取材しても、記事にできる情報は1割未満。しかし捨てた9割にも、伝えられるべきものがあります。ボツになった企画も数知れず。そんなネタを紹介します。なお、本ブログの文章と写真の無断転載はお断りします。ご利用希望者合はご一報下さい。
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●性同一性障害の父の子「嫡出子」に。

 12月11日と12日、あちこちのテレビ局で、性同一性の父親の子どもが「嫡出子」として認められたとのニュースが大々的に流れていました。

 前田さん(仮名)だ!

 前田さんのことは、私のHPにも本ブログにも書いているので、読んでみてください。

 事件を簡単に説明するならば、

★前田良さんは元女性。性同一性障害であることから、性転換手術を受けて、日本国からも男性として認められ、戸籍上の性別も変更した。

★前田亜紀さんは、そのすべてを知りつつ、「大切なのは彼が好きかどうかの気持ちだ」と結婚する。

★しかし、男性に性転換したといっても、男性の生殖能力は備わっていない。そこで、子どもが欲しい夫婦は、亜紀さんが第三者からの精子を人工授精して、太郎君を生んだ。

★そして、出生届を役所に出向くと、役所の職員が「戸籍上は男でも、生物学上は女。嫡出子として認められない。非嫡出子なら認める」と説明。これは法務省の見解をそのまま口にしただけ。

★しかし、自分たちの子であること、そして、普通の男性でも不妊症の場合は、やはり第三者からの精子提供で妻が子どもを生んで「嫡出子」として認められていることから、前田さんは断固「嫡出子」として認めてもらうべく、裁判闘争を起こした。

★地裁も高裁も敗訴。

★そして昨日、最高裁での大逆転の勝訴判決。


 本人の12月11日のブログには、以下のように書かれています。



祝、祝、祝、祝、祝、祝、祝

今日、ついにでた!

最高裁。

認められた。くつがえした。

ヤッター。

あきらめず、頑張り続けた結果だ。

明日、13時から記者会見。

長かった。

日本もまだまだすてたもんじゃなかった。

心がはれた。

応援してくださった方々本当にありがとうございます。

今日は、妻と喜びあいと明日の準備があるのて、このへんで失礼します。


大切なあなたへ

本当にありがとう。
やったね。



 じつは、前田さんの闘いについて、「非嫡出子であろうが、たとえば養子など血がつながっていなくても本当の親子になれる。血がつながっていても、愛情なき親子がいる。本当の親子になれるのは愛情があるかどうかだ。こだわる必要はない」という人もいます。

 私はそれも一つの考えとして極めて正しいと思います。

 しかし、前田さんの場合の「正しい選択」は太郎君を嫡出子として育てたいということでした。
 正解は人それぞれです。

 
 そして、12月12日のブログはこうです。


あきらめない

あきらめないことの大切さ。

おかしいと思ったことに声をあげ、途中であきらめず、突き進み、信じ続けることの大切さ。

身をもって体験し、息子たちに胸をはって伝えることごできる。

例えダメでも、あきらめない気持ち。これはかわらない。

四年という月日は、とても長かった。

でも、僕も今となれば、大切なこと、貴重な体験、人との関わり、たくさんのことを学ぶことができた。

生きていて本当によかった。

小さな力でも、あきらめない気持ち、信じる気持ち、これが大きかった。

新しいことを受け入れ認める世の中に一歩前進。

まだまだ、僕も父として頑張るぞ。

僕は、息子たちの父親だ!


