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樫田秀樹

Author:樫田秀樹
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●リニア計画路線の近くでは不動産価格が下落する?

 リニア計画路線の近くでは不動産価格が下落するのでは…とは、リニア計画に疑問を呈する市民団体や、実際にその計画路線のすぐ近くに住む住民が提起する事案だ。
 対して、JR東海は「不動産価格はその社会状況に応じて変化する。リニアが原因と特定できない」といった趣旨の説明を住民説明会で繰り返してきました。
 
 ただ、市民側にしてもJR東海側にしても、推測の域を出ない発言です。私にしても、実際に、リニアが近くを走ることで生じる日陰や騒音のために不動産が買われなくなったり、もしくはその場所に建つ自分の家が売りたくても価値が下落するために売れなくなる・・との事例を私は直接見たことはなかった。
 それを先日初めて、具体的な数値とともに確認した。

売れない不動産 山梨県その2


 山梨県南アルプス市。
 そこには地面に黄色い杭が打ってあった。
 JR東海の測量で、リニアの端を表す杭だ(ちなみに、中心線に打つ杭は赤い)。
 その杭からその空き地までは約35mから40mくらいか。
 空き地には「売地」と大きく書かれた看板が建っている。4区画ある土地のなかで南西の角なので、間違いなく売れる土地だ。
 実際、売れた。販売価格は72.6坪で800万円
 ところが、不動産業者と買主とが受領ローン手続きに入ったところで、東側にリニア中央新幹線のルートを示すポイント杭が打たれる。
 不動産業者のSさんによると「2,3年前ですが、ええ、本当にある日突然でした。それがリニアのための測量杭だと知ると、不動産業を営む以上は『重要説明事項』としてお客さんに説明をしなければなりません。すると、買主はとても驚いて、この売買はキャンセルとなりました」。
 その後も、南西角の土地に惹かれて引き合いは何件もあった。そのたびにSさんは「重要説明事項」として、リニアが走行すれば騒音が発生し、リニアルートの北側なので家屋が日陰になるかもしれず、南側の眺望がなくなる」と説明した。
 そして、いずれも契約不成立となる。
 Sさんは、この一等地の値段を下げた。坪約10万円を9万円、8万円、7万円と下げた。そして今、その土地は480万円にまで下落した。坪約6.6万円だ。それでも売れない。
 Sさんは「おそらく、どれだけ値を下げても、誰も買わないと思います」と諦めていた。

売れない不動産 山梨県その1←やはりリニアルートのすぐ近くにあった土地。草ボーボーになっている。誰も買おうとしない。近いうちに不動産業者に数字を確認したい。

 こういった具体的な数字はやはり説得力がある。
 おそらく、「売れない」ことに困っている不動産業者はまだまだいるはずなので、これからも機会があれば、その数字を拾っていきたい。もしリニア沿線で売れなくなった不動産情報があれば、是非お寄せ下さい。

リニア新幹線が不可能な7つの理由
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●山梨県のリニア裁判の原告を訪ねる。

 リニア中央新幹線の予定ルートが自宅や所有地を分断したり、至近距離を通過するために、生活破壊・被害を受ける8人の住民が、正当な補償、そして当該地区での工事差し止めを求めて今年5月にJR東海を被告として提訴したが、実際に、彼らがどういう場所に住み、どういう生活を送っているかを確認しようと、10月1日、取材に出かけた。
 案内役は、裁判の原告団長の志村一郎さん。

 以下、出会った順での報告です。


●1人目 秋山美紀さん ーー家が真っ暗になる。うるさくなるーー

 リニアのルートは幅22メートルで東京の品川駅から愛知県の名古屋駅まで走る。
 秋山さんの自宅では、家屋にはかからないが、敷地の角を、高さ20~30mのリニアの高架(北側)が通過する。

