取材しても、記事にできる情報は1割未満。しかし捨てた9割にも、伝えられるべきものがあります。ボツになった企画も数知れず。そんなネタを紹介します。なお、本ブログの文章と写真の無断転載はお断りします。ご利用希望者合はご一報下さい。
プロフィール

樫田秀樹

Author:樫田秀樹
フリージャーナリストです。今まで書いた記事を整理したHP「樫田秀樹の記録部屋」と併せておつきあいください。なお、本ブログの文章と写真の無断利用はお断りいたします。使用されたい方はご一報ください。

ブンブンエコライト
ブンブン回すだけで充電できる懐中電灯。たった97グラム!
電気不要・8年間カートリッジ交換不要の浄水器
カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カレンダー
02 | 2017/03 | 03
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
月別アーカイブ
全記事表示リンク
この記事にリンクを貼る
40種類の柄、15種類のカラーから自分好みに選べる、オリジナル フルジップパーカ
バケツ洗濯機KJ-950
これは便利!雑巾や軍手、スニーカーなどがきれいに!
携帯用洗面器
旅行に便利。空気で膨らむ洗面器。
ランドリーポッド
電気不要の洗濯機。災害時の備えに。
電球型ポケットライト
財布や名刺入れにも入る薄型ライト。厚さ3ミリ
LEDダイナモランタン
手回し充電もソーラー充電もOK。部屋のインテリアにも。
LEDキャンドル
LEDだけど炎がゆらぐ。癒される。息の吹きかけでオン・オフができる。
折り畳みヘルメット
サイズ調整可の折り畳み防災ヘルメット
タタメットズキン
サイズ調整できる折り畳み防災ヘルメット+ずきん。落下物にも炎にも強い!
パッカブルブーツ
折り畳める長靴。色も選べます
アンチボトル
折り畳めるウォーターバッグ。500mlなので、何度でも使えるペットボトルとして重宝する。色は7色。
浄水機能ペットボトル
カーボン製フィルターが水道水をおいしい水に変える。385ml。色は3色。
あつあつ加熱パック
火を使わずに食材を98℃まで加熱。災害時には暖かいものを食べたいですね。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

あつあつ加熱パック 発熱材3個 3袋セット【RCP】
価格:2592円(税込、送料別) (2017/2/8時点)


●細胞シート治療!
 
 本日のテレビで、大阪大病院が、重い心臓病の女の子に対し、ふくらはぎから筋肉のもとになる細胞を採取してシート状に培養し、心臓に移植して機能改善させる手術に成功したとのニュースを見ました。

 私は、細胞シートのことを昨年2月に取材していて、そのとき、これは「もしかしたらノーベル賞ものではないのか」と個人的に思ったものです。


●週刊誌に書いた記事

 その時に書いた記事(週刊SPA)を以下、公開します。

 先端生命医科学研究所(東京都)は今、「細胞シート」という革新的な再生医療の研究を行なっている。細胞シートとは、自分の体の細胞を培養し、直径数センチ、厚さ0.1ミリ以下の薄いシート状のパッチを患部に貼って、患部の再生を手助けする技術だ。

細胞シート1
 ← 細胞シート


 臨床研究では既に、従来は心臓移植でしか治らなかった「拡張型心筋症」の男性の心臓に細胞シートを貼ったところ、3ヵ月後には健康な心筋を取り戻している。他にも角膜の再生、食道がん切除後の食道組織の再生にも成功している。自身の細胞を使うため拒絶反応はゼロ。21世紀半ばには、臓器再生も可能になると目されている。
 これをいよいよ治験をやろうかというときに関係者が考えたのが「この技術を国がいったいいつ承認するか」ということだった。研究所の大和雅之教授はこう振り返る。

