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樫田秀樹

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●都会でもCSは治る

前回、CSは治ることを書きました。
 ただ、読者によっては、「それは、南会津町という田舎だからできたんだ」と思う人もいることでしょう。

 ですので、今回は、都会でもCSは改善することを書いてみます。

 CSに罹患した場合の対策は基本的には次の三つ。

1.「化学物質の環境からの避難」
2.「農薬薬・有機食品の摂取」
3.「発汗し、化学物質の体内からの排出」

 これは都会でも一緒です。

 大阪市の都心に「吹角アレルギー科」という、CSを診療するクリニックがあります。
 地下鉄「天満橋」のすぐ近く。間違っても空気がおいしい環境ではありません。
 しかし、クリニックに一歩入ると、無垢の材木をふんだんに使った待合室が広がり、空気清浄機がフル回転しているため空気の汚れは感じません。
 院長の吹角先生は「都会でもこうやって空気清浄機を使えば、少なくとも、施設内では普通の社会人として生きることができます」と断言します。
 つまり、山の中に引きこもることはないのだと。

 また、CSにならない予防策として、「家を建てる場合は、なるべく化学物質を使わない建材を使用する工務店を探す」、「新築やリフォームの家には、すぐには入居せず、化学物質を十分に揮発させてから」などのアドバイスも行なっています。

 もちろん、外の移動が辛いのが都会の難点ではありますが、空気清浄機を入れることで、CS対策の「1」はある程度達成できます(電気代かかりますが)
 そして、都会であれ「2」の「無農薬・有機食品の摂取」も可能です。
 では、「3」の発汗をどうするか?

 現在、東京都町田市に住む石川七海さんは10年ほど前、突然、ペンキの匂いを契機ににCSを発症。
 赤ちゃんがオシッコすると、布オムツから漂う漂白剤に反応し、道の排水溝から漂う合成洗剤や柔軟剤などの匂いにも気分が悪くなり、そのうち、その匂いで、その洗剤の商品名までわかるようになるほどに化学物質に過敏になりました。

 このときから、彼女が選んだ方法は都会に住むCS患者のお手本の一つになるかと思います。

 都会でも、CS濃度が低くなるときがあります。それは、多くの人が寝静まる夜です。車の数は激減し、稼動する工場も減り、合成洗剤で洗濯する人もいなくなる。多くの人が活動を始める前の夜明けあたりが、もっとも化学物質の濃度が低くなるときです。
 午前4時か5時。ほとんどの人がまだ寝ている時間に七海さんは起きてジョギングを始めました。たっぷりと汗を流し体の中の毒素を排出します。
 また、お風呂の浴槽の蓋にも工夫を凝らして、時分の頭だけが出るような穴を作ります。つまりお手製のサウナです。
 もちろん、浄水器を設置して、飲料水も洗濯水からもすべて塩素や化学物質を除去する。

 またその頃、町田市で化学物質を極力使わない木造マンションが建設されようとしていて、ここに転居したことも幸いでした。

 近所から漂う洗剤の匂いでその商品名をピタリと言い当てたその「特殊能力」は既に過去のものとなりました。つまり 体調が改善したのです。

 七海さんも、池谷さん同様「CSは治るんです」と断言します。

 もちろん、重度のES(電磁波過敏症)の人は空気清浄機の使用も難しいので、まずは、山の中やあらかい健康キャンプ村に向かう必要はありますが、要は、CSを治すには、個々の体調と相談しながらいろいろな方法を組み合わせるということしかありません。

●EUのリーチ(REACH)

 CSは治らない。だから、化学物質を極力使わない社会を創ろう・・という主張は正論ではありますが、現実的ではありません。
 もちろん規制は必要です。
 たとえば、EUは新しい化学物質管理制度「REACH」を2008年から導入しました。
 REACHとは、簡単に言えば、化学物質を扱う事業者自身が、化学物質の無害性を証明して監督官庁に届け出るという制度です。
 日本もこれに倣うのでしょうか?

