FC2ブログ
取材しても、記事にできる情報は1割未満。しかし捨てた9割にも、伝えられるべきものがあります。ボツになった企画も数知れず。そんなネタを紹介します。なお、本ブログの文章と写真の無断転載はお断りします。ご利用希望者合はご一報下さい。
プロフィール

樫田秀樹

Author:樫田秀樹
フリージャーナリストです。今まで書いた記事を整理したHP「樫田秀樹の記録部屋」と併せておつきあいください。なお、本ブログの文章と写真の無断利用はお断りいたします。使用されたい方はご一報ください。

ブンブンエコライト
ブンブン回すだけで充電できる懐中電灯。たった97グラム!
電気不要・8年間カートリッジ交換不要の浄水器
カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カレンダー
07 | 2020/08 | 09
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
月別アーカイブ
全記事表示リンク
この記事にリンクを貼る
40種類の柄、15種類のカラーから自分好みに選べる、オリジナル フルジップパーカ
バケツ洗濯機KJ-950
これは便利!雑巾や軍手、スニーカーなどがきれいに!
携帯用洗面器
旅行に便利。空気で膨らむ洗面器。
ランドリーポッド
電気不要の洗濯機。災害時の備えに。
電球型ポケットライト
財布や名刺入れにも入る薄型ライト。厚さ3ミリ
LEDダイナモランタン
手回し充電もソーラー充電もOK。部屋のインテリアにも。
LEDキャンドル
LEDだけど炎がゆらぐ。癒される。息の吹きかけでオン・オフができる。
折り畳みヘルメット
サイズ調整可の折り畳み防災ヘルメット
タタメットズキン
サイズ調整できる折り畳み防災ヘルメット+ずきん。落下物にも炎にも強い!
パッカブルブーツ
折り畳める長靴。色も選べます
アンチボトル
折り畳めるウォーターバッグ。500mlなので、何度でも使えるペットボトルとして重宝する。色は7色。
浄水機能ペットボトル
カーボン製フィルターが水道水をおいしい水に変える。385ml。色は3色。
あつあつ加熱パック
火を使わずに食材を98℃まで加熱。災害時には暖かいものを食べたいですね。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

あつあつ加熱パック 発熱材3個 3袋セット【RCP】
価格:2592円(税込、送料別) (2017/2/8時点)



●オンライン・セミナーで話してみた。
 本来話すのは苦手です。
 とはいえ、断る理由もないので、7月31日、国際環境NGO「FoE」主催のオンライン・セミナー「リニア延期の理由は静岡だけ?~沿線各地で問題だらけ」で、1時間ほど話をした。

 6月26日、JR東海の金子慎社長が川勝平太・静岡県知事に「6月中に準備工事を再開させてほしい」と要請。これを知事が断ったことで、6月着工はなくなり、翌日、大手新聞はいっせいに、「静岡のせいでリニアの2027年開通が延期に」と印象付けるような横並び報道を展開した。

 私は、これには強い違和感を覚え、では、実際にどうなのかを「事実」だけを基に検証してみた。
 それをオンライン・セミナーで話したが、そのセミナーを見直すのは時間がかかるのでお勧めできない。
 そこで、セミナーで使った画像や図表にさらに説明文を入れた資料を作成。下記に記載したリンクから閲覧できます。

●元々、「6月中の着工」も「2027年開通」も無理だった。神奈川県は5年遅れ。

 JR東海が静岡県に訴えていた「2020年6月中の着工」は元々無理な要請だったことは判っていたはずだし、「2027年開通」が無理なことは数年も前から判っていたはずだ。一例だけあげれば、神奈川県で建設予定の「リニア神奈川県駅」の「第2ブロック」工区は、JR東海の工事工程表によれば、10年以上の工期が必要なのに、未着工! つまり、仮に明日着工しても完成は2030年。これにさらに「電気調整試験」と「リニア走行試験」で2年がかかるので、神奈川県においてはリニア開通はどんなに早くても2032年と5年遅れとなる。