「医薬品医療機器総合機構(PMDA)という独立行政法人が新薬の承認を行なうのですが、外国で既に使われている薬や機械なら、実績があるということで、承認は遅いですがゆるゆると進みます。それでも世界の医薬品売り上げランキングトップ100で日本で承認されないのはまだ40もあるという嘆かわしい状況です。ところが国産となると、前例がないだけにさらに厳しい。たとえば、ある会社のバイオ皮膚は治験だけで10年、別会社の膝関節軟骨だって治験に5年もかかりました。治験の前に、膨大な資料を提出するだけでも膨大な時間と金がかかる。多くの医療ベンチャーが潰れたのはこれが原因です。なかには『塩漬け』のままほっとかれる新薬もあります。ところが、海外では『クロック』と呼びますが、いついつまでに認証の可否を出すとの制度があるんです。それがない日本はダラダラと治験が続きます」

 幸いだったのが、そんなときにフランスのリヨン市から「あなた方の医療は『人類の宝』。是非、リヨンで治験をして欲しい」との声がけがあったのだ。治験前の事前調査だって、論文を見ただけ。二〇〇七年、すぐにリヨンで角膜への治験が始まった。多くの患者が治験に協力してくれたお陰でデータが揃い、早ければ今年度中には、フランスで細胞シート工場の建設が始まり、一般病院での細胞シート治療が始まるかもしれないという。早い。

「フランスでやる利点はまだあって、再生医療はEUとして審査されるから、承認されたらEUで一気に利用されることです。私たちはこれをアメリカでもやりたい。それから日本です」

 前述の理由で、海外での実績があれば日本国内の承認は得られやすいからだ。
 また、先端生命医科学研究所は、東京女子医科大学の医学と早稲田大学の工学とが連携しての運営という、大学と異分野の垣根を越えた先駆的な事例なのだが、「じつは医工の連携は欧米では当たり前。日本がそうではなかった」(大和教授)

「僕は、医療は産業として栄えるべきだと思います。今、日本で使われる薬や医療機器はほとんどが高い輸入モノですよ。つまり患者さんへの経済的負担になっている。日本は技術は世界トップ。人材も優秀。なのに国産の薬も医療機器が少ないという奇妙な状態にある。かつて、世界の薬の25%を作っていた日本が今ではたったの9%。心臓ペースメーカーだって国産はゼロ。最近、中国が独自のペースメーカーを作ってしまった。そのうち、それを日本人が使うということも出てきます」

 原因の一つが、国の認証制度に加え、医学をやる人は工学を知らず、工学をやる人は医学を知らないからだ。「頭脳の連携」が存在しない。これで、日本は今世界に置いていかれている。

 「頭脳はどこに向かうのか」(日本経済新聞出版社)にも以下のことが書かれている(要約)。

 アメリカでは、性別や年齢に関係なく、ときには専門の壁を取り払い、研究者が活発に議論を重ねアイデアを生み出す。これに対し、日本では、若者の自立的研究や自由な議論ができにくい年功序列、同じ大学出身者で構成されるため、豊かな発想や新しい着眼点が得られないという研究室の閉鎖性や多様性の欠如など構造的問題が指摘されている。
 大和教授は、医工が連携して医療の産業化を図ることで、安価な国産医薬品が提供でき、日本の経済活性にも寄与するはずと主張する。

「日本の工場オートメーションは世界一ですよ。これを使わない手はない。僕たちは、その技術を利用してこれから細胞シートの製造の全自動装置を日本で作ります」



「細胞シート」の奇跡「細胞シート」の奇跡
(2012/02/02)
岡野 光夫

商品詳細を見る
自分自身の細胞を使うので副作用なし。自分の細胞を培養して増やし、患部に移植するために厚さ0.1ミリ以下のシート状のパッチに育ったら、それを幹部に移植する。角膜、皮膚、もしかしたら心臓までもが再生する。これは世界中で「医療革命」と絶賛されている。だが、日本では、新薬の承認にとてつもない時間がかかるため、長者らのチームは今、「是非、わが国で」の誘いにイタリアで治験を行っている。そんな日本の医療体制の批判も込められた本。ノーベル賞も夢ではないと私は思っている。


↓ ブログランキングへの応援クリックお願いいたします。



blogram投票ボタン

↓ 拍手もお願いいたします
スポンサーサイト
2014/07/23 15:58 医療 TB(0) コメント(0)
 今回の山中教授のノーベル賞受賞は本当に喜ばしいものでした。
 と思う理由の一つは、日本にいながらにして受賞してくれたからです。純日本の技術です。

