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Author:樫田秀樹 ブンブンエコライト
ブンブン回すだけで充電できる懐中電灯。たった97グラム!
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エネルギー
●核融合発電のための重水素実験が始まった
3月7日。岐阜県土岐市にある「核融合科学研究所」で重水素実験が始まりました。 これに反対する市民が研究所前で抗議の声をあげました。 ![]() ![]() この重水素実験については、本ブログでも何度か書いたことがあるので、そちらを読み返してください。最初の記事は こちら で読めます。 原発はウランの核分裂を利用しての発電ですが、核融合発電とは「重水素」と放射性物質である「トリチウム(三重水素)」を強制的に衝突させて(核融合)、そこから発生する莫大なエネルギーで水を沸騰させてタービンを回して発電する方式です。 この宇宙で核融合を実現したのは二つあります。 一つが太陽。 もう一つが水爆です。 ![]() 18リットルの海水には0.6グラムの重水素が含有されていますが、これだけで実に石油換算で4000リットルものエネルギーが取り出せるとのこと。 トリチウムにしても、その原料は、やはり海水から取り出す「リチウム」(トリチウムではなくてリチウム)。 海水は無尽蔵にあるから、枯渇の心配もない。まさに夢のエネルギーと宣伝されています。 ![]() ただし、今回の「実験」レベルで使うのは「重水素」と「重水素」との衝突実験で、「トリチウム」は使いません。 では、なぜ市民が反対しているのかというと、重水素同士の衝突実験でも、1万分の1くらいの確率で微量の「トリチウム」が発生するからです。それが外に漏れる。「中性子」も発生します。 ●学者の声 私は2013年、この核融合科学研究所を取材し、その結果を週刊誌に発表しました。 その概要だけ書けば、 ★「実験」レベルの段階であれば、専門家の意見は分かれている。 心配するほどのことではない。いや、危険だ。と。 ★だが、これが将来の「実用」となると、つまり、重水素とトリチウムを使っての核融合となると、実験には反対しない専門家でも大反対をする。あまりにも危険すぎると。 研究所の職員の説明によれば、核融合施設は暴走することはない。つまり、原発ならば、暴走を始めたら最後、制御ができませんが、核融合なら、ガスストーブのスイッチを切るように、スイッチオフするだけで瞬時に核融合反応が終わるので、その危険性がない。 ![]() ただし、核融合ではじつに大量の中性子が発生し、建物そのものが被爆する。その処分をどうするのかについては、まだ決着がついていないようです。 核融合科学研究所でも、中性子を防ぐため、壁の厚さは2メートルもあります。 とはいえ、研究所は、心配するほどの放射性廃棄物は出ないと説明しています。 ![]() ●市民の声 今回の抗議活動を主催した市民団体「多治見を放射能から守ろう!市民の会」の井上敏夫代表はこう主張しました。 「トリチウムが外に漏れても微量であるため危険性がないと説明されるが、トリチウムの危険性はゆがめられてきた。量的には、2005年に基準が200倍も甘くなり、濃度に関しても1万3500倍も甘くなりました。トリチウムは内部被ばくこそが大問題。カナダ、アメリカ、イギリス、フランスではその施設周辺で小児白血病が増え、出生率も悪くなっているというデータもあります。 また、2メートルの壁が必要なほどに大量の中性子が出るということは、大量の核廃棄物が出ることを意味しますが、土岐市は放射性廃棄物は出ないと断言しております」 また、この日の抗議行動を直前に知った地元の若いお母さんも子連れでやってきて「子どもを被ばくさせたくない。私でも何かできないかと思って、やむにやまれずにここに来ました」とその不安を声に出していました。 ![]() 実験段階では、専門家でも意見が分かれているので、科学者でもない私がここで、実験は安全だ、危険だということはできません。 ただし、母親たちが不安だと思っているのは事実。 この不安に土岐市が、研究所が、今までどう寄り添い、どうその不安を払拭する努力をしてきたのか。