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樫田秀樹

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●リニア計画にはまだまだ知られていない闇がある 日陰、騒音、液状化(?)、工事中断→知らなかった…
 リニア新幹線は神奈川県相模原市緑区小倉で、現在建設中の高架橋で相模川を横切る計画だ。

231214リニア相模川橋梁工事4←相模川でのリニア橋梁工事。写真右にSさんの自宅がある。

231214リニア相模川橋梁工事2

231214リニア相模川橋梁工事3

●傾いた
 問題の発生は10月11日。建設現場で、相模川の西岸に位置する工事ヤードでは、高架橋の下部工(橋脚の基礎工事)が行われていたが、ここに直径数mの鉄パイプを5本地中に掘った穴に打ち込んだところ、傾いた。
 12日、それを引き抜くのに重機が投入され、朝から夜19時半までかけての引き抜き作業が行われた。その間、すぐ隣に住むSさん宅は揺れ続け、「ドドド」との轟音もやまなかった。

231214リニア相模川橋梁工事 工事ヤード1←Sさん宅のベランダから臨む工事ヤード。隣接している。

231214リニア相模川橋梁工事 工事ヤード5←鉄管(ケーシング)の建込。Sさん撮影。

231214リニア相模川橋梁工事 工事ヤード4←次いで、鉄筋カゴの建込。この後、コンクリートを流し込みコンクリート土台を固め、ケーシングを引き抜き、またケーシングを建込して鉄筋カゴを入れてと、一定の深さに達するまで繰り返す。Sさん撮影。

 なぜ傾いたのか。
 穴が地下水で満たされたため、鉄パイプが安定して直立できなくなったからだ。
231214リニア相模川橋梁工事 工事ヤード地下水←青い丸で示したのが、鉄管などを重機で引き抜いた跡。地下水に満ちている。Sさん撮影

 この地域は昔は川で、その後、畑、そして宅地造成されたとのこと。地下はたっぷりと地下水に満ちているのか。
 ともあれ、鉄管は引き抜かれ、今はその上に鉄板が敷かれ、穴があった場所には鉄板の上に、実寸大で赤い円が描かれている。



231214リニア相模川橋梁工事 工事ヤード6←地下水で満ちた穴に鉄板をかぶせた。Sさん撮影。

231214リニア相模川橋梁工事 工事ヤード2←鉄板の上には薄くだが、穴の実寸大で赤い円が描かれている。Sさん撮影。

●水の問題、日陰の問題、騒音の問題…
 工事担当は銭高組だが、Sさんには「来年1月中旬からの工事再開に備え、今いろいろと計画している」と伝えているそうだ。
 Sさん宅は3年前に夫が亡くなるまで地元では有名な割烹料理店だった。お店、そして自宅で使う水はすべて地下水。飲ませてもらったがおいしい。
 だが、今、自宅のすぐ隣に橋脚の基礎工事が行われ、川の上の橋脚で使用するために酸素を送るコンプレッサー施設も建設され、さらには将来的には高さ18メートルという高架橋が自宅のすぐ南を通るので、Sさん宅は真っ暗になる。
 夫は生前、「もし日陰になったら家じゅうにカビが発生しやすくなり、寒くなり、料理店の経営が難しくなる」としてリニア計画には反対していた。
 また、隣地で大量のセメント、骨材、化学物質などを使う工事が行われる以上、Sさんが心配するのは飲み水にしている地下水が果たして汚染されないかだ。

231214リニア相模川橋梁工事 メモ1←先日見つかったというSさんの夫が生前に書き残していたメモ。

 だが、JR東海はその調査をしていない。

●市民団体の役目
 今回の取材は相模原市を拠点にする市民団体「リニア新幹線を考える相模原連絡会」の案内で実現したが、連絡会のメンバーは、それを聞き「JR東海に訴えるべきです。この近くでリニアルートの近くにある酒蔵は5年ほど前から、月に一度の地下水検査をJR東海にしてもらっています。飲み水は人間生活の基本。こちらから強く訴えて水質検査をやりましょう」と提案。
 また、Sさん宅が日陰になることでも、最長で30年間の日陰補償を受けられることで、その交渉も必要だと訴えた。
 実のところ、Sさんは、夫が亡くなり店を閉じ、子どもも独立して違う場所に住んでいるから一人暮らしで、さらに愛着のある家が今後日陰と騒音振動に見舞われることで、違う場所に住みたいと願っている。だが、リニアルートは家屋にはかからないので、移転補償の対象外だ。
 また、引っ越そうと思っても、こういう悪条件の下では、誰も家を買ってくれない。