 つまり、ご自宅はリニア高架のほぼ真下に位置することになり、南の窓からの眺望はリニアの高架で占められる。これまで見ていた富士山も見えなくなる。

 この場合のもっとも深刻な問題は「日照障害」と『騒音』だ。おそらく冬場は家屋内にはほとんどまったく日が差さなくなる

秋山美紀さんの家屋←秋山さんのご自宅。手前の黄色い杭(リニアルートの北端を示す測量杭)から赤い線に沿って、リニアの高架が走る。これでは左にある家屋は一日中日陰になる

 で、JR東海がどう対応するかというと

★補償するのは敷地の角の部分だけ。
★家屋の移転補償はしない。
★日陰補償は国の通知に従って30年だけ。


秋山さんのご自宅。手前の黄色い杭(リニアルートの北端)から赤い線に沿って、リニアの高架が設置される。これでは家屋は一日中日陰になる。

 このことを説明するために、そして、その理解を得るために、JR東海の職員は秋山家をこれまで3、4回訪ねている。

 秋山さんは職員に尋ねた。

「今と同じ広さではなくてもいい。ただ、ここと同じような静かなところへ移転させてほしい。判ってほしいのは、リニアルートのすぐそばでは暮らせません。同じ立場ならあなたたちもそう思いませんか?」

 JR東海の職員は、ただ黙って頷いた。

 ただし、秋山さんの夫の「移転という補償はないのか?」との質問にも、JR東海の職員は首を縦に振っている。

 秋山さんは、もちろん移転のためのハンコを押す気はない(ちなみに、用地買収の担当は山梨県《の職員》となるが、現在はJR東海の説得/説明の段階で、まだ山梨県は秋山家を訪れていない)。

 秋山さんにとっての大きな問題点の一つは、JR東海の対応だ。

「JR東海の職員が来ても、進展ある話は一切ありません。1時間半も私の家に上がりながらほとんどダンマリ状態です」



●2人目 河西正廣さん(71歳) --農業の断念ーー

 秋山さんの自宅から歩いてすぐの場所で、水耕栽培でトマト栽培をしている。リニアルートは、そのビニールハウスをほぼ真ん中で分断する。加えてその北半分が高架での日陰となるので、河西さんはその場所でのトマト栽培を断念することになる。そして、仮に新しい場所での移転が実現したとしてもが

★年齢的に新しい土地での再出発は無理

★トマト栽培には4500万円の初期資金がかかったが、今、同じ規模でやろうとすれば7000万円はかかるそうだ。JR東海がそれを出すとは思えず、金銭的にも無理。

河西さんのビニールハウス←もしリニアが開通すれば、農業は断念せざるを得ない。

 河西さんもJR東海の説明会に幾度が参加したことがあるが、住民の訴えにJR東海の職員が「浪花節かよ」と小さく独り言を言ったのを聞いてカチンときたことがある。

 河西さんは、JR職員を2回、自宅に呼んで「リニアは住民に何の利益ももたらさない。騒音、振動、日陰、廃業。やるのなら一生の補償を出してほしい。今、オレの言ったことを議事録にして、上司に提出して、返答をよこせ」と訴えた。だがその返答はなく、今、JR東海の職員は河西さん宅を訪れない。

「JR東海には、この地域に及ぶ影響を真剣に考えろ、と言いたい」(河西さん)



●3人目 小笠原一明さん --陸の孤島になるーー

 大阪出身。山梨に来てからは中央市に住んでいたが、周辺でスーパーマーケットが建ち、車の通行量も増え、徐々にせわしなくなる環境に嫌気がさしていたころ、車の運転中にたまたま目にした今の地域に一目ぼれして、新居を建てた。さらに嬉しいのは、その隣に娘さん夫婦も家を構えたこと。家族ぐるみの楽しい生活を送っている。だが、リニアルートはこの敷地を走る。

小笠原さんの家屋2←写真の左端に黄色い杭が打ってある。リニアルートの南端。その南端は小笠原さん(写真右)の立っている娘さんご夫妻の家屋の端を切りとるように走る。だから立ち退き対象となるが、その隣(写真奥)にある小笠原さんの家屋は取り残される。

