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取材しても、記事にできる情報は1割未満。しかし捨てた9割にも、伝えられるべきものがあります。ボツになった企画も数知れず。そんなネタを紹介します。なお、本ブログの文章と写真の無断転載はお断りします。ご利用希望者合はご一報下さい。
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樫田秀樹

Author:樫田秀樹
フリージャーナリストです。今まで書いた記事を整理したHP「樫田秀樹の記録部屋」と併せておつきあいください。なお、本ブログの文章と写真の無断利用はお断りいたします。使用されたい方はご一報ください。

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以前取材した「社員と地域を大切にする」会社、宇都宮市のアップライジング社が取引先のロシア人からマスクを大量入荷。1袋10枚で税込み830円。3袋までOKとのこと。とにかく社会貢献に燃えている会社なので、儲けはほとんどないそうです。在庫あるかは確認してみてください。マスク販売のお知らせはこちらです。

 なお、同社について私が書いた記事はこちらでご笑覧くださいませ。

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●出所者を積極的に採用する
 本日、社員を大切にする会社のシリーズとして、大阪に本社のある「千房」(お好み焼き)についての記事を週刊プレイボーイの電子記事で掲載しました。
 ここも以前取り上げた「北洋建設」同様、刑務所などの出所者を積極的に採用する会社。

 購読はこちらからどうぞ。

 約10年前、受刑者を初めて受け入れる前、役員会議では「そんな人たちを雇ったらお客が来なくなる」「いや、あの千房が受刑者を採用したことで受刑者の偏見が減る」などの意見が出たが、最後にまとめたのが社長の一言だった。「すべての責任は私が取る!」。
 社長は幹部社員にこう言ったのだ。
「これは企業にとって得か損かではなく、善か悪かで考えたらどうや? 言うまでもなく善やろ。だったら、やろう。ここにいる幹部のキミたちはどうやってここまでになれたと思う? どんなに能力があったからて、誰かの引き立てがなければ人は輝かへん。経営も教育もマラソンではなく駅伝や。自分がしてもらったことを次にバトンタッチしてあげたいと思わないか? 過去は変えられなくても、未来と自分は変えられる

 自身も中卒でありながら、いろいろな人に助けられてきて、千房を興し、会社を大きくしてきたその経験から出る言葉は重い。今回は前編。後編は来週です。


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●震災と原発事故で廃業寸前の会社が、新人ばかりの布陣で復活

 2月末に取材した自動車部品リサイクル会社の「ナプロアース」(福島県伊達市)は3.11の地震と津波、そして原発事故で社屋が潰れ、社員の多くが県外避難しても、池本篤社長が「福島から逃げない」と決め、新しい社屋での再起を果たした会社。
 
  池本社長は、震災前は社員を叱り飛ばしての営業アップを図っていて、振り返ると「ひどい社長」だったとのこと。あの朗らかな話しぶりからは想像もできません。
 
 たが、3.11直後は多くの社員や企業に支えてもらったことで、心がつながる経営こそが大切だとして、絶対に社員を尊重する会社に生まれ変わろう! と決意。その結果、3.11からの1年間で、車のリサイクルがまったく初めての社員が8割も占める新布陣でも過去最高収益を叩きだしました。
 
 このネットニュースで配信中です。

 ちなみに、同社の池本篤社長は、0円査定が当たり前の廃車を適正な値段で買い取ろうという「廃車ドットコム」(現在53社加盟)を設立していて、これはヤクザ系の会社から恨まれ身の危険を感じながらも、貫き、今では全国に連絡網を持ち、車を売る人からは感謝されております。

 さらに、これは初耳情報でしたが、車のユーザーが車を廃車するとき、まだ重量税や自賠責保険の有効期間が残っているはずですが、本来、その分はユーザーに還付されるべきお金です。
 ところが、自動車業界では名義を会社のものに代えて、その分を自分たちのものにする悪しき慣例が残っているとか。
 ナプロアースも廃車ドットコムに加盟する会社はそれも還付しています。
 