リニア神奈川県駅の進捗 200731

 「静岡がJR東海に着工を許可しないので、リニア2027年開通が延期となるのは残念だ」と表明した黒岩・神奈川県知事は足元の情報をご存知ないのだろうか
 
 資料はここから閲覧できます。
 なお、ここで提示する写真や図表の無断使用や無断転載はお断りいたします。ご使用したい場合は、ご一報ください。

リニア新幹線が不可能な7つの理由


↓ ブログランキングへの応援クリックをお願いいたします。




↓ 拍手もお願いいたします
スポンサーサイト





●第4回「リニア中央新幹線静岡工区 有識者会議」
7月16日。国交省で第4回「リニア中央新幹線静岡工区 有識者会議」が開催された。
 私は第1回と2回は、コロナ感染の影響もあり、自宅でオンライン傍聴での取材となった。第3回は先約があったために欠席。そして今回は初めて、国交省で行われた会議を生傍聴した。

 知らない人のために簡単な経緯だけ書けば、以下のようになる

 ★JR東海が2027年に東京(品川)・名古屋間の開通を目指すリニア中央新幹線。2014年に着工となったが、唯一、静岡県だけが着工を認めない。 → ★県債北部の南アルプスでリニアのトンネル掘削をすれば「県の水源の大井川が毎秒2トン減る」とJR東海が2013年に予測。県は「失われる水は全量大井川水系に戻せ」と要請するも、2020年の今もJR東海はいまだにその具体策を提示できない。 → ★国交省が仲介役を買って出た。それが、7人の有識者がこの水問題を「工学的・科学的」に話し合う「有識者会議」だ。 2020年4月開催。

 会議での当初の議題は大雑把には、2つ。
1 リニアのトンネル掘削で失われる水を全量大井川水系に戻す方策
2 上流域での減水が中下流域の地下水に影響を及ぼすのか。

 第4回会議では、主に、「2」に力点が置かれていたかと思う。
 その詳細を書く時間はないが、JR東海は、従来から「中下流域に影響がない」と主張しているが、今回、その根拠となるようなデータを示した。その一つが「大井川の渇水期でも、中下流域の地下水位は下がらなかった」ことを示すデータ。

リニア 地下水位一定

 もっとも、有識者7人のうち、何人かは「『影響がない』との根拠を明確にしてほしい」、「大井川と地下水の関係を具体的に示してほしい」との意見を述べたが、閉会後の記者ブリーフィングで、福岡捷二座長(中央大研究開発機構教授)はこう発言した。
方向性が見えてきた。JR東海の計算による限り、トンネルを掘っても『中下流域の地下水への影響は大きくない』との共通認識は(有識者委員のなかに)あります」

 これは、中下流域の地下水に影響なし、と断定したわけではないが、その合意ができつつあると明言したということだ。

 有識者会議はあくまでも、水問題を「工学的・科学的」に議論する。
 だから、明確な証明のもとで、「上流の減水が中下流域の地下水に影響を及ぼさない」との結論が導き出されるのであれば、それはそれでOKだが、私としては、では、「その中下流域の地下水の水源はどこなのか」ということを明らかにしてほしいと思う。
 というのは、肝心なのは、流域住民がどこまで安心できるかであるからだ。

 住民感情にどこまで迫れるか。有識者会議にはこれを詰めてほしい。

●上流域の沢の流量が70%減る!
 今回配布された資料は約1センチの厚さがある。
 その膨大な資料の中から、私は以下の予測を見つけた。

★トンネル掘削完了の20年後において、地下水位(計算上)予測値が低下することにより、渇水期の沢等の予測値としては、最大で7割程度減少する結果となっています。

リニア 沢の流量が7割減る

 なんだ、これは。
 大井川の流量が、無対策なら毎秒2トン減ることはよく知られているが、トンネル掘削現場周辺の沢の流量が7割減る。これは生態系の劣化を意味する

 記者ブリーフィングで私はJR東海の宇野護副社長に質問した。
「この情報は初めて出てきたものですか?」

 すると回答は、「今年2月、静岡県への『再見解』ですでに示している」という。

 再見解とは、静岡県がJR東海に対して投げた「「引き続き対話を要する事項」という、47項目の質問に対する、JR東海の二度目の見解のこと。

 そこで調べてみると、確かに、その説明はある。
 だが、今回の説明はより具体的だ。表には沢の名前が明記されている。
 「再見解」では流量予測について「一部の沢において流量が減少する結果となっています」と書かれているだけだが、今回は、「最大で7割程度減少する」と明記している。

