fc2ブログ
取材しても、記事にできる情報は1割未満。しかし捨てた9割にも、伝えられるべきものがあります。ボツになった企画も数知れず。そんなネタを紹介します。なお、本ブログの文章と写真の無断転載はお断りします。ご利用希望者合はご一報下さい。
プロフィール

樫田秀樹

Author:樫田秀樹
フリージャーナリストです。今まで書いた記事を整理したHP「樫田秀樹の記録部屋」と併せておつきあいください。なお、本ブログの文章と写真の無断利用はお断りいたします。使用されたい方はご一報ください。

ブンブンエコライト
ブンブン回すだけで充電できる懐中電灯。たった97グラム!
電気不要・8年間カートリッジ交換不要の浄水器
カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カレンダー
02 | 2024/03 | 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
月別アーカイブ
最新コメント
全記事表示リンク
この記事にリンクを貼る
40種類の柄、15種類のカラーから自分好みに選べる、オリジナル フルジップパーカ
バケツ洗濯機KJ-950
これは便利!雑巾や軍手、スニーカーなどがきれいに!
携帯用洗面器
旅行に便利。空気で膨らむ洗面器。
ランドリーポッド
電気不要の洗濯機。災害時の備えに。
電球型ポケットライト
財布や名刺入れにも入る薄型ライト。厚さ3ミリ
LEDダイナモランタン
手回し充電もソーラー充電もOK。部屋のインテリアにも。
LEDキャンドル
LEDだけど炎がゆらぐ。癒される。息の吹きかけでオン・オフができる。
折り畳みヘルメット
サイズ調整可の折り畳み防災ヘルメット
タタメットズキン
サイズ調整できる折り畳み防災ヘルメット+ずきん。落下物にも炎にも強い!
アンチボトル
折り畳めるウォーターバッグ。500mlなので、何度でも使えるペットボトルとして重宝する。色は7色。
浄水機能ペットボトル
カーボン製フィルターが水道水をおいしい水に変える。385ml。色は3色。
あつあつ加熱パック
火を使わずに食材を98℃まで加熱。災害時には暖かいものを食べたいですね。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

あつあつ加熱パック 発熱材3個 3袋セット【RCP】
価格:2592円(税込、送料別) (2017/2/8時点)




数カ月先の雑誌掲載となるが、沖縄に行ってJVC(日本国際ボランティアセンター)の元代表の谷山博史さんに会ってきた。
 谷山さんはJVC時代から、現地に駆けつけての難民支援に加え、戦争そのものを起こさせない「非戦」活動にも尽力した。もう少し正確に書くと「対話」による平和構築運動だ。
231006沖縄 名護市 安和牛歩2

 2001年9月11日、いわゆる9.11のアメリカ同時多発テロのあと、アメリカはアフガニスタンを空爆し、その後も20年間に渡り同国に駐留し、「タリバン」と見なせば、一般市民にも容赦のない銃撃、爆撃を加えてきた。それがそののちに一般市民と判っても「誤爆」であるとして米軍はついにただの一度の謝罪もしていない。
 谷山さんは2002年から約5年アフガニスタンに駐留したが、その間も、JVCの現地スタッフやその親戚が「誤爆」で殺された。なかには結婚披露宴会場が爆撃されたこともある。JVCのクリニックが米軍に占拠され、米兵たちが人心掌握のためなのか、診察もなしに薬をばらまいたこともある。
 こういう行為にアフガン人は激しい敵意を抱く。そして復讐のため、昨日までの普通の村人が今日はタリバンになっている。
 JVCの現地スタッフにも、アメリカへの激しい憎悪をもっているS氏がいた。平和を導くのは武力しかないと信じていた。
 だが、上記のクリニック占領事件に抗議するために、谷山さんが米軍と対話する折衝を持つのだが、その場に同席したS氏は驚いた。米軍は谷山さんの要請を呑み、以後、クリニックの占拠はなくなり、NGO活動地での実弾演習などもなくなったからだ。
対話が米軍を動かした
 この事実に深く感銘したS氏は、その後、自ら現地NGOを設立する。その中心テーマは「対話」による平和構築。
 S氏は自分の村で、例えば、おもちゃであれ子どもが銃遊びをしないことや、大人同士の諍いには誰かの仲介で対話で解決することなどのプログラムを推進。これが、各村に広がっている。
 そして2021年8月に米軍がアフガニスタンから撤退するが、その後はタリバンが再び女子教育を制限した。ところが、S氏はタリバンと粘り強く交渉。その結果、S氏の活動地域で女子教育は認められるようになったのだ。これは、谷山さん自身がとても驚いたことだった。
 谷山さんは5年ほど前にJVCを卒業し、3年前に沖縄県名護市に移住した。
 JVC在籍中、アフガニスタンだけではなく、アメリカの戦争には日本の米軍基地も関わっていることを知ると、日本でこその対話による平和構築運動をしなければと痛感し、それを沖縄で実践しようとしたのだ。
 ただし、老舗NGOの元代表という看板は一切使わずに、ゼロからの一移住者として辺野古や安和(あわ)、塩川などでの住民による抗議行動に参加し、いろいろな活動家と知り合った。
231006沖縄 名護市 安和牛歩1

