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 ちょっとしたお知らせです。知人の書いた本の宣伝です。
 昨日あたりから、ニホンカワウソが対馬で見つかった?との報道がなされていて、個人的には、そうであってくれれば面白いと思っています。
 そして、ニホンカワウソ以上にロマンを掻き立てられるのが、ニホンオオカミです。
 これは明治時代に絶滅したと言われておりますが、今でも、日本のあちこちで、オオカミを見た、遠吠えを聞いたとの話がありますが、その生存を決定づける写真や映像はありません。
 このニホンオオカミの生存の可能性を確かめるため、知人のジャーナリストの宗像充さんはここ数年間日本各地で関係者からの聴き取りや、文献調査などを精力的にこなしておりますが、昨年、本人曰く「ついに僕も見ました」とのこと。

 宗像さんがその取材をまとめたのが、昨年末に上梓した「ニホンオオカミは消えたか?」(旬報社)。
 amazonでもなかなかいいレビューをもらっています(★5が5つ、★4が3つ)。

 この本は月刊「望星」での連載を整理したものですが、この連載を私も読んでいて、単なる絶滅動物へのノスタルジーではなくロマンを感じた。
 是非、ご一読を。


 
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2017/08/17 23:16 未分類 TB(0) コメント(0)

●十条の住民120人が、二つの裁判を起こす

 8月1日。
 東京都北区にあるJR十条駅周辺の住民120人が、同時に二つの裁判を起こしました。

十条、入廷行動2

1.一つが、国を相手取り、国が認めた事業計画の取り消しを求めた行政訴訟。国が認めた事業とは、東京都の「特定整備路線」。

2.もう一つが、東京都が設立認可した、十条駅前の再開発を進める「市街地再開発組合設立認可処分」の取り消しを求めたもの。

十条、計画反対のチラシ2

「1」については以前、本ブログでも書きましたが(その記事はこちら)、70年以上も前の終戦直後に策定された道路計画が、なぜか数年前に突然蘇り、なぜか東京オリンピックの2020年までの完成を目指しています。
 それも東京都内で28カ所。

 しかも、道路の拡幅ではなく、まったくの新設。
 つまり、道路を造るために、延べ数千人の人たちを立ち退かせ、自然環境も壊すこともやむなしとしているのです。

 東京には3大商店街があります。
『戸越銀座』『十条銀座』『砂町銀座商店街』

 特定整備路線はこのうちの二つ――『戸越銀座』と『十条銀座』――に大きなダメージを与えます。
 十条銀座では、メインストリートのほんの10メートル脇を並行するように新しい道路(幅20~30メートル!)が作られるため、商店街の脇道に各店舗が有する倉庫や自宅などがやられます。つまり、倉庫がないまま営業を続けるのは至難の業となる。また、十条銀座はところどころで直角に枝分かれしているのですが、そこに位置する商店も道路計画に直撃される。

 また三大ではないにせよ、十大には入る板橋区の商店街「ハッピーロード大山」も『補助26号線』大きなダメージを受けるようです。

 ともあれ、十条で予定されている特定整備路線の「補助73号線」(890メートル)は十条から数百件を立ち退かせると予測されています。
 
 8月1日は訴状提出だけですが、初口頭弁論の期日は今後明らかに。

●約束を果たさない小池知事

 訴状提出の後は14時から東京地裁内で記者会見が行われ、それが終わると、十条商店街で報告集会が行われました。
 原告120人のうち約40人が簡単な自己紹介をしましたが、ほとんどが十条の住民で自分の店や家屋が計画にかかることに不安と怒りを抱いておりました。

裁判後の司法記者クラブでの記者会見1 裁判後の十条での住民集会 ←1枚目が訴状提出の後の、東京地裁での記者会見。左端が原告団長の岩波健光(たけみつ)さん。江戸っ子。 2枚目がその後、十条銀座で開かれた報告集会。原告のほとんどは小学校時代からの顔見知り。

 この集会に駆けつけてきたのが、品川区の特定整備路線「補助29号線」(約3.5キロ)ですでに行政訴訟を起こした市民団体のメンバーや、北区赤羽に建設予定の特定整備路線「補助86号線」(1キロ150メートル)の行政訴訟取り消しのために来月提訴する「くらし・環境・歴史遺産を守る86号線住民の会」の代表も来ていました。