これは検証する必要があろうかと思います。 ![]() ●今後の予定 実験は9年続きます。 その後は、実証プラントの建設、そして実用プラントの建設となるのですが、これはもしかしたら来世紀になるかもと言われています。 じつは、土岐市には、放射性廃棄物を持ち込ませないという条例があります。 土岐市が、研究所から放射性廃棄物は出ないと主張しているのも、この条例にもろに引っかかるからとも推測できますが、井上さんたちは、今後、研究所から出されるデータを日常的に分析して、放射性廃棄物が外部に漏れたかどうかの監視活動を続けるようです。 実験期間の9年間、毎日、研究所前で抗議をするのは非現実的ですが、市民がどこまで粘り、市、研究所との納得のいく合意がとれるかが今後の課題であろうかと思います。 スポンサーサイト
●あの夕張に・・
本ブログでは、海に眠る無尽蔵の資源「マグネシウム」によるエネルギー革命のことを書いてきました。 じつは、隠れた(というより知られていない)日本固有の資源はまだあります。 その一つがCBM(Coal Bed Methane = 炭層メタンガス)です。 そのことは短くですが以前書いたことがあります。今回は、もう少し詳しく説明します。ちなみに、これは昨年末の週刊SPA!の特集記事で2ページに渡って私が執筆したネタでもあります。 舞台は、自治体の倒産として一躍知られてしまったあの北海道夕張市。 ここは元々は炭坑の町ですが、とうの昔に閉山され、今はこれといった産業もありません。 ところが、ここに莫大なエネルギー源が眠っています。それがCBMです。 ●CBMとは ちょっと昔なら、よく炭坑のガス爆発事故というものがありました。炭坑を掘削していると、何かの拍子で炭坑内のガスに引火して爆発が起こるというものです。 読者のなかにも、飲み水のボトルに炭を入れておく方がいるかと思います。もしくは、活性炭を原料とする脱臭剤を冷蔵庫に入れる人も多いことでしょう。 炭には、マイクロ単位の微細な孔が無数に存在していて、そこに不純物や匂いのもとを吸着する性質があります。 炭坑でも同じことで、炭坑での石炭はその微細な無数の孔にメタンガスを吸着して溜め込んでいます。これがCBMであり、これがガス爆発を引き起こしてきました。 閉山をしたお陰で、日本には今、膨大な量の石炭が眠っています。その量、全国で275億㌧、北海道だけで140億㌧以上。これは、日本の年間の石炭輸入量の100倍以上もの埋蔵量です。 海外炭が安いというだけの理由で、この石炭が眠っているのです。もったいない! とはいえ、今さら、国内炭を、火力発電所に使うのも難しいとか。 北海道大学大学院工学研究科で資源システムを研究する大賀光太郎助教は 「石炭火力発電所の燃焼炉は、燃やす石炭の特性に合わせて作っているんです。だから、輸入炭に合わせている今の燃焼炉に国内炭を即使えるわけではないんです」 と説明します。 この大賀助教こそが、今、夕張でのCBM開発を推進しようとしている第一人者です。 ●海外では当たり前のCBM CBMは既に、アメリカ、オーストラリア、カナダなどで開発されていて、アメリカでは、採掘する天然ガスの1割がCBMです。 ところが、日本での使用実績はゼロ。 そこが外国が理解できない。 なぜなら、大賀助教の調査によると、夕張地区を含む「石狩炭田」には約400億㎥~800億㎥ものCBMがあるのです。 国内で年間生産する天然ガスは37億㎥だから、この最低の見積もりの400億㎥だけでも、その11年分、800億㎥なら22年分があるということになります。 「しかも、石狩炭田のいいところは、『ガス包蔵量』といいますが、石炭1㌧あたりのCBMの密度が最大で25㎥もある。これは他国の2倍から3倍の値です。だから海外のCBMの研究者は『日本ではなぜ国を挙げて採掘しないのか』と不思議がります」 CBMのメリットは数多い。 ★石炭や石油と比べると燃焼時の二酸化炭素や窒素酸化物が少ないこと。 ★硫黄酸化物は排出しない。 さらに面白いのが、このCBMを採掘し、ガス発電すると、当然CO2(二酸化炭素)が出るのですが、そのC02をそのまま新たな掘削現場のCBMが眠る炭層に送り込むのです。