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取材しても、記事にできる情報は1割未満。しかし捨てた9割にも、伝えられるべきものがあります。ボツになった企画も数知れず。そんなネタを紹介します。なお、本ブログの文章と写真の無断転載はお断りします。ご利用希望者合はご一報下さい。
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樫田秀樹

Author:樫田秀樹
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●子ども食堂は「居場所」
 初めて「こども食堂」を取材。東京都豊島区の「椎名町こども食堂」。

椎名町こども食堂の看板 椎名町こども食堂の箸

 実際に現場に身を置いて実感として判ったのは、貧困層の子どもをサポートするというよりも、とにかく「みんなで一緒にごはんを食べよう」を実現する活動いうことだ。
 貧困層でなくても、両親とも帰りが遅いために、「孤食」にならざるを得ない子どもたちもいる。
 そして「孤食」という視点に立てば、一人暮らしの高齢者もそれに該当する。
 「椎名町こども食堂」は楽しい場所だ。
 多くの子どもが来る。親子連れも来る。少数だが、一人暮らしの高齢男性も来る。そして、老若男女が混在するスタッフは本当に仲が良く、やはりそこには『家で一人でご飯を食べるよりは』と喜々として働き、スタッフ同士の食事で談笑する高齢女性もいる。
どの人にとっても子ども食堂は「居場所」になっている。

椎名町こども食堂のスタッフ←下は大学生から上は70代までのスタッフは本当に仲が良かった。


●子どもを「直接」「間近に」見守られる活動
 
 今、全国には驚くべき数の子ども食堂がある。数百ではない。じつはこの数字、近日中に「子ども食堂ネットワーク」が厚労省などで記者発表する予定なので、正確な数字をそれに先んじてここで伝えるのは差し控えるが、単純計算すると、全国では数万人の大人(スタッフ)が数十万人の子どもを相手に活動していることになる。これはかつてない規模の住民運動だ。

椎名町こども食堂の食事風景 

椎名町こども食堂で順番を待つ子ども


 おそらくほとんどの子ども食堂は、「子どもの6人に一人」が貧困に置かれているとの情報に、居ても立っても居られなくなって、住民が自主的に始めた。
 だが、「子ども食堂」は子どもたちを取り囲む社会環境を知る入り口になることで、多くの大人たちの意識を「貧困だけの問題ではない」と向上させている。
 たとえば、塾に行きたくても行けない子どもがいる。じゃあ、ついでに勉強もみてあげよう。
 たとえば、子ども食堂で仲が良くなるうちに、子どもから悩みを打ち明けられる。これで学校でのいじめを解決した事例もある。
 たとえば、子どもの保護者であるシングルマザーからも相談を受ける。そこで福祉の手続きへと導いたこともある。
 たとえば、子どもの親が外国籍で日本語が上手ではないため、やるべき行政手続きをしていないと知る。これも役所へとつないだり、大人のための日本語教室を始める等々。

椎名町こども食堂の紙芝居←椎名町こども食堂では、取材時、食後に別の住民団体が別の部屋で紙芝居を披露していた。

 これは、活動を続けるうちに、地元の民生委員、社会福祉協議会、市民団体、農家などとつながることでそういった活動の幅も増えていくのだが、肝心なことは、子ども食堂を続けていると、必ず、子どもたちと知り合いになり、その子を「間近で見守る」ことのできる大人になるということだ。
 今の時代、特に市街地において、街の大人と子どもとが同じ時間と場所を共有することはほとんどない。それが子ども食堂では可能になる。だから、放っておけなくなる。いい意味での「おせっかい」が復活する。

日本の福祉はまだまだ不十分。政府を批判するのも大切だが、そこに全エネルギーを費やすよりも、住民が地元にいる子どものために理屈抜きで動くことは大切だ。というよりも、世の中には、行政には絶対にできず、住民だからこそできることがある。
 子ども食堂が増えているのは、地域の子どものために何かしたいと思う大人が潜在的に多いことを示している。
 久しぶりに、日本は捨てたものじゃないと思い起こさせてくれた取材でした。

←「子ども食堂をつくろう!」(明石書店)。初期の子ども食堂の設立経緯、子ども食堂の作り方講座、各地の事例など、読み応え満点。

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2018/03/27 06:55 福祉 TB(0) コメント(0)

●高齢者施設、男性利用者には麻雀を!