 なぜ、戦後すぐの、復興のための道路計画が、街並みがすっかり変わった今復活するのか。
 なぜ、2020年という東京オリンピックの都市での竣工なのか。
 十条の補助73号線が事業認可されたのは、2015年1月。つまり、舛添要一知事の時代ですが、小池知事のスタンスは?
 一応、これらの疑問には簡単に書いておきましょう。

★東京都は「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」のなかでこれら道路を「特定整備路線」と定め、住宅密集地の延焼を防ぐ防災道路であると位置付ける。だが、北区の住民への説明では「不燃化率は0・8%上がる」程度で、ほとんど効果がないことが明かされています。

 では一体何のための道路なのか? 
 ここで、からんでくるのが、今回のもう一つの訴訟である「2」です。

十条、計画反対のチラシ1 ← 真ん中のチラシが、十条駅前に東京都が計画している40階建て高層ビル。

 これは具体的に何かというと、十条駅前に地上40階建ての巨大ビルを建てる計画。
 そのために工事用車両がスムーズに出入りできるには広い道路が必要。
 つまり、十条での開発の本丸はこのビル計画であり、補助73号線はそのための手段だ・・・と住民は訴えるわけです。

 十条では、この73号線、駅前再開発に加え、バス通り(85号線)の拡幅や駅の高架化に伴う側道建設も計画されていて(まだ事業認可されていない)、総工費は847億円。これらの計画で、十条駅周辺では、600軒、2100人が立ち退くことになります。

 これは地域破壊です。
 だから、住民のなかには、昨年の都知事選で小池百合子候補に期待をした住民が少なくなかったようです。

 たとえば、東京都小金井市の市民団体「はけの自然と文化を守る会」が、昨年の都知事選において知事候補者らにアンケートを送っているが、小池候補はこう回答しているのです。
「地域住民の合意、自然環境への影響という観点で、見直しが必要な路線もあると考えております。地元から強い疑義が提起されている路線を実際に巡視し、地域住民の皆様とも対話し、優先整備路線に位置付けることが不適切だと判断される路線に関しては、大胆に見直しを進めていきたい。前知事が決めたからといって、そのまま踏襲する硬直的な考えは一切もっておりません

 ところが、小池知事は就任から9カ月を過ぎた今も28の特定整備路線のどこも視察をしていない。都民ファーストの会としても、特定整備路線への対応も見えない。
 今回の都議選で、都民ファーストの会から、十条銀座のある北区で立候補したのは幹事長である音喜多駿議員。彼は特定整備路線の推進派だ。
 地元から2100人もが立ち退くことよりも、音喜多議員は、彼が考える「住みやすい街」の実現を選んでいる。でも、住みやすい街って、住民自身が熟成させるものではないのか?

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2017/08/11 12:05 未分類 TB(0) コメント(0)
●都民ラスト?

 東京都議選が近づき、小池百合子知事率いる「都民ファーストの会」に注目が集まる。ところが、小池都政で目立っているのは、主に築地市場の豊洲移転問題やオリンピック問題だ。そして都内の各地に目を向けると、都民ファーストではなく、都民を蔑ろにしている「都民ラスト」とも言える状況が散見されている。そんな事例を集めた記事を今週発売の週刊SPAに掲載しました。

●1.終戦直後の道路計画の復活
――2000人以上が立ち退き予定の北区・十条銀座商店街と周辺住宅地――

 都内随一のアーケード商店街のすぐ真横に幅20メートル以上の道路(幹線並み)が計画されている。その名目は災害時の延焼を防ぐというもの。だがその効果は0・8%。しかもこの道路計画は終戦直後の復興道路計画であり、それがなぜか今蘇った。そんな復興道路の復活は都内で28カ所もあり、計画中止を求める裁判も始まっている。

十条銀座のメインルート。にぎやか。 十条銀座の脇道にも味わいのある店が並ぶ←十条銀座のメインストリート。そして脇道にある商店街。とても賑やかだが、この脇道側ではもろに道路計画にかかってしまい立ち退きを余儀なくされる。