231214リニア相模川橋梁工事 メモ6←夫の生前のメモ。これはSさんの言葉を、忘れまいと夫が書き残していたものだった。

 どうすればいいのか。
 Sさんの悩みは深い。
231214リニア相模川橋梁工事 写真1←Sさんは時間があれば、隣接地の工事ヤードの写真を撮り続けている。

231214リニア相模川橋梁工事 カレンダー←Sさんはカレンダーを日記帳代わりにしているが、隣接地の工事のことはこまめにか、書き続けている。

 だからこそ、今回、相模原連絡会が積極的にSさんとつながったことは大きかった。Sさんには相談できる精神的支柱ができたのだ。
 市民団体の役割はここにある。地域で頑張っている住民個人、住民団体は各地にいるが、共通した悩みは、自分たちだけでどうやって対処すべきかが分からないこと、もしくは、何か発言したり行動すれば地域で生きづらくならないかと怖れていることだ。
 そのへんで、住所に縛られない市民団体は住民個人/団体に直接のサポートをすることができる。
 Sさんがちょっと安心した表情になったのは印象的だった。
 逆にいうなら、リニア全線を見渡しても、リニア計画に賛同する住民はいるものの、圧倒的多数は「反対」、「不安」、もしくは必要な情報が付与されない以上は「慎重」になっている住民だ。だが、その多くは声をあげても上げられない。その住民個人/団体をサポートする市民団体もまた少ないのも事実だ。リニアの市民運動の課題は大きい。

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●85歳の原告の意見陳述はリニア問題の要点を抑えていた
  JR東海のリニア計画では4つの裁判が進行中だ。その一つで、リニア工事差し止めを求める静岡県の裁判で、12月8日が第12回口頭弁論の日だった。
 原告の大石信生さん(藤枝市で29歳から昨年の84歳まで旧岡部町と藤枝市で議員を務めていた)の意見陳述は、とても具体的で、かつ、説得力のあるものだった。
231208 リニア静岡ミニ集会2←裁判前のミニ集会で発言する大石さん。

231208 リニア静岡報告集会2←裁判後の報告集会。手前が大石さん。奥にいるのが弁護団の事務局長である西ヶ谷弁護士。

 今までのJR東海と静岡県とのやりとりもよく勉強している。たとえばーー。
●1 リニア工事で大井川の水が「毎秒2トン失われる」、「最大で380メートルも地下水位が低下する」とJR東海が公表してから地域では極めて深刻な問題として受け止めている。だが、JR東海はいまだに住民が納得できる説明をしていません
●2 藤枝市の上下水道は7割が地下水、3割が大井川の漂流水。その地下水は90m級の深井戸20本から汲み上げられている。多くの事業者も井戸を掘っていて、
★藤枝市では62事業所が154本、★島田市は81事業所が160本、★焼津市は165事業所が304本、★吉田町は91事業所が250本と合計868本の井戸から一日30万トン超(毎秒2トン以上)をくみ上げている。
リニア工事での水減少が地下水利用者に計り知れない深刻な打撃と尊大を与える。
●3 県が公表している「大井川水系の過去の取水制限の記録」によると、過去30年間で取水制限された年は18年もある
 ★1995年は189日間、★2018年は147日間、★1994年は年間6回にわたり合計82日間の取水制限があり、上下水道は20%カット、農工業用水も38~50%もカットされた。
 リニア工事で大井川の水がさらに減少したら、もっと深刻な取水制限が起きる。
●4 JR東海は「毎秒2トン減少」「最大380mの地下水位低下」についてその根拠を明らかにしていない
 2020年9月10日の静岡新聞は、JR東海は「大井川直下で(トンネル工事すれば)高圧大量湧水の懸念がある」という資料を隠していたことが報道された。ここにトンネル工事で穴を開ければ、天然の水がめと言われる山体から水は抜けて、大井川が「河原砂漠」にある恐れさえある。本工事は差し止められるべき。