 と書くのは、出て行ってもらうには惜しい頭脳の流出が続いているからです。

 以下のような事実があります。

 高脂血症や心臓疾患を治す「スタチン」という薬品があります。この年間売上げは3兆円。史上最大の経済効果をもたらした薬と言われています。
 この薬品開発に携わった、二人のアメリカ人研究者のブラウン博士とゴールドスタイン博士はノーベル賞を受賞しました。

 ところが、この薬品、元々、その原型を発見して応用して、そして臨床治験までもっていったのは、遠藤章博士という日本人なのです。
 初期段階では日本で治験を進めていた遠藤博士ですが、途中で国から低い評価をされ研究を中止。その後、アメリカに研究開発を引き継いでもらったことから、アメリカで製薬され発売され、アメリカ人研究者がノーベル賞を受賞したということです。

 もし、日本政府が博士の研究を応援していたら…。どれだけの経済効果があったことでしょう。

★2011年1月、国は「医療イノベーション推進室」を内閣官房に設置します。

 設置の狙いは、製薬や医療機器をめぐる承認の遅さや開発の遅さを関係者で改善していこうとのことでした。

 だが、室長の「中村祐輔」博士(ゲノム解析やがん治療法の研究で国際的に知られた学者)は2012年1月に辞任します。そして今は、米政府の支援によって米国シカゴ大学で研究をしています。

 中村博士は「現実は何も変わらなかった。予算を含めて権限が与えられず、ヘドロがたまったような官僚組織を相手に無力感だけが残った。自分の年齢を考えると、医療開発に対して前向きな海外を選択するのがベストだと思った」と答えています。

 室長代理の「岡野光夫」博士は「細胞シート」を開発した再生医療の権威。この分野は世界中が今注目。2015年から20年ごろには、10兆円産業として成長するだろうと期待されています。

 岡野博士は、日本にはいるものの、研究と治験の軸足は、欧米政府の支援によってフランスに移すことになったと言われています(ただし、国は、「中村先生が残したものは、岡野先生始め、引き続き、従来からいるメンバーで進める」と、やや違った説明をするので詳細は後日確認します)。

 ともあれ、日本の優秀な頭脳が次々と海外に流出する事実。

★オバマ大統領は、上院議員のとき、ゲノムとオーダーメード医療法案を自ら作って提出。この法案は成立はしていないものの、オバマが大統領に就任してから、アメリカではこの分野の研究が物すごい勢いで進んでいると言われています。
 
 今後も、山中教授のように、日本に軸足を置いて研究ができる環境を国には用意してもらいたい。そう願わずにいられません。

↓ ブログランキングへの応援クリック2つお願いいたします。



blogram投票ボタン

↓ 拍手もお願いいたします

 
2012/12/13 11:58 医療 TB(0) コメント(0)
●医師紹介会社

何千人もの健康診断をしてきたニセ医師が逮捕されました。このニセ医師は医療専門学校で講義もしていたというのだから、病院も学校も気づかずにいたことになります。

 今回の記事で気になるのは、このニセ医師が「医師紹介会社」から病院に送り込まれたとの事実です。

 医師紹介会社。ひらたくいえば、医師専門の人材派遣業です。ただし、医師の「派遣」は禁止されているので「紹介」となるのです。

 最初から批判がましいことを書くのは気が引けますが、この仕事にはなかなかおいしい部分があります。

 会社にもよりますが、一人の医師を病院に送り込むと、その医師の年棒の2割を紹介料として病院から得ることができます。

 たとえば、年収1500万円ならば、300万円。

 この仕事は医療界におけるニッチ的な位置を占めています。その需要が増えたのが2004年以降。

 2004年に何があったのか?