 この道路計画について、小金井市の市民団体が昨年の都知事選で立候補者にその見解を問うアンケートを送付。小池候補は「知事に就任したら、地元から強い疑義が提起されている路線を実際に巡視し、住民とも対話する。前任者の意向を踏襲するのではなく、優先整備路線への選定が不適切と判断される路線は、大胆に見直しを進めたい」と回答。ところが知事就任直後の記者会見では、記者からの質問に「路線については、事務方(都市整備局)から詳しく聞いてまいりたい」と答え、結局、小池知事はどの現場にも姿を現していない。
 反対運動も起こらず、粛々と立ち退く地域もあるが、十条の反対は根強い。

測量お断り


●2.外環道計画
――東京23区の貴重な水源を枯渇させるか?――

 「東京外かく環状自動車道」(以下、外環道)は、国が’66年に計画した千葉県、埼玉県、東京都を環状に貫く自動車道。総工費は1兆6000億円。
練馬区にある大泉インターチェンジから南へ16kmの東名高速道路までをつなぐ部分が、大気汚染や騒音を懸念する住民の反対運動で30年間も凍結されていた。だが’03年、国が「未着工部分は大深度(深さ40m以深の地下)でやる」と表明。
今年、いよいよ地下トンネル掘削の用意が整い、2月19日、世田谷区で「シールドマシン発進式」があった。シールドマシンとはトンネルの巨大掘削機。式典会場の外では周辺住民が「外環道ファースト?」などの抗議のプラカードを上げ、会場内では小池知事が「国際競争に勝ち抜き、我が国の成長を牽引するには、人と物のスムーズな流れの確保が重要。外環道の整備事業は、その中心となる取組みで、大いに期待をしています」と挨拶した。
 だがこの計画、周辺住民なら誰もが親しむ「三宝寺池」「善福寺池」「井の頭池」といった憩いの水源をすれすれに通るため、水源枯渇が心配されている。
 この計画のために多くの人が立ち退きを余儀なくされた。

立ち退いた江戸時代からの農家。向こうに見えるが東名高速。右が外環用工事フェンス。←江戸時代から続いた農家も激変する環境に耐え切れずに泣く泣く立ち退いた。正面は東名高速道。右は外環道のための工事用フェンス。

 東名高速道路とのジャンクション予定地の近くで農業を営む池田あすえさんの農地も5分の1くらいは収用予定だが、池田さんは「売り渡す気はない」。

農地の収用に応じない池田さん。←池田さんの立っているあたりから向こうが収用される計画。

 外環道についても、昨年の都知事選で、市民団体「外環ネット」がアンケートを立候補者に送ったが、小池候補は無回答。市民団体が外環道計画の中止を求める10万人署名活動を展開していても、通過地の一つ、武蔵野市の市長が「反対住民が多い。現地視察を」と直接要請しても、小池知事は「検討する」と言っただけで、未だに姿を現さない。

●3.スーパー堤防
――江戸川区だけで完成に200年と2兆7000億円。9万人が立ち退きーー

 スーパー堤防とは、150~300mもの幅をもつ巨大堤防で、洪水が越水しても崩れないことがウリ。

スーパー堤防イメージ図

この事業は’87年に始まったが、幅数百mもの堤防建築は、川近くの住民の大規模立ち退きを伴うため、実際にこれに手を出す自治体はほとんどない。だが江戸川区は手を出した。試算では、完成までに200年と2兆7000億円を要し、区内3河川周辺から9万人を立ち退かせる。
 2015年12月には、江戸川区北小岩1丁目の約90世帯が立ち退いたが、不思議なのは、ここは区でもっとも標高が高く、かつてどの台風でも水害がなかったこと。しかも、堤防は線上につながってこそ効果を発揮するのに、隣の地区では川の近くの交番の改築や民家の新築が行われている。なんだ、これは。

工事が進む小岩1丁目。2015年撮影

 スーパー堤防は国の事業。だから土地造成は国がやる。だが、その造成地での区画整理を区は目論んでいる。つまり、国のカネでただで土地造成ができるということだ。
 今、南に1キロほど離れた篠崎1丁目が狙われていて、立ち退きを拒否する数十世帯がいるものの、すでに数百世帯が立ち退いた。スーパー堤防建設に合わせ、ここにある都立篠崎公園の高台化も同時に目論まれている。