231006沖縄名護市 安和土砂ダンプ阻止行動3←沖縄県名護市安和(あわ)での、辺野古に土砂を運ぶダンプの前を牛歩で作業を遅らせる阻止行動。この場合、ダンプを止めてしまっては逮捕の可能性大なので、あくまでもゆっくりと歩く。その効果はともあれ、基地建設反対の意思を示し続けることがとても大切。ジーパンに灰色のシャツが谷山さん



●黒子のような中心人物に?
 その結果、詳しい経緯は割愛するが、谷山さんはいつの間にか、沖縄の対話による平和構築運動の中心的な位置にいる(本人に言わせれば、黒子に徹している…だが)。去年から谷山さんが呼び掛け人の一人として仕掛けたのが「『台湾有事』を起こさせない・沖縄対話プロジェクト」。
 これはウクライナ戦争が起きてから、なぜかマスコミは「次は台湾有事だ、沖縄有事だ」と深い根拠も示さずに報道を展開しているが、谷山さんは一貫して「戦争は『起きる』ものではなく『つくられる』もの。そうであれば対話で止めることができる」と信じている。
 これは全3回開催されたが、2回目は台湾の有識者が、3回目は、私も今年9月24日にオンライン視聴したが、なんと、中国大陸からの有識者も参加しての対話が実現した。
230909 沖縄対話プロジェクト 新聞記事(谷山さんのFBから転載)

 中国からの有識者は「中国はこれまで他国を武力制圧したことがない。日本政府が台湾海峡で問題を起こさない限り、台湾有事は起きるはずがない」と淡々と説明した。
 その有識者の「香港デモ制圧」への見解については、中国政府の広報官のような内容だったので「そりゃ違うだろ」と同意できない部分もあったが(ただし彼らの言動が政府に見られていることを思えば、割り引いて考えねばならない)、なるほどと思ったのは、確かに中国が台湾に攻め入るなどの情報はないが、それを意識づけたのは2021年に安倍元首相が「台湾有事は日本有事であり、日米安保有事である」と唱えてからだ。
 そして今、沖縄の南西諸島には、次々と自衛隊施設が建設されている。
 私は数年前に、自衛隊基地の建設が始まったばかりの石垣島を訪れ、その時、住民にはいろいろな意識があることを知った。
「自衛隊を歓迎する」
「自衛隊は歓迎するが、私たちの聖地である於茂登山に基地を作るのは反対」
「自衛隊そのものに反対」
「沖縄に中国が攻め入るなどあり得ない」
「いや、あり得る。その脅威はある」
 谷山さんは、これら意見、そして台湾側にも「独立すべき」「現状維持でいい」など様々な意見があることを知っているが、もっとも訴 えたいのは、「どんな意見があってもいい。優先すべきは戦争を起こさせないこと」だ。
  だが可能なのか?
「可能です。なぜなら戦争は意図的に作られているからです」
 沖縄では来る11月24日に「沖縄を再び戦場にさせない・県民の会」の1万人設立集会が開催される。
 そのキックオフ集会が9月24日に開催されたが、谷山さんはその基調講演を行った。これは30代の若い世代の実行委員数人からの推薦を受けてのことだった。
230924キックオフ集会谷山基調講演

