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●月刊「望星」に、「米軍基地を引き取る」運動のことを書きました。

 前編、後編の連載で、今回は前編。

 米軍基地を引き取る運動に関しては、多くの人に考えてほしい。今、東京、大阪、新潟、福岡の4か所で、政府ではなく、市民団体が主導しての「引き取る運動」が展開されています。

 私は、この運動が目指す方向性については、賛成があってもいいし、反対があってもいい。ただ両者での議論が起きればいいなと考えています。 この運動については、以前も書いたので、こちらこちらを参照にしていただきたいが、論点をまとめれば以下のようになります。


●「最低でも県外」は今も沖縄県民の多くの民意。

 これはいうまでもないでしょう。あの民主党政権での鳩山由紀夫首相の「普天間飛行場の移設先は最低でも県外」との表明は多くの沖縄県民に支持されました。
 普天間飛行場の県外移設だけではなく、沖縄から日本から米軍基地がなくってほしいと思う県民もまた少なくない。


●「日米安保条約」は日本国民の約9割に支持されている。
 
 2015年7月、共同通信社の戦後70年世論調査では、日米安全を支持する国民が約9割いることを示しました。日米安保を支持するとはそのまま米軍の駐留をも支持しているということです。


●沖縄だけに約7割(専有施設面積)の米軍基地が集中している。

 じつは、1950年代前半、在日米軍基地の割合は沖縄では約1割にすぎませんでした。当時、米軍基地は全国に散らばっていたのです。ところが、1972年の沖縄の日本復帰前後には、その割合は約5割になり、現在が7割です。
 

●沖縄に本土からの米軍基地は移設されても、その逆は少ない。

 1953年、アメリカ海兵隊は、岐阜県、静岡県、神奈川県、滋賀県、奈良県、大阪府などに駐留していたが、57年に沖縄に移駐。
 本土の反基地運動の激化で、それが反米運動に転嫁することを両政府が懸念したことが理由とされている。
 76年には、山口県の岩国・第一海兵航空団が沖縄に移駐するが、このとき、沖縄県議会や県内政党は「犠牲を県民に押し付けるのか」といっせいに反発
 他にも、福岡県の米軍板付空軍基地やキャンプハカタなどが72年までに沖縄に移設。79年には、同じ岩国から海兵隊部隊が沖縄に移設。

 この逆の事例はどうかと調べてみると

 2012年、アメリカ政府が「在沖海兵隊約1500人を岩国基地に移転させる」と日本政府に打診したことがありますが、山口県や岩国市は「これ以上の負担は受け入れられない」と反発しています。これはこれで当然の反応ですが、問題は、アメリカが、岩国以外への移転も打診したところ、日本政府が「(沖縄からの)移転をお願いすることはない」と拒否したことです。

 これらの事実から、政治は、沖縄に米軍基地を押し付けてきた、と言えます。


●本土の人間にとって、沖縄の米軍基地問題はヒトゴトだ

 現在、辺野古や高江などに、本土から駆け付け、座り込みなどの抗議行動を展開している人たちには敬意を払います。現場にいるからこそ、政府の横暴も身に染みてわかっている。その情報発信にも努めている。
 だが、それらのニュースをテレビや新聞、インターネットで見る人にとっては、沖縄で起きていることは「たいへんなことだ」と頭で認識しても、他国のできごととして見ているのではと、私は推測しております。
 
 過去に普天間飛行場の移設先として、何カ所かの候補地が噂のように現れては消えたものですが、そのたびにそこの住民からは反対運動が起こりました。

 そこで行きあたる素朴な疑問は、「9割の国民が日米安保を支持している。あなたがその9割の一人であれば、なぜ反対するのか」ということです。もちろん、反対運動を展開したのは、残り1割の人たちであるかもしれません。では、そのとき、9割の人たちは賛成とまではいかなくても、抵抗なく米軍基地を迎え入れる気持ちだったのかな?


