取材しても、記事にできる情報は1割未満。しかし捨てた9割にも、伝えられるべきものがあります。ボツになった企画も数知れず。そんなネタを紹介します。なお、本ブログの文章と写真の無断転載はお断りします。ご利用希望者合はご一報下さい。
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●難民申請者が収容されている「東日本入国管理センター」に面会
 久しぶりに、あまりの現実に、それを今まで知らずにいたことに恥ずかしくもなり、またこのことを伝えていきたいと思ったので会とめます。
 7月11日、私は茨城県牛久市にある「東日本入国管理センター」を訪れました。ここには、難民申請者を含む多くの外国人男性が収容されている。約350人くらいか。

牛久入国管理センター←牛久入国管理センター

 今回は、取材者ではなく個人として訪問してみました。
 ネットでは収容者に関するいろいろな情報がありますが、頭では理解できるけど、どうもこの肌でもって理解するには至らないので、とりあえずは実際に収容されている方々に会おうと思ったのがその動機です。

 調べてみると、市民団体「牛久入管収容所問題を考える会」が毎週水曜日に収容されている人に面会行動をしているというので同行させてもらいました。
 センター前で朝8時半に待ち合わせ、そのまま面会室へ。
 
 面会に当たっては、カメラ、録音機、パソコンなど記録機器の類は一切持ち込めない。必死にメモを取るしかないが、収容者と話すのは、よくテレビドラマで刑務所での受刑者との面会場面にアクリル板を挟んでの狭い部屋があるけど、まさしくあれです。ただし、職員の立ち合いはない。

面会室。入国管理局HPより←面会室。入国管理局のHPから。


●昨年、1万9629人の難民申請に対して、認定は20人…

 昨年、多数のシリア難民がヨーロッパに流入して、各国が数万人規模で受け入れるニュースが流れた。
 でも日本。2017年の難民申請者の1万9629人に対して認定したのはわずかに20人。つまり、ほとんどの人が難民申請してもはねられ、で、どこに行くかというと、母国に帰されるか、こういった入国管理センターに収容される。

 ところが、ここに収容されると、今、1年、2年、3年と収容されるのはザラ。

●Mさん(イラン人)
 Mさんは母国で反政府運動をしていたが、そのことで自分の身に危険が迫っていることを知った。ひとまずヨーロッパ逃げた。そこで改めて落ち着き先を考えたときに思い浮かんだのが「日本」だった。
「中東ではいつも戦争や内紛、弾圧があります。私にとって日本は、安全で、戦争をしていない国というとてもいいイメージをもっていました」
 そしてお金を工面し、飛行機で成田空港に着く。Mさんは成田空港で正直に「難民申請をしたい」と訴えた。すると、Mさんが本当の難民かを判断できなかった入管はMさんを即、牛久の東日本入国管理センターに送った。
 Mさんはここで1年2カ月を過ごす。
 その後、入管は、Mさんを難民とは認めなかったが、日本国内で保証人と住所とが決まったことで、Mさんを「仮放免」した。

 放免ではない「仮」放免だ。
 仮放免はきつい。なぜなら、仮放免者は「就労が許可されない」からだ。健康保険に入ることもできない。移動の自由もない。移動には「xx県だけ」との条件が付けられる。

 だが、人間、働かずに食っていけるものではありません。また、保証人がいるといっても、何もせずにヒモのように過ごすのは人生ではない。
 これを逃れる方法はたった一つ。母国に帰ることです。だが、それをやればMさんには迫害が待っている。だから帰らない。だから、プラスチック生成工場でこっそりと働いた。しかしばれた。Mさんは再収容され、今、2回目の収用は2年8カ月にもなっていると
いうことです。

 Mさんの叫びは悲痛です。
私は何か犯罪を犯したのでしょうか? このセンターでもまじめに生きています。その私が、刑務所よりも長く収用されているのはなぜなんでしょうか

 再びの仮放免はいつか? まったくわからない。入管の職員からもその類の情報はまった入らない。
 自分の人生に先が見えないことにMさんは希望を失いかけている。


●Rさん(スリランカ)
 Rさんは、母国で反政府運動を展開していた。また、富裕層にも属していたが、そのお金をマフィアが狙っていた。つまり、政府とマフィアの両方からの弾圧に身の危険を覚え、Rさんは、過去何度か訪れていた日本に逃げた。
 だが難民申請が認められずにここに収容される。そして仮放免される。仮放免者は今、2カ月に一度、入管に出頭して、仮放免を更新しなければならない。
 だが2年前の5月、Rさんは仮放免更新のために出頭したところ、「不認定」とされ、そのまま再収容された。つまり、以来、2年2カ月が経っている。
 ここに再収容されるときは、ちょうど日本人の彼女との結婚話が進んでいたときだったので、一人になったショックは大きい。