大切なあなたへ

家族の幸せ。


 性転換者を巡る世間の目はまだまだ温かいとはいえません。

 それでも、まずは、ご家族のご多幸をお祈りいたします。

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2013/12/13 00:13 人権 TB(0) コメント(1)
 珍しく、1月末から先週まで切れることなく締め切りの連続で、まったくブログ更新できませんでした。さらには、それが終わって緊張が解けたためなのか、連日の長時間のパソコン使用から来たであろう眼精疲労、生まれて初めての偏頭痛に悩まされ、しばらくはパソコン使用を控えていました。


●釈然としない思い

 さて、1月31日に滋賀県大津市でのイジメ自殺事件に関する報告書が、市の第三者調査委員会から提出されました。

 230ページもある膨大なもので、全部読みきれていませんが、釈然としないものがあります。とはいえ、さすがに良く調べていて、概ね、評価すべきと思いました。

 さて、私は、学校が実施したアンケートをネット上で探し、それを分析してみました。それは以前、このブログにも書きました。以下の主旨です。

★マスコミは、いじめたのは3人(2人の同級生と1人の他級生)であるとの報道を持続的に展開してきました。しかし、私がアンケートを分析した結果、この違うクラスの男子の関わりはごく薄いと捉えました。

 そして、今回の報告書ではまさにその通りのことが書かれていました。

▲男子生徒Dの行為をいじめとは認定しない。ただし、教育的な指等をする必要性は綻められる。

 さて、ここで考えねばならぬのは、許してはならない悪童たちとの論調を張ってきたメディアが、このD君にどう落とし前をつけるかです。今現在、中学校3年生ならば、本来は受験に臨んでいる時期です。D君は果たして受験勉強に専念できたのか?

 メディアは少なくともD君には謝罪をすべきなのではないのか?


●「イジメの練習」「葬式ごっこ」

 そして、この事件を一気に全国的に知らしめたのは、イジメ行為のなかで「自殺の練習」があったとの報道です。
 ところが、これだってアンケートを注意深く読めばわかりますが、すべてが「伝聞」です。
 「~と聞いている」
 「~という噂だ」 

 このウラも取らずに、大新聞もテレビも週刊誌も、すべてのメディアが踊ったのです。
 報告書には「自殺の練習」に関してはこう書かれています。

▲前述したとおり. 10月に入り2度.教室及び廊下の窓でBが身を乗り出すような形を見せて.A(自殺した男子)に対して同じようにやれと命じている。しかし.Aはこれを頑なに拒否したため.Bが命じたような体勢をとることはなかった。以上のとおり.自殺の練習を実際にさせられていたということは言えないものの.

 
 と、ここまでは「自殺の練習」の事実はないと言っていますが、これに続く文言にがっかりしました。

▲自殺の練習をしろと音われたことは認めることができる。

 何だ、これ~。
 そもそも調査委員会は、「事実」のみで報告書を作る役割を負っているのに、これは単なる「推測」です。
 調査委員会に尋ねたい。結局「自殺の練習」はあったのですか? なかったのですか?  

 憶測で報告書を作ってはいけません。


 さらに、この事件を全国区にしたもう一つの要素は「葬式ごっこ」があったということです。
 これにもメディアが踊りました。
 これについては、調査委員会はばっさりと切り捨てています。

▲そのような事実があったとは誰められなかった。
 アンケートを記載した生徒は.直接そのような行為を見たことはなく.同級生から聴いたことであり.その同級生はきょうだいから聴いたということであった。情報源といわれたアンケートを記載した生徒の同級生めきょうだいも.アンケートの後、そのようなことがあったと知ったということであり.現場を見たということではなかった。
 以上から.葬式ごっこがなされていたと認めることはできない。


 これらについて、誤った報道をしたメディアが訂正記事を出したことはありません。


●家族問題は?

 この事件が起きた当初、学校や市が主張していたのが「家族の問題も一要因」とのことです。

 じつは、私の元にも、自殺したA君のいた学校のある保護者から「あの家の問題は知る人は知っている」との連絡をもらっています。

 しかし、家庭問題というとてもデリケートな問題を軽々しくは書けません。

 報告書では

▲父親との間の親子関係については,信頼関係が崩れているといえない。

 と報告しています。

 ただ、この件で私が一点だけ気になっていることがあります。

 それは、この調査委員会から一人の委員が、昨年8月、委員会の初会合がある日の前日に突然辞任をしたことです。

 それは、臨床心理士の野田正人氏(滋賀県臨床心理士会会長)。
 初会合の前日、「A君の遺族が、野田氏が自らが知り得た家庭の情報を漏洩した疑いがあるとして抗議文を提出予定」との記事が一部で報道されたのです。
 