立ち退いた家々の跡地は臨時公園に。篠崎地区。 篠崎地区。スーパー堤防反対。←篠崎地区で臨時公園になった立ち退いた家々の空き地。一方でまだ立ち退き拒否する人も多い。

 スーパー堤防事業推進に東京都は、直轄事業負担金として3分の1を負担する立場で、かつ、東京23区での土地区画整理事業の認可権者は都知事だ。
 だが、やはり小池知事の現地視察はない。市民団体は、今年の都議選に合わせ、区の都議候補にアンケートを送り、選挙の争点にしてほしいと願っている。

●4.調布駅前広場開発計画
――あわや99本すべて伐採だったーー

 調布駅の南口広場に交番を作るため、7本の樹木(シラカシなど)が突然切られたのは昨年3月3日夜。
調布市は、駅前のバスロータリー拡張と地下駐車場(1900台収容)など駅前広場の建設のため、広場の樹木99本すべてを伐採する計画だった。完成目標は’18年。市で開催する’19年のラグビーワールドカップと、’20年東京五輪のサッカー競技に間に合わせるため。

調布駅前広場

 ところがこの計画にたった一人で始まった反対運動が、次々に賛同者を生んで、今、1万6000筆の反対署名という、市は無視できない数字を突き付けられ、99本のうち約半分は残される方向が出た(確定ではない)。現在、市民と協議中。
 総工費19億円のうち、14億円は国と東京都からの補助金だ。市民団体は現在、市とのやりとりに力を傾けているが、昨年、都でも問題にしてもらおうと「都民ファーストの会」の議員を通じ民主党幹部に相談をもちかけたが「難しい」と門前払いされた。今後の都議選での動きに注目したい。

 これは詳しい記事はこちらに掲載されています。

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2017/05/19 15:03 未分類 TB(0) コメント(0)

●フリージャーナリストはつらいよ、その2

 先日、ある週刊誌(仮に週刊A)に「貴誌には、今のままの条件ではもう書きません」と伝えました。
 週刊Aは、毎週、社会問題、政治問題、環境問題、人権問題と正面からガツンと特集を組み、読者からの評判もなかなかいい媒体です。
 私は1989年からフリージャーナリストをしていますが、以来、取材を基にした執筆だけで食べています。しかし、発表の媒体が徐々になくなっていきました。休刊した雑誌だけでも、講談社の月刊「現代」、朝日新聞社の「朝日ジャーナル」、読売新聞社の「週刊読売」、集英社の「月刊プレイボーイ」等々がありました。
 加えて、週刊誌や月刊誌の売り上げが落ちるにつれ、どの雑誌もできるだけ多くの記事を入れようとする結果、それまで4~5ページ載せてくれた標準掲載ページが2~3ページとなる、高齢者のために文字を大きくする(文字数が減る)、雑誌によっては基本的に経費が出なくなるなどの条件に変わるなど、ますます条件は厳しくなっています。
 そこで採るべき方法はただ一つで、土日も夜もひたすら働くことしかありません。私はここ何年間、テレビでプロ野球の試合を見たこともなければ、友人と飲みに行くことも激減しています。
 それでも自分の伝えたいことを多くの人に伝えてくれる媒体に書くことは必要でありました。しかし、もう限界だと思いました。

 週刊Aは、原稿料がだいたい3万円前後。
 私の取材は、9割がた、私が出した企画が通ってから、取材経費を出してもらい取材に出るというものですが、週刊Aは、どちらかというと、向こうから「書いてほしい」との依頼が多いです。年に6回くらいは書かせてもらったでしょうか。
 しかし、仮に、1泊か2泊を要する取材なら、事前の資料集め、取材後の事後情報収集、下書き、編集部とのやり取り、清書と、印刷に回るまでざっと4,5日はかかる計算です。
 5日かけて3万円。
 原稿料には以下の三つがあります。

