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取材しても、記事にできる情報は1割未満。しかし捨てた9割にも、伝えられるべきものがあります。ボツになった企画も数知れず。そんなネタを紹介します。なお、本ブログの文章と写真の無断転載はお断りします。ご利用希望者合はご一報下さい。
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樫田秀樹

Author:樫田秀樹
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●女子高生が日本を変える!

 社会問題、環境問題取材のためいろいろな現場に行くが、住民運動でも、市民運動でも、それに関わる若い人は本当に少ない。ダムで故郷が水没するかもしれないのに、いつかは町の家々が立ち退かされるかもしれないのに、地元の水源が枯れるかもしれないのに、まるで知らないかのように行動しない。
 それでも以前と比べたら増えた。
 気候変動や戦争法案などへの反対運動やデモへの参加、性暴力の根絶を訴えるフラワーデモの主催など、若い人は増えた。最近では、「入管問題」に関心を寄せる若い人がとても多い。収容施設への面会も繰り返すし、差し入れもするし、デモにも参加するし、発信もする。自分の問題ではないことでも「社会の問題」だとして参加する若者たちの行動は頼もしい。

 さて、私が個人的に「この子はすごい」と感じた高校生は過去に何人かいる。例えば、

1.地域の騒音問題を解決した女子高校生。
 学校からの騒音(主にクラブ活動)への周辺地域の苦情は全国各地になる。だがこれを「まずは互いにコミュニケーションを取ること」と、柳原真由さんは、高校生と近隣住民とが定期的に話し合う協議会を設置し、信頼関係を構築することで騒音問題を解決した。 記事はこちら。


2.アデランスを動かした女子高生
 北海道の帯広三条高校の放送局は、2014年の第61回NHK杯全国高校放送コンテストのテレビドキュメント部門で、「髪の絆」が優秀賞を受賞。
 白血病などで髪の毛を失った子供たちのため、31センチ以上の髪の毛を寄付する「ヘア・ドネーション」運動を扱ったドキュメントだ。これら頭髪は、NPO法人「JHD&C」(ジャーダック)が集め、ウイッグを製造し、18歳以下の子どもたちに無償提供するのだが、この作品を監督した荒麻菜絵さん(当時3年生)が「ヘア・ドネーション」という行動があることを地元の美容室で知ったことで、取材を開始。JHD&Cのある大阪市、そして、あの「アデランス」も取材。すると、荒さんの取材に感銘を受けたアデランスは「JHD&C」との提携を始めた。荒さんはその後公立大学に進学したが、自らも髪を伸ばし、2回ほどヘア・ドネーションを行っている。
 ブログ記事はこちら。

3.異文化を理解しよう。「りな」さんの活動
 つい先日知り合った女子高生。本日は、これをちょっと詳しく書く。
 「りな」さんは都内の高校3年生。昨年秋、アメリカに留学したのだが、それまでは政治にも社会問題にも関心を持つことがない、どこにでもいる女の子だった。
 だが、アメリカで意識が変わる。
 アメリカでは、当然ではあるが、学校やクラスの生徒にはさまざまな人種がいる。誰かと誰かが違うのは当たり前。そして、それら若者が社会問題や政治について話をしても普通のこと。一般市民でも、最近の白人警官の黒人射殺後のデモに見られるように、自分が被害者や当事者でなくても、意見を表明したり行動するのも当たり前。
 
 りなさんは、これら「当たり前」の毎日を過ごしていたが、コロナ禍により予定より早く今年3月下旬に帰国した。
 そして、りなさんを変えるきっかけはその翌月に訪れる。

 りなさんの自宅は東京都の品川駅の近くにある。ある日、自宅で、品川にある東京入管(出入国在留管理局)に向けての市民運動が様々なアピールをしながらデモをするのを耳にした。
 りなさんは、「入管って何が問題なの?」とまずはインターネットでその問題を調べ、次いで入管問題を扱う市民団体に入り、東京入管でこれまで4,5回の被収容者への面会を重ねている。
 入管問題の深刻さに、りなさんは「日本でこんなことが起こっているとは」と驚き、それを多くの人が知らないことにも驚いた。