すると、その圧力でより多くのCBMが採掘され、しかも送り込んだCO2はCBMが出て行った後の石炭の孔に吸着される。つまり「ゼロ・エミッション」が可能になることです。 これは大賀助教が既に実験済みです。 ●あとは資金 もちろん、いくつかのハードルがあります。 ★一つが「技術 アメリカやオーストラリアなどでは、CBMは大規模商業生産がなされていますが、あの広い大地では 炭層がとても単純(平たくで曲がっていないなど)にできているから採掘しやすいのであって、その技術 を、日本の炭層条件(深部にあり、構造が複雑)にそのままで適用できるかの実証試験が求められていま す。 ★一つが「コスト」 カナダでは一本の掘削に3000万円かかるが、日本では1億円。3倍以上です。 ★一つが「資金」。 大賀助教は、石狩炭田のなかにある夕張市に開発モデル鉱区を設定しています。 そのシミュレーションは、 「鉱区面積は2.8㎢。600㍍間隔で21本の掘削。世界屈指の25㎥/tというガス包蔵量のCBMが約5億㎥ある」 これが実証されたら、資源メジャーや地元の北海道ガスも北海道電力も放っておくはずがありません。ところがその実証に必要な資金がないのです。 「21本すべてをやるには80億円の金がかかります。最初の1~2本を掘るだけの初期段階でも10億円は必要です」 そして、山のものとも海のものとも判断できないこの新エネルギーに、日本の資源メジャーはなかなか関わりをもとうとしないのです。 では、国は? 「CBMは新エネルギーや再生可能エネルギーに分類されていないんです。日本で長年掘ってきた石炭に付随していたガスだから目新しいものではないとの解釈ですね。ですので、国からの開発助成はありません。天然ガス資源の代替としての大規模開発を前提とした調査には補助金がつく可能性はありますが、…」 ところが、ここで感心するのが、大賀助教がそれでいいと思っている点です。 大賀助教は08年、北海道固有の資源の活用に向け、NPO法人「地下資源イノベーションネットワーク」を立ちあげたのですが、その構想の基本は「エネルギーの地域循環」です。 HPはこちらです。 「つまり、大規模開発をするよりも、北海道各地でローカルエネルギーとして機能してもらいたい」 人口2~3万人くらいを一単位として(まさしく夕張市)、CBMや再生可能エネルギーを組み合わせてのエネルギー循環地域を構築する。そのビジネスモデルに北海道の企業が投資してくれたら、国と折衝するよりも早道だ…。 この壮大な取組みに関心を寄せているのは、オーストラリアの掘削企業。今年のしかるべき時期に北海道に来るそうです。そこで新たな進展が生まれるでしょうか。見守りたいです。 ↓ ブログランキングへの応援クリック2つお願いいたします。 ![]() ![]() ↓ 拍手もお願いいたします
●本題の前に私事で…
12月に入ってから、先週まで締め切りに次ぐ締め切りに追われていました。特に、最後の1週間は、5本の締めりが集中し、睡眠時間は一日平均4時間を切り、その反動で、最後の締め切りが終わったあとは、パソコンを開くこともなく、一日10時間睡眠を何日か続けて英気を取り戻していました。 その5本の締め切りですが、以下のようになっています。 ●月刊「自然と人間」 奨学金問題 ●「週刊女性」 郵便職員の自爆営業 ●月刊「生活と自治」 自然エネルギーで電力自給100%を目指す高知県梼原町 ●週刊「SPA!」 じつは日本にある豊富な資源「マグネシウム」と「CBM(炭層メタンガス)」 ●Big Issue サラワクの先住民 いわば、どれも自分がこれまで取材してきたものであります。 と書けば当たり前ですが、フリージャーナリストの辛いのは、自分のやりたいネタだけでは食っていけない、つまり、あまり気乗りがしないネタでもやらなくてはならないときがある・・ということです。 ところが、12月は、幸いにも自分の持ちネタだけで仕事ができた。これがありがたいのは、基本情報を新たに収集しなくてもいいことです。自分の頭の中にありますから。つまり、時間の大幅な節約ができるということです。 上記5本のうち、「生活と自治」を除いては、販売されたばかりか、新年早々に出る予定なので、書店や図書館で手にとってみてください。 ●ノーチャージで1ヶ月もつスマホ! 本日は、このうち、今日(25日)に発売された「SPA!」に書いた「マグネシウム」について補足します。 新資源「マグネシウム」については、本ブログでも一度書いたことがありますが(こちらです)、この「マグネシウム」発電の記事が本ブログで1、2を争う拍手をもらっています。 それだけ、原子力にも火力にも頼らない「まったく新しいエネルギー源」を多くの人が求めているのだと思います。 私は先日、マグネシウムによるエネルギー革命を着々と進めている東京工業大学の矢部孝教授に再取材しました。3年ぶりの取材です。 3年前、矢部教授は「来年には沖縄の宮古島で、海水を淡水化するプラントを作り、同時に、その過程で取れる塩化マグネシウム(ニガリ)をマグネシウムに生成する実証実験を開始したい」と話していました。 ところが、資金難からか、この実証実験はまだ始まっていません。 ですから、今回の取材前、このマグネシウム革命はこの3年間、それほどの進捗がないのかも・・と思っていました。 ところが、その予測は見事に裏切られたわけです。矢部教授は凄いことへの実現に一歩も二歩も近づいていたのです。 ★たとえば携帯電話。 携帯電話、特にスマホは毎日充電しなければならないほどエネルギー効率が悪いものです。いってみれば、リチウムイオン電池の限界です。 ところが、矢部教授が今年7月に特許を取ったマグネシウム電池にすれば革命が起こります。 元々、マグネシウムは同じ重さのリチウムイオンの7倍半以上もの電力を保持できるのですが、今のスマホの電力であれば、わずか1グラムのマグネシウム電池で一日もつそうです。つまり「30グラムにすれば、ノーチャージで1ヶ月使えるスマホが登場する」。しかも原価は10円以下! 実現は3,4年以内! ★たとえば車 また、スマホに限らず、電気乗用車にもマグネシウム電池は使えます。その重さ、大人なら片手でもてる16キロあれば500キロの移動も可能になります。値段は4000円弱。燃費10キロのガソリン車なら50リットルx140円で7000円ですね。そして、この4000円も大量生産が可能になるとどんどん下がっていくはず。 この場合の電気自動車とは、「充電ではなく」、カセット方式でポンと装着する、たとえばデジカメにポンと装着する電池のようなものです。 なぜ、矢部教授は充電には見向きもしないのか。答えは「時間がかかるから」です。なるほど、30分間の充電で数百キロ走るといわれても、いざスタンドで充電となると、その30分間をポケーと過ごすのはいかにも長すぎます。 矢部教授の構想では、たとえば、全国に散らばるコンビニでカセット式マグネシウム電池(スマホ用、デジカメ用、車用など)を販売する。使い終わったカセット式マグネシウム電池は、また販売元のコンビニなどに戻す。 一度使ったマグネシウムは、「酸化マグネシウム」に変化するのですが、そこにレーザー光線を当てると再びマグネシウムに戻るので、何度でも再使用が可能となります。その再使用のためのリサイクル工場も来年くらいから実証工場を作るとか。 そして車に関しては、2015年から、アメリカの某メーカーとで車用マグネシウム電池の開発を開始します。 さらに、電車や新幹線にも大型のマグネシウム電池を設置すれば電線が不要になる。つまり、発電元の火力や原子力発電への依存率が低くなる。 ●目的としての脱原発に加え、結果として脱原発になる運動を さて、こうは書いてきても、一つ問題が。 それは、もし1ヶ月間ノーチャージのスマホができたら、世界30億人ユーザーはいっせいにそれを利用することでしょう。 となると、現在のマグネシウム年間生産量の60万トンを越す90万トンが必要になり、車や新幹線ともなると絶対的な不足となります。 ということで、求められるのは、マグネシウムが数兆トンも溶けている海水からの抽出です。 こちらも、もちろん同時並行に進めるとのことです。 じつは、こういった新エネルギーの話にはまがい物がけっこうあるのですが、矢部教授のは信じてもいいと私は思います。 ただ、これですんなり原子力がなくなるかといえば、いかに非効率的であっても、原発は「金のなる木」という構造を作り上げているだけに、金のなる木を維持したい産業界の輩たちがどう抵抗してくるかです。 事実、日本の車メーカーは、矢部教授の研究には見向きもしていないのです。 脱原発を実現するには、「脱原発!」を訴えるだけではなく、結果として原発が不要になる技術や社会システムを構築することに力を注ぐことだと私は思っています。