 話を戻すと、この一般社会が化学物質不使用の社会になるのは現実的ではありません(理想としてはそうですが)。だが、社会が変わらなくても、CSの自分たちは前に進むことはできる。
 それを実践しているのが、池谷さんであり、石川さんであり、化学物質を使わない住宅作りをする設計士や工務店であります。


●必要なのは理解

 ともあれ、CSという病気があるという周知は必要です。
 理解がないと、外見上の症状がないCS患者は「怠けたがっているだけ」「無気力」「けったいな病気だ」「うつ病」だと、家族にすら見放されることがあります。

 だから、CSのことを隠さず、逆に理解に勤めてもらう努力は必要です。

 新潟県のある小学校では、CSに罹患した児童のために、トイレからすべての芳香剤を撤去。掃除もワックスを使わず石鹸系の洗剤を使用。職員の整髪料は禁止。化粧は天然由来成分のみ。CS児童のために特別教室も用意するなど、たった数人の生徒を排除することなく大切に扱っています。

「トイレは、だから、ちょっとくさい。でも、健康には換えられませんね」(校長)

 これも児童の保護者と丁寧に話し合った結果です。
 話し合いで、日本全体は無理でも、身の回りの環境であれば変えられるのです。

 ただ、CS患者を取材して思うのは、それも症状の一つなのですが、まれに、攻撃的になる人がいます。また、罹患した子どもを守るために、お母さんがやはり周囲に「化学物質を使うな!」と攻撃的になる場合もあります。
 理解しない一般市民と、怒りで理解を求める当事者や保護者。これでは理解は成り立ちません。

 まずは穏やかに話し合うこと。ここから理解が始まるのだと思います。

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●化学物質化敏症の人たちが暮らす「村」

 2月1日。
 福島県南会津町に行きました。
 私は普段から、石鹸シャンプーで洗髪し、純石鹸で体を洗いますが、加えて、今回の取材では、その1週間前から、取材当日に着る衣服を粉石けんで洗っては天日で干す作業を繰り返しました。手渡す名刺も、何日も日干しにしてインクを揮発させ、取材日には整髪料をつけずに移動しました。
 これらの作業を怠ると、今回の取材対象者のなかには、衣服や整髪料から揮発する微量の化学物質に体調を崩す怖れがある人がいるかもしれないからです。
 さらに、電車での移動だったのですが、電車は毎日、殺菌剤や洗剤などで清掃されているので、移動中に衣服に移ったであろうそれら化学物質を揮発させるため、「会津高原尾瀬口駅」から徒歩で約25分歩いて、取材先の「うつくしまロハスセンター」に向かいました。

 ここでは、「治らない」と言われている化学物質過敏症(CS)から「回復した」人たちが働いています。


●CSとは
 
 今回の取材目的は、これでした。

 CSは、ひとたび罹患すると「完治は無理」「社会復帰は無理」と言われています。実際、多くの人が、学校生活を社会生活を諦めています。
 これに「違う。CSは治る。社会参画だってできる」と挑戦を続けてきた1人が、ロハスセンターで働く池谷純仁さんです。

 CSと言われてもピンと来なくても、シックハウスと聞けば「ああ」とうなづく方も多いかと思います。
 ただし、シックハウスだけがCSではありません。
 CSになる要因は人さまざまで、合成洗剤、芳香剤、防虫剤、消臭剤、接着剤、インク、農薬、食品添加物等々、無限に存在します。
 しかも、健康な人でも、ある日突然発症し、その症状も、アトピー、鼻炎、気管支炎、頭痛、下痢、関節痛、筋肉痛、目のかすみ、突然の不安感、イライラ、文字を認識できない、1分前に言われたことを忘れるなどこれまた無限です。

 現在、日本には軽度も含めると、CS患者は約70万人いると推計されています。
 しかし、あくまでも推計であり、実際の数は分かりません。なぜなら、数年前にCSは公的医療保険の対象になったものの、正確にその人がCSだと診断できる病院は日本に一つしかないからです(東京都の北里研究所病院)。

 CS患者も重度になると、はるか5キロ先で使われる農薬の匂いに倒れ、近所の排水溝から漂う洗剤の匂いにも倒れます。本当に意識不明になる人もいます。
 ある患者は、CSになってから、徹底して無農薬・無添加の食品を摂取するようにしているのですが、ある日、宅配された無農薬ジャガイモのダンボール箱を受け取ったとたんに倒れました。送り主の手違いで、無農薬ではなく、減農薬、つまりわずかでも農薬を使ったジャガイモだったからです。
 そして、その無農薬ジャガイモにしても、宅配をしてくれる配送員が整髪料をつけていたり、はたまた、その制服が合成洗剤で洗ったものであればやはり倒れてしまうので、配送員は、整髪料なし、粉石けんで洗濯した服で臨まねばなりません。

 こういう人たちがいったいどうやって生活しているのか? いくつかパターンがあります。

1.隣の家まで数キロという山のなかに移住する。古い民家なら化学物質も揮発しているので住むには問題ない。ただし、近くで農薬を使っていれば暮らせない。また、家族ごとの移住は非現実的。CSを発症したのが誰であれ、その家族で、町での仕事を続けたい人、収入のため続けざるを得ない人もいるからだ。
 CSを発症した子どもに、母親が付き添う形での移住がパターンか?