 廃車するときは「重量税や自賠責の残存分を還付してください」と伝えましょう。



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●日本で唯一の、障がい者・児が加入できる保険会社

 本日は、障がい者・児が加入できる保険会社「ぜんち共済」を取材しました。

 障がい者・児には突然パニックになると器物損害する行為が少なくありません。そのたびに親御さんたちは自腹で弁償し、ひたすら頭を下げているのです。
 また、健常者にとってはすぐに治る病気でも、障がいによっては自分で説明できないため、重篤化してからやっと周囲が気付いて治療を受けるのですが、その場合でも、常に声を発している人ならば個室ベッドをあてがわれるなど、親御さんは経済的に苦しい立場に置かれています。

 だが、日本では、どの保険会社も障がいをもつ人の保険加入を拒んでいます。保険金の支出が健常者よりも多いから儲からないからとみているからでしょう。
 
 「ぜんち組合」のことは近々あるところで記事にするので、本日はその宣伝ということで、サラリと書きます。

 ぜんち共済の榎本社長は「保険は人を幸せにできる」との信念で08年に会社を立ち上げます。

 とはいえ、その設立は山あり谷ありの毎日で簡単に設立をさせてもらえなかったそうです。

 会社を登録してもらうため金融庁に出向いても、毎週1回の折衝では、金融庁側から新たな課題を突き付けられ、そのたびに国会図書館で資料を集め、福祉施設に聞き取りに行き、法律に抵触しないかを勉強し、書類を作成。だが、何度も突き返される。

 障がい児の親御さんからの期待の声も徐々に辛くなる。

 起業に必要な金も集まらない。ほとんど日本初となる会社が果たしてできるのか、できても続くのかとの疑問から誰も金を出そうとしなかったのです。

 金策の失敗を社員に報告すると「ああ・・」とのため息が電話の向こうから聞こえてくる。

 こういった右も左も負の要因に満たされると、ついに榎本社長はうつ状態に陥り、自死を考えるに至ります。

 ただ、最後の最後でようやく資本金7500万円も揃い、2008年2月、ようやく少額短期保険業者として登録されるのです。

 今、契約者数は4万人を突破し、毎年5000件以上の保険金を支払っている。そのたびに、とくに障がい児の親御さんから「本当にありがとうございます!」の言葉が返る。つくづく、人を幸せにするという信念が実った仕事です。
 
 ぜんち共済のHPは こちらです。

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●受刑者と刑務所で就職面接する
 久しぶりに刺激的な会社を取材しました。
 おそらくは全国で唯一、受刑者を「積極的に」雇用している会社です。
 北海道札幌市の建設業者の「北洋建設」には毎日のように刑務所の受刑者から「採用の相談に乗ってください」との手紙が届きます。

小澤輝真社長←小澤輝真社長

 小澤輝真社長はやる気ありと見た手紙の主に会いに行くために、直接刑務所に行く。九州にだって行く。

社会復帰を求める手紙1 社会復帰を求める手紙2←社会復帰を求める手紙

 ただし、小澤社長は5年ほど前に「脊髄小脳変性症」という不治の難病に罹患し、余命ある身です。この病気はALSにも似ています。大脳はしっかりしたまま、つまり思考は保たれるけど、小脳が委縮するために、言語障害や体の機能障害が現れる。昨年までは杖で歩けた小澤社長も今では車いすか、両脇を支えてもらっての移動を強いられています。言葉も今はなんとかコミュニケーションが取れますが、一部、発音不明瞭になるときもあります。

一人では歩けない←病気のため、歩くときは車いすか、両脇から支えてもらうしかない。

 つまり刑務所に面接に行くには、もう一人の社員の同行が必要となり、九州には往復で24万円もかかりました。
 国の制度で月8万円は出ますが、まったくの赤字。受刑者が北洋建設で働く場合は、その刑務所から札幌までの交通費も会社が負担。それでも北洋建設は受刑者雇用にこだわり続ける。

 面接はアクリル板超しではなく、普通の部屋で直接受刑者と向かい合う。30分も話し合えば、受刑者が本気で罪を反省しているか、本気で働きたいと願っているかがわかり、その場で実質的な採用通知を伝えることもあるそうです。
 身受け保証人になるのはもちろんです。