 野田氏は「情報漏洩の事実はない。だが、委員会に迷惑がかかる」と辞任します。

 毎日新聞の報道で野田氏はこう述べています。

「生徒の家庭状況について職務上の関係者と話したことはあるが、無関係の人に語った記憶はない。その情報を私から求めたことはない」とし、「一般論としては自殺の原因は家庭要因も調査すべきだ」と述べた。

 うがった見方はしたくありません。だが、なぜ、よりによって初会合の前日になって、家庭問題の専門家を遺族が外す動きに出たのか?

 この結果なのか、今回の報告書で家庭問題の扱いは、どちらかというと事実を淡々と既述したもので、検証作業にまで及んだのかはやや疑問が残るところです(そもそも、半分以上が黒塗りなので)。野田氏が関わっていれば、また違っていたのかもしれません。


 この大津氏の件、私は現地を取材したことはありません。
 もし本気でコレを取材したら数十万円の経費がかかるのに、それを回収するだけの記事を載せてくれるところがないからです。いわゆる人権派の雑誌でも無理です。この事件に関しては腰が引けています。

 つまり、日本全国が「3悪童を懲らしめろ」の批判の声をあげる中、それをひっくり返す報道は難しいのだと。
 しかし今、少なくとも、3児童のうち一人のD君はそうではないことが分かりました(元々、学校のアンケートをきちんと読めば分かることです)。


 あと、残る2人についても、報告書の内容を吟味しながら知りたいと思っています。

 少なくとも、真犯人を挙げろという主張だけではなく、「冤罪を作るな」との哲学がメディアには必要です。

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2013/02/27 12:28 人権 TB(0) コメント(1)
●アンケートを分析してみた

 大津市のイジメ自殺事件。

 私自身は現地取材していないので、何もかにもを断言して書けません。

 メディアの過熱報道もやっと潮が引きましたが、現地では、警察と市が設置した調査委員会とが提携して、ダンボール8箱分とも言われる資料の解析や、関係者への聞き取り調査を年内いっぱい続けるようなので、公正な結果が出ることを祈るばかりです。

 すなわち、私も、ここで先走った意見は言うべきではありません。
 しかし、5W1Hをほとんど無視してきたマスコミ報道で、事実がゆがめられているのではとの思いだけは発信していきます。

 私は今、現地の二人の方(件の中学校の保護者。加害者とされる少年の家族の知人)から随時、連絡をいただいておりますが、私も含めた共通する認識は「3少年=悪」とするマスコミの論調がおかしいということです。
 いろいろな情報を整理すれば、3少年のなかには主犯格の悪はいたが、残る1少年、もしくは2少年については、そう断言するのは難しいとの見方です。

アンケートの一部 ←アンケートの一部



 さて、中学校が実施したという、自殺に関する2回のアンケートですが、これは、インターネットでどなたが公開しています。そこで見る限りのデータですが、

★第一回目のアンケートで確認できる回答数は181人。
 中学校は全校生徒が約860人なので、それと比べたらずいぶん少ない。
 しかし考えてみれば、それも当然で、A君は昨年、中学校2年生のときに自殺しましたが、学年の違う1年生や3年生が、2年生の状況を知ることはほとんどできないからです。
 また、同じ学年であっても、クラスが違えば情報量も桁違いに違います。

 この181人という数字は、もしかしたら、インターネット上で見られる「回答の一部」なのかもしれませんが、上記の理由で「回答の全て」なのかもしれません。

 ともあれ、ここではこの181人の回答を分析してみます。


●直接見たのは44人

 私はこのアンケートを3つに分類してみました。

1.「~と聞いた」など単なる伝聞情報。
2.直接見たとの情報。
3.どちらか判別できない情報。

 その結果、

1は107人
2は44人
3は30人  となりました。

 たとえば、

1なら
 ・自殺の練習をさせられた、などを聞いた。
 ・手をロープで縛って目隠しした状態で階段を上らせたりしていたと聞いた。
 ・いじめられていた噂を聞いた。なきながらxx先生に電話をしていたと聞いた。
 ・等々