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日本には膨大な量のエネルギー源が眠っています。
数日前に、海中でのマグネシウムがその一つであることを書きましたが、近未来のことのためか、なかなか実感してもらえないようです。 本日は、現実味あるものについて記述します。 ●天然ガス 天然ガスは、96%が海外からの輸入されています。 ところが、こと北海道に関しては、主要都市(札幌、千歳、旭川、恵庭、小樽、北見など)の60%以上の家庭や事業所で、北海道産の天然ガスが使われています。 ![]() 北海道南部の勇払原野でガス田が発見されたのは1989年。その埋蔵量は、現時点でも少なくとも、上記都市部に50年以上を供給できると言われています。 私は北海道出身なので、親戚が数多くいますが、千歳に住む伯母の家でも、数年前にそれまでの都市ガスから北海道産天然ガスに転換したところ、いいことが2つありました。 1.火力が強くなったこと。 2.ガス料金が寝下がったこと。 ご記憶されている通り、3,4年前は海外産の原油も天然ガスも高騰しました。そういうなかで、北海道ガス㈱は値下げを断行したのです。それも3回も。 理由は簡単で「ガスを輸入する場合は、港湾の整備や輸送網の整備に金がかかるし、為替相場の上下でガス料金は一定しません。しかし、国産ガスならば、港湾整備は不要で、為替相場は関係なし。だから値下げできるのです」 また、国産天然ガスの産出量の第一位は「新潟県」なのですが、ここで国産ガスを供給する会社は、やはり値上げをしたことがありません。 2,3年前の情報ですが、新潟では、帝国石油(現在:国際石油開発帝石㈱)が30億円、石油資源開発が100億円をかけて新たなガス田の試掘を、さらに帝国石油は、関東近海では30年ぶりとなる茨城県沖合での試掘も始めると伝えられていましたが、その後の進捗は確認したいところです。 ●石炭 日本に眠る石炭の埋蔵量は、年間の輸入量の100年分もあります。 それなのに、掘られなくなったのは、ひとえに、輸入炭が安かったからです。ところが、石油や天然ガス同様、こちらも原料が高騰し、ついには、3、4年ほど前、国産炭が安くなってしまいました。 「国産炭が安くなった」・・というのは、つまりは、まだ採掘している会社があるということです。 それも北海道ですが、現在、3~4社が操業を続けています。その一つ「北菱産業埠頭」では、露天堀りを展開しているのですが、数年前まで年3万tに落ち込んでいた採掘量が、今は、年10万tにまで回復しています。 この会社は諦めなかったのです。担当者は電話口でこう語ってくれました。 「すぐ目の前に資源があるんです。使わないともったいないではないですか」(えらい!) 現在、北海道電力や三菱マテリアルなどが積極的に石炭を導入しています。 日本の埋蔵量は、北海道だけで160億t、全国で275億t。この数字は年間輸入量の100倍以上に相当します。 ただし、石炭の燃焼炉は、どの石炭を使うかで設計されているので、現在、輸入炭で発電している炉が、そのまま国産炭を使えることにつながらないのが難点です。 ●CBM(コールベッドメタン) 最後に、これも「マグネシウム」と同様に近未来の話です。でも夢があり、かつ、実現性が高いです。 CBM(コールベッドメタン:石炭層メタン)という資源があります。これは、石炭層表面の微細な孔に詰まったメタンガス。アメリカでは、天然ガスの1割がCBMと、既に実用化されています。ところが、日本での実用事例はゼロ! その埋蔵量ですが、北海道の夕張地区だけで、日本の天然ガス資源量と同量が存在するのです。 しかも、アメリカのCBMの3倍の密度で。 世界的には、いわゆる天然ガスの180兆立方メートルの埋蔵量に対し、CBMは250兆立方メートル。 実際に生産を行っているのは、アメリカ、オーストラリア、中国、インドネシア、インド、ボツワナ、ジンバブエなど。 外国の研究者は「日本はなぜ採掘しないのか?」と不思議がっています。 数年前、北海道大学大学院・工学研究科の大賀光太郎助教も設立メンバーの一人として、地下資源活用を推進するNPO法人「地下資源イノベーションネットワーク」を立ちあげました。大賀助教は、夕張地区でCBM生産のための実験を繰り返しています。注目したいと思います。 ↓ ブログランキングへの応援クリックお願いいたします。 ![]()