 基調講演で谷山さんはこう訴えた。(抜粋)
「私は中国が武力で台湾を統一することにも反対ですし、台湾の中に独立したいと考える人がいることも当然だと思っています。しかし今私たちの目の前にある最大の命題は戦争を起こさせないということです。中国が好きか嫌いか、台湾の独立を支持するかどうかの問題ではありません。台湾が独立するよう仕向けたり、政治的、軍事的に介入すれば確実に戦争になることが分かっているのですから、現状を維持し、時間を稼ぎ、時間をかけて平和的な解決の道を見出していくしかないのです。台湾の世論の大半が現状維持であるということは、台湾の人たちもそのことが分かっているということです。あまりに明快なこの論理を、善悪論や人権論をさしはさむことで逸脱するのはとても危険なことです。戦争は作られるという大局的な視点に立てば戦争は止められるのです。台湾有事は起こらないのです。起こすとすれば私たちかもしれません

230924キックオフ集会←2枚とも谷山さんのFBからの転載

 来年1月には、対話プロジェクトの総括集会も開催されるが、その後どう活動を展開するのか。その課題に谷山さんが黒子としてどう関わるかは随時確認したいところです。
 
 谷山さんへの取材はとても面白いものでした。
 できれば、11月の1万人集会にも、1月の総括集会にも行きたい。しかし財源がありません。ということで、いつものお願いですが、取材資金へのご支援を賜れば幸いでございます。
取材費カンパのお願い
 銀行に行く時間がない。もしくは紙幣のカンパは難しいという方は、PCやスマホでできる100円カンパ(それ以上も)をご利用ください。こちらから利用できます

↓ ブログランキングへの応援クリックをお願いいたします。




↓ 拍手もお願いいたします
スポンサーサイト



2023/10/13 17:22 戦争 TB(0) コメント(0)
 


●「生活絵画事件」。絵を描いただけで逮捕・拷問をされた教師たち
  昨日の東京新聞第3面は、81年前の1941年、すなわち戦前に治安維持法逮捕された経験をもつ100歳の菱谷良一さんが、弾圧の被害者に謝罪や賠償をするように国会議員に要請した…との記事だった。

 菱谷さんは逮捕された事件は「生活図画事件」と呼ばれる。
 
これは、1941~42年に北海道で労働や生活の様子をありのままに絵に描く生活図画運動に取り組んだ道内の教員や学生ら26人が治安維持法違反容疑で特別高等警察(特高)に逮捕された事件。18人が起訴、3人が実刑、13人が執行猶予付き有罪となった。
 菱谷さんは、それを経験した最後の生存者だ。

●綴方教育連盟事件。佐竹直子記者の渾身
 私がこの記事で思い出したのは、「獄中メモは問う 作文教育が罪にされた時代」(道新選書。2014年)の著者である北海道新聞の佐竹直子記者だ。
 私は2015年に拙著「悪夢の超特急 リニア中央新幹線」でJCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞したが、そのとき、いっしょに受賞したのが佐竹記者だ。
 2013年、佐竹記者は、ある取材で、個人の書庫で偶然に特高に逮捕された記録を描いた「獄中メモ」と出会う。特高が、罪なき人たちの体と精神とをボロボロにするその様子に、読み進めるうちに鳥肌が立ち、その書類に向けたカメラもガクガクと震えた。
 佐竹記者はJCJ賞の授賞式でこう語った。
「あれは、獄中メモを書いた人が、私に『あんた、オレの代わりにオレたちがされたことを伝えてくれや!』と訴えてくれたのだと思います」
 そして、佐竹記者は関係者への徹底した取材を敢行するのだが、それが、獄中メモに描かれていた「綴方(つづりかた)教育連盟事件」への取材だ。
「生活図画事件」が絵であるならば、これは「作文」だ。自分たちの暮らしや思いをありのままに描くことを国語の授業に取り入れたものだ。「獄中メモは問う」では「ナット(納豆)売り」という作文が紹介されている。
 これは、家計を助けるために兄弟が納豆売りに出かけた作文だが、その素直な文体に感銘した北海道の各地の教師たちが「北海道綴方教育連盟」を設立。そして子どもたちの作文を集めた学級文集が各地で制作されていく。ところがこれが「共産思想である」として、次々と教師たちが逮捕されていく。北海道でその数56人。うち12人が起訴され11人が有罪、一人が死亡する。その11人も2007年に99歳で亡くなった人を最後に生存者はいない。
 残された家族も周囲からは「アカの家だ」と指さされ辛い人生を歩むことになる。また本人が釈放されても、もう教職に戻ることはできなかった。ひどい時代だった。

