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●障がい者雇用率73%!

 以前、本ブログで、漫画で立ち読みできる「まっとうな会社」である「日本理化学工業」を紹介しました。
 この漫画に涙した人は数知れず。

http://grandjump.shueisha.co.jp/original/company/#page=1

 やはり現場に行かねばと、4月下旬、訪問してみました。

 日本理化学工業株式会社(神奈川県川崎市)は社員79人。うち58人が知的障がい者で、そのうちの25人がIQ50以下の重度障害をもっています。障がい者の法定雇用率は2%ですが、ここでは73%となります。

●慈善事業ではない。黒字経営

 ただ、同社で評価しなければならないのは、障がい者を慈善事業で雇っているわけではなく、ダストレスチョーク(粉の出ないチョーク)製造では日本のトップシェアを保っていることです。黒字経営を続けていることです。それがすごい。
 実際、働いている障がい者の方々は「プロ」でした。
 たとえば、チョークの原料の粉を機械でよく練ったあと、原料は別の機械に通されると、ところてんよろしく、三〇センチくらいの等間隔で切れ目がついた粘土状の紐になってベルトコンベヤーに流れてきます。
 ところが、担当の障がい者は、このフニャフニャの状態の紐を1ミリも曲げることなく、コンベヤーからトレイに15本をスッ、スッと移すのです。真っすぐのままだとしても、わずかに力を入れすぎれば細くなるのに、一本の狂いもなく、それを繰り返す。
 案内をしてくれた大山社長さんは「私にはとてもではないけどできない」。
 毎日見ていても、いつも感心するそうです。すごいと。

 そのトレイに乗った15本は乾燥機にかけられ、チョークの長さに裁断されるのですが、ここでも、この道30年のベテラン社員が、ほんのコンマ数ミリの狂いでもあれば、不良品に選り分けていく。私が見ても、さっぱり判らない。
 
 障がい者の方々が本来持っている能力の高さに驚かされます。


●「人に工程を合わせるのです」
 
 とはいえ、彼らができないこともある。たとえば読み書きであったり、計算であったり、精密機械を使うなどです。
 私が知りたかったのは、これをどうクリアするのかです。

 社長さんの答えは明快でしたーー「工程に人を合わせるのではなく、人に工程を合わせるのです。たとえば」

 と見せてくれたのは、チョーク一本がギリギリ入るほどの溝がある小さな箱。(写真はすべてクリックで拡大します)


DSC00437size.jpg


 JIS企画に従えば、チョークの太さで許される誤差は〇・五ミリ。この誤差を計測するのは通常はノギスという機器ですが、日本理化学ではこの箱を使います。
 箱に入らなかったら太すぎでダメ。箱に入っても、下まで落ちたら細すぎてダメ。箱の途中にある小さな段で止まってくれたらOKです。

 量りにも工夫が施されていました。数字が読めなくても、必要な分量分の色付きの重りを作り、たとえば「赤い重りと赤い材料とが釣り合えばOK」と教えるのです。

DSC00439size.jpg


 ところが、考えてみれば、健常者にしても、いちいちノギスで図るよりも、この箱のほうが便利なわけで、日本理化学が確信しているのは「障がい者が使えるものは、健常者にも使いやすい」ということでした。


●究極の幸せの4条件

 あの現場には心地のいい緊張感が走っていました。誰も無駄話をしない。サボらない。一心不乱に黙々と、真剣に製品作りに取り組む。本当にいい勉強になりました。
 大山社長のポリシーは、毎年1~2人は入る障がい者の社員に対して、「60歳までは働く覚悟を。私たちもそれが可能になる後押しをする」と、慈善事業ではなく、強い経営を目指していることです。

 大山社長の名詞の裏側には以下の文言が記されています。
「人に愛されること」
「人にほめられること」
「人の役に立つこと」
「人から必要とされること」

 これは先代社長(大山社長の父)が専務時代の1959年、初めに雇った知的障がい者の女性二人が、単純作業をなぜあんなにも活き活きとこなすのかとの疑問を知り合った僧侶にぶつけたとき、僧侶はこう答えたといいます。

「それは当たり前のことです。人間の究極の幸せは、一つは『愛されること』、二つ目は『ほめられること』、三つ目は『人の役に立つこと』、四つ目は『人に必要とされること』の四つです。施設では愛されこそすれ、ほかの三つは働くことで実現できるのです」
 そうか! この言葉に目を開かれた大山専務は、以後、積極的に障害者の雇用を進め、さらには、企業としても業界トップになるなど、障がい者とともに会社を強くしてきたのです。

DSC00458size.jpg ← これは同社のヒット商品「キットパス」。窓ガラスなどツルツルした面にも書ける筆記用具で、さっと一拭きで簡単に消せる。

 日本理化学工業がほかのまっとうな企業から尊敬されるのはそこに理由があるのです。
 以下の2誌に日本理化学工業が描かれています。どちらも素直に泣けます。

 ちなみに、これらまっとうな企業の特集ページを組んだ月刊「望星」(東海教育研究所)は来週あたりの発売となります。



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 ここでのお知らせが遅れましたが、2週間前の10月15日発売の週刊プレイボーイに「日本で一番大切にしたい”ホワイト企業”をめざせ!」という12ページの特集記事が載りました。
 私はこの半分くらいを執筆しました。

 ホワイト企業とは、ブラック企業の対極にある「まっとうな会社」のことです。
 昨今、マスコミではブラック企業がブームのように報道されておりますが、そんな会社ばかりではない、社員や地域を徹底して大切にしている会社もあるのだということを企画に出したところ、面白いということで企画が通り、取材に至った次第です。

 しかし!