関東地方もそろそろ秋に入るので、ちょっと書くのが遅すぎたのですが、今回は、節電ではなく、特にエアコンの使用を劇的に減らす「塗料」について書きます。
たとえば、東京サマーランド(東京都あきる野市)というプール施設があります。ここでは、プールサイドの縦半分に緑色に塗られた床面は真夏に歩くにはやや熱いです。ところが、残り半分、ベージュ色に塗られた床面はちっとも熱くありません。 不思議ですが、その違いは、2つの塗料がまったく別物だからです。 前者は「遮熱塗料」と呼ばれ、「日光を跳ね返す」ことで、熱そのものを吸収しない、つまり「断熱」をウリにしています。 対して、後者は「熱交換塗料」。 これの革新的なのは、あえて熱を吸収し、その熱エネルギーが塗料内部で「振動エネルギー」に転換されることで熱を消すという化学反応を起こすからです。 商品名は「タフコート」。製造元はアルバー工業㈱(大阪府門真市)。 ところで、前者の「者熱塗料」はなぜ歩くと熱かったのでしょうか? これは新品の頃は、あまり熱くなりません。しかし、使ううちに、表面が汚れてくると、熱反射効果も下がり、塗料面が逆に熱を吸収してしまうという欠点をもっているからです。 ところが、熱交換塗料は、表面が汚れても、元々敢えて熱を吸収することを前提に作られているので、効率が落ちないのです。 今年、節電の方法として、家庭ではエアコンを切り、ヨシズやスダレなどの使用が勧奨されましたが、それは工場や大きな事業所では無理です。 しかし、「熱交換塗料」を屋根に塗ることで、熱そのものが建物内に入ってこないので、エアコンの設定温度を3度は下げることができます。 アルバーの石川学社長と電話でお話をさせていただいたら、大阪人らしい明るい声が返ってきました。 「者熱都量の欠点は僕らの業界では分かっていたんですわ。私は、あるとき、じゃ、むしろ熱を取り入れて、その熱エネルギーを違うエネルギーに交換すればいけるんちゃうかとひらめいたんです」 そして、新しいものを作るときには必ず付きまとう失敗だらけの毎日が続きます。 「まず何に苦労したかというと、思いついたはいいけど、じゃ、そもそも、熱を運動エネルギーに換える素材は何やということです(笑)。比重の違う物質をいくつも混ぜると、空中にフワーと浮いたりしてね。『なんや、これは!』と…。やっと試作品ができたのは2003年末です」 販売すると、さっそくの大好評。 ある工場では、塗装前と比べ、室温が2~3度も下がり、あるメーカーの大型溶剤タンクでは、遮熱塗料のタンクと比べると、タンク中の液温が最大で10度も下がり、冷却のための散水が劇的に減りました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ちなみに、これを一般家庭で利用するといくら節電できるのか? 一般家庭の屋根(面積100平米)で試算すると、6月から9月の夏の4ヶ月間で、冷房代で約10万円(CO2削減で約1.6トン)を節約できるとの推測地が算出されています。 とはいえ、この熱交換塗料は、じつは最近まで不遇の時代を経験していました。者熱都量よりも割高ということもあり、なかなか自治体に関心をもってもらえなかったのです。 「私らの実績データを国や自治体に出しても、うんともすんとも言われませんでした。というのは、わが社のパンフレットには、塗料内で熱を運動エネルギーに換えると書いてますが、それを顕微鏡で確認できるわけもない。じつは、発案者の私も科学的証明ができないんですわ。おそらく、エネルギー交換されているんちゃうやろかと(笑)。でも、お役所は、そういう科学的データという裏づけがないと冷たい。でも、それでもいい。大切なのは実績だから、『わからないまま行っちゃえ!』と売り続けていました」 すると、2008年3月に自体は急変。 