1.生活に余裕のできる原稿料。
2.なんとか食いつなげる原稿料。
3.やればやるほどに赤字になる原稿料。

 週刊Aは「3」です。
 そして、週刊Aに留まらず、環境問題や社会問題をタブーなしとして掲載する媒体はそこそこにあるのですが、じつは、そういった問題に敏感な雑誌ほど、ライターへの支払いは安すぎる。 週刊Aに留まらず、市民運動では有名な週刊Bもやはり、そうです。
 問題は、それら媒体が、自分たちが内包するブラック企業的な側面を実感していないことです。

 私は、週刊Aに「ギャラを倍に上げるか、掲載ページ数を増やさない限り、もう書きません」と担当編集者に伝えたら、編集者からは、記事を組むときは、編集部よりもっと上の部署が全体の予算を組み、そこから制作に必要な経費(旅費、デザイン会社への支払いなど)が確定し、ライターへの支払いはその残った額で払うとの制度になっている、との説明がありました。つまり、原稿料は「引き算」で決まっていたことが分かりました。
 ブラック企業では、社員への人件費は「節減すべき経費」です。
 出版社にしても、外部ライターへの原稿料は、やはり「経費」の一つに過ぎないのです。
 しかし少なくとも、人権や社会正義を訴える媒体であれば、媒体を支える外部ライターの原稿料も「最低でもこれだけ払う」という予算を組み、全体の予算を工夫すべきですが、その意思がない以上、週刊Aと関わるのはよそうと決めました。

 雑誌が売れない時代に、わがままをいうなとの声も聞こえてきそうです。だが引っかかるのが、売れない売れないと言いながらも、出版社の社員にはベースアップがあるのに、外部のライターには実質の賃下げを強いていることです。
 ただ、日本の風土なのか、こういったお金にまつわることは、編集部からも説明がないし、ライター側も「尋ねてはいけない」といった一種の奥ゆかしさでもって、説明を求めません。
 これもよくない。今後は安い原稿料には「安い。それでは生きていけません」と声をあげるしかないと思っています。

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2017/04/15 11:11 未分類 TB(0) コメント(0)
●これは冤罪では? 「乳首を舐めた」とされる外科医の逮捕

 10月14日14時から東京地裁の司法記者クラブにおいて、「逮捕された外科医の釈放」を要求する記者会見がありました。

会見に臨む東京保険医協会の3人

 こういう事件があったのを、2週間ほど前、知人からの情報で知りました。案外、とんでもない誤認逮捕です。以下、いわゆる「乳腺外科専門医逮捕勾留準強制わいせつ事件」の概要です。

●5月10日 東京都の柳原病院において、非常勤の乳腺外科専門医C氏が、全身麻酔された女性患者B氏に右乳腫瘍摘出手術を行う。
●8月25日 C医師、突然逮捕される。(それ以前のA医師への任意取り調べは一切ない。警察の各方面への捜査はありましたが)

 逮捕の理由は、手術を受けた女性患者が手術終了後に4人部屋に移されるが、そこでC医師から、着衣を脱がされ、17分間にわたり左乳首をなめられた・・ということである。
 つまり、女性患者が警察に訴えたことだった。

 C医師は

●8月27日 勾留決定。
     勾留決定準抗告するが棄却。
     勾留取り消し請求もするが却下される。

●8月28日 柳原病院の捜索差押と、C医師の自宅とA医師が常勤するクリニックの捜索差押が行われる。
●9月14日 起訴決定。

 そして今も、東京拘置所で勾留されています。

 この事案に対しては、柳原病院も「警視庁による当院非常勤医師逮捕の不当性について抗議する」との声明書を出し、早期釈放を求める署名活動にも取り組んでいます。

 そこには以下のことが書かれています(概要)。

★B氏がわいせつ行為を受けたとされるのは、術後の15時ころから。B氏は友人を通じて、16時頃に警察通報した。
 だが、B氏がその行為を受けたとされるのは、術後35分以内のことであり、全身麻酔による「せん妄(錯視)」状態がまだ続いていた。実際、9月5日、東京地裁での勾留理由開示公判においても柳原病院の顧問弁護士が証言したのは、術後4人部屋に戻ったB氏が目を閉じたまま「ふざけんなよ!」「ぶっ殺してやる!」などとつぶやくのを看護師は聞いている。 


★また、4人部屋という複数の患者が入院していて、術後は複数の医療従事者が出たり入ったりする状態において、果たして、カーテンを閉めたとしても、そのような行為に17分間も及べるだろうか?