●「このままでは何も解決しない」
 
 今回の「望星」の前編では、大阪と福岡の運動を取り上げました。
 大阪で「引き取る運動」を展開する市民団体「沖縄差別を解消するために沖縄の米軍基地を大阪に引き取る行動」(以下、「引き取る・大阪」)の代表、松本亜季さんは2015年から運動を展開していますが、松本さんは、かつて辺野古で2カ月間の座り込みに参加していた過去があります。
 その経験で、大阪に戻ってから、10年間もJR大阪駅前で「「辺野古での基地建設の白紙撤回」と「普天間飛行場の即時閉鎖」を訴える運動を展開してきました。
 つまり、「基地絶対反対」運動です。
 その結果、確かに、大阪での辺野古問題に対する認知度は上がりました。だが、その運動をやればやるほど、松本さんが思いを深めたのは「この方向性では何も解決しない」ということでした。なぜなら、松本さん初め、日本のあちこちで「基地絶対反対」の市民運動が展開されていますが、それで辺野古の状況がよくなったかというと、逆に悪くなっているからです。
 もちろん、辺野古は現在はまだ本格着工されたわけではないので、今後の闘いで中止に追い込める可能性はあります。それでも、民意の蹂躙ということでは間違いなく悪化しています。

 詳しいことは本誌を読んでもらうとして、松本さんがもう一つ気づいたことは、松本さん自身に差別の意識はないものの、沖縄に負担を押し付けている「本土」に住んでいる以上は「差別者である」という自分自身のポジショナリティ(社会的な立場性)です。
 
 いってみれば、たとえば、差別する意識はなくても、イスラエルに生まれた以上、パレスチナの人たちからすれば「自分たちを差別する立場の人間だ」と見られているようなものです。
 
 実際、松本さんも辺野古で座り込んでいた2カ月間、「ヤマトンチューでしょ」ということで、現地の人から幾度も拒絶的な反応にあってきました(手伝いの申し出を拒否される、イベントの司会進行役に難色を示されるなど)。

 松本さんが「引き取る運動」を開始したのは、一つには、この差別を解消するという目的もあるのです。

 以下、今回の原稿からの引用した松本さんの言葉です。

「私は差別する側にいる自分の立場を認識できました。だから、今なら私を拒んだ沖縄の女性たちの気持ちがわかります。今、辺野古や高江で闘っている人たちは尊敬すべきです。でも、本土から来る人のなかには『私は沖縄のために闘っている』と、本土の立場性から免れていると思っている人がいる。闘うことがその免罪符じゃない。まずは自分たちの立場性をはっきりさせたいと思いました」

大阪引き取り候補地←大阪の運動では、府内8カ所を具体的な候補地として挙げている。


●議論が起こるか

 この引き取る運動は、少なくとも、沖縄県民の「最低でも県外」の意志を汲み取っている運動です。
 だが、かつての松本さんがそうであったように「基地は日本のどこにもいらない」運動であれば、「最低でも県外」移設は、その土地に米軍基地を建設するわけなので、認められないことになる。
 実際、福岡県の引き取る運動では、「基地絶対反対」運動をしていた人が「引き取る」運動に参加したところ、かつての仲間から「引き取るとはなにごと。基地をなくすのが目的なのに」と批判され、「引き取る会福岡」を去りました。その批判の嵐に、心療内科に通うほどに疲れてしまった人もいるようです。

 でも、「基地絶対反対」運動も「引き取る」運動も、最終ゴールは同じです。
 やはり、米軍基地がなく、同時に日米安保もない社会です。
 ただし、引き取る運動では、現在の沖縄のにっちもさっちもいかない状況のため、負担軽減のため、自分たちも負担をしようとのステップを設けているのです。

 もちろん、米軍基地を引き取ることは、米兵犯罪の発生もありえるわけで、簡単なことではありません。
 しかし、それは既に沖縄で起きていることであり、今、私たちはそれら問題に何か対処しているのでしょうか? 沖縄で今起きていることを置き去りにして、自分のところにだけは米軍基地は来ないでくれとの主張は、どこまで通るのか。
 だから、批判ではなく、賛成派も反対派も議論してほしい。

 少なくとも、沖縄の基地問題の当事者は「私たち」であることを認識する必要はあると思います。


●もし米軍基地がなくなったら?
 議論と書きましたが、では何を目指すのか?
 双方の運動が目指すのは、米軍基地も日米安保もない社会です。
 では、その先は?
 数年前、国会で「安全保障関連」法案が審議されていた時、多くの市民が国会前に集まり「反対」の声をあげていました。
 惜しまれるのは、あのとき議論はほとんど起こらなかった。

 あの反対運動は、日米安保は現状のままでいいという運動だったのか? 戦争なき社会をつくるには、米軍基地も安保も要らないとすれば、米軍がいなくなったあとの日本の安全保障体制をどうすべきと考えていたのか? 自衛隊を増強する? 防衛費を増額する? コスタリカのように軍なき社会を目指す?