★娘さん夫婦の家屋では、リニアルートはその端をかすめるように通過する。つまり移転の対象となる。

★小笠原さんの自宅はギリギリで残る。ルートの南側なので日照障害は起きないが、娘さん夫婦の家屋のほかにも7世帯が立ち退き対象になることで、自分たち夫婦だけが陸の孤島のように取り残され、眺望をなくし、リニアの騒音に悩まされる生活を送ることになる。

★小笠原さんが引っ越したいと思っても、資産価値が激減する家屋を買ってくれる人がいない以上、そこで住み続けるしかない。

★また、2世帯共有の駐車場も収用対象なので、車を止める場所もなくなり生活が極めて不便になる。

 数年前、小笠原さんはJR東海に「ウチに説明に来て」と電話をしたが、JR東海は「各家庭を順番に回っておりますので」と言ったきり、その後、無対応だ。

 また、小笠原さん自身もそれほど闘おうというつもりはなかった。だが変わった。

 南アルプス市には、いくつかの地区に「リニア対策協議会」がある。そのうちの4つの協議会をまとめるのが「南アルプス市リニア対策協議会」だが、ここが今年2月に開催した、弁護士を招いてのリニア問題についての説明会に参加した小笠原さんは関心を抱き、その後「南アルプス市リニア対策協議会」が開催した今回の裁判についての説明会に参加したところ、その閉会後に代表の志村さんに声をかけたーー「今まではヒトゴトだったが、これからはジブンゴトとしてやるしかありません」

 小笠原さんが求めたのは、娘さんの家族と一緒の移転だが、これが実現しない以上は、裁判で闘うしかなかったのだ。


●4人目 三宅一男さん --実害があるのに、補償対象外ーー
  
 小笠原さんのご自宅から徒歩数分の場所に住む。
 ご自宅は立ち退き対象にはならないが、リニアルートの北側に位置しているため、日照障害に遭う。ところが、
「私の家の場合、リニアの高架橋で被る日照障害が一日5時間未満と予測されていて、補償の対象外なんです」(三宅さん)

 三宅さんの自宅は、夏は夜でもエアコンなしで過ごせるほどに風通しがいい。元々は近くに住んでいたが、小笠原さん同様、その土地柄(閑静、良好な眺望、等々)に惹かれ6年前に家を建てた。

 その自宅のすぐ近くをリニアが地上走行するのを知ったのは3年前。一般的な関心として、ある日、リニアはどこを通るんだろうとネットで調べてみると、我が家の10数メートル先だったことに驚く。

三宅さんの家屋←リニアルートの北端(赤い線)は臨家をかすめるように通過する。三宅さんの自宅は日照障害に遭うのに補償対象外となる)

 その後、JR東海の説明会に参加してみたが、何を質問しても具体的な回答がほとんどないことに呆れ、日照障害についても「リニア高架ができてからでないと詳細は述べられない」と工事ありきの回答に憤りを覚えた。

 三宅さんは「リニア対策協議会」で会計を担当していることもあり、裁判の話が出てきたときは「私もやるしかない」と覚悟を決めた。

小笠原さんと三宅さんの地図←斜線部分がリニアのルート。小笠原さんは引っかからないが、隣の娘さんご夫妻の家はほんの端っこが引っかかるので立ち退き対象。そして、歩いて数分の三宅さん宅は、リニア高架が作る日陰が一日5時間未満なので、補償の対象外。これから騒音と共に生きることになる。


●5人目 西川勉さん ーー田んぼを諦めるーー

 交通至便で日当たりのいい田んぼ390坪を所有。

 10年ほど前は不動産業者から宅地開発用に「土地を売ってくれ」と言われたこともある。

 だがこの田んぼをリニア高架橋は斜めに横切る。その面積、約50坪。だが、その真下、およびその北側は日陰となるために耕作はできなくなる。だがJR東海が提示するのは、リニアルートが横切る部分の補償だけだ。