2.自宅にこもる。その場合は、空気清浄機を24時間回しっぱなしにする。

3.上記、ロハスセンターからさらに30分ほど歩いたところに、池谷さんが運営を任されている「町営あらかい健康キャンプ村」で数ヶ月暮らして、体の中の化学物質を出し切る。

 CSに罹患した場合の対策は基本的には次の三つです。
1.「化学物質の環境からの避難」
2.「農薬薬・有機食品の摂取」
3.「発汗し、化学物質の体内からの排出」

 ところが、ここで問題が。

 それは、CSに罹患すると、低くない確率で「電磁波過敏症」(ES)にも罹患することです。化学物質と同時に体内にたまった重金属が影響するといわれています。
 これにかかると、上記、空気清浄機の使用は無理になります。電子機器は電磁波を出すので、それに七転八倒の苦しみを味わうからです。

 知人の女性は、CSとESの両方に罹患したのですが、苦しいのが夏でした。

 熱帯夜には熱いからエアコンを使いたい。しかしESなので、扇風機すら無理。だから窓を開ける。すると、近所の農薬や洗剤の匂いが漂ってくる。だから、窓を閉め切った高温多湿の状態のなかで眠れない夜を過ごすのです。

 ただ、CSと診断された人は、少なくとも上記3つを実践することで、ある程度の改善が見込まれるだけに、まだ助かる道はあるといえます。
 同情すべきは、どこの病院に行っても診断がつかず、それこそすべての科をあてもなく漂う人々です。
 皮膚科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、内科、物忘れ外来…。そして、最後にたどり着く一つが精神科です。
 ここでは、診断もつかないのに大量の薬を処方され、それを服用するとすぐに精神状態がどろどろになり、人によっては、これは違う!と服用を中止する人もいます。

 また、CSで一番辛いのが、もっとも身近にいるはずの家族こそが理解をしないことです。
 そこらへんにある化学物質で倒れる…。集中力や記憶力が散漫になる…。家族からすれば、信じられないことであり、それどころか、なかには「本人のやる気がないだけだ」と、それが病気であることを理解するには長い長い時間がかかるようです。
 そこに至るまでの間に、あまりの無理解に親子関係が破綻した事例もあります。

 
●人生を諦めない

 私は過去何度かCSを取材していますが、他のメディアで気になるのが、「CSは不治の病」「人と社会と関わりをもてなくなる」との論調ばかりの「かわいそうな病気」との扱いです。

 確かに、CSに罹患して、その生活環境を変えねば、CSは悪化します。
 だが逆に言うなら、上記、三つの対策を実行すれば確実に改善します。

 池谷さんも、横浜で会社経営をしていましたが、ESとCSを発症。
 帰宅しても芳香剤の匂いなどに吐き気を催し、「もう街では暮らせない」と会社をたたみ、妻や子とも離れ離れになる道を選び、箱根の山のなかにある温泉つきマンションに避難します。家族とも社会とも隔離された辛い日々。
 そして、ある程度回復してから、池谷さんは、「CSでも、社会人として生きたい」と、その活動拠点を探します。

 それが、南会津町でした。

 当時の町長がとても協力的で、一緒に見つけたのが、携帯の電波も届かず(つまり圏外)、近くに農薬を使う農場もない、廃校となった小学校の跡地でした。それがのちの「町営あらかい健康キャンプ村」です。

 とはいえ、テントを張るのではなく、廃校の校舎と、屋外に7棟設置したワンルームマンションならぬワンルームハウス(地元材を化学物質ゼロでつくった)に泊まります。

 1日2回の食事は玄米食中心メニュー。
 ここで、そういった健康食と適度な運動で、とにかく体の毒素を出し切ります。
 利用料は食費込みで一日5000円。

 キャンプ村では電子機器の持ち込み禁止ですが、入村の最大条件は「自己努力により改善する強い意思のある方」との一点です。

 この理由が大切です。

「多くのCS患者をみてきましたが、一番良くないのは、『私はCSのままでいい』と思っている人。というのは、CSになったことで、その人を悲劇のヒロインのように大切に大切に扱う家族もいる。本人も、病気は苦しいけど、周りが何でもしてくれることに慣れてしまう。当然、自立とか考えないわけです」(池谷さん)