 こういった具体的数値と具体的事実は大切。特に「大井川の水は余っている」と宣う某氏には聞かせてあげたい。

●加えて、弁護団が作成した準備書面(要旨)も判りやすかった
231208 リニア静岡報告集会1←裁判後の報告集会。ほぼ満席だった。

 弁護団は以下の項目について、JR東海に説明するよう求めた。
・なぜ着工前に正確な透水係数を求める作業をやらないのか?
・JR東海の資料(甲E6号証の5p54図31下部)には「ボーリングでは粘板岩の同一層準で大量湧水が発生している」と記載しているのに、同ページ本文には「湧水も僅少」と相反する検討結果となっている根拠と理由。
・山梨県境の断層帯の透水係数は「一括りで大きく設定している」とするが、具体的根拠は?
・ポンプアップで使用される釜場(トンネル湧水を一時的に貯めるプール)の最大貯留可能量は?
・ポンプアップにはどんなポンプを何台設置するのか?
・その電力をいかに賄うのか? 予定される電気代は?
・ポンプアップはいつまで続ける予定か?

 等々。
 でも、この要請は、じつは原告が裁判所に数年前に提出した「原告準備書面1」で被告に回答を求めた事項だ。しかし、被告は「被告準備書面3」で「回答の必要性はない」と明記した上で、この3年間本当にただの一度も回答していないのだ。
 つまり、今回「準備書面10」にこの要請を改めて書き込んだのは
★問題の根幹の整理を行い、
★今年から替わった新しい裁判長などに、こういう根幹に関わる質問にJR東海が回答しないその姿勢をアピールする
 との目的がある(ということを、裁判後の報告集会で、私の質問への回答で確認した)。

●今の裁判長は裁判の終結を急いでいるかも…との情報もあるが、とりあえず、もうこれから3回分の口頭弁論の期日が決まった。
・3月8日14時半。
・6月21日14時半。
・9月13日14時半。

 特に去年からだが、じわじわと静岡バッシングが強まっている。
国交省主催の「有識者会議」(有識者とJR東海とが協議する)では、議論不十分なままで報告書が提出された。県議会は川勝知事を叩き、静岡市での「評議会」(有識者とJR東海とが協議する)では、元県副知事だった難波市長が、なぜかJR東海を擁護するような発言に終始する。メディアはひたすら川勝知事と静岡県を批判する。そして、県と一枚岩だったと思われていた、大井川の水を利用する8市2町の首長たちもリニア工事に前向きになっている。
  この力学はどこから来たのか。
 それでも今、まっとうにリニア計画と対峙するのは、川勝知事を別にすれば、有識者とJR東海と県とが協議する「静岡県環境保全連絡会議」、県内の8つの市民団体、そしてこの裁判だ。この力はけっこう大きい。
 だがなぜかメディアは市民団体の声をほとんど伝えない。異常な事態といえる。
231208 リニア静岡ミニ集会1

←調査報道の鑑。信濃毎日新聞が半年にわたり連載した「土の声を」が単行本に。読み応え120%保証。

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9月19日。
山梨県南アルプス市の住民6人が「リニア工事差止」を求めている裁判で、裁判所による現地検証が実施された。この裁判では二人目の裁判長は、担当当初から「私がこのなかではリニアについては一番の素人です」と認めたうえで、おそらくそれまでに積み重ねられた膨大な準備書面を読む時間がないことから原告と被告の双方に、これまでの準備書面を要約した「要約準備書面」の提出を求めた。裁判長にはやる気がある。
 そして、やはり当初から、原告の求める現地検証にはやる気を見せていて、実際、先日の9月15日にはリニア山梨実験線の4カ所を現地検証(私は行けなかった)して、騒音、振動、日陰など実際の被害に遭っている住民に遭っている。
 そして今回の19日は原告6人と補助参加人数人の居住地や田畑を確認。
 ただし、裁判所からは、メディアに対しては、「遠く離れていること。話しかけないこと」などの条件が原告側弁護士を通じて要請されていたので、私たちはそれに従った。
 では裁判所が検証した居住地ではどういう問題が起きるのか。