 引き取る運動では、その議論ができるのでは。だとすると、日本の安全保障をやっと一般市民も真剣に考えるいい機会になるとも捉えることはできます。


●移転はしたけれど

 1995年の沖縄での少女暴行事件を受けて、普天間飛行場の移設が日米で合意されたわけですが、じつは、基地そのものではないですが、訓練が移設されたところがあります。たとえば、北海道の矢臼別。元々、陸上自衛隊の演習地ですが、ここで年に数回、海兵隊が訓練をしています。
 その騒音、その弾丸の誤着などで、特に牧場で馬を育てる人たちにとっては大問題です。
 また、訓練の移転の結果、沖縄の負担が軽減したかというと、軽減の実感はないのが現実です。

 ただし、ここには二つの論点があるように思います。

 ★矢臼別に訓練を移設したのは、住民合意ではなく、政府が決めたこと。
 ★基地ではなく、訓練だけが移設したこと。

 これらも含め、米軍基地の移設がアリかダメかの議論が起こってほしい。

 5月20日に、引き取る運動のイベントがありますが、詳細は後日。
←今回の掲載誌「望星」5月号です。是非お買い求めください。
 ←「引き取る運動」を論理的にまとめた高橋哲哉・東京大学大学院教授の著書。

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2017/04/22 13:50 戦争 TB(0) コメント(0)
●NPO職員、明日、南スーダンの現状を語る

 南スーダンでの出来事は今や時事ネタです。南スーダンで活動する数少ない日本のNPO法人「日本国際ボランティアセンター」(JVC)の今井高樹さんは、かれこれ、10年ほどスーダンと南スーダンとに関わっていますが、その今井さんが、明日21日(火)の
衆議院予算委員会の中央公聴会に参考人として出席
し、南スーダンの状況を話すようです。午前9時から11時35分の間の予定。
 じつは私も数十年前に、JVCのソマリア担当として現地に2年滞在しておりました。その縁で、今はJVCの機関誌の編集の一部を手伝っているのですが、昨年、今井さんの現地報告記事でショックだったのが「地方では、武装勢力により、子どもたちがニワトリのように首を切られて死んでいる」との一文でした。
 必要なのは軍事介入ではなく、交渉であるはずなのに、自衛隊はいったい何をしに行くのか。
 明日はテレビ放映はあるのかな? 録画をしたいところです。


●子どもたちがニワトリのように殺されている

 その機関誌で今井さんが書き、私が編集した記事の一部だけを以下に公開します。続きを読みたい方は、是非、JVCにコンタクトしてください。

ーーここからーー

 昨年9月、緊急支援のため入ったジュバ(南スーダン首都)の状況は、予想を超えていた。
 壁一面の弾痕や略奪された商店。そんな戦闘の痕跡が残る市内で、出会った人の誰もが私に何かを訴えてきた。毎晩のように響き渡る銃声、いつ支払われるか分からない給与、年率800%のインフレで「手が届かない」食料品の価格…。
「もう、ここでは生活できない」
 誰もがそう感じるなか、とりわけ厳しい状況にあるのが避難民キャンプの人々だった。
「配布された食料なんて、とっくになくなったわ。今日の食事はこれだけ」
 母親が、野草の葉をむしって煮込んでいる。子どもは草についた種をちぎって食べていた。