●仕事があれば再犯には走らない

 ちなみに、このことは某月刊誌に書く予定なので、ここで詳しく書いては編集者に起こられるので、宣伝ということで、ごくごく簡単に書きます。

 なぜ受刑者を雇用するのか。
 北洋建設は、先代社長(小澤社長の父)が創業したころから、受刑者を受け入れてきましたが、どちらかというと人手不足を解消する目的があったようです。物心ついたときから、会社に前科ある人たちが当たり前に仕事をするのを目にしてきた小澤社長にはそれが普通の会社の姿と思っていたようです。
 しかし、26年前、小澤社長が17歳のときに先代社長が同じ「脊髄小脳変性症」の闘病生活の末に死去(この病気は3分の1が遺伝性)。享年48。高校を中退し違う会社で働いていた小澤社長は、18歳で会社を継ぐことを決意します。
 
 そして厳しい修行を経て一人前の経営者へと育つわけですが、気づいたのは、それまで当たり前と思っていた受刑者の採用が、世間を見渡すと、自分の会社しかしていなかったことです。
 現在、小澤社長が受刑者を受け入れるのは人手不足が理由ではなく、
★仕事さえあれば、人は再犯をしない。仕事がないからやむを得ず、再犯をする。
(日本の再犯率は48%!)
★受刑者は概して熱心に働く。
 との信念があるからです。
 北洋建設は全社員が約60人ですが、このうちの4分の1の15人が元受刑者です。ここでは、入社時にその過去は隠しません。というか、入社したその日に歓迎会がある。
 今回、小澤社長と一緒に会ったのが、殺人未遂で5年間服役していたKさん(実名も顔出しもOKですが、インターネットでは、その特性を考え、私の判断で匿名とします)です。

元受刑者とKさん。「私は罪を一生背負って生きていきますが、私をわだかまりなく受け入れてくれた会社には本当に感謝しています」

 受刑者がもっとも困るのが、出所しても、住所がない以上、仕事に就けないことです。
 だから、多くの出所者がやむなく再犯する。とくに北海道のように冬の野宿が無理な地域では、3食あり、冷暖房もあり、風呂もある刑務所に行ったほうが「生きていける」のです。
 Kさんは刑務所内で出所後の生活を何パターンかで想定していましたが、北洋建設のポリシーに共感。何せ社長が直接面接に来て、就職初日に会社の有志が歓迎を会を開催してくれる。
 小澤社長は断言します。
「いい人ばっかりだ。社会的に犯罪を起こさざるを得ないんです。でもみんな立ち直りたいと思っている。ここで一所懸命働けば、絶対に再犯はありません」
 北洋建設では、12人の寮があり、3食付き。このうち半分が元受刑者。

●裏切られても信じ続ける

 では、なぜ北洋建設のような会社が他にはなかなか見当たらないのか。
 実際の前科者である社員は「経営者にその度量がないから」。
 どういうことかというと、これまで北洋建設ではこれまで500人を雇い入れていますが、その多くが、自分の道を見つけて発展的に退職したり、あるいは、途中でいなくなる人も多い。

「なかには、仕事途中でコンビニのトイレに行くと言って、そのままいなくなる社員もいます。そうなると、車両の運転者がいなくなるので、その日の仕事が困る・・というケースも多々にありました」

 またなかには1年以上も出所前にやりとりをして会社に迎え入れる段取りをしていたのに、出所当日、一言もなくドタキャンする人もいる。

 それを何度も繰り返されたら、普通の会社なら「もう引き受けるのはやめよう」となります。でも北洋建設では、それでも受刑者の受け入れを止めない。
「数少なくても、育ってくれる社員を見るのは嬉しいんです」

毎日手紙が届く北洋建設には毎日受刑者から手紙が届く。


 おそらくは、北洋建設が素晴らしい会社・・ということよりも、素晴らしいと思えるほど、他のほとんどすべての会社が受刑者に対して更生の道を用意していないことも問題にすべきです。
 そして、一度罪を犯した者を徹底して許さない日本の風土もまた、受刑者を再犯に走らせているとも思います。つまり、私たちも悪い(もっとも、そういう私だって、あの犯罪だけは、あの犯人だけは許せない・・と思う事件はあります)。

●加害者家族への民度が冷たい日本

 「加害者家族」(鈴木伸元著。幻冬舎新書)という本があります。
 これは、その名の通り、加害者として服役した人たちの家族の末路(自殺、離婚、転校、婚約破棄、転職等々)を描いた本ですが、私が一番衝撃的だったのが、アメリカにおける加害者家族への世間の目です。こう書かれています(概要)。