230921 リニア現地検証西川田んぼ1←甲西グラウンドがリニア建設のため解体されている。リニアはここを通り、写真奥にある原告の西川さんの田んぼを斜めに横切る。また、ここは距離200mにわたり、高架で走るリニアに防音フードが設置されない区間なので、近くに住む補助参加人は大騒音を心配している。

リニア 西川勉さんの土地←赤い帯がリニアルート。写真のがれきの山は、この図の右側。原告、西川さんの田んぼは斜めにリニアルートとなるが、その北側は日照障害のため作物を育てられなくなる。

230921 リニア現地検証西川田んぼ2←上の写真のアップ。西川さんの田んぼの近くでは、裁判所職員、JR東海社員、原告、補助参加人、原告側弁護士が集まった。

 どの原告もその家屋、敷地、田畑などがリニアのルートにかかる。つまりルートの間近に住む人たちだ。
 だが家屋にわずかでもかかれば移転補償の対象になるが、秋山美紀さんのようにほんの数m離れると対象外。田畑もルートにかかる分は補償されるが、日陰補償についてJRは詳しい説明をしていない。これについては、私はすでに4年ほど前、それら居住地や田畑を巡り、ブログなどに投稿しているので、詳しくはこちらを参照してほしい。(ただし、この記事に出てくる二人目と三人目の原告はもろもろの事情で原告を降りている)

 今回、どの現場でも私たち記者(といっても取材したのは意外にもフリー3人だけ)は50mは離れたので、何を話しているのかまったく分からなかったが、唯一、最後から2人目の秋山美紀さんはとてもよく通る声なので、その主張がところどころ聞こえてきた。
「リニアのルートはこの家の敷地の角をかすめます。JR東海はそのかすめた部分しか補償しないというんです。私はリニアルートからほんの数m先で暮らすことになるので、JR職員に『あなたがたも同じ立場だったらどう思いますか?』と尋ねても何も答えません」等々。
230921 リニア現地検証 秋山2←秋山さんの自宅近くでの現地検証。すでにルートにかかる家々は補償金をもらい立ち退いた。だが秋山さん宅は庭の一部がかかるだけなので、引っ越したくても引っ越せない。また、騒音、振動、日陰、眺望なしになるであろう家を誰も買わないから家を売ることもできない。

 現地検証のあと、原告団長である志村一郎さんから聞いたところ、検証中、裁判長は自ら意見や質問を発しなかった。おそらく、これまでの法廷での原告の主張が本当かの確認をしたはずだ。
230921 リニア現地検証 志村一郎原告団長←原告団長の志村さん。志村さんの田畑も日照障害に見舞われることになる。

 そして10月24日、甲府地裁では、いよいよ原告6人と補助参加人3人による証人尋問が行われる。それが終わると、年内か来年の早い時期に原告と被告の双方が最終準備書面を提出し、最終弁論が行われ結審する。つまり、判決はおそらく来年に出るということだ。
 今の裁判長であれば、ひょっとすればひょっとするのではとの思いも走るが、それなりに中身のある判決になるのではと思う原告はいる。ただし裁判に期待は禁物だ。
 時間のある方は、10月24日、朝9時半までには甲府地裁に来てほしい。おそらく傍聴希望者多数のため抽選になるかと思われる。証人尋問は朝10時から17時までの長丁場になる。裁判終了後は近くで報告集会も開催予定。

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 リニアは2027年に開通しない。これは各都県で工事が遅れているからで、JR東海が主張するような「静岡県が着工を許可しないので」ではない。
 そのことは具体事例をあげて、雑誌、SNSの投稿などで記事を書いてきた。
 さて、では、その遅れている工事の進捗率はどれほどか? この正確な算出は難しい。JR東海が、各工区ごとの進捗(何mのトンネル計画で何m掘ったかなど)をほとんど公表しないからだ。
 ただし、品川から名古屋まで約80工区あるうちのどれくらいの工区に着手したのかは公開されているのでわかる。
 ここではリニア本線の86%を占めるトンネルに絞って、その数字に迫りたい。