 さらに、東京の高校に復学すると、アメリカでは当たり前だった社会問題や政治の話をすると、友だちは「へ~」と言うだけで引いていった。入管問題も理解される以前に、話ができない。今、高校でそういうことを話せる友だちは一人もいないという。
 入管問題にしても、難民申請をしただけの人が世間では「不法滞在者だろ」だけの評価しか受けず、その背景に誰も思いを寄せない。

 異質なものを受け入れず、理解しようともしない日本社会。どうすれば、「ちがう」ことが身の回りにあることが当たり前になるのか。りなさんは考えた。

「みんな社会問題に無関心だけど、それ以前に『知らない』ことがもっと大きい問題です。知れば、絶対に変わるはず。ではどう理解してもらうのか」
 
 だが、若者に大上段で「社会問題が」「政治が」「入管が」「異文化が」と言っても通じない。どうすればいい。
 ある日、りなさんの頭に「これだ」との構想が浮かんだ。そして、わずか一日でウエブ・メディア「GRADECO」(グラデコ)を作成した

 グラデコとは、エスペラント語で「グラデーション」を意味する。
 グラデコが目指すのは、「異文化を理解する」ことで「ちがいがポジティブに享受される社会」だ。

 とはいえ、サイトを開設しただけでは世の中は変わらない。そこで、実際の「ちがい」を実感するために実践しているのが、東京都内に住む外国人が経営するレストランで食事を楽しみながらのインタビュー(イスラエル、チュニジア、ミンスク等々)、メイクアップを通じての異文化理解を実践する人へのインタビュー、2ヶ月ごとに国を変えて世界各地の朝ごはんを提供するレストランへの取材など、「とにかく敷居の低い、誰もが参加しやすい活動」だ。
 実際、そのブログを読んでも、私も関心惹かれる事例ばかりだ。

 これを17歳の高校生が一人で始めた。
 今、グラデコのメンバーは10数人にまで増えているが、随時新しいメンバーを募集中とのこと。
 なお、りなさんは入管問題を調べるうちに、「入管問題 ジャーナリスト」で検索して私にたどり着いたという。ここで書いたことも、数日前にりなさんからの取材を受けたときに聞いたことだ。数あるジャーナリストのなかでも私に連絡してくれたことを感謝する。
 それにしても、数年後には、りなさんには追い抜かれるな、こりゃ。

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となりの難民
←入管問題に長年関わっている織田朝日さんの著書。足元の難民問題を平易な形で著した日本初の本。

月刊「世界」12月号
← 月刊「世界」12月号。ここに私の書いた入管問題のルポ。そして、仮放免者3組による座談会をまとめた記録を掲載しました。他の著者の原稿も熱いです。保存版の一冊だと断言しておきます。

リニア新幹線が不可能な7つの理由


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2020/08/31 15:37 人権 TB(0) コメント(0)


●2週間後にまた夫婦は引き裂かれる?

 10月25日、入管の収容施設「東日本入国管理センター」から「ハンスト→3年2カ月ぶりに仮放免→2週間で再収容→再ハンスト」していたクルド人デニズさんが再仮放免された。
 総務課の話では、正午までには仮放免されるとのことだったが、もう一人の仮放免者もいたためか、手続きに時間がかかり、とうとう正午になった。入管は12時から13時は仕事をしないので、午後に持ち越しか・・と半ばあきらめていたら、雨の中、職員に付き添われてきて正面玄関に歩いてくるデニズさんを見た。
 迎えに来ていた妻(日本人)が「あ!」と小声を上げて小走りに駆け寄る。デニズさんも走る。その抱擁には心を撃たれるものがあった。