南スーダン、野生の豆を食べる子ども←野生の豆を食べる子ども。写真撮影:今井高樹さん。

 ジュバ市内からナイル川を渡った対岸のグンボ地区。避難民キャンプでは、7月の戦闘で郊外の自宅を追われた281世帯が生活していた。食料が配布されたのは最初の1ヶ月だけ。配布の中心を担うはずの国連ですら、戦闘の最中に食料庫を略奪され、物資の欠乏に直面していたのだ。
 当初は生活用品を支援する予定だったが、急きょ半月分の食料支援に切り替えた。
 配布の当日、安堵の表情を浮かべる避難民のなかから、こんな声が聞こえてきた。
「キャンプでの暮らしは大変だけど、ジュバにいる私たちはまだマシだわ」
 どういうことか、一瞬、意味が飲み込めなかった。
「私の故郷では、子どもたちがニワトリのように首を切られ、殺されているの」
 彼女の故郷は、ウガンダ国境に近い中央エアトリア州の村。7月以降、州内に戦争が拡散し、軍や民兵集団による村々の焼き討ち、住民の殺りく、レイプが繰り返されていたのだ。
 そうした村々からの避難民が、ここジュバにも来ているという情報を耳にした。郊外へ数キロ、ナイル河畔の教会を訪れると、ロボノク郡(ジュバの南80キロ)から逃れてきた4人の母親と子どもたちが敷地の片隅に身を寄せていた。
「ある日、知らない男たち村にやってきて、突然、銃を撃ち始めたんです。目の前で子どもたちが倒れて…
 赤ん坊を抱えた母親が、惨劇の一部を話してくれた。死体は家に投げ込まれ、次々に火が放たれたという。畑仕事に出ていた夫たちの行方は分からない。
 歩き続けてここにたどり着いてから1ヶ月、教会からの差し入れ以外には食料がない。蚊帳が足りず子どもはマラリアに罹患していた。身体を洗う石鹸もない。
 すぐに支援を届けた。1ヶ月分の食料のほか、蚊帳や石鹸、そして衣料品。服を手にすると、子どもたちは大急ぎで着替え始めた。母親たちは赤ん坊に着せてから、自分の服を選んでいる。着替え終わって、はじめて皆が笑顔を見せた。

南スーダン、服の配布に喜ぶ←服の配布に喜ぶ人たち。この服を着て教会のお祈りに出かけたという。写真撮影:今井高樹さん。

ーーここまでーー

 マスコミは、昨年、稲田防衛大臣がジュバを視察したときに同行取材しているのですが、せっかくジュバに行ったのなら、避難民への取材をすべきでした。
 戦争の犠牲者がまさしくそこにいたのです。
 でも、マスコミに頼れない以上は、現場を見た数少ないNPO職員などの情報を、私たち市民がインターネットという道具で拡散するしかありませんね。

←「積極的平和主義は紛争地になにをもたらすか?!」(合同出版) JVCのメンバーたちが、紛争地での経験を深く語る本。「丸腰だからこそ、安全が保たれた」との自信には学ぶべきものがある。今井さんも、スーダンでの紛争に巻き込まれた時も、なぜ無事に生還できたのかを詳細に書いている。必見。

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2017/02/20 16:38 戦争 TB(0) コメント(0)
●そもそもの始まりはVFP(平和のための退役軍人の会)

前回のブログの続きです。

 なぜ私が「沖縄の米軍基地を本土で引き取る」運動に関心を持つようになったのか。

 そもそものきっかけは、これも本ブログで書いたことですが、沖縄の高江でのVFP(平和のための退役軍人会)との出会いでした。 彼らは、世界各地で米軍基地の存在で苦しむ住民の元に駆け付けては一緒に抗議行動を展開していますが、アメリカ国内でもしていることがあります。

 VFPは、今年8月の年次総会で「全米各地の議会で沖縄の新基地建設に反対する決議が取り扱われるよう働き掛ける」ことを決議したのですが、実際、各メンバーは自分の出身地でそういった運動も開始しているようです。

 そして、このVFPが関係したのかはわかりませんが、昨年(2015年)9月、すでにバークレイ市議会で、12月にはマサチューセッツ州ケンブリッジ市議会で「反対決議」がなされたのです。両市は米政府に「沖縄での環境や人権を尊重する措置をとるよう」要求したのです。おお、アメリカの自治体が沖縄のことを考えてくれた。これは特筆すべきことではと個人的には思います。

●「辺野古新基地建設反対」を否決する日本の自治体

 で、肩透かしを食ったのが、日本の自治体の対応です。

 ちょうど1年前の2015年12月、東京都の武蔵野市議会が「辺野古での基地建設反対」を趣旨とする「地方自治の尊重を政府に求める意見書」を採択しました。これにネット上では、「武蔵野市、よくやった」などの称賛の声が飛びました。
 ところが調べてみると、これは本当に例外的な決議でした。

 上記バークレイ市の姉妹都市の一つは大阪府堺市です。
 堺市でも、2015年9月29日、市議会議員から「沖縄辺野古への米軍基地建設の断念を求める意見書」が出されたのですが、これは「否決」されます。
 次いで、今年3月25日にも、「地方自治を尊重し、沖縄県の民意を尊重することを国に求める意見書」(議員提案)が出されますが、これも「否決」。
 さらに、6月24日には「沖縄県における基地問題の解決を求める意見書」(共産党議員提案)が出されますが、やはり「否決」。