●原稿を託された佐竹記者
 そして、佐竹記者は「生活図画事件」についても「獄中メモは問う」の最終章で描いていて、数少ない生存者である松本五郎さんへのインタビューを掲載している。
 松本さんはその後亡くなるが(それにより生存者は菱谷さんただ一人となる)、ご遺族は、松本さんが病のため実現できなかった最後の講演用の原稿の原本を佐竹記者に送付した。佐竹記者は、その思いを受け止め、北海道新聞の記事にまとめた。

 この記事には、松本さんが逮捕される前に描いた絵が数点掲載されているが、なぜそれが危険思想とみなされるのか。
 そして、この国会体制、警察体制は、今の日本でも、自白の強要が依然あることや、特に市民運動の実践家たちの突然の逮捕と長期拘留で見ることができる。
 佐竹記者が本を執筆中に日本では秘密保護法が成立し、集団的自衛権の行使容認する憲法解釈が起きている。問題はまだ終わっていないのではないのか。
 「獄中メモは問う」は私がここ数年読んだ本のなかでも「渾身の一冊」だ。是非、手に取って読んでほしい。



↓ ブログランキングへの応援クリックをお願いいたします。




↓ 拍手もお願いいたします

2022/05/13 22:40 戦争 TB(0) コメント(0)

●石垣島に自衛隊が配備される 
 
10月26日から28日まで沖縄県石垣島(石垣市)に滞在。島に配備予定の自衛隊基地についての取材だ。
これは某月刊誌に書く予定なので、詳細はここでは書けないので、以下概要だけ。

★★防衛省は、石垣島で600人規模の自衛隊警備部隊を配置予定。面積は46ha。実際に基地の工事は始まった。

●この計画における問題点は、
★住民にすれば、ほぼ寝耳に水の計画。
  2016年11月に防衛大臣が中山市長に陸上自衛隊基地の配備を要請。市長は、住民の忙しい年末年始を越した年明けに「住民のご意見を聞きたい」と表明したことで、住民は、年明けの面会を想定したのに、その年末に市長は突然「基地受け入れ」を表明した

★「なぜあの場所なのか?」
 候補地は7か所あるはずだったのに、建設予定地とされたのは、沖縄一の高峰であり聖地であり水源地である「於茂登岳」の麓だった。配備に賛成する住民も反対する住民も抱いた疑問は「なぜよりによって於茂登岳なのか」ということだ。これについての市や防衛局からの説明らしい説明はない。

石垣島 建設中の自衛隊基地←建設中の自衛隊基地。元々は石垣市の一市会議員(与党)の所有するゴルフ場だった。なぜそこに決まったのかは謎のまま。
  石垣島 自衛隊基地+於茂登岳+内原議員←一番高い山が聖地「於茂登岳」。その前にあるのが「前岳」。前岳の右端にある茶色い地面が、上記「建設中の自衛隊基地」。内原市議が案内してくれた。事業面積は46haだから、そのうち「前岳」にも開発の手が及ぶ。

★周辺地域は戦後の苦労の開墾地
 特に、於茂登岳周辺の4つの集落の住民の多くは、沖縄本島で米軍基地(嘉手納飛行場など)の建設により立ち退かされた人たち、戦前から住んでいた台湾人などであり、戦後、彼らに当てがわれたのが、マラリア蚊の巣窟である原生林だった。そこを人力だけで開墾してパイン畑にしてきた歴史があるだけに、住民の土地への愛着、農業を可能にした水への感謝は他の地域には負けない。その場所での弾薬庫などを含む基地建設に「水(川と地下水)の汚染」や「枯渇」を住民は怖れる。