★まず「再見解」の資料は以下の通り

リニア JR東海の再見解その2 流量予測結果  リニア JR東海の再見解その2 P40 沢の枯渇

対して、今回の資料では、具体的に沢の名が書かれている。

リニア JR東海 沢の流量が7割減る

 私は記者ブリーフィングで「これは県の連絡会議で詰めるのか?」と尋ねたら、宇野副社長は「求められれば詰める」と回答した。
 おそらくJR東海としては「動植物の移植」を持ち出してくるが、県の連絡会議ではそう簡単に結論は出ないと思う。

●他県では工事は遅れている。
 
 記者ブリーフィングで数人の記者が質問したのは「有識者会議はいつ終わるのか。それが判らないことには、JR東海が望む静岡県での着工もいつになるか分らない」ということだったが、福岡座長は「焦らないできちんと話し合っていく」と、いつまでに終わりにするかは言わなかった。
 そして、JR東海は「静岡県に着工を断られたことで、20207年開通が延期になる」と表明しているが、この点で私はこう質問した。

他県では、1年遅れ、2年遅れ、3年遅れの工事が散見される。これだけの遅れがある他県の現状から、それが2027年開通を難しくしているというご認識はありますか?

リニア、各県の工事の遅れ

 宇野副社長の回答は「ありません」ということだった。

 また、私の質問を補完する形となったが、WEB参加のフリーの井澤宏明記者が「2027年開通が静岡のせいで難しいというのであれば、なぜJR東海は各都県での工事の進捗をそのホームページで報告しないのか?」と質問。
「HPには、工事現場の写真などをのせております」
「あれは、契約業者の情報です。工事の進捗率は載っていません。進捗率を出すべきです」
「それは考えていません」
「残念です」

●難波副知事の見解
 最後に静岡県庁で会議を傍聴していた難波副知事のコメントを紹介する。
「今日、驚いたのは、トンネル周辺で、地下水位が350メートル以上も下がるということ。どうなっているのか。トンネルから離れるから地下水位が変化しないからよしとするのかの疑問は残る。
 また、中下流域への影響を見るには、今日出された解析でいいのか? 南アルプスは大変なことになると認識した」

リニア 地下水位350m以上下がる

 確かに、この資料ではトンネル掘削現場の周辺では、じつに400メートルまでの地下水の水位が下がることが予測されている。
 それは、さきほどの「沢の流量が7割減る」とも直結している問題だ。

 有識者会議でこれがどう話し合わせれるかはわからない。
 ただ少なくとも静岡県では、この件は看過できない問題であるだけに、またJR東海との長い話し合いになるような気がする…。

←拙著「リニア新幹線が不可能な7つの理由」。入門編として読まれています。

↓ ブログランキングへの応援クリックをお願いいたします。




↓ 拍手もお願いいたします


★着工を認めるとは言わなかった知事
2020年6月26日14時。
 静岡県で川勝平太知事とJR東海の金子慎社長とのトップ会談が実現した。

200626川勝知事、金子社長を案内する  静岡県知事+JR東海社長

 JR東海の目的はただ一つーー「6月中に静岡県内でのヤード(作業基地)工事を認めてほしい」
 それでなんとか念願の2027年リニア開通に間に合うから…だと。
 だが、会談の結論から言えば、知事はこれにゴーサインを出さなかった。
 この結論はある程度予測できていた。というのは、10日前の16日、知事は県の8市2町の首長たちとオンライン会議を実施し、その場で首長たちから「私たちの思いを金子社長に伝えてほしい」との要望があったからこそ、会談実現に踏み切ったからだ。
 この8市2町、事務方(くらし・環境部)、そして「静岡県中央新幹線環境保全連絡会議」(以下、連絡会議)に参加する専門家たちとの間でこの5年間積み重ねてきた議論は、一言で言えば「県民の水を守る」との一点でそこにはまったく争いがない。
 このオール静岡の力を知事は無視できない、というよりも、知事は従わねばならない。
 
★簡単な経緯
 リニア工事には2つある。
1.準備工事  宿舎建設、ヤード整備、雨水排水施設等々、トンネル工事の前段階となる工事
2.本体工事  いわゆるトンネル掘削、そしてそれに付随する工事(非常口掘削、濁水処理施設、沈砂池建設等々)

 「本体工事」は、現在「連絡会議」、そして今年4月に国交省が始めた「有識者会議」の結論が出ていない以上、始められるものではない。
 また「準備工事」のうち宿舎建設などは2018年9月に始まっていたが、翌19年5月、ヤード整備の一部が本体工事に直結するのではとの県の判断で、準備工事は中断している。
 今回の対談は、金子社長がその準備工事の「再開」を目指したものだ。