 そもそも、仮放免は、収容者が仮放免申請をしなければならないのだが、たとえば、10年ほど前ならば、60日ほどで決定が出たそうだ。ところが今、その日数は延び、75日がもっとも多く、90日の人もいれば、100日超えの人もいるとのこと。もし不許可なら、収容者は再度申請を出す。それを何度も繰り返している。 
 Rさんが収用されているのは5人部屋。広さは6畳の和室。同室には、中国人、ミャンマー人、フィリピン人、イラン人がいる。特にフィリピン人には妻子がいるのにもう1年4カ月もここに収容されているのは本当にかわいそうだとRさんは嘆いていました。


●Sさん(中国)

 成田空港からセンターに直接ここに送られ8カ月収用された。仮放免後、働いたのがバレて再収容されるが、まもなく2年を超えようとしています。
 今回、私と同行してくれた韓国人の金さんが「差し入れに少年ジャンプを入管に渡しておいたから」と言うと、嬉しそうにしていました。理由は、暇つぶしにもなるし、漫画の漢字にはすべてひらがなのルビが打ってあるので日本語の勉強になるからです。
 Sさんが困っているのは、歯痛と高血圧だ。

 医療施設はどうなっているのか? これもまた問題ありだ。
 というのは、収容者はどんな病気になっても、すぐに受診できるとは限らないからです。
 まず、医師や看護師が24時間常駐しているわけではない。

 もし病気になり、外部の病院に行く必要があるときでも、収容者はまずその申請書を書かねばなりません。ところが、普通の病院と違うのは、それを書いたからといって、その直後に診察が受けられるわけではないこと。申請書を書いてから外部の病院で実際の診察が受けられるには、平均14日。最長で54日もかかっている。

 今回、面会に同行させてくれた韓国人の金さんも、じつは、牛久の管理センターで2年8カ月も収容されていたことがあります。今は仮放免中。 収容中にこんなことがあったという。

 収容者には1日に30分程度の運動場での運動が許可されるが、あるインド人が転んで足を骨折した。すぐに手術をしなければならない。だが、そのとき金曜日の午後。申請書を書いても、センターの事務は土日は休みだから、許可が下りるのは月曜日以降になる。韓国で軍隊経験のある金さんは自分のTシャツを破いて、応急的にインド人の足を固定した。金さんは「せめて痛み止めなどの緊急措置を」と訴えたが認められなかった…。

●ストレス
 6畳に5人の生活。それも文化も習慣も宗教も違ういろいろな国の人たちが混在する。
 外を見ることのなく過ぎる毎日。
 そして、何といっても「この先どうなるかの先が見えない」。
 想像しただけでも、すさまじいストレスにまみれた生活といえます。

 収容者によっては、犯罪を犯したことで刑務所に収監されていたが、出所と同時に管理センターに移送される人もいます。その一人にも会いました。彼は言った。

「刑務所なら、自分の犯した罪で、最長で何年何カ月いなければいけないかがわかる。まじめに過ごせば刑期も短縮される。でも、ここは刑務所以下だ。難民申請をしただけなのに、何年も収容されている。基準があれば、私たちは、収用期間のメドはつく。でも、ここでは基準がないし、まじめに過ごしても早く出られるわけでもない。いつ出られるのか全く分からないです」

 その人、Kさんは、過去2度ほど、ここで自殺未遂を冒した。先の見えない人生に絶望したからです。だが、首吊り自殺は失敗し、意識混濁となったKさんは、さすがに、外の病院に救急搬送された。
 そして、病院では当たり前のことだが、病室のドアには施錠されず、病院内を自由に歩けることにこの人は束の間の自由を味わった。しかし、また管理センターに戻ると、そこは自由が制限され、明日も見えない日々。

「僕、今でも死にたいです。ここにいると、心がだんだん細くなります。首吊りに失敗したから、今度は手首切りたいです」

 実際、今年4月、牛久ではインド人の収容者が自殺して、これはさすがにあちこちのメディアが報じてます。潜在的に少なからぬ人は自殺を考えているかもしれません。
 詳しい数字はまた次回。