「日陰がかからない残った部分は、土地が斜めに切り取られているためコンバインなどの機械を入れることができなくなる」

西川さんの田んぼ←地図を広げながら自分の田んぼの状況を説明する西川さん(写真右)。赤い線はリニアルートの幅を示す。奥にある田んぼが三角形に切りとられ、残る部分も日陰で耕作面積は大幅に減少する

 西川さんがリニア計画を知ったのは2014年。地元紙、山梨日日新聞でリニアルートの地図が掲載されていた。だが小さすぎたので、コンビニのコピーで4倍に拡大して確認したところ、自分の田んぼがかかっていることに驚く。

 今、どの不動産業者に尋ねても「その土地はもう誰も買わない」と言われるという。それに見合った補償の説明はJR東海からは一切ない。

リニアのため売れない土地←リニアルートの近くにある売地。誰も買わないという。

 2015年2月1日、初めてJR東海の住民説明会に出席した西川さんは、住民からの質問に具体的回答をしないJR東海の姿勢に憤りを覚え、その後、志村さんをリーダーとして公害調停にも参加し、今回の裁判の原告にもなった。


●6人目 志村一郎さん(78歳) --田んぼを諦めるーー

 今回の案内役で、裁判の原告団長でもある志村さんは、最後に自分の田んぼを案内してくれた。道路から20mほど先だろか、田んぼの中に2本の木の杭が打ってある。これはJR東海が打った中心線の杭の位置。

志村氏の田んぼ← リニアが通る中心線(写真では赤い線)に打たれた杭の位置が判るように、田んぼの稲の中でも見えやすいように長い木の杭を打ち込んだという。志村さんはルート確認のために杭は打たせたが、その測量を認めるハンコは押していない。黄色い線がリニアルートの幅。

 117アールの田んぼのうち、約3分の1がリニア用地となり、北側も日陰となる。

 この土地は、山梨県内を走る高速道路「中部横断自動車道」に収用される土地の代替地として入手したもので、将来、宅地利用も可能な地域であることから、西川さんの田んぼと同様に、不動産業者から買い取りの声があった。
 だが、土地がリニアルートとなる以上、田んぼとして使うことはできず、同時に、売りたくても誰も買わない



●若干の経緯の説明

 2015年2月1日。

 JR東海の住民説明会が大師公会堂で開催された。17時から19時の予定が、質問に次ぐ質問で23時に終了したが、何を質問して「基準値内です」「心配は要りません」「住民生活に影響は及びません」の繰り返しに、「これはダメだ」と思った住民が閉会後に15人ほど集まり、とにかくみんなで何かをやろうとの話になった。だが、自治会長が「オレはJR東海には手は出さん」と及び腰だったため、志村さんが「じゃあ、オレが」とリニア計画と対峙しようと決めたことが、大雑把には今の原告団の母体ともいえる「南アルプス市リニア対策協議会」の結成につながった。

 じつに大雑把に説明すれば、その後、志村さんたち住民有志は、JR東海と幾度も話し合いをもつが、何ら具体的回答を得ることもできなかった。文書で質問状を提出しても、JR東海は文書で回答しない。文書を口頭で読み上げるのだ。

 また、リニアルートのすぐ近くでは、人間らしい生活を送れないのが彼らにもわかっているはずなのに、移転という補償はしないという。

 志村さんたちは、話し合いでは進展なしとして、次に調停に持ちこんだ。
 だが、これにしても、2回行われただけで「不調」に終わり、何の成果もなかった。
 そして、志村さんたちが最後にとった手段が裁判だった。

 
 そして、7月30日に第一回口頭弁論が開催されたことは、すでに9月12日に伝えた通りです。

 第2回期日以降、JR東海側がどういう理論を裁判所で展開するのか、注視します。

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 ちょっと遅れましたが、10月11日に開催された「ストップ・リニア!訴訟」第16回口頭弁論について報告します。