 堺市は3つの意見書をすべて否決したのです。

 ところが、これは堺市だけではなく、調べてみると、何十もの事例があります。
 倉吉市、三朝町、益田市、金沢市、春日部市、新発田市、神戸市、立川市、日向市、津久見市等々、私が調べただけで20以上の自治体が、同様の意見書や陳情を「否決」や「不採択」としているのです。


●「辺野古新基地早期建設」を可決する日本の自治体

 さらに、私が驚いたのが、それとはまったく逆の事例です。

 すなわち、「辺野古に基地を作ってしまおう」との趣旨の意見書」については、「いけ~」とばかりに「採択」の嵐です。

 沖縄県名護市の保守系議員数人が全国の約800市区議会に「沖縄の米軍普天間飛行場代替施設の早期実現、沖縄米軍基地の整理縮小及び負担軽減を求める意見書」を採択してほしい旨の陳情書を送っているのですが、これについて調べてみただけで、

 多久市、糸魚川市、鳥取市、佐世保市、夕張市、熱海市、倉吉市、益田市、座間市など、やはり数十の自治体が「採択」や「可決」している。

 なぜ、これら自治体は、「建設反対」の声に対して「否決」をして、「早期建設」の要望に対しては「可決」できるのか。そもそも、地元の名護市や沖縄県が「辺野古への基地移設は反対」と言っているのに、なぜ外部の自治体がわざわざ「早期建設」を主張しなければならないのか

 結局、これら自治体にとって、沖縄で起こっていることはしょせんヒトゴトではないのか
 というのが、私が抱いた感想です。

 上記の「採択」や「否決」などをした自治体の一覧は今、EXCELにまとめてありますが、まだ不完全ということで後日の公開としますが、辺野古新基地建設に反対する沖縄県民が上記本土の自治体の動きを知ればどう思うのか。とても同じ日本人の取る行動としては承服しがたいのではないかと思います。

 じゃあ、そんなに建設促進したいのであれば、「あなたのところで引き取れば?」。

 こう思い始めたときに知ったのが、前回のブログで紹介した、福岡、大阪、そして新潟の3か所で同時発生的に立ち上がった「引き取る」運動でした。
 
 そして、そのことを先週号の週刊SPAに書いたのですが、多忙にかまけているうちに、前回のブログからもう1週間も経ってしまいました。ということで、そのSPAの記事も近日中にPDFで公開します。本日はもう眠いです・・・。

←高橋哲哉教授の「沖縄の米軍基地 『県外移設を考える』」(集英社新書) 県外移設に賛成する人にも反対する人にも読んでもらいたい。

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2016/12/08 00:49 戦争 TB(0) コメント(0)
● 沖縄の米軍基地を本土に「引き取ろう」

 まず宣伝ですが、これについて書いた記事が、今週発売の週刊SPA!に掲載されています(2ページ)。
 
 「沖縄の米軍基地を引き取ろう

 街角でいきなりこんな街宣活動に出会ったら、おそらくぎょっとすることでしょう。だって、来てほしくないから。

 でも今、そう呼びかける運動が、大阪市、福岡市、新潟市で、昨年から今年にかけて同時発生的に立ち上がっています。

★大阪が「沖縄差別を解消するために沖縄の米軍基地を大阪に引き取る行動」
★福岡が「本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会」
★新潟が「沖縄に応答する会@新潟」

 この運動を巡る賛否はすでに起こっているし、むしろ、起こるべきです。そのための「ぎょ!」です。

 「引き取る」運動に否定的な意見としては

★基地被害への懸念(騒音や米兵犯罪)
★日米安保条約を持続させてしまう
★「米軍基地をなくす」動きに逆行する

 というのが主なところでしょう。

 じつは、この「引き取る」運動を始めた人たちにしても、「基地反対」運動の人たちの最終的な目標は同じです。すなわち、いつかは米軍基地を日本からなくしたい。
 では、なぜ「引き取る」運動が始まったのか。

 答えを凝縮すれば、沖縄の基地問題を「ヒトゴト」ではなく「自分事」として考えてもらうためということ。

 SPAはまだ発売中なので、その内容はここでは書けませんが、ただし、SPAのWEB版「日刊SPA」では、記事に登場する、「引き取る」運動を提唱している高橋哲哉・東大大学院総合文化研究科教授のコメントを載せています。
 それをまず紹介します。