●新研修医制度が招いた医師不足

 この年、医療界では「新研修医制度」が始まりました。従来、研修医は自分の大学の医局に入局して研修を受けたものですが、この年から、自分で研修先の病院を自由に選べることになったのです。

 その結果起こったことは、大学病院での医師不足。すると、大学病院は、その穴を埋めようと、各地の病院に派遣していた医局の医師たちを呼び戻しました。そこで今度は、日本各地の病院で医師不足が深刻になったということです。

 それ以後、地方の病院は、独自に医師を探さねばならなくなりました。

 このニーズに応えるべく、雨後の筍のごとく増えたのが医師紹介会社です。

 この仕事は、やや大げさに書けば、電話とパソコンだけあれば誰でも始められる仕事です。要は、異動したい医師、医師を求める病院の双方をデータを登録し、互いの条件が合えば紹介するだけです。とはいえ、後述するように、病院の理念と医師の理念とがぴったり合うようなマッチングをするには、紹介会社にも高い理念と情報網が必要なので、その意味では、始められるが、誰でも続けられる仕事ではありません。

 実際、高い理念をもって紹介しなければ、とんでもない医師が病院に赴くことになり、また、その逆で、まじめな医師がとんでもない労働条件の病院に赴くことになるなどの悪しき事例も発生しているのです。


●悪しき事例

 悪しき事例は、理念のない、儲けんかな主義の紹介会社が引き起こします。

 私が取材したなかで耳にしたのは、紹介された医師が「体の動かないヨボヨボの高齢者だった」、はたまた、「あっちの病院はこれけ出すんだけどなあ」と年収の釣り上げばかりをほのめかした、さらには、医師自身が病院に対して「1億5000万円の借金を肩代わりしてくれるなら行きますよ」とトンデモ条件を突きつける、極めつけは、赴任した医師がじつは、週に半分は人工透析が必要な患者であったこと。
 また、まじめな医師が赴任した病院は徹夜勤務が月に10回以上もある殺人的な労働環境・・といった笑うに笑えない事例も報告されています。

 こんな事例もあります。

 紹介会社と医師とが、転職候補の病院との面談の直前で初めて、病院の正面玄関で名刺交換をした。

 さらには、

 一人の医師を、あえて、半年ごとに転職させる紹介会社も存在する…。理由は簡単で、年に2回の紹介料を入手できるからです。


●良き事例

 これら事例を正面から批判するのは、老舗の医師紹介会社「メディカル・プリンシプル」の中村敬彦(よしひこ)社長です。

「やってはいけないことです。なぜなら、病院は何年もかけて、医師の採用コストを償却するのです。短期間で担当医がいなくなれば患者も困るのです」

 実際、同社は、

「平均5回は医師と面談し、納得のできるマッチングを目指します」

 というように、質の高い医療の実現に努めていますが、同社には、以下のような実績があります。
 オーストラリアで修行した心臓外科医。自分の理想を実現するためのハート(心臓)センターを立ち上げられる病院ならば行ってみたいと同社に相談。実際、同社は、医師と何度も丁寧に面接し、各地の病院とも交渉をした結果、ある病院にハートセンターを立ち上げることに成功し、当然、その医師の転職を実現したのです。単なるマッチングではできない仕事です。

 さらに同社は、マッチングにとどまらず、育児中の女医へのベビーシッター派遣や医療過誤に備えた保険の整備などのサービスも用意し、06年には1万3500件と日本最大の紹介実績を作っています。
 
 中村社長が言うには、かつて、医師紹介業は医療関係者から『不浄』と見られていたそうです。

 というのは、かつて医局を離れる医師には2種類いて、

★一つが、医局のヒエラルキーを脱して、海外や他院で技術を磨こうとする、高い志で道を切り拓く良きアウトロー。
★もう一つが、志もなければ技術もない、医局でも疎まれる悪しきアウトロー。

 この悪しきアウトローの転職を仲介する悪しき紹介会社も実在し、私も、北海道北部の小さな町でその医師の自宅を見たことがありますが、盲腸も手術できないのに、その自治体から受け取る年収は8000万円! つまり、2割の報酬で計算すれば、紹介会社には1600万円が落ちたことになります。