今回も仮放免は2週間

 2人は、もしかしたらまた2週間後に離れ離れにならねばならないかもしれない。そう、今回もデニズさんに出た仮放免期間はわずか2週間だけだった。

●どこまで続く「2週間」ルール
 この「2週間」を事前に職員から伝えられていたからこそ、デニズさんは9月22日に自殺を図った。
 その後、私もそうだが、取材者や支援者の面会が続くことで、それ以降の自傷行為は収まったが、だからこそ、また心配になる。もし11月7日の更新が不許可になったら、また「無期収容」が続く。
 デニズさんは、そのときは再々々ハンストをするというが、おそらく、入管はまた2週間の仮放免で臨む。
 
 牛久入管のある職員はこう言った。
「ハンストで痩せて不健康になるから、健康になってもらうために外に出す。健康になったら戻ってもらう。それが上(入管庁)の方針です」。
 こんなことはどこかで終わらせなければならない。

デニズさんと妻の抱擁1 DSC09603_size.jpg←この日、もう一人の被収容者も仮放免された。かつて、デニズさんと同じブロックにいたこともある。これまで3年以上も収容されていた。だが彼もやはり2週間の仮放免。

●仲のいい夫婦
 デニズさんと妻Aさん(日本人)は本当に仲がいい。
 デニズさんは、仮放免を迎える支援者の前でも、何度もAさんに「愛しているよ」と言っては、頭にキスを繰り返していた。
 仮放免された後、ご夫婦と、私、そしてNHKのディレクターの4人は新宿で食事をするのだが、このときもまったく同じ。
 聞けば、出会ったときにAさんの一目ぼれだったようだが、猛烈アタックをかけてきたのはデニズさんだった。
 ただ、Aさんはデニズさんよりもずっと年上だったので、つきあうことはOKでも、結婚は考えていなかった。
 だから、デニズさんから結婚を申し込まれたも、返事をできないでいると、デニズさんは「まじめじゃない!」と叱った。つまり、自分は真剣に結婚を考えている。真面目に考え、そう決めた。でも、あなたは、それをまじめに考えていない。
 このとき、Aさんは、その通りだと悟り、結婚を決めた。
 
 この日、ご夫婦の間では、2週間後のことは話題にはならなかった。
 おそらく思うことはあるだろうけど、この日はとにかく再会を楽しんでいた。

●国は結婚を認めない。
 
 だが、国は、2011年に入籍までしているこの夫婦でも、未だにデニズさんに対して、「在留特別許可」も出していない。
 デニズさんご夫婦に限らず、国は、仮放免者の結婚を「偽装結婚」だと疑っているのだ。

 もし、デニズさんが、11月7日に仮放免が更新されたとしても、まだ問題は続く。
★働けないこと
★移動の自由がないこと
★仮放免のままで在留資格を与えられないこと。

 そして、前回の仮放免で、デニズさんは一般病院で「拘禁反応の疑いあり」と診断され、再入所後の牛久入管では「抑うつ状態」と診断された。
 今回の仮放免中に、デニズさんは心療内科を訪れるが、そこでも同様の診断が出るはずだ。それでも入管はデニズさんを再び収容するのだろうか。病巣に還すのだろうか?
 今回の再収容中にも、その苦しさからデニズさんは自殺を図った。下の写真がその傷跡。
 しかも、これが初めてではない。人間が人間にここまでの扱いをする。私は心が震える。

9月22日の自殺を図ったときの傷跡

←長年、日本国内の難民問題に携わる織田朝日さんの著書。11月1日発売。


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2019/10/26 23:11 人権 TB(0) コメント(0)

●血染めのTシャツ

 先日、入管収容所の「東日本入国管理センター」(茨城県牛久市)の被収容者、トルコ出身のクルド人のデニズさんから血染めのTシャツが送られてきた。9月22日に自殺を図ったときのTシャツだ。

デニズさんTシャツ2

デニズさんTシャツ1


 彼は、3年2カ月もの収容に耐えられず、今年の6月から、仮放免(一時的に収容を解く措置)を求めハンストして、果たして8月上旬に仮放免を得たが、たった2週間で再収用された(通常は更新される)。で、また再ハンスト。そして、9月20日、入管はまた仮放免を約束したので、ハンスト中止したが、その直後に職員から「2週間で戻すけど」と言われ絶望して、その2日後に手首を切ったのだ。