 だから、単なる骨休めで来る人は入村を断っているとのこと。

 キャンプ村のオープンは07年8月。これまで、長期と短期あわせて5000人以上が利用していますが、今回訪れた2月のような真冬は、まだ化学物質が揮発していないので利用者がほとんどいませんが、春になり気温が上がると、田舎では農薬の揮発がきつくなり、都会では引越しに伴うシックハウスの度合いが高まるためか、キャンプ村はすぐに満員になります(定員10人)。

 おいしい水、おいしい空気、そして無農薬かつ無添加の健康な食事。そして運動。
 本当にこれだけで、これまで幾十もの病院めぐりをしていた人たちが、2~3ヶ月で健康を取り戻すのです。

 池谷さん自身もその1人で、今では、都心にも行けるようになり、パソコン使用も苦ではなくなってきたといいます。


●キャンプ村の生き証人

 キャンプ村の目的を体現した象徴が古村美樹さんです。
 古村さんは、1994年2月28日に突然発症。
 
 寒気と吐き気、高熱に襲われ、とたんに車椅子生活になったのです。
 無数の病院を回れども「原因不明」。適当な病名がつけられ薬を処方されても、薬そのものが化学物質なので、自身をCSと知らなかった古村さんは、薬を飲むたび体調を崩しました。

 やっとCSとの病名をもらったのは、10年もたった2004年。
 思い返せば、幼少時に新築の家で体調を崩し、思春期には、同じ家のシロアリ駆除剤の散布でも眼が痛くなっていたそうです。
 体力も落ち、体重も30キロ台に。本人曰く「水の中に沈められて、ストローを出して呼吸している」ような息苦しさに24時間襲われ、親戚は誰もが、「親よりも早く死ぬ」と予想したといいます。

 本人も言い知れぬ不安を抱えていましたが、それでもいつも思っていたのが「絶対に治してみせる」との思いでした。
 そんな古村さんだから、キャンプ村の情報をつかむと即入村。09年7月のことです。
 
 弱々しい車椅子の女性。無数の村人を見てきた池谷さんにも、とびきりの重症患者でした。

 しかし、やはり、おいしい水、空気、そして無添加の食事と運動は裏切りませんでした。

 古村さんは回復したのです。

 3ヵ月後には、15年ぶりに自分の足で歩けるようになり、走れるようにもなったのです。、

 そして、故郷大阪から入った、父親入院の知らせ。
「会えるのは最後かもしれない」と思った古村さんは、もしかしたら倒れるのを覚悟で帰省しました。
 病院の父は、歩ける娘に感激。そして、翌月に他界するのですが、葬儀のため再び帰省した古村さんを見て、親戚は「歩いてる!」と驚き、「あなたはいい親孝行をした」と誰がも古村さんを抱きしめ、葬儀なのに笑顔で写真と撮り合ったという忘れられない日となったのです。

 だからこそ池谷さんは確信をもって声を出します。

「CSは治るんです」

 そして、池谷さんの次の願いは、「CSでも社会人として生きる」ということでした。

 詳しい経緯は省略しますが、それが、キャンプ村、地元自治体、農家、大工、NPOなどの連携で結成した「南会津ロハスな家とまちづくり協議会」であり、助成金も得て、11年7月、冒頭のロハスセンターを開設したのです。

 ここでは、無農薬の食事(500円! しかもおいしい!)、自然食品等の販売などが行なわれていますが、週に何日か売り場を担当するのが、池谷さんや古村さんです。
 キャンプ村の住民は数ヶ月で体調が良くなると故郷に戻りますが、古村さんは、南会津町で暮らすことを選択したのです。

 ここでは古村さん夢がかないました。パンつくりです。

 CSで苦しんでいた頃でも、古村さんは治ったときのためにとパン作りを勉強していました。立つことができない車椅子生活でも、たった一箇所だけパン生地を置ける場所。それが自分の膝の上でした。
「そこが発酵にちょうどいい温度なんです」
 果たして、そのパンは今人気メニューとなり、通信販売での注文が絶えません。

 古村さんもまた確信をもって発言します。

「死ぬ直前までいった私ですら治った。そして働いている。私がこう生きることで、かつての私のような絶望感で生きるCS患者に、絶望しなくてもいいんだと伝えたいんです」

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