 これら悪しきアウトローは、ただ医師免許があるというだけで、医師不足に悩む自治体の病院に潜り込んでいくわけです。

 ただ、今回の事件は、医師免許すらもない人間を医師として病院に送り込んだわけです。 


●良きアウトローを支える

 中村社長のポリシーは、良きアウトローを精一杯支えること。

「医師は高収入と言われるでしょ。正確には、良心的な医師は患者のために忙しい現場に踏みとどまり、年収は安いんです。その逆に、志の低い医師ほど年収は高くなるんです」

 医局で頑張る医師にこそ進みたい道を提供し、正当な報酬を保証したい。それが日本の医療を良くすると信じているのです。

 ただ、インターネットで検索すれば無数に出てくる医師紹介会社のなかで、どれくらいの業者がメディカル・プリンシス社のように高い理念で活動しているかはまったくわかりません。

 これだけ紹介業が増えるのは、たとえば、医師の転職には雇用契約書の交付が義務づけられていないことがあげられます(メディカル・プリンシス社は作成する)。つまり、口頭契約もOKだからトラブル後の罰則もない。だから、やろうと思えばやりたい放題ができるわけです。

 ただ、今回の事件が起きた背景の一つには、やはり、全国的な医師不足があることは否めません。

 つまり、今後も、ニセ医師が、理念なき医師紹介会社に登録されれば、そのまま、どこかの病院にもぐりこめる可能性は・・あります。

 私が気になるのは、今回のニセ医師を紹介した会社がどういう処置を受けるかです。

↓ ブログランキングへの応援クリック2つお願いいたします。



blogram投票ボタン

↓ 拍手もお願いいたします

2012/09/27 23:40 医療 TB(0) コメント(0)
 海外で医療を受ける。
 これは別に今に始まった話ではありません。よく報道されるのが、心臓病などの治療のために渡米する子どもたちです。

 私は、そのような事例を除けば、わざわざ海外にまで医療を受けに行く日本人はそれほど爆発的には増えないと思っています。
 なぜなら、保険診療であれば、医療機関の窓口での個人負担は3割。これは金持ちでも庶民でもまったく一緒です。また、その3割でも数十万円になる場合は「高額療養費制度」を使えば、本人負担は10万円未満で済むような制度も用意されています。また、不安があれば、いつでもその病院に行けばいい。

 ところが、海外での医療となると、「いつでも」という訳にはいきません。

 だが、それでも海外で医療を受けたい人がいるのはなぜか。それは、前回のタイでの性転換でも書きましたが、「日本以上の医療技術がある」場合です。もっといえば「日本で治せないものが、海外では治る」場合です。

 今、タイと同様に、国策として、外国からの患者を呼び込もうとしているのがインドです。

 インドは、国策として年15万人超の外国人患者を受け入れ、医療関連産業の成長率は年30%!

 じつは、アメリカにおいては、その医師の4割はインド人です。その優秀な腕を持つ医師たちがインド本国に帰り、今度は外国からの患者を待っているというわけです。やはり英語が通じるということで、英語圏からの患者が多いようです。
 
 例えば、アーヴァインド眼科病院は世界最大級の白内障専門病院で、医師1人当たりの手術件数は年間で約2000件。手術の負担金は1800円(日本は4万円強)。アポロ病院グループ(38病院)は年5万5000件の心臓手術を行い成功率は99.6%。
 その治療費は、たとえば、膵臓バイパス手術が1万ドル以下(米国は10万ドル以上)、体外受精20万円以下(日本の10分の1)。心臓弁置換術は81万円(日本が430万円)、子宮摘出術は27万円(同55万円)。

 インドの医療の優秀さを日本に紹介したのは、作家の石川好氏です。

 石川氏は03年から血行障害とリウマチが重なった難病に苦しみ、国内の病院を転々とするも治りませんでした。そんなとき、知人のインド青年の勧めで、すがるようにインドに赴くと、まず、その医療技術の高さに驚いたといいます。そして実際に石川氏はその手術で回復しました。

 現在、インドの成長産業は「IT」、そして「医療」。
 ただし、その「医療」とは、あくまでも金を持っている外国人をターゲットにしたものです。そして、タイでもそうですが、その結果、インドでも、優秀ないしは外国人用の豪奢な医療施設に集中するという現象が起きています。
 つまり、タイでもインドでも人口の大多数である一般民衆や貧困層にとって医療が遠い存在になりつつあるという現象も起きているということです。