 この問題、今回は個人として行ったわけだが、取材対象にするかな…と考えています。

 というのは、見過ごせない人権問題であり、その当事者たちに私は会ってしまった、声を聞いてしまったからです。

 「自殺をしたい」

 という人だって、じつはこうやって私と話すことで、その思いは薄れていくのを感じました。外部との接触は貴重です。

 私だって、その人に「死んじゃだめだ。僕はまた来るから」と言ってしまった。そう言うことでその人はちょっとだけ安心した顔になった。ここで行かなかったらウソつきになってしまいます。

●身近な難民問題には知らんぷり
 難民は毎年世界のあちこちで発生している。シリア難民、ロヒンギャ難民。その都度、心ある人たちは、あちこちで募金運動したり、服や日用品を送る運動を展開している。
 だが自分たちのすぐ足元に住む難民(申請者)にはあまりにも関心が少ない。

 もしかしたら、彼らのなかにはいわゆる偽難民もいるのかもしれない。それらの人に帰ってもらうのは当然かもしれない。だが、だからといって、正当な基準もなく、家族にも会わせず、外出の自由も認めず、医療からも遠ざけるという生活を強いるのは人権問題としてとらえるべきだ。

 私がいつも思うのは、偽難民はほっておけばいい。偽難民であろうが、観光ビザであろうが、日本に住みたい人はどんな手を使っても来ます。そういう人たちにエネルギーを使うのも大切かもしれないが、それよりも、いかにして、母国に帰れば迫害をうけるであろう人たちを庇護してその生活を保証するのかこそにエネルギーを割くべきと思うのです。

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2018/07/16 10:45 人権 TB(0) コメント(0)


●週刊SPAに掲載
 今、羽田空港の跡地を巡って、一見、不可思議な動きが起きています。
 ごく簡単に言えば、東京都大田区が跡地のうち5.9haを165億円もかけて区費で国から購入し、それで、区の事業を起こすのかといえばそうではなく、大企業に貸し出すというもの。国と企業とが直接売買すればいいのに、なぜこうなったのか。
 この背景を描いた記事が今週火曜日発売の週刊SPAで掲載されております。

SPA180718・24表紙

 ちなみに、本文を半分ほどに縮めた記事は、インターネット版の「日刊SPA!」にけいさいされています。こちらです。

 宣伝ついでに、もう少し詳しく書くと

●1970年代  羽田空港、沖合に移転
 かつて羽田空港は、現在の位置よりも数百メートル内陸側の大田区の市街地に隣接。その危険さから、国は羽田空港を今の沖合に移し、その結果、200haという莫大な空港跡地が残った。

空港跡地

●1980年代 都が跡地を買うことになっていた
 81年、国土交通省、東京都、大田区、品川区は「跡地は都が取得すること」と合意。つまり、区は都から土地を無償提供されると想定していた(もともとは大田区の土地)。

●1990年代~2000年代  突然、区が買うことに。
 区は、跡地に区民のための施設(科学館とか多目的広場など)を建設する計画を立てる。そのために、1991年から区税で「羽田空港対策積立基金」を年2億円のペースで積み立てた。
 ところが、2007年に現在の松原忠義区政が誕生すると、区の主張は「都が跡地を取得しないなら区が取得する」とトーンダウン。そして不思議なことに、それまで年2億円だった積立金がこの07年度に突然60億円、翌08年度には80億円を積み立てている。
 なぜ? 私の質問に区は「跡地を購入するため」と回答している。このころには既に跡地利用計画があったのだ。

●2010年代 マイナス97億円?
 そして、今年5月25日、区議会は、跡地利用のために積み立てていた積立基金172億円のうち、165億円を使って、跡地を買い取ると決定。そして、そこで区が何かを建設するのではなく、鹿島建設グループに50年間貸与するという。
 だが区は「鹿島建設グループ」に50年間貸与することでの賃料が212億円入ってくるからプラスになると説明。ところが、よーく調べると、この跡地に建設される施設のうちの約4000平米を区が借りることになっている。その賃料、月2400万円。つまり、50年で144億円を区は施設に払うことになる。つまり、単純計算では、212-165-144=-97億円ものマイナスとなる。
 だが区は、「跡地での事業で区への波及効果があります」と説明するが、その数字は持ち合わせていなかった。

●「関係者とは交渉も打ち合わせもしていません」 え~!