静岡県庁前でのリニア反対の横断幕  200626静岡県庁前でのリニア反対アピール1  200626静岡県庁前でのリニア反対アピール3  200626静岡県庁前でのリニア反対アピール2  ← 県庁の外では、リニア建設に反対する市民団体が集まり、知事に工事再開を求めないように訴えていた。

★「ヤード整備をさせてほしい…」
 約1時間の会談中、金子社長は何度も「ヤード整備をさせていただけないか。なし崩し的にトンネル工事をすることはありませんから」と知事に打診したが、知事ははっきりとは「反対」とは言わないものの、「準備工事が5haを超えるのなら、県条例に従って、協定を結ばなければならない」と回答した。
 これは逆に言えば、5ha未満なら協定は不要。そして、実際、2018年にJR東海が始めた準備工事の面積は4.9haである。
 おそらく、準備工事を再開すれば、残り0.1haは確実に超えるので、協定締結が必要になる…と知事は回答したのだ。

★双方の誤解?
 一方で、川勝知事は「リニアに反対していない(これは、知事だけではなく県としての従来からの姿勢)。一方、命の水も守る。これは両立したい。私たちは運命共同体です」とも発言したことで、金子社長は閉会後の囲み取材で(幹事社以外の質問はわずか1問だけ受け付けて、帰ってしまったが)、幹事社の「6月中の工事再開へのスケジュールはあるか?」との質問に「条例をクリアして協定を結べば工事を認めてもらえる。県とは時間を置かずに確認したい」と回答した。
 知事も知事で、「5ha以上の工事には協定が必要だが、4.9haではご自由にどうぞということです」と、準備工事再開への明確な回答をしなかった。

200626金子慎JR東海社長  200626川勝平太静岡県知事 ← 会談後、囲み取材を受ける金子社長と川勝知事。金子社長は、幹事社からの質問のあと、わずか1問の質問だけを受けて帰ってしまった。

 この囲み取材のあと、条例や協定について「くらし・環境部」から説明があった。
 条例は、正確には、静岡県自然環境保全条例第24条。これに基づき、5ha以上の土地の改変には「自然保護協定」の締結が必要だとの内容。

 ここで、記者団から出た質問は、「知事がそれを強調した印象がある。つまり、金子社長は、その手続きさえ踏めば、準備工事をさせてもらえると思って帰ったのではないのか」ということ。

 知事には「くらし・環境部」から事前に情報提供もあったが、職員の田嶋さんは改めて「県として、本体工事と一体化となるヤード整備は認めない」と説明。

 私が受けた印象では、知事は会談では金子社長の要請をのらりくらりとかわし、遠回しに「NO」を言った。だが、記者たちは、知事の会談での発言は金子社長に「準備工事はできるんだ」との誤解を与えた可能性もあるとして、再度の知事会見を要請した。つまり、知事の口からはっきりと「再開工事は認めない」という必要があるのではと。

 私は、これが後日行われると思った。だからすぐに県庁を後にした。
 だが、「くらし・環境部」は本当に仕事が早い。すぐに知事にアポを取り、1時間後に、二回目の知事会見が実現した。そこで知事ははっきりと「ヤード整備は認めない」と明言したようだ。

★2027年開通はもともと無理だったのに
 これにより新聞各紙は、2027年開通は無理との論調を載せた。
 だが、今頃、その論調を載せるのはおかしい。なぜなら

⑴ 6月の準備工事再開は時間的に無理。
 というのは、協定締結するには、それを県の「連絡会議」で話し合わねばならないから。連絡会議が最後に開催されたのは4カ月前の2020年2月。それ以来、県がJR東海に連絡会議の開催を呼び掛けても、JR東海はその日程を組もうとしてない。もっとも4月から始まった国の「有識者会議」の準備や参加、そして6月23日の株主総会もあったろうから、時間的に難しかった一面はあるかと思うが、JR東海が「連絡会議」参加に応じない限り、「工事再開」は実現しない。そして、6月26日に会談をして、残る平日である6月29日と30日のどちらかで「連絡会議」を調整するのは絶対に無理。