 これは、外国人に医療を受けてもらう国策=「メディカル・ツーリズム」を実践する場合の、克服しなければならない課題です(その意味で言えば、国民の誰もが、3割負担との平等が保たれている日本のシステムは優れているといえます。もちろん、3割でなく、できれば2割、1割、無料にしてほしいのですが。それについえは後日書きます)。

 次回は、韓国の医療(整形外科)について書きます。

↓ ブログランキングへの応援クリックお願いいたします。



2011/10/08 11:40 医療 TB(0) コメント(0)
 先週だったかの朝日新聞に「タイの病院で男女産み分けが行われている」との報道がありました。読者にとっては二つの驚きがあったと思います。
 一つが、男女産み分けが可能であること。
 そして、それが、発展途上国と思っているタイで行われていること。

 とんでもありません。今や、タイは、世界屈指の医療先進国です。アメリカ帰りの医者がずらりと並び、病院によっては、5つ星ホテルのような豪奢さを誇っています。

タイの医療で有名なのは、何と言っても「性転換」と「美容整形」です。

 特に有名なのは「ヤンヒー総合病院」。おそらく、その世界では、世界一有名な総合病院です。
 病院は24時間オープン。スタッフも、常勤医師130名、非常勤医師125名、看護師1800名と日本の大学病院並み。毎月2000件以上の入院と外来を扱っています。
 
 外国人も多く利用し、日本人は、2002年以降、1000人以上がここで性転換手術を受けています。その窓口になっているのが、ヤンヒー病院の代理店である「株式会社アイドマプランニング・アクアビューティ事業」(本社、大阪)です。正確に書けば、アクアビューティが代理店活動を始めたからこそ、安心してタイにまで出かけて手術を受ける人が増えたのです。

 その一人、ユウカさん(仮名。29歳)は、昨年1月、ヤンヒーで男性から女性になる性転換手術を受けました。
 タイで手術を受けようと思った決め手は「安心」です。なぜなら、手術後2、3週間は入院をするので、言葉が不自由だと、なかなか踏み切れるものではありません。
 ところが、アクアビューティは、「航空券の手配」、「バンコク空港での出迎え」、「ホテルまでの送迎」、「入院中も通訳としての付き添い」など完璧なサービスを実施しているのです。

 また、ユウカさんが手術を受けようと決めたもう2つの決め手は
★安価であること(日本の半額程度の100万円台)
★技術が高いこと。 です。

 日本でも性転換手術を実施するところはあります。しかし、
「日本で性転換できる病院は1~2箇所しかなく、手術件数も少ないんです。経験が少ない施設での手術は不安です。でも、ヤンヒーは手術経験が豊富な医師が多く確実だと思いました」

 これは、ヤンヒーで美容整形手術を受ける女性ももつ意見です。

 たとえば、美容整形において、日本の医療施設とヤンヒーとの違いは何か? 答は簡単です。

「日本での美容整形は『クリニック』でしか行われない」

 つまり、日本では、たった一人の院長の采配で手術方針が決められてしまいます。

 ヤンヒーでは、ヤミクモな美容整形は決して進めず、「頬の骨をもっと削って顔を細くして欲しい」との要望にも「それ以上削ったら、顔が危なくなる」と手術を逆に拒否します。

 ところが、日本では、美容整形は保険診療外医療なので、いくらでも顔にメスをいれ、シリコンをいれ、骨を削れば削るほど、儲けることができる。そんな儲んかな主義の医師に当たったら悲劇が待っています。

 日本では、美容整形に失敗する事例がけっこうあります。その人たちが最後にたどり着くのが「修正手術」を行う病院です。
 特に、男性の場合、美容整形とはまたジャンルが違いますが、包茎手術で何十万円もむしりとられた挙句に、男性自身が酷い形状になってしまい、修正手術でもさらに酷くなり、一生、他人と風呂にも入れない、結婚もできない深い悩みに突き落とされる事例がけっこうあるのです。