 そもそもいったい誰が土地代を165億円と算定したのか。大田区の奈須りえ議員がその交渉記録の公開を求めたところ、なんと区は「関係者と交渉、打ち合わせ等を実施していない』とした『文書不存在通知書』を送付。私の問いには、「区内の部署で算定した」そうだ。

公文書不存在通知


●座長はなぜ「和泉洋人」総理大臣補佐官なのか?
 
 羽田空港周辺は、2014年に国家戦略特区に指定された。この土地の利用を巡り「羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会」が設置され、委員に厚労省幹部、国交省幹部、大田区、川崎市、横浜市がいるわけだが、座長は「和泉洋人」総理大臣補佐官。
 なぜ座長に政権の中枢にいる人間が就くのか? これはなかなかないケースだ。


●なぜ、東京オリンピックなのか?
 いずれにせよ、鹿島建設が代表企業となり計9社が跡地開発を行うが、18年秋に着工。20年には東京五輪までに一部施設を先行開業するという。
 東京オリンピックに間に合わせる。最近の東京都内の公共事業は、こんなの多いな。
 終戦直後の道路計画を28カ所で復活させ、無理やりに道路をつくる「特定整備路線」。
 羽田空港増便のために飛行機が都心を低空飛行計画。
 (もう間に合わないけど)高速道路の東京外かく環状道路の竣工
 等々。

 ともあれ、記事全文は雑誌を読んでください。

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2018/07/12 15:38 未分類 TB(0) コメント(0)


●出所者を積極的に採用する
 本日、社員を大切にする会社のシリーズとして、大阪に本社のある「千房」(お好み焼き)についての記事を週刊プレイボーイの電子記事で掲載しました。
 ここも以前取り上げた「北洋建設」同様、刑務所などの出所者を積極的に採用する会社。

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 約10年前、受刑者を初めて受け入れる前、役員会議では「そんな人たちを雇ったらお客が来なくなる」「いや、あの千房が受刑者を採用したことで受刑者の偏見が減る」などの意見が出たが、最後にまとめたのが社長の一言だった。「すべての責任は私が取る!」。
 社長は幹部社員にこう言ったのだ。
「これは企業にとって得か損かではなく、善か悪かで考えたらどうや? 言うまでもなく善やろ。だったら、やろう。ここにいる幹部のキミたちはどうやってここまでになれたと思う? どんなに能力があったからて、誰かの引き立てがなければ人は輝かへん。経営も教育もマラソンではなく駅伝や。自分がしてもらったことを次にバトンタッチしてあげたいと思わないか? 過去は変えられなくても、未来と自分は変えられる

 自身も中卒でありながら、いろいろな人に助けられてきて、千房を興し、会社を大きくしてきたその経験から出る言葉は重い。今回は前編。後編は来週です。


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●羽田空港増便による都心低空飛行問題

 今、これを取材中。
 なので詳細を雑誌に載せるまでは、大雑把なことしか書けませんが、この問題を知ったのはつい昨年です。

 問題をざっくり書けば、

★これまで羽田空港を離発着する飛行機はすべて「海から入って海に出る」ルートで管制されてきました。
★ところが4年ほど前、国土交通省は、増え続ける外国人観光客に対応するため、特に、東京オリンピックに間に合わせるために羽田の離発着の増便を決定。
★ところが、そのために、これまでの「海から入って海に出る」ルート以外に、「陸から入って陸に出るルート」を想定。
 具体的には、都心(大田区、品川区、港区、新宿区、渋谷区、中野区、板橋区、練馬区、埼玉県さいたま市など、東京23区に限ってもその半数以上の地区に影響を与える)の低空を飛行するということです。

新飛行ルート1

★飛行時間も15時から19時の4時間のなかの3時間で運行予定。これは2分半おきに飛行機が飛来することを意味し、騒音はずっと鳴りやまないことを意味します。

●何が問題となるのか

1.騒音  たとえば、品川区などでは上空450メートルくらいの低空飛行になり、騒音レベルは75から80デシベルが予定されている。それがさらに羽田空港に近づき大田区に入ると、東京タワーよりも低い300メートルくらいの超低空飛行になり、