⑵ 他県も工事が遅れている。
 じつは、これは川勝知事が今回の対談のなかで金子社長に投げている説明だ。
名古屋駅周辺では用地買収が終わっていない。2021年3月まで延期される予定だ。岐阜県では非常口のトンネル崩落があり工事が中断した。長野県大鹿村の除き山非常口工事も2年遅れだ。それを言わないで、静岡県だけが工事を遅らせているように言われている
 これに対して、金子社長は明確には回答せず「静岡県だけの原因と言っているのではない。ただ静岡での工事が一番時間がかかるから、という切迫感があります。2027年末までになんとか竣工したい」と説明した。
 おそらく、今回の会談を取材した記者たち(50人以上いた?)の多くは静岡県以外の情報をもたない。だから、ここに焦点を当てた記事はない。
 しかし、他県の工事の遅れを知っていれば、もう、昨年や一昨年の時点で「2027年の開通は無理」との判断はできる。
 今、静岡県では他県での工事の遅れの情報を収集しているところだ。

 ちなみに、私もその情報収集をしているところで、その一部をここに公開する。
 なかには「3年遅れ」もある。これは2027年開通は無理でしょう。

リニア、各県の工事の遅れ

 それにしても、このトップ会談は「全面公開」として地元テレビが生中継した。視聴率はどれくらいあったのだろうか。

 最後にお願いですが、静岡往復だけで1万円以上がかかります。取材費へのご寄付はいつでも歓迎しております。本ページの右欄でもそのお願いをしていますが、全国的にコロナ禍から移動の自由が宣言されたようなので、再び、泊りがけの取材も増えますので、どうぞよろしくお願いいたします。ご寄付をいただいた方には、雑誌に記事が出た場合の記事の送付(データ)や単行本の謹呈などをさせていただきます。

リニア新幹線が不可能な7つの理由


↓ ブログランキングへの応援クリックをお願いいたします。




↓ 拍手もお願いいたします


●入管の被収容者に「スペシャルルーム」として怖れられている部屋がある…。
 その部屋には何もない。あるのは、床に穴が開いているようなトイレだけ。そのトイレにしても、洗浄水を流すレバーがない。
水を流すときには、職員を呼び出すブザーもない。
 だから、監視カメラに向かって、ジェスチャーで「水を流して」と訴える。そして、カメラで排泄物を確認した後で職員が5分後くらいにやってきて、部屋の外にあるスイッチで水を流す…という。
 
牛久入管の保護室

この写真で説明すると、写真右の細長い穴がトイレ。男性の体の脇に見える黒い穴が手洗い場。
 保護室は24時間監視カメラで監視されている。

●簡単な経緯
 なぜこの画像が入手できたのか。
 その発端は2019年1月18日。法務省入管庁の「東日本入国管理センター」(茨城県牛久市)に収容されているトルコ国籍のクルド人のデニズさんが、不眠に悩み、「精神安定剤をください」と大声を出しドアを手で叩いたら、それが「蹴った」と見なされ、5,6人の職員が「生活指導のため」にデニズさんを居室から、まず「懲罰房」(正式名称は処遇室)という一人部屋に隔離して「制圧」行為を行う。それが下記の動画(職員が職務として撮影していた)。
 デニズさんは後日、この制圧行為に対して国家賠償請求を起こすが、その裁判資料としてこの映像が被告(入管)から提出され事実が公となった。画像はその一部を切り抜いたもの。



 これは実際の映像を短く編集したものだが、この映像のあとにデニズさんは、被収容者に「スペシャルルーム」として怖れられているのは「保護室」(写真の部屋)へと連行され、ここで5日間を過ごすことになる。
(なので、後日、前映像に開設の字幕を付けて、公開しようと思います)

●女性もスペシャルルームに連行される
 今年4月に「東京出入国在留管理局」(東京都港区)でも事件が起きた。
 コロナ感染予防のために、非入所者のうち仮放免(一時的に収容を解く)される人がいる一方で、長く収容されている人ほど仮放免されないことに、女性たちの間で不満が高まる。
 そして4月25日、女性たちは、「Let Us Free」(自由にして) と書いた紙やTシャツで仮放免を求めてサイレントデモを行ったら、その数人が「保護室」こ入れられた。
 
  私はそれら女性の2人に先日面会取材したが、取材前に、彼女たちが、スペシャルルームのことを「床は緑色のコンクリートで…」と支援者に説明していた記録を読んでいて、「もしかしたら」と、面会した女性(ネパールとコンゴ民主共和国)に「あなたが入ったスペシャルルームとはこれですか?」とこの写真を見せると、「これです! まったく同じです! 壁の色も床の色も」とその時を思い出して、興奮を隠さなかった。