第16回口頭弁論。裁判前集会。

 とはいえ、いつもは自分の解釈で自分で書くのですが、今、その時間がまったくなく、さぼります。

「ストップ・リニア!訴訟」原告団のHPから転載します。

 ただ、少しだけ書けば、この裁判のポイントは、まず「原告適格者」が果たしてどうなるのかということ。

 原告側が訴える「原告適格者」とは

●リニア新幹線の乗客や南アルプスの自然景観を享受できる人。いってみれば、約800人いる原告の全員。
●リニアルートの1都6県で、リニア工事やリニア運行による、騒音、振動、水利、微気圧波、低周波、磁界などの健康被
害を受けるであろう住民。
●リニアルート上、もしくはその周辺に住み、家屋、土地、立ち木トラスト地、土地トラスト地などが工事や運行で維持できなくなる住民。

 の3パターンですが、問題は、未だに、JR東海が、詳細の工事計画(ルートや建造物の位置や形状、残土置き場の地図等々)を提出していないこと。
 つまり、たとえば、車両基地や保守基地ならば、その大きさや実際の設計図があれば、具体的に立ち退かなければならない家屋、立ち退き不要の家などがわかるのに、そのデータがない以上は、原告適格者を確定することができない。ということ。

 そして、この裁判において、素人考えですが、もどかしいのは、なぜ古田裁判長が被告に対して「データを提出しなさい」と指示できないのかということです。古田裁判長はいつも「提出するお考えはありませんか」との相手の懐を探るような発言はすれど、指示はしない。

 そして、古田裁判長は、「来年3月に原告適格について中間判決を出す」と表明。

 もちろん、原告側弁護士は、「被告側からの正確な資料提示がないままでは、原告適格性を判断できない」と反発していますが。

 ただ、私は古田裁判長を批判しているのではない。彼がこれまで出してきたいろいろな判決から見るに、とてもよく資料を読みこなす裁判官であると思うからだ。

 それにしても、なぜ、リニア施設の形状や大きさ、専有面積などが未だに公開されないのか。不思議と言えば不思議です。隠すことではないのに。

リニア第16回口頭弁論1 リニア第16回口頭弁論2 リニア第16回口頭弁論3 リニア第16回口頭弁論4


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●遅ればせながら、「リニア・山梨裁判」の報告

 7月30日、山梨県甲府市で「リニア中央新幹線工事差し止め裁判」が開催された。
 なぜ、ここまでSNSへのアップが遅れたかというと、私はこのたびクラウドファンディングでリニア取材経費(といっても、カバーできるのは半年分程度)を集めることができたが、まずはその支援者への報告が優先されるからです。

 ところが、クラウドファンディングのサイトからその報告を送ろうとしても、なぜか「書式が違う」といった謎のメッセージが出るばかりで、結局は最初から打ち直して送った・・という時間の無駄もあったことで、本ブログへの執筆が遅れたのです。
 さて、前置きは以上として、7月30日の報告は以下の通りです。


●被告席に誰もいない!

 原告は8人。うち3人が意見陳述をした。
 だが3人は肩透かしを食ったに違いない。というのは、自分の主張をぶつけるべき被告席が無人だったからだ。被告はJR東海。
 原告側の代理人である梶山正三弁護士によると、「第一回期日に限って、答弁書を裁判所に提出していれば、被告は欠席してもいいから」だ。
 だが、梶山弁護士は「けしからん」と憤る。
 というのは、7月30日という期日が決まったのは6月6日。被告側に代理人は4人もいるのだから、一人くらいは日程を合わせて出席するはずと予想していたからだ。
 だが、裁判前日の7月29日、被告側弁護士から梶山弁護士に電話が入り、誰も参加しないことが告げられた。
「いや、誰か一人くらい出てください!」
「そう決めたもので…」
 梶山弁護士は「原告の非難を直接聞きたくなかったのか」と推測している。

 ともあれ、第2回期日以降は、被告は出席しなければならないので、そのときこそ意見陳述をぶつけることができる。
 ところで、梶山弁護士は準備書面を17通作成していたが、それに対して、被告からの回答は「ピーマン」(梶山弁護士)だった。回答はわずか4行だけ。