石垣島 於茂登集落の開墾の碑←於茂登集落に建てられた「開墾の碑」。戦後、多くの人が苦労した。
石垣島 於茂登御主神←於茂登岳からの水を祭る「於茂登御主神」が滝の向こう側にある。
石垣島 島田長政さん1←島田長政さん(75)の父は台湾人。石垣にパイナップルを持ち込み、大きな産業にした。マラリア蚊の巣窟の原生林を苦労の末に開墾。今はマンゴー農家としてもファンが多くの固定客をもつ。台湾人は戦前、戦中、戦後は石垣では差別の対象だった。

★自衛隊反対の運動ではなく、住民の声を届ける運動が始まる
 今回の取材で出会った人たちの中には「自衛隊容認」派もいる。だが、そういう人も「なぜあの整地に」との疑問を抱く。最大の問題が、情報が住民に共有されないままでモノゴトが進むこと。まずは住民がこの問題をどうとらえているのかを明確にする必要があるのではないのか。
 この状況を変えようと、多くの住民が立ち上がった。彼らが目指したのは、この計画に対する賛否を問う「住民投票」の実施だ。市の「自治基本条例」では「有権者の4分の1以上の署名があれば、市長は住民投票を実施しなければならない」との義務規定がある。

石垣島 自衛隊基地反対の旗1←自衛隊基地反対の旗
石垣島 自衛隊基地反対の旗2

★運動の代表者は20代
 その住民投票を実施するための署名活動の代表に就任したのが20代の金城龍太郎さんだ。同じく20代女性の宮良さんもそのサポートに入った。お二人は「若者が中心になったということを強調されるのは違うと思う」と語るが、現在の日本で、自身の住む地域で起きている環境問題や社会問題に立ち上がる若者は極めて少ない以上、やはり取材者としてはそこは一つのモデルとして取り上げたい。

石垣島 金城さん一家の農作業←金城さん一家は無農薬・有機栽培のマンゴー農家。右が龍太郎さん。この場所には300メートルほど近くの建設現場からの岩を砕く音が絶えない。
石垣島 金城さん+宮良さん←金城さん(右)と宮良さん

★4分の1を超える約4割の署名が集まったのに、住民投票は実施されなかった。
 署名運動では、有権者の4分の1(25%)を大きく超える約40%もの署名が集まった。これで市長は住民投票実施の義務を負った…はずだった。
 ところが、市議会(議長を除く21議員)は住民による投票条例の請求を反対多数で否決。市長は「議会が否決したので」と住民投票の実施を拒否。これに署名運動を展開してきた住民は驚く。

★「自治基本条例」を廃案にせよ
 さらに住民が驚いたのが、与党が、その「自治基本条例」を廃案にせよとの発議を行ったことだ、これは、さすがに与党のなかにも良心派がいたのか、10:11の僅差で否決された。

★裁判に提訴。そして敗訴。
 住民有志は、「市に住民投票を命じることを求める」裁判を提訴。だが、負ける材料がないのに、地裁は訴えを「却下」した。門前払いである。住民は控訴。裁判日程はまだ決まっていない。

★環境アセス逃れ?
 この基地建設が始まったのは2019年3月だが、翌4月には沖縄県で「沖縄県環境影響評価条例」が施行された。
 本来であれば環境アセスを受けなければならなかった当該事業は、3月着工ということで、ギリギリ環境アセスを免れたのだ。もし環境アセスをすると、調査には2,3年かかる。さらに、水源地の開発だけに、水資源への影響の予測も出るはずだ。だが直前の着工に、住民は「アセス逃れだ」と批判する。

★今、闘いの舞台は高裁に移された。そして、一部住民有志は「市長リコール」も考えているようだが、コロナ禍においてその準備は滞っている。

玉城デニー知事はいったい何をしているのか? 
 知事はこの問題に対して「住民の声を聴かないのは遺憾だ」程度の表明はするが、それだけだ。推進するならする、しないならしないで、県行政として具体的にこの事業とどう対峙するのかの方向性が何も見えない。