ーーここからーー

 私もかつて、日米安保をなくせば沖縄から米軍基地をなくせると言ってきました。しかし、それだけではダメだと思ったのです。2つ理由があります。一つは、安保は何十年経っても維持されているし、その支持率は減るどころか逆に9割近くに達しています。なのに本土の負担率が圧倒的に低いのはおかしい。もう一つは、1950年代に本土の海兵隊が沖縄に移設されるなど、歴史的に本土が沖縄に負担を押し付けてきたことです。安保を維持するなら本土が引き取るべきです。皮肉にも、「基地はどこにもいらない」との反基地スローガンが、沖縄の「県外移設」を望む声の壁になってきました。私が引き取りを提唱するときは覚悟しました。
 「戦争を認めるのか」とか「転向したのか」との誤解を払拭する努力が必要だからです。いざとなれば、私の住む地域に米軍基地が来ることも認めなければならない。
 引き取る過程で、私たちが沖縄への加害者であることに気づいてほしい。議論は起こるでしょう。米軍基地の問題は自分たちの問題なのに、沖縄だけの問題のようにして議論がないのがおかしいのです。その議論を通じて、私たちは「加害者」であることをやめ、米軍に守ってもらうという安保体制を見直すこともできる。
 昨年の安保法制反対運動は盛り上がりましたが、結局、その議論はなかった。憲法9条を支持しながら安保も支持する現状には再考が必要です。引き取り運動が、日本の安全保障体制を考え直す出発点になればと望んでいます。

ーーここまでーー

 ちなみに高橋教授には「沖縄の米軍基地 『県外移設を考える』」(集英社新書)という著書があります。

 私がこの「引き取る」運動に関心をもったのは今年からですが、この関心につながる違和感は数年前に覚えていました。

 2009年、鳩山由紀夫政権が、沖縄の米軍基地を「最低でも県外」に移設すると表明したときです。
 このとき、「基地はどこにもいらない」と主張する人たちはこれに同意しなかったものの、この表明は沖縄でも「本土」でもそれなりの期待をされていたはずです。

 結果、「最低でも県外」は実現しませんでしたが、覚えておくべきは「最低でも県外」とは、本土のどこかが普天間飛行場の代わりとなる米軍基地を「引き受ける」ことであり、それに少なからぬ国民が同意をしていたということです。

 しかし、鳩山政権のとき、では具体的にどういうステップで本土で基地を引き取るのか、どういう条件の土地が引き取り対象になるのか、具体的な候補地はあるのか・・までの詰めはありませんでした。

 今、大阪、福岡、新潟で起きている運動は、政府主導ではなく、民間主導で始まった「引き取る」=「県外移設」の動きです。

●ヒトゴトから自分事で考えよう

 そして、この3か所で共通している認識は「本土の人間は、沖縄の米軍基地をヒトゴトでしか考えていない。自分事として考えよう」ということです。

 発売中なので、あまり詳しく書けませんが、たとえば、大阪でこの運動を進めているMさん(本誌では実名)は、辺野古での座り込み経験もあるだけに、大阪駅前で10年間も「辺野古新基地建設絶対反対」の街宣活動を展開してきました。その結果、辺野古問題への理解は広まったものの、多くの人が「沖縄は大変だね」と思うだけのヒトゴトで終わることをMさんは痛感。そして、政府は一向に強硬姿勢を崩さず、沖縄の現状は悪化する一方です。

 「方向性を変えなければ何も解決しない」

 これが大阪で「引き取る」運動が始まった原点です。

 また、歴史的にも、1950年代に、本土の米軍基地が周辺住民の反対運動で沖縄に移設したという、まさしく沖縄への押し付けがあったのも事実です。

 沖縄県民から見れば、米軍基地の74%もが沖縄だけに押し付けられている現状に「県外移設」に同意するのは当然のことであり、それを本土のどこかが「引き取り」をするということです。

 ともあれ、まずは議論が起こることで「ヒトゴト」から「自分事」の問題として、では、日米安保条約だってどうするのかとの議論が始まる。
 私自身は、これがもっとも大切だと思います。
 思い返せば、昨年、全国のあちこちで起こった「安保関連法成立」反対運動にしても、反対だけを唱えただけで(それも大切です)、では、米軍がいなくなったあとの日本の安全保障をどうするのか、やっぱり米軍は必要なのでは、いや、やっぱり平和外交の展開だ・・といった議論がほとんどなかったのも事実です。