 覆い隠す場所がないトイレの上に監視カメラがある…。
 そして、ここに入った男性、女性両者の話によると、夜寝るときに毛布も支給されなかったという。このコンクリートの上でただ体を横たえた。

 トイレしかない部屋と書いたが、こうも言える。彼らはトイレに隔離された。
 仮に規律違反があったとしても、こんな非人間的な空間に人間を入れることにどんなメリットがあるのか。
 今後の女性は、今もこの部屋に入ったことのトラウマに悩まされ、私の取材時で、2週間も胃と心が食事を受けつけないと語った。
 デニズさんは今年3月に仮放免されたが、今も悪夢を見るという…。

となりの難民
←入管問題に長年関わっている織田朝日さんの著書。足元の難民問題を平易な形で著した日本初の本。

月刊「世界」12月号
← 月刊「世界」12月号。ここに私の書いた入管問題のルポ。そして、仮放免者3組による座談会をまとめた記録を掲載しました。他の著者の原稿も熱いです。保存版の一冊だと断言しておきます。


↓ ブログランキングへの応援クリックをお願いいたします。




↓ 拍手もお願いいたします


●静岡県知事、ついに6月26日、JR東海の社長に会う。
 6月16日。
 静岡県庁で、「知事+副知事+事務方」が生出演で、「10市長の首長ら」がオンライン出演(1枚目の写真)という、半生半ネットという会議が開催された。

200616 10市町のオンライン会議←会議室に設置された大画面モニタに映し出された10市町の首長など代表者

 2027年開通予定のリニア中央新幹線だが、静岡県だけが本工事に未着工。JR東海は「今年6月に準備工事に入らせてもらわねば2027年開通が厳しくなる」と6月着工を要請していたが、県にそのつもりはない。

 静岡県最北部の南アルプスをリニアが通る山岳トンネルを掘ることで、県の水源である大井川が(無策ならば)毎秒2トンも減る。これは中下流域で大井川を水源とする10市町62万人分の水利権量に匹敵するからだ。
 そこで、どうすれば、大井川の流量を保つことができるのか、その方策を話し合うための会議として、県では「連絡会議」が5年以上も、そして国交省では「有識者会議」が今年4月から話し合っている。その結論が出ないうちに着工を許可できるはずもないからだ。

 で、JR東海の金子社長は「静岡県知事に会いたい」と要請をしてきた。
 だが、川勝平太知事は「会うためだけに会うならば意味はない」としてこの要請を断ってきた。しかしながら、金子社長が手紙を3、4回も送付してきたことで、これをいつまでも無視していいものか、だが、自分一人で決めていいものか…との思いから、この日、10市町からの意見聴取の目的もあり
、県庁初のオンライン会議を開催したのだ。

 静岡新聞の記事【https://www.at-s.com/…/artic…/special/linear/003/776721.html】にその概要が書かれているが、10市町のうち川根本町の鈴木敏夫町長だけが、「有識者会議の結論も出ていない」のに、「金子社長と会うべきではない」と異論を唱えたが、他の9市町の首長らは、「私たちの気持ちを代弁してほしい」として知事と社長の面談を支持した。
 
 これにより知事は金子社長と会うことを決め、会議終了後、早速、事務方(くらし・環境部)が「今からアポを入れます」と会場を後にした。

 今回の会見で印象深かった発言は以下の二つ。

●ぶら下がり取材の最後で、フリージャーナリストの井澤宏明さんが「愛知県知事などが、静岡のせいで2027年開通が間に合わないと言っているが、どう
思うか」と質問したところ、知事はこう回答した。
「不当ですね。最近でも、コロナ感染で一時期工事を中止したり、数年前の談合事件でも工事が遅れ、岐阜県のトンネル崩落事故などで工事は遅れている
。それなのに、開通が遅れそうなのを全部静岡のせいにするのは卑怯です。我々は、リニア工事が遅れている理由を調べて公表したい」

200616ぶら下がり取材を受ける川勝知事←取材を受ける川勝知事
 
 じつは、これは私も考えているところで、たとえば、神奈川県相模原市緑区のリニア非常口は今年やっと準備工事が始まったばかりで、それだけで当初計画より2年遅れだ。
 なかには、3年遅れ、4年遅れの事例も結構あり、今、各地から情報を集めそれを整理しているところだ。