 私の母は10月下旬から老健(介護老人保健施設)に入所している。老健は、自宅に戻ることを前提にした短期間の入所施設だ。概ね3カ月から1年くらい滞在する人が多い。

 母が今の施設に入る前、どこがいいかと数カ所の老健を見学した。共通点がある。男性利用者がとても静かなことだ。
 刺激を与えなければ、体も心も脳も衰えるのに、男性利用者がただテレビを見ているだけのところもある。ビデオで体操の映像が流れても、女性利用者がせっせと体を動かしても男性利用者は見ているだけ。童謡の合唱にも加わらない。
 でも、これ、わかるような気がする。私がもし将来施設で暮らすことになっても、やはり参加しないと思う。だって、やりたくないことだから。
 この点、女性は順応力がある。お任せプログラムでも割となじんでいる。

 だから麻雀である。
 当てずっぽうで書いているのではない。それを取り入れて、男性利用者が活き活きと甦る施設があるからだ。

 東京都杉並区にあるデイケアの「松渓ふれあいの家」では、毎日高齢男性が麻雀に興じている。施設のポリシーは「好きなことをしてもらう」こと。「できない」とは言わない。だから麻雀だけではない。利用者が望む数だけの、カラオケ、買い物外出、園芸、習字、将棋、囲碁、パソコン等々数十のプログラムがある
 男性に混じって麻雀に興じる女性もいる。強い。l
 若い女性職員に、「こうやるんだよ!」と麻雀を教える利用者もいる。

 多彩なプログラムをもつことは、地域のボランティアの参加を促すことにもつながっている。高齢ボランティアも多く、利用者とボランティアの見分けがつかないときもある。

 印象的なのが、なんといっても利用者の笑顔だ。もう10年も前の撮影だが、写真の一部を公開します。

麻雀1 麻雀3 マージャン卓が並ぶ 女性雀士←女性雀士。強い!
懐メログループ←懐メログループ。スタッフがハーモニカでリクエストに応える。
 囲碁←数少ないが囲碁グループ
 絵手紙←絵手紙活動。先生はボランティア。


 ある利用者はこう語った。
「以前は別の施設に行きました。すると、折り紙をやらされるんです。手のリハビリにいいからと。私、子どもじゃないですよ。すぐにそこはやめて、あとは行く場所もなく家に閉じこもっていました。だから、ここはいいね。麻雀も将棋も自分のやりたいことができる。男友達もできる」

 もっとも、通所と入所、要介護1と要介護5、痴ほうの有無で、プログラムの設計も違うので一概に「これがいい」と言うつもりはありません。
 ただ、もし利用者にとって刺激のない時間だけが提供されている場合、その施設管理者は高齢者へのサービス・プログラムを真剣に考えねばならない。
 
 松渓ふれあいの家については、10年以上前に何度か取材をしていて、雑誌に掲載された記事をリライトしたものを、私のHPに載せています。ご一読を。

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2017/12/03 23:09 福祉 TB(0) コメント(0)
 お笑い芸人、次長課長の河本氏がバッシングを受けています。

 年収5000万円もあるのに、その母親が生活保護を受けているとは何事だと。

 もちろん、道義的には、「オカンの生活保護を打ち切ってください」と言ってもよかったのでしょう。

 だが調べてみると、河本氏は、母親にお金をあげずに生活保護だけに頼らせていた・・というのではありませんでした。毎月、きちんんと仕送りをしていたのです。つまり母を「扶養していた」のです。

 では、なぜ、息子から十分な仕送りを受けていた母が生活保護を継続できたのか?
 それは、生活保護法では、生活保護を受けるためには「扶養されているかどうかは関係ない」からです。

 つまり、河本氏も母親も違法行為を犯したわけではないということです。


●日本の扶養義務とは?