毎日新聞のイラストから

さらに羽田空港に狭い海水路を隔てて面している京浜島に入ると上空70メートルの超々低空飛行となり、90デシベルという人間が生活できない騒音レベルが予想されている。

京浜島では上空70mを飛ぶ

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 ← 京浜島にある「日本ヒーター」社の模型とその上空50メートルを飛ぶ飛行機のモデル動画。日本ヒーターの社長自らが作成した。

 1988年、京浜島の工場経営者9人が「電話もできん」と国を提訴。これを受け、1994年、高裁が運輸省に対して釈明準備書面を命令し、以後、「原則」京浜島の上空は飛ばなくなった。
 なのに、なぜまた京浜島上空を飛んで着陸するのか。
 国交省は、今回は原則から外れる、つまり、当時と事情が変わったから飛行すると釈明しています。
 これはひどい約束違反だ。


2.落下物

 5月25日にも報道があったばかりですが、熊本県で飛行機から10個くらいの約5センチ角の金属片が落下。整形外科医院の窓ガラスや軽乗用車が破損した事故がありました。
 昨年も、9月、大阪で胴体パネル落下して車を直撃。今年3月6日には、千葉県成田市にアンテナが落下。農家のビニールハウスを直撃。国交省によると、08~17年度で落下物は21件が報告されています。
 しかし、これは羽田に関していえば、今までが「海から入って海に出る」ルートなので落下物は少なかったと言えます。

 たとえば、飛行機は着陸の前に前輪と後輪を出しますが、このときの衝撃で、機体に付着していた氷塊が落下します。しかし羽田ルートでは、これらタイヤを出すのを海上でと決められているため、羽田空港に入る前に上空を飛ぶ千葉県では氷塊の落下物はありません。

 ところが、今回の新ルートでは都心のどこかでタイヤを出すことになるので、そのたびに大きな氷塊が降ってくる可能性が住民を不安にさせています。


3.工業地帯への落下物

 同じ落下物でも、シャレにならないのが、羽田空港の近くにある川崎市のコンビナートです。
 先ほどの大田区の京浜島は着陸ルートで超低空を飛行しますが、今回の新ルートでは、離陸した飛行機はそのまま川崎コンビナートに超低空で飛ぶことも予想されております。
 コンビナートには石油やガスの貯蔵庫もあれば、危険毒物も扱っているため、もしここに金属l片でも落ちようものなら、大惨事につながる恐れもあるため、川崎市の出方が気になるところです。


4.不動産価値の下落
 
 一般的には高層マンションは上の階ほど値段が高くなりますが、このたびの低空飛行により最上階ほどもっとも住みにくい環境となります。アメリカでは、騒音が1デシベル増えるごとに不動産価格が1.33%下落すると言われています。もし騒音が50デシベルから70デシベルに変わったとすれば、それだけで不動産価格は4分の1も下がるということです。

 某週刊誌でこの詳細を書く予定ですが、これだけの大問題なら各誌がキャンペーン報道してもいいのに、なかなかそうはならないようです。

 前述のように、都内には15以上の地区でこの計画への反対運動が起きていますが、もっとも強く運動を展開する一つが港区の市民団体「みなとの空を守る会」です。そのリーフレットを紹介します。

「みなとの空を守る会」のパンフ



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2018/05/28 11:05 環境問題 TB(0) コメント(0)



 現在、8つの仕事を同時進行で進めているため、ここ1カ月間、ブログなどSNSを利用する時間がほとんどありませんでした。
 空いている時間を利用して、最小限でも書き留めなければならないことに絞って記します。

●100戸前後が立ち退く?
 4月29日、長野県飯田市に行きました。リニア中央新幹線計画も含め「立ち退き」問題についての講演を行うためです。
 私は土地収用問題の専門家ではありませんが、リニア計画の今後の大きな問題の一つに「立ち退き」、それも「強制立ち退き」が浮上すると読んでいることから、いろいろとデータも集め、リニアではない公共事業で実際に行われた行政代執行などについても取材したことがあり、リニア計画でも土地を取られまいと抗っている人たちが現れていることから、簡単な話をしてきました。

 私を招いてくれたのは市民団体「飯田リニアを考える会」ですが、この講演依頼を受けるにあたり、飯田市内に建設予定のリニア駅周辺での土地収用がどの程度進んでいるかを確認したいと思っていたところ、講演前のわずかな時間を割いていただき、考える会やその関係者らからいろいろとデータをいただくことができました。
 簡単な数字を出すと、