3なら
 ・3人がトイレでぼこぼこにしていた。ハチを食べさせようとしていた。
 ・テスト成績カードをびりびりに破られたのに、先生には「なくした」と言っていた。
 ・はじめは仲よさそうだったのに、夏休みが終わって学校が始まってからじゃれあいがひどくなっていました。
 ・等々

 これは、確かに「直接見た」との印象を受けますが、アンケートには、「誰が」「どこで」がまったく記載されていません。つまり、伝聞情報をそのまま書き述べたと捉えています(これは、あくまでも私の主観による分析です)。
 また、「じゃれあいがひどくなった」というのは、イジメと断定するには厳しいものを感じます。
 そこで、このようなあいまいな情報は「3」にした次第です。


●44の目撃事例の内訳

 さて、「2」の「直接見た」44人の情報を整理します。
 その多くの情報は重複していて、具体的には、以下の情報になります。

 ★9月20日、陸上競技場で。体育祭の日  16人
 ・体育大会のときに手を縛られ、口にガムテープを張られている姿を目撃しました。
 ・「B君」「C君」が死んだ蜂を食べさせていた等々。
 ・手を後ろでたすきで縛られているのを見た。
 ・等々

 このうち「誰が」に指定されたのは、B君が7回、C君が7回、D君が1回、E君が1回となっています。他は無記名です。


 ★廊下、トイレ、教室  11人
 ・2学期が始まった最初らへんのとき、2年3組の廊下で殴られたり蹴られたり、ひどいことをされているのを見た。 (ただし、「誰が」がない) 
 ・友達と殴り合いをしていた(ただし「いつ」「誰が」がない)
 ・2週間くらい前、トイレで、「B君」「C君」になぐられてはった。
 ・いつ頃かは覚えていないですけど、昼休みに3組、4組の廊下で「B君」「C君」が殴ったり、蹴ったり、上に乗って首を絞めているところを見かけることがありました。
 ・かなり前から廊下で暴力をふるわれていた(ただし、「いつ」「誰が」がない)
 ・一週間くらい前、階段で、蹴られたりしているのを見た。(ただし、「誰が」がない)
 
 この11件の情報のうち、「誰が」に指名されたのは「B君」8回、「C君」5回となっています。つまり「D君」は0回です。D君は上記の体育祭でも1回しか登場していません。


 そして、この44件の情報で「誰が」何回登場するかを調べてみると、以下のようになります。

 B君 23回
 C君 22回
 D君  3回
 E君  2回
 G君  1回

 ここで不思議に思うのは、いじめたとされる3少年(B君、C君、D君)のうち、D君は意外にも3回しか登場していません。それも、そのうち1回は、「ちょっかいを出したのを見た」という証言です(微妙ですが、とりあえず、「見た」証言なので「2」に入れておきました)。

 おそらく、B君とC君は何らかの形でいじめ、もしくは、いじめと見られる行為(本人たちはふざけあいかもしれないが)に関わっているにせよ、これだけ目撃情報が少ないD君が、なぜイジメた加害者と見なされるのか?

 D君が登場する、あとの2回とは

 ・「9月半ばからプロレスごっこみたいな感じで、首を絞められたり、蹴られているのを見ました」
 ・上記の体育祭

 だけ。

 しかも繰り返しますが、この体育祭にしても、D君のことを記入した事例は1人だけ。

 アンケート情報は、全体のごく限られた情報でしかありません。
 そして、私は「イジメ」が自殺の原因の一つではあっても、すべてであると今は断言すべきではないと思います。