 ヤンヒーでは、医師たちが一人の患者のために、総合的な手術の方針を決めるため、少なくとも、アクアビューティ利用者での手術の失敗例はほぼゼロ。加えて、再手術が必要な場合でも、アクアビューディを通せば、帰国後の半年から1年間は再渡航費用や再手術費用は無料になるのです。
 日本なら、修正手術にもまたカネをとられることと比べたら雲泥の差といえます。

 日本では、性転換や美容整形は、いわば「医療ではない」と見下されている実情もあり、ときに技術レベルの低いクリニックの医師の独断で失敗例を生み出しているのです(もちろん、高いレベルのクリニックもあります)。
 
 今後、数十年、タイで手術を受ける日本人はもっと増えます。日本のクリニックが、あのレベルに追いつけるはずがないからです。

 ちなみに、私は、男性の包茎手術失敗の結果、惨めな思いで生きる男性たちのことを企画に出したことがあります。編集者は関心をもってくれましたが、結局は企画ボツとなりました。なぜなら、包茎手術を行うクリニックは週刊誌には高い確率で広告を出しているからです。

 次はインドについて書きます。

↓ ブログランキングへの応援クリックお願いいたします。



2011/10/06 08:52 医療 TB(0) コメント(1)
リニア取材のカンパのお願い
 リニア中央新幹線の取材範囲は、東京都から愛知県までと広範囲で、多大な取材経費を要することから、数十組もいる会うべき人たち・組織の多くに会えないでいます。また、リニアに関する記事を書こうにも、ほとんどの雑誌はJR東海が広告主であるため、記事を掲載できず、取材するほどに資金力が落ちる状態が続いています。今後は、再び単行本の発行を目指しますが、私のリニア中央新幹線に関する取材へのご寄付をお願いできないでしょうか?  カンパをしてくださった方には ★ブログに記事を掲載する際のお知らせ。 ★雑誌に記事を載せる場合の、掲載誌送付。 ★単行本を出した際の、一冊謹呈。  など、せめてもの特典を用意いたします。  なお、いただいたカンパは以下の用途に限定します。 ★取材地までの往復交通費。 ★取材地での宿泊費。 ★リニア中央新幹線に係る資料代。  食費は自己負担としますが、使用明細は公開します。  ご協力いただける方は以下の口座への入金をお願いいたします。  みずほ銀行・虎ノ門支店・普通・1502881 カシダヒデキ  ご入金に際し、ご住所や連絡先などを教えていただけたら助かります。どうぞよろしくお願いいたします。
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
必要か、リニア新幹線
リニア中央新幹線の問題点を『環境性』『技術性』『採算性』の3点から理論的、実証的に解説した一冊。リニア計画の入門書。
リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」
リニア中央新幹線を巡る問題を語らせては、その理論に一部のすきも見せない橋山禮治郎氏の第2弾。このままでは,リニア計画とJR東海という会社は共倒れになることを、感情ではなく、豊富なデータを駆使して予測している。必読の書。
自爆営業
国会で問題にされても一向に改まらない郵便局の自爆営業。年賀状1万枚、かもめーる700枚、ふるさと小包便30個等々のノルマはほぼ達成不可能だから、ほとんどの職員が自腹で買い取る。昇進をちらつかせるパワハラや機能しない労組。いったい何がどうなっているのか?他業種の自腹買取も描いている。
アキモトのパンの缶詰12缶セット
スペースシャトルの宇宙食にもなった。保存期間は3年。しっとりおいしい奇跡の缶詰。24缶セットもある。
共通番号の危険な使われ方
今年10月に全国民に通知され、来年1月から運用が始まるマイナンバーという名の国民背番号制度。その危険性を日本一解かり易く解説した書。著者の一人の白石孝さんは全国での講演と国会議員へのアドバイスと飛び回っている。
マグネシウム文明論
日本にも100%自給できるエネルギー源がある。海に溶けているマグネシウムだ。海水からローテクでマグネシウムを取り出し、リチウムイオン電池の10倍ももつマグネシウム電池を使えば、スマホは一か月もつし、電気自動車も1000キロ走る。公害を起こさないリサイクルシステムも矢部氏は考えている。脱原発派は必見だ。