★一般国民もどう考えているのか?
 私たちは、辺野古や高江といった沖縄「本島」の「米軍基地」問題には高い関心を示す。ところが、「離島」の「自衛隊」事案ともなると、途端に関心の度合いは薄まる。
 これまで沖縄の八重山諸島では、続けざまに宮古島、与那国島で自衛隊基地が配備されてきた。与那国島では住民投票を巡り地域が二つに割れた(石垣ではまだ地域が割れていないのは幸いなことだ)。
 要は、米軍基地であれ自衛隊基地であれ、その周辺住民がどれだけの苦悩を強いられているかだ。
 聖地、そして水源地である於茂登山周辺地域の4つの集落は全住民が反対の意思を示している。辺野古や高江に関心を向ける私たちは、同じくらいの関心を向けるべきだと考える。
 2泊3日の取材はやはり短かった。また行かねば。

←八重山諸島における台湾人の苦難を記録した貴重な文献。私は、石垣島で台湾人が苦労して開墾していたい事実を全く知らなかった。

↓ ブログランキングへの応援クリックをお願いいたします。




↓ 拍手もお願いいたします
2020/10/30 09:37 戦争 TB(0) コメント(0)



●結果は圧倒的多数が『反対』
 2月11日、埼玉県の浦和駅前と大宮駅前で、市民団体「沖縄に応答する会@埼玉」の主催で、「辺野古基地反対・賛成?」と銘打った、シール投票が行われた。

反対に一票  小学生も投票←小学生の男子も投票。「学校の授業で先生が教えてくれました」



 2月24日に沖縄県で行われる、辺野古基地への賛否を問う県民投票に先駆け、「応答する会」では、これはヒトゴトではなく、いわゆる「本土」にいる私たちも関心を持つべき問題だとして、さいたま市民の民意を確認しようと実施した。

 浦和駅前では午前11時少し前から12時まで、大宮駅前では13時から14時と、それぞれ約1時間に釘っての投票を実施したが、県民投票同様に、選択肢は「賛成」「どちらでもない」「反対」の3択。

 その結果は、浦和でも大宮でも同じ傾向だった。
 9割以上が「反対」で約150票。「どちらでもない」と「賛成」はどちらも一桁。

浦和駅での結果。反対154、どちらでもない6、賛成8浦和駅での結果。反対154、どちらでもない6、賛成8  大宮での結果。反対144、どちらでもない8、賛成4大宮駅での結果。反対144、どちらでもない8、賛成4

 ただ、賛成意見でも「私は普天間基地を見たが、あれでは本当に住民が危ない。一刻も早く地元に返還してあげなければ」や、「このままでは状況が膠着するだけ。環境と防衛とは天秤にかけるべきではない。解決への前進として、とりあえず普天間を更地にするのが優先される」との、やや浅くても、ちゃんと考えている意見もあった。

 ちなみに、
★反対意見としては、「沖縄県内の違う場所に基地を移すだけ。何の軽減対策にもならない」といったものが多かったが、修学旅行で沖縄に行ってその海のきれいなことをまだ覚えている女子高生3人組は「反対の理由? え~、ふつうに悪くないですか?」と環境破壊として基地問題を捉えていた。
 アメリカ人のデイビッド・ロザスコさんは、「70年前のような(アメリカが日本を支配する)植民地のような扱いはよくない。それに、基地が必要というけど、いったいどこの国がアメリカを襲うの? 日本は今、空母ももつし、F35戦闘機も100機も購入するし、自国で防衛できる力をつけているんだから、米軍基地はいらないでしょ」との持論を語って反対のシールを貼った。
 
 このシール投票は埼玉新聞でも告知ニュースで報道されたのだが、それを見て、友人に「反対票への委任状」を託した人もいた。確かに、新聞を見て、「絶対に来ようと思った」という人は少なくなかった。

わざわざ委任状に託した人もいた←わざわざ委任状に託した人もいた

★「どちらでもない」は、「情報はいっぱいあるけど、まだ自分のなかで整理できていません」(中学生)といった「考え中」が多かった。

●会は2月上旬に結成されたばかり! 
 応答する会は、昨年11月から有志が勉強会を重ね、今月の2月上旬に立ち上がったばかり。そして、2月3日に議題のひとつとして「シール投票」が出され、メンバーからは「是非

やろう!}と、わずか1週間の準備でバタバタと開催にこぎつけたのだ。この行動力は凄い。

 「応答する会」の代表は山田ちづこさん。沖縄の石垣島出身で、現在はさいたま市で沖縄料理や三線教室などを行う「カフェギャラリー南風」を経営している。故郷の沖縄のこと、とくに基地問題ではいつも心を痛めていた。