 イジメがあったにしても、積極的にしていたのか、イヤイヤやらされていたかの区別もしなければなりません。

 3少年のうち一人はA君とは元々は仲良しで、家に泊まる間柄でした。なぜ、イジメる側とされてしまったのか。その検証も必要です。

 そして、イジメだけがすべての原因なのか? その検証も必要です。

 でもそんな作業はマスコミはやりません。なので、まずは、警察と調査委員会の包括的調査に期待するばかりですが、「少年は3人とも悪」とする報道は勇み足だったとしか思えません。

 報道はもう後戻りしません。新聞や雑誌の発行部数、テレビの視聴率。それら数字があがることでナンボの世界ですから。 

 いったい、「何百人もの生徒がイジメを見ていた」との報道はなんだったんでしょう。


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2012/09/19 12:40 人権 TB(0) コメント(1)
●遺骨を返還せよ!

 気になる記事が新聞に載りました。
 北海道に住むアイヌ民族が、北海道大学に「保管」されているアイヌ人の人骨「標本」を返還せよと提訴したのです。

 たとえば、毎日新聞には以下の記事が載っています(要約)。

★北海道大学が研究目的でアイヌ民族の墓地から遺骨を掘り起こし保管していることに対し、子孫3人が14日、遺骨の返還と慰謝料900万円の支払いを求める訴訟を札幌地裁に起こした。

 提訴したのは、アイヌ集落(コタン)があった北海道浦河町杵臼(きねうす)地区の出身で、札幌市の小川隆吉さん(77)、同町の城野口ユリさん(79)と76歳の女性。

 訴状によると、同地区では1931〜55年ごろ、当時の北大医学部教授らが集落の墓地から、遺族の承諾なしに、遺骨を掘り起こした。北大の開示資料によると、同地区では「13体以上」を収集したとの記載があるが、少なくとも先祖78人の遺骨が北大に保管されていると主張。

 北大は戦前から医学や人類学の研究目的で、アイヌ民族墓地から計1004体の頭骨を収集したとされる。北海道ウタリ協会(現北海道アイヌ協会)は82年に供養と返還を要請し、北大は84年、医学部の敷地に納骨堂を建てて遺骨を安置したが、返還は旭川市などの35体にとどまっている。

 城野口さんは「母は亡くなる前、先祖の骨を取り戻せないのが情けないと言って泣いた。私たちから言葉も文化も奪った上に、骨まで奪うのか」と怒りをぶつけた。


●友人の北大内の探検

 なぜ、私がこの記事に関心を持ったかというと、私には北海道大学(以下、北大)出身の友人がいるのですが、彼から数年前に聞いた話があまりにも強烈だったからです。

 友人NR君は1958年生まれ。私が1959年3月生まれなので、いわば1958年度生まれの同級生ということになります(私は違う大学ですが)。現在、イラストレーターとして活躍しています。
 NR君は現役で北大に合格。つまり1976年に入学したことになります。

 その年、NR君は北大の構内にとても古い建物があることが気になります。いや、古いことに加え、その建物に誰も出入りしないことが不思議でたまらなくなったのです。しかも、建物の入り口には標識もない。だけど、鍵だけはしっかりとかかっている。

 いったい中に何があるのか? その関心を抑えきれなくなったNR君は、仲間数人に「おい、探検しようぜ」と呼びかけ、それをある夜に実行に移しました。正面玄関は施錠されているので、1階の施錠されていない窓から侵入したのです。
 
 夜であるし、中には明かりなどないので、当然真っ暗。懐中電灯だけを頼りに進みます。
 そのとき、NR君が何かを蹴りました。

「初めは硬いボールなのかなと思った」

 とNR君は振り返ります。ところが、その「ボール」に懐中電灯を当てると、「うわー!」と驚愕の声を上げます。

 人のシャレコウベだったのです。え? レプリカ? なんだ、ここは!

 懐中電灯であたりを照らすと、その恐ろしさにNR君たちは驚愕します。壁一面の棚には、ズラリと「人の顔」や「体の部位」が並んでいる!