●うつ状態
 8月の仮放免のとき、デニズさんが真っ先に訪れたのは精神科の病院。そして下された診断は「拘禁反応の疑い」だった。
 本来ならば、何年間も通院しなければならない症状だ。だがその治療を受けることなく、また、3年2カ月ぶりにやっと再会できた妻とも、たったの2週間だけ再会できただけで、今度はいつ仮放免されるかわからない再収用をされてしまった。
 だのに、再び得られた仮放免で、入管職員は「また2週間だ」と宣言したのだ。
 
●「自殺しようとしました」
 その言葉に絶望したデニズさんは両手首を切った。
 さらに、首も切ろうとしたところで、それに気づいたイラン人男性が「ダメ!」と止めに入って、事なきを得た。
 とはいえ、出血多量により、すぐに外部の病院に搬送され処置を受ける。
 
 だが、病院からセンターに戻ってきたとき、デニズさん曰く「そのたった一分後に、一分後に、職員が『デニズ、あなたを懲罰房に送る』と告げたんです。私は治療を受けてきたばかり。どうして、なんの体調チェックもせずにいきなり懲罰房と言えるんでしょうか!」。
 デニズさんが弁護士経由で私にTシャツを送ってきたのは、被収容者が精神的に苦しい立場に追い込まれていることをわかってほしいからだ。

 私は勿論、ハンストや自殺を勧めない。だって、本当に死んでしまうかもしれないから。だが、その奥にある彼らの辛さは伝えたい。

 なお、本件については、近いうちにネット記事でより詳細に配信予定です。


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2019/10/11 00:41 人権 TB(0) コメント(0)


●先月初めて知った作田明賞。

 故作田氏は犯罪防止と少年の更生等に尽力した精神科医。テレビのコメンテーターとしても活躍した。
 生前、同様の個人・団体を称え表彰するために私財を投じ作田明記念財団を設立し、「作田明賞」を創設した。

 第10回目となる本日の授賞式で最優秀賞を受賞したのが、私が取材中の北洋建設の小澤輝真社長だ。つまり、小澤社長からの情報でこの賞を知った。

小澤社長ご夫婦←小澤社長と妻のあきみさん。

 小澤社長のことは、刑務所からの出所者を積極採用している人物として今まで何度も取り上げたので、ここではそれは繰り返さない。ただ、小澤社長は長年の出所者採用をしていることで、この「作田明賞」のことは当然知っていて、自分の活動が認められて受賞
できたことを素直に「嬉しいです」と語っていた。

受賞する小澤社長←受賞する小澤社長

 優秀賞を得た二人の活動も素晴らしい。

●副島勲さん
 一人が福岡市のリサイクル業「(株)ヒューマンハーバー」の副島勲社長。
 刑務所出所者に対し必要なのは「住居と仕事」だとはよく言われることだが、副島社長はそれだけでは足りない、「教育」こそが必要だと、出所後の半年~1年を寮生活させながら、礼儀、約束履行、責任を取ることなど「心のスポンジ作り」に腐心し、社会復帰へのリハビリ期間として人を育てている。
 出所者にとって同社は修行の場所。ここから多くの出所者が巣立っていったが、再犯率はゼロ
 副島社長が強調したのは「宇宙最大の資源は人間です!」
 今後は、出所後から社会復帰までのリハビリ施設である「中間支援施設」の創設を目的としている。

作田明賞の受賞者←受賞者。小澤社長の写真向かって右にいるのが副島さん、左が三浦さん。

●三浦一広さん
 もう一人が、鹿児島県奄美市のNPO奄美青少年支援センター「ゆずり葉の郷」の三浦一広所長。
 少年非行の多くの元凶は家庭環境や地域社会崩壊。ここから多くの子どもが、非行、不登校、シンナー依存など居場所なく生きている。
 彼らの相談に応じ、「自立・共生」を目指す「ゆずり葉の郷」を2001年に設立。