 およそありえないケースです。

 検察が公訴事実として認めているのは「5月10日午後2時55分から3時12分頃までの間」(17分間)上記の行為に及んだというものだが、じつは、B氏は当初、

「午後2時45分頃から2時50分頃までの間、左乳首を舐められたが、B氏が気づいたためC医師はいったん退室したが、その後、午後3時7分から3時12分頃までの間、左手でB氏の着衣をめくり左乳房を見ながら、右手で自慰行為に及んだ」

 との、高い確率でせん妄状態にあることを伺わせる訴えをしています。これが「被疑事実」だったのですが、上記公訴事実では、時間帯も行為も変わってしまっている。さすがに自慰行為をするのはありえないと検察も判断したのでしょう。

 この事件で物証はない。警察は、患者の供述だけで逮捕に踏み切ったのです。


●医師たちの記者会見

 10月14日14時。東京地方裁判所の司法記者クラブにおいて「東京保険医協会」の3人が、C医師の早期釈放を求めるための記者会見を行いました。

 その内容を簡単に書けば、「おそらく無罪とは思うが、私たちがA医師を『無罪』と断定することはできない。それは裁判所の仕事になります。私たちが訴えたいのは、『勾留に理由がない』ことです。5月10日から警察は捜査を開始し、8月25日の逮捕まで107日間もかけた以上は、必要な捜査は終了しているはずです」。

「検察はC医師が証拠隠滅行為に及ぶから釈放できないと言いますが、その『具体的な』可能性を示唆する根拠は存在しません」

嘆願書の拡大コピー←嘆願書の拡大コピー

 3人のなかでもっとも力強く釈放を訴えていたのが、佐藤一樹医師でした。佐藤医師はこう語ったのです。

「私は東京保険医協会の役員ということもありますが、個人的にもこの問題で動いています。なぜなら、私もかつては冤罪で90日間独房に入れられていたからです

 このくだりになると、そのつらい記憶がよみがえったのか、佐藤医師はしばし目頭を押さえ、感情を必死で抑えていました。

佐藤医師、目頭を押さえる←目頭を押さえる佐藤医師

 記者会見後、私は佐藤医師に「先生は何の疑いで逮捕され、90日間も拘留されていたのですか?」と尋ねると、「2001年の東京女子医大事件です」。

 これは、2001年3月、当時12歳の女児が心臓手術後に死亡した事件。
 大学は、10月には教授ら3人で構成した「死亡原因調査委員会」で調査報告書を作成。これにより、責任をかぶることになった、手術で人工心肺装置の操作を担当した佐藤医師が、02年6月に業務上過失致死容疑で逮捕され、7月に起訴されることになるのです。そして8月には、大学は佐藤医師を諭旨退職処分。

 しかし、05年11月、東京地裁は「内部報告書が、原告(佐藤医師)の社会的評価を低下させることは明らか」、「調査報告の誤りの程度は重大だ」として無罪判決を、09年3月の東京高裁でも無罪判決が出て、無罪が確定した。

 その後、大学側は態度を改め、11年1月6日、和解金を支払い佐藤医師と和解しました。

 佐藤医師にとっては、C医師の勾留は他人ごとではないのです。


●C医師は今

 佐藤医師は10月12日、東京拘置所でC医師と接見しています。記者会見での話によると、医師としては初めての接見者とのこと。
 そのときのことを佐藤医師はFACEBOOKで報告しています。

「一昨日、東京拘置所に勾留されている乳腺外科専門医と接見してきました。
 独房に身柄拘束され、外の状況をご存知でないため、『何故私がこのようなところにいなくてはならないのか?』と信頼のおける人にもやつあたりされるように訴え、少し精神を病まれているのではないかときき、いてもたってもいられなくなりました。
『先生は、中にいるから分からないと思いますが、外では一般の方々も含めて、味方が沢山います。保釈を求める署名は、10000を越えました。出てくれば、いかに味方が沢山いるかわかりますよ。それまで、次の闘いに向けて心身ともに健康を維持されるよう、努力してください』と励ましたところ、お母様と奥様とともに涙され、私ももらい泣きしそうになりました。冤罪経験者で拘置所内独房の様子が分かる人間の言うことには説得力があったと思います」


●C医師が常勤していたクリニックは今?