アルバー社は、東京都から、熱交換塗料を都の新技術に指定したとの連絡を受けたのです。 「突然なのでビックリしました。データがなくても実績を評価したのでしょう。でもそれからは、取材も来るし学校の問合せもむちゃくちゃ増えるし、もう何がなんだかわかりませんわ(笑)」 もっとも、熱交換塗料を塗装しても、エアコンをまったく使わなくなるわけではありません。タフコートを販売する会社も全国にまだ数十社のみ。 技術も販売もまだ開発の余地があるのです。だからこそ、石川社長は新たな夢を語ります。 「塗料では、熱を運動エネルギーに変換しました。今後はその逆で、運動エネルギーを熱に、はたまた運動エネルギーを電気エネルギーにと、いろいろな変換に取り組みたい。目指すは省エネですが、じつは一番大切なものは『遊び心』なんですね」 ↓ ブログランキングへの応援クリックお願いいたします。 ![]() |
取材のカンパをお願いいたします
1都6県にまたがるリニア問題を一人で取材することは自分で選んだ道でありますが、それも多くの方から取材費カンパというご支援をいただいたからです。とはいえ、2022年末にその資金プールがついに底をつき、東京都や神奈川県以外の遠方への取材を控えざるを得なくなってしまいました。今一度、ご支援を賜りたくここにそのお願いをする次第です。ご支援者には、今年には発行予定のリニア単行本を謹呈させていただきます。私の銀行口座は「みずほ銀行・虎ノ門支店・普通口座・1502881」です。また100円からのご寄付が可能なhttps://ofuse.me/koara89/letter もご利用ください。私と面識のない方は、お礼をしたいので、ご支援の際に、できればお名前を連絡先を教えていただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。 樫田拝
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![]() 私が原発を止めた理由
3.11以後の原発裁判において、初めて運転差し止めを命じた判決を出した裁判長が、退官後の今、なぜあの判決を出したのか、なぜほかの裁判では住民は敗訴するのかを説明している。
超電導リニアの不都合な真実
リニア中央新幹線の問題点を『技術的』な側面から、極めて客観的に情報を分析しその発信に努め、リニアの実現性には課題ありと論じている。難しい専門用語を極力排し、読み易さにもこだわった良書。
リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」
リニア中央新幹線を巡る問題を語らせては、その理論に一部のすきも見せない橋山禮治郎氏の第2弾。このままでは,リニア計画とJR東海という会社は共倒れになることを、感情ではなく、豊富なデータを駆使して予測している。必読の書。
自爆営業
国会で問題にされても一向に改まらない郵便局の自爆営業。年賀状1万枚、かもめーる700枚、ふるさと小包便30個等々のノルマはほぼ達成不可能だから、ほとんどの職員が自腹で買い取る。昇進をちらつかせるパワハラや機能しない労組。いったい何がどうなっているのか?他業種の自腹買取も描いている。
取れる! ダニ取りマット
アキモトのパンの缶詰12缶セット
スペースシャトルの宇宙食にもなった。保存期間は3年。しっとりおいしい奇跡の缶詰。24缶セットもある。
共通番号の危険な使われ方
今年10月に全国民に通知され、来年1月から運用が始まるマイナンバーという名の国民背番号制度。その危険性を日本一解かり易く解説した書。著者の一人の白石孝さんは全国での講演と国会議員へのアドバイスと飛び回っている。
マグネシウム文明論
日本にも100%自給できるエネルギー源がある。海に溶けているマグネシウムだ。海水からローテクでマグネシウムを取り出し、リチウムイオン電池の10倍ももつマグネシウム電池を使えば、スマホは一か月もつし、電気自動車も1000キロ走る。公害を起こさないリサイクルシステムも矢部氏は考えている。脱原発派は必見だ。
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