代表の山田さんマイクをもって投票を訴える山田さん

 そんな山田さんの心にストンと落ちたのが、昨年9月、「米軍基地を日本各地で引き取ろう」と提唱している高橋哲也・東大教授の講演を聞いた時だった。「引き取る運動」に関しては、私も記事にしたことがあるし、このブログでも紹介してきた。私は引き取る運動を推奨する立場にはないが、ただ、これまでの「米軍基地絶対反対派」と「引き取り派」とが議論を交わすのはとても大切なことだと考える。
 というのは、私たちが沖縄の基地問題を語るときはどうしても「沖縄の」とどうしても遠い国の問題のように考え、語るからだ。
 悪い言い方をすればヒトゴト。

 山田さんは鳩山政権のときの「最低でも県外」に期待した一人だ。当時は多くの沖縄県民も「基地は外国へ。最低でも県外へ」との声を上げた。
 つまり、いわゆる『本土』で「沖縄の米軍基地を引き取ろう」と訴える運動は、その声に応える運動だと捉えた山田さんは、講演をきいたあと、自分が埼玉県で「引き取る」運動の事務局を開くと決めた。

 「引き取り」に関しての埼玉での具体的な運動はこれからだが、「引き取る」運動と、今回のシール投票と共通しているのは、沖縄のことをヒトゴトで考えないでほしいとの思いだ。

 来週あたりは、未確認情報だが、大坂や福岡、新潟でも同様の取り組みが行われるそうだ。 

沖縄の米軍基地 「県外移設」を考える



↓ ブログランキングへの応援クリックをお願いいたします。




↓ 拍手もお願いいたします
2019/02/12 22:54 戦争 TB(0) コメント(0)

●緊急出版「シリア拘束 安田純平の40か月」

扶桑社から、11月29日の出版に先立って「シリア拘束 安田純平の40カ月」という本が送られてきた。どこかに書評を書いてほしいということだ。
 それは今からでも探すが、このFBでも宣伝をする。
 感想は一言でいえば「よくぞ耐えきった」ということに尽きる。
 
 本の中身はと見ると、11月2日の日本記者クラブでの会見、11月8日の日本外国人特派員協会での会見、そして本人への120分インタビューなどをまとめたものだ。
 2015年6月22日に拘束されて以来、40か月間、安田さんを拘束していたグループは今も謎のままだが、時間の経過とともに安田さんの扱われ方は苛酷になっていく。
 はじめは『ゲスト』として、テレビを見ることもできて、日記も書けて、食べ物もよかった。だが、2016年7月に巨大施設に移されてからは、配線の関係からテレビは見れなくなる。さらに、たまたま食事係が教えてくれたそこの地名を、安田さんが他の囚人にも伝えたことで心証が悪くなる。囚人の誰かが解放されたときに、外部で誰かに地名を伝えたら、襲撃の対象にされるかもしれないからだ。
 以後、安田さんはスパイ嫌疑をかけられる。
 彼らが事務所で誰かを尋問している。たまたまそのときに安田さんがトイレに行くと、あとで「トイレに行くふりをして盗み聞きをしようとしている」と解釈したのか、捕虜の誰かをわざわざ安田さんの部屋の前に連れてきて、拷問をする。
 直接安田さんに暴行はしない。ただ誰かを安田さんの目の前で拷問することで「行動を正せ」との命令をしていたのだ。
 そのうち、水浴びに行ったり、指の関節がパキと鳴るだけでも「盗み聞きをするために動いた」との解釈で、誰かが安田さんの目の前で拷問された。

 そして、安田さんはとうとう寝返りすらも音が出るので禁じられることになる。
 動けるのは食事の時だけ。これを打開するために、安田さんはイスラム教徒になることを決意する。イスラム教徒には1日5回の礼拝が義務付けられている。つまり礼拝と言う運動を1日5回するために。