JR東海のリニア中央新幹線計画において、 
★リニア本線とリニア中間駅の建設工事で27戸と7事業所が、
★リニア中間駅の周辺開発事業で55戸と7事業所が、
 立ち退き予定
とされている。

 ということです。

リニア長野県駅と周辺開発予定地←ピンクで囲まれているのがリニア長野県駅の周辺開発予定地。その中で太く横切るピンクの線がリニア長野県駅。


●1日6800人利用の根拠は・・示されない。

 長野県第4の都市(人口約10万人)とはいえ、私の目から見れば、飯田市にはこれといった観光の目玉は少ない。一つ上げるとすれば、天竜峡の天竜下りくらいか。
 そういう場所でのリニア飯田駅に、長野県は一日6800人の利用があると想定しています。そのうちの4800人が旅行客で、リニア利用による県内での旅行消費額は1日あたりで約6800万円と推計。
 飯田市からは長野市も松本市も遠い。いったいどの観光資源にそれだけの金を落とすのかの詳細はそのうち県に問い合わせてみたいです。
 ただ、今年3月に飯田市リニア推進室の主催で住民説明会があったそうで、そこでは住民からこの一日6800人の根拠は何かとの質問が出されました。これに対して、出席していたJR東海は「私どもはどの駅に何人降りるか市に言ったことはない」(これはおそらく本当のことでしょう)
 そして飯田市は「長野県の指導で数字を出した」。県は「市に任せています」
 根拠が曖昧であることが露呈されたということです。

 最近になって、計画の曖昧さが徐々に知るようになったことで、リニア駅+リニア本線の建設工事で立ち退き対象となる27戸のうち23戸が自発的に学習会を開催しているようです。


●立ち退かない6人

 その27戸のうち、絶対に立ち退かないと決めているのは6軒です。
 この6軒は先祖代々の農家で土地も広いため、先祖からいただいた土地を簡単には渡せんと決めているようですが、周囲からは「お前たちはゴネ得しとるのか。リニアは飯田の発展に100年に一度の好機。お前たちはそれを潰すのか」との批判も浴びているようで、村八分を恐れてか、声一つ上げないでこの5年間耐えているのが現状のようです。
 ただし、この6人がまとまって意志を貫けば、リニア計画への相当なブレーキになるのは間違いのないところです。
 そのためにも必要なのは外部からの支援ですが、それについては後述します。
 
 じつは、私が立ち退きに関する話を聞いた家はその6軒の一つ、Kさんのお宅です。
 正確には、Kさんには大きな母屋がありますが、その近くにある離れの一軒家です。そこはリニア駅予定地から数十メートルしか離れていません。この離れはKさんの旦那さんが奥さんにその管理を任せていて、奥さんは「誰が出て行っても、私はここから動かない」と腹をくくっている人です。そして、飯田リニアを考える会などに、この離れを事務所代わりに使ってもいいと要望しております。
 
Kさん宅離れからリニア長野県駅予定地が見える←Kさんの離れの窓からは真ん前にリニア駅予定地が見える。人物は大坪さん。  リニア長野県駅予定地2←Kさん離れの外からリニア駅予定地を臨む。 ご覧のとおり、賑やかさとは無縁の場所。   リニア長野県駅予定地の中心杭←リニア駅予定地に打たれた中心杭  リニア長野県駅予定地の幅杭←同じ敷地での幅杭(計画本線の幅を示す杭。中心杭と向かい合うように2つ打たれる。

この立ち退きに関する説明をしてくれて、かつ、リニア駅+リニア路線、そして駅周辺開発事業などで立ち退くかもしれない家屋や土地の一つ一つを、今、丹念に写真撮影などで記録しているのが地元で長年「飯井生活と健康を守る会 生活相談所」の所長を務める大坪勇さん。
 大坪さんはまさしくKさん宅離れを事務所代わりとして「今からでも遅くはない。闘う気持ちをひとまとめにしたい」との覚悟で臨んでおります。ちなみに大坪さんは御年80歳。

リニア長野県駅と周辺開発予定地2←集会で現状を説明する大坪さん


●積極的な情報発信を
 私の講演の内容はここでは特に書き留めませんが、私が講演会の最後の方で話したのが「住民による情報発信」の必要性です。

 おそらく、リニア関係者でも、大坪さんの調べたデータを今回初めて知る方も多かったでしょう。
 ただ本来、それは「飯田リニアを考える会」など地元の市民団体が積極的に伝えるべきなのですが、このあたりのデジタル戦略が、リニアに関係する市民団体は概して弱い。これは課題です。