 そこにはアイヌ民族の刀や首飾りなどの装飾品もある。

 それを見てNR君たちはやっと理解しました。

「アイヌ人だ。アイヌの人たちが、標本としてここに収集されたんだ」

 NR君が蹴ったシャレコウベは、何かの拍子で、棚から落ちて、首だけが床に転がったのでしょう。

 NR君たちは、とっさに、その場にこれ以上いてはいけないという理性が強く働き、とにかく、走ってその場を去ったようです。

 卒業までNR君がその場を訪れたことはありません。ましてや、今、その建物がどうなっているのかも分かりません。


★北大教授の墓泥棒

 これに関する情報は、インターネットでも入手できます。

 これら人骨を収集したのは、北大の児玉作左衛門教授(1970年没)。
 元々は、医学部教授ですが、そのうち、日本民族とアイヌ民族との脳髄比較研究や頭骨の比較研究などを行うようになり、学者生活の大半をアイヌ研究に費やしたといわれています。

 児玉教授が北大で教鞭をとるのは1929年から。そして、私財を投じて収集したアイヌ関連の史料は「児玉コレク
ション」と呼ばれているのですが、非人道的としか思えないのが、そこに、1004体ものアイヌ民族の人骨を集めていたことです。

 非人道的なのは、その収集の方法です。いや、そもそも、人の骨を研究のためであれ「集める」のはあってはならないことです。もし100歩譲ってそれが許されるとしても、児玉教授は、ときには遺族に無断で(つまり盗掘)、ときには警察を使って遺族を排除しての発掘を行っていたとも伝えられています。
 
 そして1982年、北大学医学部が大量の遺骨を長年にわたって動物実験施設内などに放置していたことが明らかになります。
 つまり、アイヌ民族のご遺骨は動物の骨と一緒に「保管」されていたことになります。
 NR君が探検したのはこの動物実験施設なのか?

 たとえば、以下のサイトを見てください。私はそこに写っている写真をみたとたん、吐きそうになりました。

 http://www.alles.or.jp/~tariq/honehone/kodama.html


 当然のごとく、遺族や北海道ウタリ協会(現・北海道アイヌ協会)は抗議。そして、医学部は、35人分の遺骨だけを遺族に返還します。そして929人分の遺骨については、1984年に構内に新設した「アイヌ納骨堂」に「安置」します。
 
 これはまったく変な話で、なぜ返還しないのか?

 北海道アイヌ協会は、当然のごとく、その返還を求めています。ところが北大側は「学術研究」をたてにそれを拒んでいるのです。

 それが、今回の提訴につながったということです。

 ちなみに、「アイヌ納骨堂」に安置されているご遺骨ですが、これは年に一度のアイヌ民族の「イチャルパ」という慰霊祭をするときだけアイヌ民族の関係者に開放されていますが、そのレポートは以下をご覧ください。
 特定の民族を動物として扱う研究者がいた、そして、まだいることに愕然たる思いを抱くことと思います。

http://www.alles.or.jp/~tariq/report/boneCollector/icharpa020802a.html

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2012/09/17 01:56 人権 TB(0) コメント(1)
 大津市のイジメ自殺事件。

 イジメがあったかなかったの以前に、事件をめぐる報道がいい加減だったことを本ブログでは伝えてきました。

 そして、ダメ元で、いくつかの雑誌やテレビ番組制作会社に、これまでの報道を検証する必要性を訴える企画を出してみました。もしくは編集者に個人的な意見として伝えてみました。

 現時点で、企画として取り上げてくれるところはゼロです。

 企画が通らなかったところのいくつかからは、なぜ通らないかの理由を伝えてくれました。
 以下、紹介します。

●あるテレビ番組製作会社
 企画会議での結論から言うと、本質的で重要な問題提起だが、今のテレビでは難しいだろうということです。
 
 最終的に事実をつきとめる材料にたどりつけないだろうこと。

 いま調査委員会ができて、そこでの結論の前に事実関係についての報道は難しいこと。

 つまり、事実はこうだ、と提示できないだろうと思うのです。
 これは、5W1Hの確認なしに決め付けて報じるメディアの側の問題、つまり「報じ方」の問題としてはとても重要なのですが、メディアがメディアを論じるかっこうになり、今の民放では無理でしょう。
 テレビの商業ジャーナリズムの限界です。