 またテレビニュースで知れ渡ったが、安田さんが「私は韓国人のウマルです」と言った背景は以下の通り。
 安田さんは、拘束側から「お前は日本人か?」と何度も尋ねられているが、おそらく、国際的に報道されている安田さんがここにいることを、他にも拘束されている誰かが解放されたあとで話してしまえば、この組織が安田さんを拘束していることが分かってしまう。そのために「日本人ではない」ことを自分で演出しなければならない質問だと安田さんは解釈したのだ。

●辛いのはこれからだが
 今後のことについて、安田さんが「白紙」と語っているように、すぐにはシリアに行こうとは考えていないはずだ。辛い体験は、そのうちジワジワと精神の表面に現れてくる。おそらくは強い恐怖感に襲われるかもしれない。安田さんがそれとどう向き合うか。それでももし、数年後に安田さんがシリア行きを計画しても私はそれを非難しない。
 日本政府が「行くな」と言って、マスコミも「行こうとしない」現地では、老若男女が傷つき、亡くなっている。そこで何が起きているかを伝えるのは、現状ではフリージャーナリストしかいない。「行くな」と言っている地域に行くのだから、それは「自己責任」に他ならない。そんなのは当たり前のことだ。だがその『自己責任』がどうしてバッシングの対象にされるのか。お気楽な非難をする人たちにもこの本を読んでほしい。

 「シリア拘束 安田純平の40か月」は一気に読めます。是非ご一読を。



↓ ブログランキングへの応援クリックをお願いいたします。




↓ 拍手もお願いいたします
2018/11/25 17:39 戦争 TB(0) コメント(0)
取材のカンパをお願いいたします
1都6県にまたがるリニア問題を一人で取材することは自分で選んだ道でありますが、それも多くの方から取材費カンパというご支援をいただいたからです。とはいえ、2022年末にその資金プールがついに底をつき、東京都や神奈川県以外の遠方への取材を控えざるを得なくなってしまいました。今一度、ご支援を賜りたくここにそのお願いをする次第です。ご支援者には、今年には発行予定のリニア単行本を謹呈させていただきます。私の銀行口座は「みずほ銀行・虎ノ門支店・普通口座・1502881」です。また100円からのご寄付が可能なhttps://ofuse.me/koara89/letter もご利用ください。私と面識のない方は、お礼をしたいので、ご支援の際に、できればお名前を連絡先を教えていただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  樫田拝
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
私が原発を止めた理由
3.11以後の原発裁判において、初めて運転差し止めを命じた判決を出した裁判長が、退官後の今、なぜあの判決を出したのか、なぜほかの裁判では住民は敗訴するのかを説明している。
超電導リニアの不都合な真実
リニア中央新幹線の問題点を『技術的』な側面から、極めて客観的に情報を分析しその発信に努め、リニアの実現性には課題ありと論じている。難しい専門用語を極力排し、読み易さにもこだわった良書。
リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」
リニア中央新幹線を巡る問題を語らせては、その理論に一部のすきも見せない橋山禮治郎氏の第2弾。このままでは,リニア計画とJR東海という会社は共倒れになることを、感情ではなく、豊富なデータを駆使して予測している。必読の書。
自爆営業
国会で問題にされても一向に改まらない郵便局の自爆営業。年賀状1万枚、かもめーる700枚、ふるさと小包便30個等々のノルマはほぼ達成不可能だから、ほとんどの職員が自腹で買い取る。昇進をちらつかせるパワハラや機能しない労組。いったい何がどうなっているのか?他業種の自腹買取も描いている。
アキモトのパンの缶詰12缶セット
スペースシャトルの宇宙食にもなった。保存期間は3年。しっとりおいしい奇跡の缶詰。24缶セットもある。
共通番号の危険な使われ方
今年10月に全国民に通知され、来年1月から運用が始まるマイナンバーという名の国民背番号制度。その危険性を日本一解かり易く解説した書。著者の一人の白石孝さんは全国での講演と国会議員へのアドバイスと飛び回っている。
マグネシウム文明論
日本にも100%自給できるエネルギー源がある。海に溶けているマグネシウムだ。海水からローテクでマグネシウムを取り出し、リチウムイオン電池の10倍ももつマグネシウム電池を使えば、スマホは一か月もつし、電気自動車も1000キロ走る。公害を起こさないリサイクルシステムも矢部氏は考えている。脱原発派は必見だ。