 この取材は難航しました。
 というのは、取材申請しても、ほとんどの企業が「いやあ、当社はそんなに人様にほめていただくような会社じゃありません」「過大評価してもらうことに危機感を覚えますので」「当たり前のことをしているだけですから」と心からの謙遜で取材を受け入れてもらえなかったのです。奥ゆかしすぎます。

 それでも、数社が取材に応じてくれ、実際に、その現場に行きましたが、何度もブラック企業を取材してきた私にすれば、ただ「共感」の一言の取材でした。


●67歳の障害者が正規雇用された

 まず驚いたのが、ランドセル製造では業界第二位の「協和」です。
 ここの千葉工場での障害者の雇用率は3.33%。法定の2%を大きく超えています。
 何に驚いたかというと、2年前、市役所からの紹介で面接した障害者を正規雇用した事例です。
 
 その人、Nさん(雑誌では本名を掲載)は、生まれつき、耳も口も不自由で、さまざまな事情で学校で学ぶ機会も得られず、仕事といえば、障害者の世界ではよくあることですが、社会との接点のない作業所のようなところを転々としていたそうです。

 しかし、2年前、本人が「どうしても一社会人として働きたい」と地元の市役所に相談。市役所は協和に「どうでしょうか」と打診。
 そして、協和千葉工場の小森規子工場長が面接。
 本人の労働への渇望を汲みいれ、正社員として採用したのです。

 普通、どの企業でも、60歳で定年退職し、嘱託として働くにしても65歳まで。
 ところが、協和では、67歳の、手話以外のコミュニケーション手段がない障害者を、アルバイトではなく正社員として採用したのです。

 就労当事は手話通訳者も同席していたらしいですが、今では裁断の仕事を覚えた69歳のNさんは、言葉でのやりとりはできずとも、阿吽の呼吸で周囲の人たちと作業をしていました。

 Nさんだけではありません。協和でも、一応、60歳で定年退職、以後は一年契約で65歳までとの決まりはあるようですが、実際は、本人が望めば、何歳までも働けます。実際、70代の社員もいました。

 リストラはしたことは?

「ありません。若松種夫社長の口癖は『社員をクビにするなら会社をやめる』です。社員を大切にすることを第一に考えています」(小森工場長)

 協和は残業はほぼゼロ、もちろんサービス残業もゼロ、材料の取引先とは現金取引。
 ランドセルは春から夏はほとんど売れません。つまり、その間の収益は落ちるのですが、ランドセルの製造は続けなければなりません。会社にすれば、材料の取引先とは手形決済などにしたほうが楽なのですが、「取引先の社員の生活を思えば現金取引しかない」と自社のみならず、他社のことも考えているのです。

 おそらく、かばん業界では、協和は取引先と現金取引している唯一の企業かもしれません。

 さらに協和は、障害児のためのランドセルを一つ一つオーダーメイドしています。
 手間がかかるのに、ランドセルの値段は、量販品と同じか安い。ここにも会社の良心が現れています。

サリドマイド児用ランドセルsize ← 腕のないサリドマイド児用のランドセル。体の成長に合わせての調整も可能だし、修理も随時受け付ける。

感謝状size ← もてると思っていなかったランドセルが入手できたことでのお母さんからの感謝の手紙。


 心が晴れ晴れとするような取材でした。


●坂本光司教授の挑戦

 法政大学大学院政策創造研究科の坂本光司教授は、40年以上もかけて6000社以上の中小企業を訪問してきました。
 そこで得た結論があります。

「社員や地域や取引先を大切にする会社で潰れた会社はない」
「赤字にもならない」

 ということです。

 坂本教授が、それを著した「日本でいちばん大切にしたい会社」(あさ出版)はこれまで3巻出版され、60万部のベストセラーとなっています。

 このなかで、坂本教授は「『お客様が来ないからつぶれた』『売り上げが減ったからつぶれた』というのは結果現象です。内部のどこかに重大な問題があったからこそ、お客様が来なくなり、売上高が減少してしまったのです(中略)もっとはっきりいえば、社員の帰属意識ややる気の問題です。会社に対する社員の不満・不平・不信感が、大きな原因の一つなのです」と書いています。

 「日本でいちばん大切にしたい会社」はお求めになって読んでもらうしかありませんが、今すぐ、読みたいという方は、以下のサイトを見てください。
 坂本教授のいろいろな著書から、いくつかの企業を選りすぐり漫画となったのが「世界に大自慢したい日本の会社」(集英社)です。
 そこに納められた企業の一つの「日本理化学工業」の話を立ち読みできます。
 正直言いますと、坂本教授の著書でも、この漫画でも、この企業のことを読むと涙が出ます。
 

http://grandjump.shueisha.co.jp/original/company/#page=1

 人を大切にする。それが企業なのだ。そして、日本の中小企業には、そんな企業がじつは数多くある。そこに日本再生の鍵があると私は感じています。

 まっとうな企業については、書いたらきりがないので、本日はこのへんにしておきます。


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