――ここからーー
 1998年に高校で銃乱射事件が起きた。マスコミは加害少年の実名や写真を報道した。実名が報道されたことで、母親の元にはアメリカ全土から手紙や電話が殺到した。手紙は段ボール2箱に及ぶ数だった。
 だが、その中身は、加害少年の家族を激励するものばかりだったのだ。
「今あなたの息子さんは一番大切な時なのだから、頻繁に面会に行ってあげてね」、「その子のケアに気を取られすぎて、辛い思いをしている兄弟への目配りが手薄にならないように」、「日曜の教会に集まって、村中であなたたち家族のために祈っています」等々。

――ここまで

 アメリカで起こる犯罪はとんでもないものが多いですが、加害者家族に対するこの民度の差は雲泥の違いです。
 日本で再犯が多いのは、一つには、家族が周囲からつらい目に遭っているがために、もう故郷には帰れない。つまり、頼る場所の一つに頼れないためという背景もあるようです。

 北洋建設、引き続き、取材をしたいと考えております。

 ←「加害者家族」。日本での加害者の家族が置かれた立場がわかる。
取材のカンパをお願いいたします
 ここ数年、この場を借りて、広範囲な取材が必要となるリニア中央新幹線の取材についての、取材費カンパをお願いしてきました。お陰様で取材費の一部を賄うことが可能になっております。本当にありがとうございます。  しかしここにきて、新たに「入管問題」という、これまた取材時間と費用は掛かるけれど、ほとんど儲からない、だけど伝えなければならない事案と2年前から関わるようになりました。当初は、リニアの取材費だけでもお願いするのは申し訳なかったのですが、入管問題も長年の勝負になると決めてから、背に腹は代えられない以上はと、こちらの事案についてもご支援を呼びかけさせていただくことになりました。リニアでも入管問題でも、ご支援者には、記事の案内やデータ送付、はたまた単行本の送付などをさせていただきます。私の銀行口座は「みずほ銀行・虎ノ門支店・普通口座・1502881」です。私と面識のない方は、お礼をしたいので、ご支援の際に、できればお名前を連絡先を教えていただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  樫田拝
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私が原発を止めた理由
3.11以後の原発裁判において、初めて運転差し止めを命じた判決を出した裁判長が、退官後の今、なぜあの判決を出したのか、なぜほかの裁判では住民は敗訴するのかを説明している。
超電導リニアの不都合な真実
リニア中央新幹線の問題点を『技術的』な側面から、極めて客観的に情報を分析しその発信に努め、リニアの実現性には課題ありと論じている。難しい専門用語を極力排し、読み易さにもこだわった良書。
リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」
リニア中央新幹線を巡る問題を語らせては、その理論に一部のすきも見せない橋山禮治郎氏の第2弾。このままでは,リニア計画とJR東海という会社は共倒れになることを、感情ではなく、豊富なデータを駆使して予測している。必読の書。
自爆営業
国会で問題にされても一向に改まらない郵便局の自爆営業。年賀状1万枚、かもめーる700枚、ふるさと小包便30個等々のノルマはほぼ達成不可能だから、ほとんどの職員が自腹で買い取る。昇進をちらつかせるパワハラや機能しない労組。いったい何がどうなっているのか?他業種の自腹買取も描いている。
アキモトのパンの缶詰12缶セット
スペースシャトルの宇宙食にもなった。保存期間は3年。しっとりおいしい奇跡の缶詰。24缶セットもある。
共通番号の危険な使われ方
今年10月に全国民に通知され、来年1月から運用が始まるマイナンバーという名の国民背番号制度。その危険性を日本一解かり易く解説した書。著者の一人の白石孝さんは全国での講演と国会議員へのアドバイスと飛び回っている。
マグネシウム文明論
日本にも100%自給できるエネルギー源がある。海に溶けているマグネシウムだ。海水からローテクでマグネシウムを取り出し、リチウムイオン電池の10倍ももつマグネシウム電池を使えば、スマホは一か月もつし、電気自動車も1000キロ走る。公害を起こさないリサイクルシステムも矢部氏は考えている。脱原発派は必見だ。