 そして、三浦所長の功績はなんといっても、非行少年たちを排除するのではなく、逆に地域の犯罪防止のためのパトロールや清掃活動を担わせる「奄美市青少年警護隊」を任せること。
 この計画に警察は大反対。「ワルがつるむと暴走族になる」と。
 だが、特に札付きのワルにこそ隊長職を任せると、みるみる心を開き、警察がマークしていた非行地域が安全地域へと変貌
した。

「彼らの共通点は、小さいときから、誰にも認められなかった、励まされなかったこと。ほめれば絶対に更生します」
 
 ある中学校の番長も三浦さんに存在を肯定されてから、2代目警護隊長を務めたが、ある日、アパート5階から飛び降り自殺を図った中学生女子を走って下でキャッチして助けた。しかしその衝撃で彼は大腿骨骨折をした。軽々しく書くべきではないが、これはほめてあげたい。
 2010年には、家庭崩壊で居場所をなくした若者を受け入れる青少年自立援助ホーム「さざ波の家・奄美」も開設した。

 この授賞式には、小澤社長の取材が主目的だったが、副島さんと三浦さんにも取材をしたくなった。
 今、その余裕はないが、いつの日か実現したい。





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2019/09/01 00:38 人権 TB(0) コメント(0)


●サファリさん再収用される。

 前回書いたこと。
 東日本入国管理センター(茨城県牛久市)から「死を賭したハンスト」でやっと勝ち得た「仮放免」(収容を一時的に解くこと)は、当人たちにすれば初めから喜べなかった。
 また戻されることが判っていたからだ。
 
東京入管前での支援1 東京入管前での支援2 東京入管前で支援者にお礼を述べるサファリさん←東京入管前で支援者にお礼を述べるサファリさん。礼儀正しい人。この数時間後再収用された。

 イラン人のサファリさんは、6月7日からハンストをして体重を15キロ落とし、ときに吐血し、ときに昏睡状態に陥った。
 死なれたらたまらない・・とでも判断したのか、1か月後の7月9日、入管側は、「条件付き」で仮放免を出すと約束した。
 ★ハンストを中止すること
 ★血液検査を受けること

 これを受け入れると、サファリさんは果たして仮放免されたが、その期間はたったの2週間だ。
 
 昨日、東京入管(東京都港区)にその更新手続きで赴いたサファリさんを、施設の外では多くの支援者が見守っていた。
 更新をするためのインタビュー室の待合室で私はサファリさんの隣に座り話を聞いた。
 サファリさんはこう話した。

「条件付きでの仮放免ですが、今、思えば、みごとにだまされました。初めから私たちを収容所に戻すつもりだったのですから」

 7月31日からの仮放免の2週間は苦しみの2週間だった。
 サファリさんはハンスト開始前は体重が86Kgあったが、ハンストで70.25Kgまで落ち、ハンスト中止後に75Kgにまで回復したが、「またあそこに戻るのか」の絶望感から食事を摂ることができず、今、体重は減っている。73Kgだ。

「昨日食べたのはコンビニのサラダだけです。睡眠も朝5時からの1時間だけで、睡眠剤を飲んでもまったく眠れないんです」

 見ると、サファリさんの足元には小さなリュックサックが置いてある。
 中身を尋ねると

「着替えです。そして私に関連する入管の資料です」

 サファリさんは、間もなく牛久に戻されることを意識していた。そしてこう言い切った。

「戻ったら戻ったで、私はすぐにハンストします。入管は人をいつまでだますのか。私は何も悪いことはしていないのです」

 午前10時25分、入管のインタビュー室に入ったサファリさんはそのまま待合室に出てくることはなく、牛久入管に再収用されてしまった。


●明日はデニズさんの番

 サファリさんの2日後の8月2日に仮放免で出たのがクルド人(トルコ出身)のデニズさんだ。
 彼もやはりハンストをして、2つの条件を受け入れてハンストを中止して、もらった仮放免は2週間だけ。
 明日、16日に東京入管に赴き、仮放免の更新手続きに臨む。