 市民団体の多くは「国やJR東海は私たちの疑問に答えてくれない。情報を出してくれない」と不平を露わにしますが、では、市民団体がが積極的に一般市民・国民に対して情報を発信しているのかと言えば、なかなか合格点をもらえる団体は少ないように思います。
 もちろん、地元でのチラシ配布や集会開催、機関誌発行などアナログの活動はとても大切ですが、インターネットという誰でも使える道具がある以上、それを活用しないのはもったいない。広がる情報も広がらない。
 ツイッターでも、ブログでも、ホームページでもいいのですが、「今」「地元で」「何が」起きているかを発信する作業は必須です。

 ただし、それを一市民団体だけに期待するのも無理があるかもしれません。
 
 今、第三者として、この都県を超えた情報共有に乗り出そうとするある組織もあるのですが、これについては、より具体的な構想がまとまってから、ここで宣伝しようと思います。

 ともあれ、今回は、あくまでも「飯田リニアを考える会」や大坪さんからの話を聞いただけなので、次回は、立ち退き拒否をする6軒の方々に直接話を聞きに行こうと考えております。

増補悪夢の超特急
←拙著「悪夢の超特急 リニア中央新幹線」。

リニア新幹線が不可能な7つの理由
←拙著「リニア新幹線が不可能な7つの理由」

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リニア取材のカンパのお願い
 リニア中央新幹線の取材範囲は、東京都から愛知県までと広範囲で、多大な取材経費を要することから、数十組もいる会うべき人たち・組織の多くに会えないでいます。また、リニアに関する記事を書こうにも、ほとんどの雑誌はJR東海が広告主であるため、記事を掲載できず、取材するほどに資金力が落ちる状態が続いています。今後は、再び単行本の発行を目指しますが、私のリニア中央新幹線に関する取材へのご寄付をお願いできないでしょうか?  カンパをしてくださった方には ★ブログに記事を掲載する際のお知らせ。 ★雑誌に記事を載せる場合の、掲載誌送付。 ★単行本を出した際の、一冊謹呈。  など、せめてもの特典を用意いたします。  なお、いただいたカンパは以下の用途に限定します。 ★取材地までの往復交通費。 ★取材地での宿泊費。 ★リニア中央新幹線に係る資料代。  食費は自己負担としますが、使用明細は公開します。  ご協力いただける方は以下の口座への入金をお願いいたします。  みずほ銀行・虎ノ門支店・普通・1502881 カシダヒデキ  ご入金に際し、ご住所や連絡先などを教えていただけたら助かります。どうぞよろしくお願いいたします。
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必要か、リニア新幹線
リニア中央新幹線の問題点を『環境性』『技術性』『採算性』の3点から理論的、実証的に解説した一冊。リニア計画の入門書。
リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」
リニア中央新幹線を巡る問題を語らせては、その理論に一部のすきも見せない橋山禮治郎氏の第2弾。このままでは,リニア計画とJR東海という会社は共倒れになることを、感情ではなく、豊富なデータを駆使して予測している。必読の書。
自爆営業
国会で問題にされても一向に改まらない郵便局の自爆営業。年賀状1万枚、かもめーる700枚、ふるさと小包便30個等々のノルマはほぼ達成不可能だから、ほとんどの職員が自腹で買い取る。昇進をちらつかせるパワハラや機能しない労組。いったい何がどうなっているのか?他業種の自腹買取も描いている。
アキモトのパンの缶詰12缶セット
スペースシャトルの宇宙食にもなった。保存期間は3年。しっとりおいしい奇跡の缶詰。24缶セットもある。
共通番号の危険な使われ方
今年10月に全国民に通知され、来年1月から運用が始まるマイナンバーという名の国民背番号制度。その危険性を日本一解かり易く解説した書。著者の一人の白石孝さんは全国での講演と国会議員へのアドバイスと飛び回っている。
マグネシウム文明論
日本にも100%自給できるエネルギー源がある。海に溶けているマグネシウムだ。海水からローテクでマグネシウムを取り出し、リチウムイオン電池の10倍ももつマグネシウム電池を使えば、スマホは一か月もつし、電気自動車も1000キロ走る。公害を起こさないリサイクルシステムも矢部氏は考えている。脱原発派は必見だ。