 あまり長く書くと冗長になるので、本日はこの辺で。
 次回は、私がなぜ、この「引き取る」運動に着目するに至ったのかを少しだけ書きます。
 要は「辺野古新基地建設反対」といった意見書に対しては、本土の自治体は、ほとんどが不採択。
 対して、「新基地建設促進」を求める意見書に対しては、多くが採択したとの事実を知ったことです。
 次回、これを少しだけ具体的に書きます。

←高橋哲哉教授の「沖縄の米軍基地 『県外移設を考える』」(集英社新書) 県外移設に賛成する人にも反対する人にも読んでもらいたい。

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2016/12/02 16:38 戦争 TB(0) コメント(0)
●いよいよ始まるか、駆けつけ警護

 南スーダンでは紛争が起きているのに「衝突」事案とのたまう稲田防衛相。
 そして、とうとう「駆けつけ警護」がOKと判断されそうです。

 来週月曜日発売の週刊プレイボーイに、南スーダンで活動する数少ない日本人、NPO法人「日本国際ボランティアセンター」(JVC)の今井高樹さん(10月上旬から2週間ほど報告のために一時帰国)のコメントを中心にした記事を載せます。

 紛争地に駆けつけ警護に行けば、間違いなく戦闘状態に巻き込まれ、そもそも民間人の救出が不可能になるので、駆けつけ警護そのものが「非現実的」だが、それでも本当に自衛隊はいざ有事にそれをやるのかな。

●過去、紛争に巻き込まれた民間人やPKOはどう救われたか

 今井さんへの取材で印象深かったのが、では、過去の有事において、民間人がどう救われたか、PKO部隊がどう動いたかとの具体的事例です。雑誌の発売前なので詳しく書けませんが、以下の通り。

★5年前、スーダンの内戦でJVC事務所の至近距離でもロケット砲が着弾するほどの紛争が発生。このとき、民間人を救出に来たのは、国連(PKO)が率いた何の変哲もないトヨタ・ランドクルーザー約20台。PKO司令官曰く「武装車で来たら戦闘に巻き込まれる」。非武装だからこそ多くの民間人が救出された。

★昨年10月、南スーダンのナイル川で物資輸送中のPKO本部部隊が反政府組織に拘束された。このとき、司令官は応援の実働部隊を呼ぶのではなく、自ら交渉に入った。そして全員解放される。実働部隊を呼べば戦闘になったから。

 また、以下は、PKOの救援が機能しなかった事例です。

★今年7月、南スーダンの内戦で、外国人のいるホテルが政府軍の一部に急襲された。外国人は大使館やPKO部隊に電話やSMSで救援を頼んだが、近くで活動する中国とエチオピアのPKO部隊は出動を拒否。救出は政府軍との闘いになるという悪い冗談になるからだ(PKOはその国の受け入れがあって成り立つので)。
 
 自衛隊、本当に武器をもって出動するのでしょうか。その場合、逆に、自衛隊員や救われるべき民間人が亡くなるような気がします。上記事例にあるように、いざというときに必要なのは、人脈を活かしての「交渉」です。
 その交渉力を日本政府は有しているのか、いないのか。

●なぜ避難民に目を向けないのか

 ところで、南スーダンでは7月の内戦で、多数の避難民を生み出しました。稲田大臣はこれら避難民を視察することなく、10月8日、たった7時間、首都のジュバを視察しただけで帰国した。今井さんが訴えるのは「これら避難民を見てくださいと言いたい。その日の食べるものもなく、残飯や野草を食べる人もいるのです」。

 今井さんのこの言葉は、稲田大臣だけに宛てたものではなく、自衛隊のことばかりを報道するメディア、そしてそれだけを知りたがる市民に宛てたものです。

野草を食べる 食料配布

 写真1枚目が野草の豆を食べる子ども、2枚目が食糧支援の現場。白いシャツの男性が今井さんです。(写真提供は2枚とも今井さん)

 JVCは今月から避難民への緊急支援を開始しています。
 4,000円の寄付で1家族1ヶ月分の食料が、2000円で、石鹸、蚊帳、マットなどの生活用品が賄えます。ご関心ある方は、http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/sudan/2016emergency.html を見てください。
 
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2016/10/21 16:34 戦争 TB(0) コメント(0)
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