●知事は、会議に先立つ6月11日、リニア関連施設の建設予定地を視察したが、JR東海が高さ70mの残土山をつくろうとする燕(つばくろ)沢にも行ってい。
 この時の感想を「燕沢の周辺は山崩れが激しく、土砂が林道を覆っていた。去年の台風19号で川筋も変わった。燕沢に着いた時には、『ここが残土置き場になるのか!』と驚きました」と語っている。

 私は以前、事務方に「残土は法律上は『産廃』ではなく『資源』。つまり『活用』しなければなりません。果たして高さ70m、長さ500m、幅300mもの残土山がどういう名目の活用になるのでしょうか?」と尋ねたことがある。
 事務方は「それもきっちりとJRと話し合う必要がある」と語ったが、知事が自分の目で見たことで、大井川の減流問題に加えて、近い将来は、この残土山についても議論が深まると予想する。

 とはいえ、国交省の有識者会議はわずか1か月半の間に3回行われたが、これまでの県主催の「連絡会議」は年数回のペースで開催されていたが、有識者会議が始まってから、連絡会議が開催される気配もない。
 それを事務方に尋ねると「私たちはJR東海に『連絡会議』も開催しましょうと投げています。でも、JRが全然応じてくれない。有識者会議でどんな結果が出ようと、最後に決めるのは私たち『連絡会議』です。つまり、連絡会議の結論がなければ工事が始まらない。つまり、連絡会議を開催しない分、JRが自分で着工を遅らせていることになる。静岡ばかりを槍玉にしないでほしいですね」


リニア新幹線が不可能な7つの理由


↓ ブログランキングへの応援クリックをお願いいたします。




↓ 拍手もお願いいたします
取材のカンパをお願いいたします
 ここ数年、この場を借りて、広範囲な取材が必要となるリニア中央新幹線の取材についての、取材費カンパをお願いしてきました。お陰様で取材費の一部を賄うことが可能になっております。本当にありがとうございます。  しかしここにきて、新たに「入管問題」という、これまた取材時間と費用は掛かるけれど、ほとんど儲からない、だけど伝えなければならない事案と2年前から関わるようになりました。当初は、リニアの取材費だけでもお願いするのは申し訳なかったのですが、入管問題も長年の勝負になると決めてから、背に腹は代えられない以上はと、こちらの事案についてもご支援を呼びかけさせていただくことになりました。リニアでも入管問題でも、ご支援者には、記事の案内やデータ送付、はたまた単行本の送付などをさせていただきます。私の銀行口座は「みずほ銀行・虎ノ門支店・普通口座・1502881」です。私と面識のない方は、お礼をしたいので、ご支援の際に、できればお名前を連絡先を教えていただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  樫田拝
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
必要か、リニア新幹線
リニア中央新幹線の問題点を『環境性』『技術性』『採算性』の3点から理論的、実証的に解説した一冊。リニア計画の入門書。
リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」
リニア中央新幹線を巡る問題を語らせては、その理論に一部のすきも見せない橋山禮治郎氏の第2弾。このままでは,リニア計画とJR東海という会社は共倒れになることを、感情ではなく、豊富なデータを駆使して予測している。必読の書。
自爆営業
国会で問題にされても一向に改まらない郵便局の自爆営業。年賀状1万枚、かもめーる700枚、ふるさと小包便30個等々のノルマはほぼ達成不可能だから、ほとんどの職員が自腹で買い取る。昇進をちらつかせるパワハラや機能しない労組。いったい何がどうなっているのか?他業種の自腹買取も描いている。
アキモトのパンの缶詰12缶セット
スペースシャトルの宇宙食にもなった。保存期間は3年。しっとりおいしい奇跡の缶詰。24缶セットもある。
共通番号の危険な使われ方
今年10月に全国民に通知され、来年1月から運用が始まるマイナンバーという名の国民背番号制度。その危険性を日本一解かり易く解説した書。著者の一人の白石孝さんは全国での講演と国会議員へのアドバイスと飛び回っている。
マグネシウム文明論
日本にも100%自給できるエネルギー源がある。海に溶けているマグネシウムだ。海水からローテクでマグネシウムを取り出し、リチウムイオン電池の10倍ももつマグネシウム電池を使えば、スマホは一か月もつし、電気自動車も1000キロ走る。公害を起こさないリサイクルシステムも矢部氏は考えている。脱原発派は必見だ。