第1 請求の趣旨に対する答弁
 1 原告らの請求を棄却する
 2 訴訟費用は原告らの負担とする
  との判決を求める。

●裁判の概要

 リニア計画を巡って、現在、二つの裁判がある。
1 リニア計画の事業認定の取り消しを求めた行政訴訟。原告738人(第1次)。被告は国土交通省。2016年5月提訴。
2 リニアの工事差し止めを求めた民事訴訟。原告8人。被告はJR東海。提訴は2019年5月。

 この二つ目の裁判を提訴したのは、南アルプス市の市民団体「南アルプス市リニア対策協議会」の8人。
今年5月3日、「生活が破壊される」として、リニア工事の差し止めや慰謝料を求めてJR東海を甲府地裁に提訴した。

リニア山梨裁判 入廷行動

 リニア計画が明らかになってから、地域の住民たちは、もしリニアが開通したら、「★騒音 ★日照障害 ★振動 ★景観阻害 ★地下水枯渇 等々」で生活が破壊されると認識した。
 ただし住民は初めからリニア計画に反対したのではない。条件をつけていた。防音フードを設置せよ、もしくは、騒音のない場所への移転を補償せよ、と。
 そこでJR東海とまずは話し合いを持ったが、まったく歩み寄りが見られない。防音フードをつける気はないし、補償対象となる家屋も路線から22mの幅だけ。
 住民たちはこれに異議を唱え、甲府簡易裁判所に民事調停を申し立てたが、2回の調停は不調に終わった。最後の手段として、今回の提訴に及んだのだ。
 7月30日の第一回口頭弁論では、8人の原告のうち3人が意見陳述にたった。

リニア山梨裁判1 裁判報告←向かって左が梶山弁護士、隣りに志村さん。

 住民代表の志村一郎さん(77歳)は「JR東海は私たちの疑問に具体的に答えない。そして、住環境に必要なのは1 平穏、2日照、3景観、4風通し、5地価の安定等だが、リニア沿線でこのすべてが崩される住宅が相当数にのぼる。移転補償が必定だが、それも無理なら工事差し止めしかない」と陳述した。
 トマト農家の葛西正弘さん(71歳)は、「リニア高架路線が農地を分断する。そして高架の日陰はトマト生育に影響する。この年で他の土地に移っての新施設への投資は無理。リニアに反対はしないが、正当な補償をしてほしい」と訴えた。
 そして3番目の秋山美紀さんの陳述には傍聴席からため息が漏れた。
 19年前に移住し、家族3人で平穏に暮らしてきた秋山さんの家屋はリニア路線からわずか北側に2m。土地の一部はリニア路線にかかる。
「最悪な生活環境になるにも関わらず、補償されるのはリニアの用地に係る土地だけで、該当する日陰補償が30年間分の厳しい保証だけで、私たちをこの地に住めと押し付ける強引な手法には、到底納得できません」
 冬至になれば、秋山さんの自宅の日照時間は1時間未満となる。さらにわずか2メートルの距離では、6時から24時まで6分間隔でリニアの騒音に悩まされることになる。

高架の日陰で家が真っ暗になる←リニア山梨実験線のすぐ近くに住む雨宮さん。写真撮影が11月上旬。11月中旬から1月中旬の2か月間は、太陽が高架の裏を通るので家屋が真っ暗になり、寒さにふるえることになる。
日陰のシミュレーション←雨宮さんがペン先で自宅の場所を指す。JR東海が作成した高架による日陰シミュレーション。

 住民の差し止め請求は南アルプス市内の5Kmが対象となるが、主任弁護士の梶山正三弁護士は「一カ所でも止めれば、リニアルート全体が止まる」と訴えた。

 だが、3人の原告が残念に思うのは、被告が一人も被告席にいなかったことだ。それは、原告にすれば、自分の思いの丈が被告に直接伝えられなかったことを意味する。次回期日は11月19日10時半から。