 まず、本線は286Km。うちトンネルは246Km。そして既に運用されている山梨実験線(将来の本線を兼ねる)は全長約43Kmで、そのうちトンネルは約35Kmだから、実験線を除いた本線トンネル区間は211Kmだ。
 リニアの約80の工区は、そのほとんどで、JR東海は工事契約済みだが(逆に言えば、現時点でも工事未契約工区が存在する)、その多くは「非常口」(斜坑や立坑)や先進坑(本線トンネルを掘る前に調査用に掘る小さなトンネル)や取り付け道路といった「準備工事」がほとんどだ。

★そして、本線トンネルに「着工」した工区は私が数えた限り、「16」ある。
 その合計距離数は62.55Km。
リニア、本線トンネル工事の進捗230920

 仮にこのすべてを掘削し終えたと仮定しても、その進捗は62.55÷211=約30%だ。つまり、本線トンネルの70%以上は未着工ということだ。
 だが実際には、そのほぼすべてで掘削は未完だ。わずかに出されている掘削距離数を見ると、着工工区の進捗は上記30%の半分もないと推測できる。仮に15%ならば、未着工率は85%だ。
 これを知っても、JR東海も、まったく現場を取材しないマスコミも「静岡のせいで」と繰り返すだろうか。

 さて、以前も書きましたが、昨年末をもってリニア取材資金が尽きました。今は貯金を切り崩す形で取材をしていますが、もうもちません。幸いにというべか、予定しているリニア関連の単行本の下書きがあと少しで終わるので、その印税に賭けてみますが、仮に下書きが来月に終わっても、実際の出版はその数か月後になり、印税はさらにその1~2か月後となります。
 ずうずうしいお願いですが、 もし私を支援して下さる方がいれば、以下の銀行口座に振り込んでいただくか、パソコンやスマホでもできる100円(それ以上でも)カンパをいただければたいへん助かります。こちらからお願いいたします。

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 8月20日。神奈川県相模原市で「大西大通り線」について、市民と本村賢太郎市長との質疑応答が行われた。
230820リニア大西大通り線 市長質疑応答6

 相模原市では、JR橋本駅のすぐ隣にリニア神奈川県駅が建設中。2027年の完成(絶対に無理)に合わせて、市は駅周辺開発を手掛けるが、その一つが駅周辺につの道路を新設することだ。
 そのなかでもっとも長い「大西大通り線」は長さ920m。約100軒が立ち退かされることになる。そして、この新設道路は、なぜかその直下の地下20m前後を走るリニアルートでもある。
 JR東海がここを工事するためには、
★「区分地上権」という地下を利用するための権利を地権者から得る必要がある。
 だが、仮にリニア計画に反対する住民、もしくはここを離れたくない住民がいれば、「区分地上権」を設定できない。
 そして、住民が疑うのは
★立ち退くにしてもJR東海が補償金を支払う。だが、この直上に道路計画が来れば、あとは東京都が事業認可すれば、住民の立ち退きなどが容易になる。これは、リニア計画を実現するための道路計画なのでは、ということだ。

 この計画に反対する市民団体が、市長と交渉し、この日、市民と市長との対談が実現した。
 まず、そういう場に市のトップである市長が現れたことは評価したい。
 で、肝心の質疑応答だが、ほぼ全員が反対意見。そのいくつかを紹介する。

●住民1 リニア計画の上に道路を作った。リニアを作るための道路。どうせ作るなら、この道路だったら仕方ないよねというものを作ってほしい。この計画には、住民の意見が反映されていない。
230820リニア大西大通り線 市長質疑応答5

●住民2 これだけ反対が多いのに、道路計画の開業まで予定されているのはどうして。測量を始めるというが、まず鉱床でしょ。順番が逆。市は「町づくり」のためというが、町はもうできている。道路は作らなきゃダメ?
●住民3 市長に聞きたい。私は選挙の時はあなたに協力しているが、あなたもこの会議にご協力を。このルートはどう見てもおかしい。私は昭和37年(1962年)から住んでいるが、このルートのため工場も自宅もとられてしまう。新しい道路よりも、既存の道路を広げてほしい。(拍手)まだ未整備の道路もある。お金をそちらに回すべき。
●住民4 あなたは常日頃「すべての人が幸せに暮らせる暖かな相模原を」と言うが、この計画は我々を不幸の淵に追いやる。
 本当の政治家なら勇気ある撤退が必要。既存の道路を活用したらどうですか?もっと頭を使いなさいよ。税金でご飯食べているんだから。