 日本の扶養義務を整理すると、以下のようになります。

★扶養義務には ・相対的扶養義務 と
        ・絶対的扶養義務 がある。

        ★絶対的扶養義務には
        ・保持義務(配偶者間と、子どもが就労前の親子間) と
        ・扶助義務(上記以外の直系血族及び兄弟姉妹)   とがある。

 河本氏は最後の「扶助義務者」になる。

 この扶助義務は、こう定められています。
「まず自分の生活を第一に考え、なお余裕があれば援助する義務」

 そして、河本氏は十分な収入を得るようになってから、福祉事務所に、母親に対して扶養する金額を伝えており、福祉事務所もその援助額を了承していました。

 つまり、河本氏はきちんと手続きを踏んで、扶養援助を果たしていたのです。
 本人が言っていたように「不正受給ではない」のです。


●小宮山構成労働大臣の主張

 河本氏の事例は、本人が年収100万円以下の時代に、母親が生活保護を受けていたが、それが年収5000万円になっても生活保護が続いていた・・という極めて稀な事例です。

 もちろん、収入が上がった時点で生活保護を終了させる申し出は必要だったのでしょう。だがそれは、違法かどうかではなく、道義的問題にすぎません。

 ここで気になるのが、小宮山厚労大臣が、扶養が生活保護の要件となっていない現行法を避難する主張に応えるように、「親族に扶養が困難な理由を証明する義務を課す」との考えを示したことです。
 
 もしこの考えが反映され、法改正でもされると、おそらく、役所の福祉の窓口では、生活保護申請に訪れた人に対し「息子さんがいるんでしょ。まず、そちらから扶養してもらってください。できないなら、その証明書類を出してください」といった、実質、生活保護を断るケースが出てくるかと思われます。

 河本氏の事例はあくまでも極めて稀なケースです。

 この稀なケースでもって、全国の経済絵的困窮者に「扶養」という網をかけるのは、生活保護を受けられぬ人たちを増やし、すなわち、孤独死などを招かないか。これが気になるところです。

 この話、まだ続きがあるのですが、また後日。

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2012/06/10 23:08 福祉 TB(1) コメント(0)
取材のカンパをお願いいたします
1都6県にまたがるリニア問題を一人で取材することは自分で選んだ道でありますが、それも多くの方から取材費カンパというご支援をいただいたからです。とはいえ、2022年末にその資金プールがついに底をつき、東京都や神奈川県以外の遠方への取材を控えざるを得なくなってしまいました。今一度、ご支援を賜りたくここにそのお願いをする次第です。ご支援者には、今年には発行予定のリニア単行本を謹呈させていただきます。私の銀行口座は「みずほ銀行・虎ノ門支店・普通口座・1502881」です。また100円からのご寄付が可能なhttps://ofuse.me/koara89/letter もご利用ください。私と面識のない方は、お礼をしたいので、ご支援の際に、できればお名前を連絡先を教えていただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  樫田拝
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国会で問題にされても一向に改まらない郵便局の自爆営業。年賀状1万枚、かもめーる700枚、ふるさと小包便30個等々のノルマはほぼ達成不可能だから、ほとんどの職員が自腹で買い取る。昇進をちらつかせるパワハラや機能しない労組。いったい何がどうなっているのか?他業種の自腹買取も描いている。
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今年10月に全国民に通知され、来年1月から運用が始まるマイナンバーという名の国民背番号制度。その危険性を日本一解かり易く解説した書。著者の一人の白石孝さんは全国での講演と国会議員へのアドバイスと飛び回っている。
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日本にも100%自給できるエネルギー源がある。海に溶けているマグネシウムだ。海水からローテクでマグネシウムを取り出し、リチウムイオン電池の10倍ももつマグネシウム電池を使えば、スマホは一か月もつし、電気自動車も1000キロ走る。公害を起こさないリサイクルシステムも矢部氏は考えている。脱原発派は必見だ。