●ある雑誌
 大津のイジメ問題は他からもいろいろ提案を受けているのですが、当面とりあげないことにしています。
 理由は、私たち自身が掘り下げられないという力不足のゆえです。
 面目ありません。



 テレビ番組制作会社が言うように「いま調査委員会ができて、そこでの結論の前に事実関係についての報道は難しい」というのは事実です。ですので、メディアが現時点で「これが事実だ」と伝えるのは難しいことです。

 ただ、私としては、これまでの報道が5W1Hを無視したものである以上、本当の事実を提示できなくとも、少なくともその疑問を呈するだけでもやるべきではないかと思うのです。
 
 これまでの「3悪童を裁け」との論調を作り出してきたマスコミの取材者は、もし、3少年が冤罪だった場合、責任をとるのでしょうか? いや、とらない。逃げます。「あのときは適切な判断だと思っていた」とか言って。
 
 もちろん、イジメの可能性がある以上は、調査委員会はきちんと調査すべきです。ただ願わくば、「3少年がいじめたいた」との「前提」にたった調査ではないことを祈ります。
 もし3少年がいじめていたとしたら、それは調査の「結果」としてわかってくることなので。

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2012/09/10 12:29 人権 TB(0) コメント(2)
リニア取材のカンパのお願い
 リニア中央新幹線の取材範囲は、東京都から愛知県までと広範囲で、多大な取材経費を要することから、数十組もいる会うべき人たち・組織の多くに会えないでいます。また、リニアに関する記事を書こうにも、ほとんどの雑誌はJR東海が広告主であるため、記事を掲載できず、取材するほどに資金力が落ちる状態が続いています。今後は、再び単行本の発行を目指しますが、私のリニア中央新幹線に関する取材へのご寄付をお願いできないでしょうか?  カンパをしてくださった方には ★ブログに記事を掲載する際のお知らせ。 ★雑誌に記事を載せる場合の、掲載誌送付。 ★単行本を出した際の、一冊謹呈。  など、せめてもの特典を用意いたします。  なお、いただいたカンパは以下の用途に限定します。 ★取材地までの往復交通費。 ★取材地での宿泊費。 ★リニア中央新幹線に係る資料代。  食費は自己負担としますが、使用明細は公開します。  ご協力いただける方は以下の口座への入金をお願いいたします。  みずほ銀行・虎ノ門支店・普通・1502881 カシダヒデキ  ご入金に際し、ご住所や連絡先などを教えていただけたら助かります。どうぞよろしくお願いいたします。
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必要か、リニア新幹線
リニア中央新幹線の問題点を『環境性』『技術性』『採算性』の3点から理論的、実証的に解説した一冊。リニア計画の入門書。
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リニア中央新幹線を巡る問題を語らせては、その理論に一部のすきも見せない橋山禮治郎氏の第2弾。このままでは,リニア計画とJR東海という会社は共倒れになることを、感情ではなく、豊富なデータを駆使して予測している。必読の書。
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スペースシャトルの宇宙食にもなった。保存期間は3年。しっとりおいしい奇跡の缶詰。24缶セットもある。
共通番号の危険な使われ方
今年10月に全国民に通知され、来年1月から運用が始まるマイナンバーという名の国民背番号制度。その危険性を日本一解かり易く解説した書。著者の一人の白石孝さんは全国での講演と国会議員へのアドバイスと飛び回っている。
マグネシウム文明論
日本にも100%自給できるエネルギー源がある。海に溶けているマグネシウムだ。海水からローテクでマグネシウムを取り出し、リチウムイオン電池の10倍ももつマグネシウム電池を使えば、スマホは一か月もつし、電気自動車も1000キロ走る。公害を起こさないリサイクルシステムも矢部氏は考えている。脱原発派は必見だ。