 C医師は柳原病院には非常勤として勤務していましたが、常勤としては、医師が二人しかいない乳腺関連の専門クリニックで働いていました。つまり、そのクリニックには今、医師が一人しかいない。
 これは、その医師にも、クリニックの運営にも、患者さんたちにも不利益をもたらす以外のなにものでもありません。


●佐藤医師からのお願い。C医師にお手紙を!

 また、佐藤医師はこうも訴えています。

「私も完全な冤罪で不当逮捕勾留された経験があります。自分自身で『絶対無罪である』と自信があっても、拘置所内に勾留されると不安と怒りでいっぱいになります。そのような時に一番ありがたいのは、励ましの手紙です。
 誰もが書いておくれますので、C先生宛にお手紙を書いて励ましましょう。
 東京拘置所の住所は、「〒124-8565 東京都葛飾区小菅1-35-1 A ●●様」

 ご協力できる方は是非。

 ただし、ネット上に今、C医師の本名を出してはいけないので、ご本名を知りたい方は私にまで連絡してください。

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2016/10/16 16:33 未分類 TB(0) コメント(0)
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 リニア中央新幹線の取材範囲は、東京都から愛知県までと広範囲で、多大な取材経費を要することから、数十組もいる会うべき人たち・組織の多くに会えないでいます。また、リニアに関する記事を書こうにも、ほとんどの雑誌はJR東海が広告主であるため、記事を掲載できず、取材するほどに資金力が落ちる状態が続いています。今後は、再び単行本の発行を目指しますが、私のリニア中央新幹線に関する取材へのご寄付をお願いできないでしょうか?  カンパをしてくださった方には ★ブログに記事を掲載する際のお知らせ。 ★雑誌に記事を載せる場合の、掲載誌送付。 ★単行本を出した際の、一冊謹呈。  など、せめてもの特典を用意いたします。  なお、いただいたカンパは以下の用途に限定します。 ★取材地までの往復交通費。 ★取材地での宿泊費。 ★リニア中央新幹線に係る資料代。  食費は自己負担としますが、使用明細は公開します。  ご協力いただける方は以下の口座への入金をお願いいたします。  みずほ銀行・虎ノ門支店・普通・1502881 カシダヒデキ  ご入金に際し、ご住所や連絡先などを教えていただけたら助かります。どうぞよろしくお願いいたします。
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リニア中央新幹線の問題点を『環境性』『技術性』『採算性』の3点から理論的、実証的に解説した一冊。リニア計画の入門書。
リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」
リニア中央新幹線を巡る問題を語らせては、その理論に一部のすきも見せない橋山禮治郎氏の第2弾。このままでは,リニア計画とJR東海という会社は共倒れになることを、感情ではなく、豊富なデータを駆使して予測している。必読の書。
自爆営業
国会で問題にされても一向に改まらない郵便局の自爆営業。年賀状1万枚、かもめーる700枚、ふるさと小包便30個等々のノルマはほぼ達成不可能だから、ほとんどの職員が自腹で買い取る。昇進をちらつかせるパワハラや機能しない労組。いったい何がどうなっているのか?他業種の自腹買取も描いている。
アキモトのパンの缶詰12缶セット
スペースシャトルの宇宙食にもなった。保存期間は3年。しっとりおいしい奇跡の缶詰。24缶セットもある。
共通番号の危険な使われ方
今年10月に全国民に通知され、来年1月から運用が始まるマイナンバーという名の国民背番号制度。その危険性を日本一解かり易く解説した書。著者の一人の白石孝さんは全国での講演と国会議員へのアドバイスと飛び回っている。
マグネシウム文明論
日本にも100%自給できるエネルギー源がある。海に溶けているマグネシウムだ。海水からローテクでマグネシウムを取り出し、リチウムイオン電池の10倍ももつマグネシウム電池を使えば、スマホは一か月もつし、電気自動車も1000キロ走る。公害を起こさないリサイクルシステムも矢部氏は考えている。脱原発派は必見だ。