 デニズさんは3年2カ月も収容されていた。

 じつは、牛久入管で私が最も多く面会取材したのがデニズさんだ。5回くらいだろうか。

 サファリさんはとても穏やかな物腰だが、デニズさんは直情的になることがある。面会取材しても、私に長期収容で受けている屈辱や差別的扱いへの憤りをぶつけてくる。

★懲罰房
 屈辱的な扱い。
 たとえば、担当職員を呼ぶために、手のひらで「担当さん!」とガラス窓を叩く。これだけで懲罰房に入れられる。
 また、あるときは、ボディチェックが長い職員に対して「もうやめてください」と軽く体に触れたら、それだけで懲罰房。
 デニズさんはかれこれ30回ほど懲罰房に入っている。

★自殺未遂
 また同時に、絶望的な収容生活に、いつ出られるかわからない見通しのなさに絶望して、自殺未遂を4回起こしている。

自殺未遂←入管に残っているデニズさんの自殺未遂直後の記録写真

★職員からの暴力

 また、たびたび職員からの暴力も受けているという。
 もちろん、入管側はこの事実を認めない。ところが、今年、初めてそれを認める事件が起きた。

 1月18日夜。
 デニズさんは収容生活のストレスから、精神安定剤をくれるよう担当職員に頼んだ。
 だが職員は「あなたが1か月半前に服用を中断した睡眠薬がある」としてそれを拒否。
 デニズさんが「私が欲しいのは精神安定剤です。それをください」としばらく口論が続くと、15人くらいの職員がいっせいに入室してきて、デニズさんを制圧した。
 デニズさんは背中側で手をねじられ、口と鼻をふさがれ、職員の親指の先であごの下を刺した(これにより数日間は食事ができなくなった)。そして懲罰房に送られた。

 この事実に対してデニズさんは、弁護士を介して、入管に「不服申出書」を提出
 すると、入管はその判定として「理由あり」と回答したのだ。

理由あり

 「理由あり」

 とは、不服申出には理由があった、つまり、この場合は暴力があったと認めたこと。
とはいえ、具体的にどういう暴力を認めたかについては、情報公開しても出てこない。ということで、この件は今後裁判で争われる予定。

★そして、デニズさんにしても、たった2週間の仮放免で再びあの場所に替えるのかとの恐怖感をぬぐえない。
 3年2カ月もの長期収容はデニズさんの精神バランスを崩し、仮放免後に受診した精神科では「拘禁反応の疑い」との診断が下された。
 その病気を作り出した場所にデニズさんは明日帰るのか?
診断書 拘禁反応

 これはどう考えても異常な措置だ。
 お時間と心ある人たちは明日、8月16日午前9時頃に(それ以降でもOK)東京入管(東京都港区)に集まってください。

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2019/08/15 10:05 人権 TB(0) コメント(0)
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1都6県にまたがるリニア問題を一人で取材することは自分で選んだ道でありますが、それも多くの方から取材費カンパというご支援をいただいたからです。とはいえ、2022年末にその資金プールがついに底をつき、東京都や神奈川県以外の遠方への取材を控えざるを得なくなってしまいました。今一度、ご支援を賜りたくここにそのお願いをする次第です。ご支援者には、今年には発行予定のリニア単行本を謹呈させていただきます。私の銀行口座は「みずほ銀行・虎ノ門支店・普通口座・1502881」です。また100円からのご寄付が可能なhttps://ofuse.me/koara89/letter もご利用ください。私と面識のない方は、お礼をしたいので、ご支援の際に、できればお名前を連絡先を教えていただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  樫田拝
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私が原発を止めた理由
3.11以後の原発裁判において、初めて運転差し止めを命じた判決を出した裁判長が、退官後の今、なぜあの判決を出したのか、なぜほかの裁判では住民は敗訴するのかを説明している。
超電導リニアの不都合な真実
リニア中央新幹線の問題点を『技術的』な側面から、極めて客観的に情報を分析しその発信に努め、リニアの実現性には課題ありと論じている。難しい専門用語を極力排し、読み易さにもこだわった良書。
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