★市長からの回答  「72万人の市民を誰一人取りこぼさない」は私のポリシー。
 4年前に市長に就任したとき、虫食い状態での道路開発だったので、令和4年3月に新道路計画を立て、21本に絞って決定。相模原市は周辺道路の計画が進んでいなかった。
 橋本駅南口に5本の道路ができる。特に大西大通りについては、その必要性も説明しなければと思う。
230820リニア大西大通り線 市長質疑応答3

●住民5 この計画、地権者がハンコを押さない限り、100年経ってもできないですよ。本村君は道路をつくる気? それとも既存の道路の活用? どっち?

★市長の回答  市の職員を中心に用地交渉をさせていただく。人生をかけての自宅購入だから、丁寧に寄り添えと言っている。
 私もまだ皆さんへの寄り添いは足りないと思う。
 ただし、大西大通りについての説明会は55回行っている。(会場から「嘘ですよ!」「そんなにやっていない」)
230820リニア大西大通り線 市長質疑応答4

●住民6(竹内安夫さん) 国交省のガイドラインは法令ではないが、法令のように重い。そこでは、道路の構想段階から住民とコミュニケーションをとることと定めている。ところが、この計画での現実は、地権者は一切知ることなく、昨年3月31日に突然の発表となった。そして、そのときの資料には、大西大通りには個別説明を行ったと書いている。私はそんな説明を受けていない! それを質問したら、6年前に話したと。そういうことは一切なかった。すると、今年5月の説明会で担当者は「個別説明会は行っていなかった」と言葉を変えた。私は驚いた。嘘を堂々と広報したということですよ。
230820リニア大西大通り線 市長質疑応答2

 ●住民7 西橋本の住民は誰一人、この道路は不要と思う。なぜ強引に作ろうとする。私たちを立ち退かせ、中途半端な道路をつくる必要はない。
 渋滞緩和のためというが、数年後もこの新しい道路も渋滞するのは目に見えている。
 市長は見えないか? 事業認可もこれからなのに、説明資料では土地売買の制限など恐喝するような脅し文句だ。

●住民8 対話が必要。でも、我々は市長のポリシーから排除されている。55回の説明会なんて嘘。対話もしていない。
 丁寧な説明というが、市の考えを丁寧に説明されても困る。我々が求めるのは対話。対話からお互いがすることが見えてくる。この道路は、住民の意見も聞かず始まっている。一度白紙に戻すべき。(拍手)
230820リニア大西大通り線 市長質疑応答1

★市長の回答 国交省のガイドラインはどんな道路にも一律的な適用ではなく、国道などの大規模道路が対象。じつは私自身も市長就任した時、市の道路計画をこれが本当に道路計画課と疑った。今回の道路については昨年6月に路線図を示した。だが確かに説明会は足りなかった。
 私は今後、説明会はすべて出て対話もする。大西大通りに関しては撤回はしないが、ご理解いただけるよう説明する。橋本駅周辺がどう変わるか分からなければ賛成もしていただけない。
 この道路計画には賛成の方もいるので。(会場から「いませんよ!」)

●竹内  国交省ガイドラインは国道だけ対象とはとんでもない。じゃ国道じゃなきゃどうでもいいんですか、冗談じゃない。
 市長に質問したい。なぜ道路計画は唐突な発表になったのですか? なぜ市民を排除するのですか?
 市には新設道路を作るための条例もガイドラインもないし、コミュニケーションも意見も無視する? 答えてください。

●住民9  私はリニアルートの直上に住む。役人が考えた街づくりは「こうだよね」とのきれいな言葉だが、要は、当事者、地権者や近隣住民の意見が反映されていない。なぜ道路策定の会議に当事者を入れなかった? 