 もう少し詳しく知りたい人は、以下もお読みください。

●補足情報
 2013年9月、JR東海は、リニア計画路線の地域での環境アセスを終え、具体的にどういう計画で事業を進めるかの住民説明会が各地で開催。
 今回の原告8人が驚いたのが、自宅や所有する土地のすぐ近く、もしくは分断するようにリニアが通ることだった。
 以後、住民は動いた。具体的な動きを大雑把に書けば以下の通りになる。

1.大雑把な動き
▲2014年10月17日 国土交通大臣が、リニア計画を事業認可。
▲JR東海は各地で住民説明会を開催。だが南アルプス市の説明会ではJR東海が具体的回答をしないために、「この説明会はなかったことにしてほしい」と今も事業説明を拒否する自治会もあるほどだ。
▲具体的に、住民が受け入れられない被害は例えば以下のものだ。
 ★騒音
  リニア計画では、地上部の高架レールを防音フードで覆うのが原則だが、防音壁のみで天井が開いた走行区間がいくつかある。路線近くでは騒音被害を避けられない。騒音規制法では、大雑把には昼間は55デシベル、夜間が45デシベルが上限だが、リニアも含む新幹線計画においては、路線から片側400m(両側で800m)の範囲で70から75デシベルまでが認められている。
 ▲無補償
  400mの範囲での騒音被害があるかもなのに、JR東海が示した移転補償の対象は幅22mだけ。そこより外の家屋は無補償となる。
 ▲日陰
  高架の北側の家屋は日陰になる。それを補う電気代や暖房代の補償は30年間だけ。31年目からは自己負担だ。

2.住民の行動
 ▲申し入れ
 住民はすぐに動いた。まずはJR東海との話し合いだ。だが、JR東海の姿勢に失望することになる。
 たとえば、JR東海に「防音フード」の設置を何度も文書で申し入れた。だが、文書での質問に対して、JR東海がどう回答するかというと「口頭」で回答するのだ。しかも回答文書を読み上げながらだ。
 「その文書をください」と言っても、JR東海は絶対に文書をくれない。そして、その口頭内容についても、「大丈夫です」「法を守ります」などの抽象答弁に終始し、逆に住民の不安を煽った。
 秋山さん(前出)は、JR東海への不信感から、JR東海から求められた境界線を確定させる測量の立会いに応じず、その測量を認める印鑑も押していない。

  ▲調停と裁判
 ついで、住民は甲府簡易裁判所に民事調停を申し立てたが、2回の調停は不調に終わった。原告団長の志村さんはこれを振り返り「結局、話し合いも調停でもJR東海は一片の誠意を見せてくれなかった。私は当初、防音フード設置や移転補償が実現すればよしと思っていたが、今ではもうリニアを止めるしかないと思うようになりました」と語る。

3.弁護士の思惑
 この裁判を担当するのは、梶山正三弁護士。ごみ問題の係争では梶山というくらいに名を知られた弁護士だ。
  その梶山弁護士は裁判後の集会で私にこう語った。
 「現在、東京で行われている行政訴訟は愚策です。というのは、国相手の行政訴訟は最高裁まで争って判決が確定するのに10年はかかるのに、その間にリニア工事はどんどん進んで完成に近づいてしまう。しかし、今回は長さ5Kmの区間を止めるだけの民事訴訟だが、一カ所を止ればリニア全体が止まる。そして、地裁レベルでは長くても3年で判決が出る。私は勝てる可能性があると確信している」と語った。
 梶山弁護士は、原告8人が居住するリニア建設予定地を検証するよう裁判官に求めている。
「二日もあれば8カ所を回れます。そうすれば、この計画がいかに財産権と人格権を侵害するかが理解されるはず」
 11月19日も私は傍聴する予定だ。

 ただ、この裁判の方向性で今一度確認したい事項もあり、それもおって取材する予定。

リニア新幹線が不可能な7つの理由


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●この牧場造成計画は本気なのか? 
ーーリニアの残土処分のカモフラージュという声も…ーー

 印象としてはまったく「怪しい」計画だ。
 詳細は後日として概要だけ書く。

 もう20年も前に酪農を休業した家族経営の酪農家のSさんが、酪農と畜産を5年後に始めようとしている。
 だが不可解だ。

Sファーム概要←ざっと見ると、残土を高さ50メートルで積み上げるようだ。

1.Sさんは神奈川県茅ヶ崎市在住の家族経営の酪農家。20年前、やむなき事情で酪農をやめた(理由は割愛)。ところが今回、遠く離れた相模原市緑区の山間地の「志田峠」周辺に新たな牧場(Sファーム)を造成するのだという。

2.相模原市緑区は森におおわれた丘陵地帯。Sファームは、その山間地の傾斜地にどこからかもってくる残土100万立米を積み立て、平坦に造成し、造成後は牛を250頭も飼育する。
 だが家族経営といっても、休業から20年経った今、実質的な経営者は60代になり、正式な後継者も明らかにされていない

3.250頭も牛を飼育するのに、Sファームは夜は無人だ。Sさんは茅ヶ崎から車で通勤(約1時間)するのだという。夜間の牛の急病に誰が対応するのか? 昼間もいったい何人体制で牛の面倒を見るのかも不明。
 ちなみに相模原市に酪農家は21世帯いるが、その合計は668頭だ。1世帯だけで250頭は身の丈に合っているのか?

4.住民説明会は何度かあった。そこにSファームの代表者の高齢男性はいた。だが彼は無言。代わりに住民に説明をしたのは、残土での造成を行うゼネコンのフジタだ。あるときの説明会には後継者かどうかわからないSさんの長男も参加したが、やはり無言だった。

5.牧場の稼働は2024年と予測されているが、あと5年後、より高齢になるSさんは250頭もしいくできる体力を残しているのか? 酪農経験ゼロの後継者の長男は本当に携わるのか?

6.100万立米もの残土を造成するには約4億円の金が要る。そんな金はSさんにはないはずだ。フジタが肩代わりすると思われる。

7.Sファームの予定地は、リニア中央新幹線の非常口の一つ長竹非常口の近く。Sファーム計画を怪しむ住民がフジタに「残土はどこからもってくるのか? リニアの残土か?』と尋ねたとっころ、フジタは「使う」とは明言しないまでも、「リニアでも外環道《都心の地下高速道路》からの残土でも手に入る残土なら使いたい』と、否定しなかった。

8.もしSファームの造成を本当にやろうとすれば、100万立米もの残土を運ばねばならず、近隣集落の細い道を一日に300台(片道)のダンプカーが通ることになる。拡幅も難しい道だ。
 これを心配する住民はそこそこにいる。

9.今のところ、Sファームがらみの測量に応じるつもりがまったくない住民はいる。


●準備書の縦覧と住民説明会が始まる。

 で、私も知らなかったが、この計画においては、2年前に「環境影響評価方法書」の縦覧と住民説明会は終わっている。それが前述の説明会。
 だが、今週8月19日から「環境影響評価準備書」が縦覧され、来る9月5日19時からと8日の14時からの2回、串川地域センター(相模原市緑区)において住民説明会が開催される。 誰でも参加可能。
 ちなみに、この環境アセスを実施したのは、リニア計画の神奈川県地域を担当した「パシフィック・コンサルタント」社。この2年間での環境アセスにもおそらく億単位の金がかかったはずで、それをSさんが払えるはずがない。フジタが肩代わり?
 住民説明会では、Sファームが事業主なのだから、当然、代表者が参加して、自分の言葉で説明するのが本筋だが、やはりフジタが代弁?

 一部情報では「Sさんは騙されたのでは?」との声もある。
 そして、私への情報提供者などはこう予測する。
「おそらく、残土を積み立て造成したところで、Sファームは『事業再開に前向きでしたが、後継者問題の壁にぶつかり、酪農計画を中止します』と言うのではないか」
 
 これは単なる推測を出ないので、断定的な物言いは避ける。だが、もしそうだと仮定した場合、残土がきちんと処分できたとの事実だけは残る。この埋め立て誰が得をするのか。
 状況証拠でいえば「怪しい」としか言いようのない計画だ。

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