★市長の回答 これだけ多くの方が理解をしていない。対話は足りなかったと思う。今後、膝を突き合わせてやりたい。

 と予定の1時間を30分延長して臨んだ市長は、終了後すぐにエレベーターへと向かった。
 私は廊下に市長を追いかけ「対話をするとおっしゃいましたが、その対話の間は、この計画はいったん中断するのですか?」と尋ねた。
 すると市長は「それは今会場にいる担当職員に聞いてください」とつれない返事。
 ともあれすぐ会場に戻り、担当職員に話を聞いた。で、結論は。
▲対話をしても、スケジュールは変えない。大西大通り線は、第1工区と第2工区があるが、第1工区の来年10月からの測量開始は変えない。
――でも、この道路計画、完成までに10年かかります。リニア開業予定の2027年(絶対無理)には間に合いませんよ。
▲測量と合わせ、用地交渉も来年から始ます。(つまり2027年以前に)
――しかし、第1工区が竣工してから第2工区の着工では、さらに10年かかる。じゃ、第2工区の測量や用地交渉はいつ始めるのか?
▲再来年です。(実に、たった1年遅れでの用地交渉。やはり2027年前までには第2工区の買収も終えたいのか?)
――確認したい。資料には用地交渉には「土地収用法の適用」も示唆されているが、「強制収用」(不動産の名義を個人から国に替える)や「行政代執行」を適用するのか?
▲それはやりません!(これは本気の回答だった) あくまでも丁寧に地権者と交渉します。

私は市長はそれなりに真剣に市民の声に耳を傾けたと思う。もしかしたら、市長はこれまでの住民の意見の詳細を知らされていなかったのかもしれない。となると、民意とスケジュールが決まった計画との間で、何をどう決断するのか。その推移を今後も見ていきたい。

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1都6県にまたがるリニア問題を一人で取材することは自分で選んだ道でありますが、それも多くの方から取材費カンパというご支援をいただいたからです。とはいえ、2022年末にその資金プールがついに底をつき、東京都や神奈川県以外の遠方への取材を控えざるを得なくなってしまいました。今一度、ご支援を賜りたくここにそのお願いをする次第です。ご支援者には、今年には発行予定のリニア単行本を謹呈させていただきます。私の銀行口座は「みずほ銀行・虎ノ門支店・普通口座・1502881」です。また100円からのご寄付が可能なhttps://ofuse.me/koara89/letter もご利用ください。私と面識のない方は、お礼をしたいので、ご支援の際に、できればお名前を連絡先を教えていただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  樫田拝
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私が原発を止めた理由
3.11以後の原発裁判において、初めて運転差し止めを命じた判決を出した裁判長が、退官後の今、なぜあの判決を出したのか、なぜほかの裁判では住民は敗訴するのかを説明している。
超電導リニアの不都合な真実
リニア中央新幹線の問題点を『技術的』な側面から、極めて客観的に情報を分析しその発信に努め、リニアの実現性には課題ありと論じている。難しい専門用語を極力排し、読み易さにもこだわった良書。
リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」
リニア中央新幹線を巡る問題を語らせては、その理論に一部のすきも見せない橋山禮治郎氏の第2弾。このままでは,リニア計画とJR東海という会社は共倒れになることを、感情ではなく、豊富なデータを駆使して予測している。必読の書。
自爆営業
国会で問題にされても一向に改まらない郵便局の自爆営業。年賀状1万枚、かもめーる700枚、ふるさと小包便30個等々のノルマはほぼ達成不可能だから、ほとんどの職員が自腹で買い取る。昇進をちらつかせるパワハラや機能しない労組。いったい何がどうなっているのか?他業種の自腹買取も描いている。
アキモトのパンの缶詰12缶セット
スペースシャトルの宇宙食にもなった。保存期間は3年。しっとりおいしい奇跡の缶詰。24缶セットもある。
共通番号の危険な使われ方
今年10月に全国民に通知され、来年1月から運用が始まるマイナンバーという名の国民背番号制度。その危険性を日本一解かり易く解説した書。著者の一人の白石孝さんは全国での講演と国会議員へのアドバイスと飛び回っている。
マグネシウム文明論
日本にも100%自給できるエネルギー源がある。海に溶けているマグネシウムだ。海水からローテクでマグネシウムを取り出し、リチウムイオン電池の10倍ももつマグネシウム電池を使えば、スマホは一か月もつし、電気自動車も1000キロ走る。公害を起こさないリサイクルシステムも矢部氏は考えている。脱原発派は必見だ。