FC2ブログ
取材しても、記事にできる情報は1割未満。しかし捨てた9割にも、伝えられるべきものがあります。ボツになった企画も数知れず。そんなネタを紹介します。なお、本ブログの文章と写真の無断転載はお断りします。ご利用希望者合はご一報下さい。
プロフィール

樫田秀樹

Author:樫田秀樹
フリージャーナリストです。今まで書いた記事を整理したHP「樫田秀樹の記録部屋」と併せておつきあいください。なお、本ブログの文章と写真の無断利用はお断りいたします。使用されたい方はご一報ください。

ブンブンエコライト
ブンブン回すだけで充電できる懐中電灯。たった97グラム!
電気不要・8年間カートリッジ交換不要の浄水器
カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新記事
カレンダー
07 | 2019/08 | 09
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
月別アーカイブ
全記事表示リンク
この記事にリンクを貼る
40種類の柄、15種類のカラーから自分好みに選べる、オリジナル フルジップパーカ
バケツ洗濯機KJ-950
これは便利!雑巾や軍手、スニーカーなどがきれいに!
携帯用洗面器
旅行に便利。空気で膨らむ洗面器。
ランドリーポッド
電気不要の洗濯機。災害時の備えに。
電球型ポケットライト
財布や名刺入れにも入る薄型ライト。厚さ3ミリ
LEDダイナモランタン
手回し充電もソーラー充電もOK。部屋のインテリアにも。
LEDキャンドル
LEDだけど炎がゆらぐ。癒される。息の吹きかけでオン・オフができる。
折り畳みヘルメット
サイズ調整可の折り畳み防災ヘルメット
タタメットズキン
サイズ調整できる折り畳み防災ヘルメット+ずきん。落下物にも炎にも強い!
パッカブルブーツ
折り畳める長靴。色も選べます
アンチボトル
折り畳めるウォーターバッグ。500mlなので、何度でも使えるペットボトルとして重宝する。色は7色。
浄水機能ペットボトル
カーボン製フィルターが水道水をおいしい水に変える。385ml。色は3色。
あつあつ加熱パック
火を使わずに食材を98℃まで加熱。災害時には暖かいものを食べたいですね。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

あつあつ加熱パック 発熱材3個 3袋セット【RCP】
価格:2592円(税込、送料別) (2017/2/8時点)






●この牧場造成計画は本気なのか? 
ーーリニアの残土処分のカモフラージュという声も…ーー

 印象としてはまったく「怪しい」計画だ。
 詳細は後日として概要だけ書く。

 もう20年も前に酪農を休業した家族経営の酪農家のSさんが、酪農と畜産を5年後に始めようとしている。
 だが不可解だ。

Sファーム概要←ざっと見ると、残土を高さ50メートルで積み上げるようだ。

1.Sさんは神奈川県茅ヶ崎市在住の家族経営の酪農家。20年前、やむなき事情で酪農をやめた(理由は割愛)。ところが今回、遠く離れた相模原市緑区の山間地の「志田峠」周辺に新たな牧場(Sファーム)を造成するのだという。

2.相模原市緑区は森におおわれた丘陵地帯。Sファームは、その山間地の傾斜地にどこからかもってくる残土100万立米を積み立て、平坦に造成し、造成後は牛を250頭も飼育する。
 だが家族経営といっても、休業から20年経った今、実質的な経営者は60代になり、正式な後継者も明らかにされていない

3.250頭も牛を飼育するのに、Sファームは夜は無人だ。Sさんは茅ヶ崎から車で通勤(約1時間)するのだという。夜間の牛の急病に誰が対応するのか? 昼間もいったい何人体制で牛の面倒を見るのかも不明。
 ちなみに相模原市に酪農家は21世帯いるが、その合計は668頭だ。1世帯だけで250頭は身の丈に合っているのか?

4.住民説明会は何度かあった。そこにSファームの代表者の高齢男性はいた。だが彼は無言。代わりに住民に説明をしたのは、残土での造成を行うゼネコンのフジタだ。あるときの説明会には後継者かどうかわからないSさんの長男も参加したが、やはり無言だった。

5.牧場の稼働は2024年と予測されているが、あと5年後、より高齢になるSさんは250頭もしいくできる体力を残しているのか? 酪農経験ゼロの後継者の長男は本当に携わるのか?

6.100万立米もの残土を造成するには約4億円の金が要る。そんな金はSさんにはないはずだ。フジタが肩代わりすると思われる。

7.Sファームの予定地は、リニア中央新幹線の非常口の一つ長竹非常口の近く。Sファーム計画を怪しむ住民がフジタに「残土はどこからもってくるのか? リニアの残土か?』と尋ねたとっころ、フジタは「使う」とは明言しないまでも、「リニアでも外環道《都心の地下高速道路》からの残土でも手に入る残土なら使いたい』と、否定しなかった。

8.もしSファームの造成を本当にやろうとすれば、100万立米もの残土を運ばねばならず、近隣集落の細い道を一日に300台(片道)のダンプカーが通ることになる。拡幅も難しい道だ。
 これを心配する住民はそこそこにいる。

9.今のところ、Sファームがらみの測量に応じるつもりがまったくない住民はいる。


●準備書の縦覧と住民説明会が始まる。

 で、私も知らなかったが、この計画においては、2年前に「環境影響評価方法書」の縦覧と住民説明会は終わっている。それが前述の説明会。
 だが、今週8月19日から「環境影響評価準備書」が縦覧され、来る9月5日19時からと8日の14時からの2回、串川地域センター(相模原市緑区)において住民説明会が開催される。 誰でも参加可能。
 ちなみに、この環境アセスを実施したのは、リニア計画の神奈川県地域を担当した「パシフィック・コンサルタント」社。この2年間での環境アセスにもおそらく億単位の金がかかったはずで、それをSさんが払えるはずがない。フジタが肩代わり?
 住民説明会では、Sファームが事業主なのだから、当然、代表者が参加して、自分の言葉で説明するのが本筋だが、やはりフジタが代弁?

 一部情報では「Sさんは騙されたのでは?」との声もある。
 そして、私への情報提供者などはこう予測する。
「おそらく、残土を積み立て造成したところで、Sファームは『事業再開に前向きでしたが、後継者問題の壁にぶつかり、酪農計画を中止します』と言うのではないか」
 
 これは単なる推測を出ないので、断定的な物言いは避ける。だが、もしそうだと仮定した場合、残土がきちんと処分できたとの事実だけは残る。この埋め立て誰が得をするのか。
 状況証拠でいえば「怪しい」としか言いようのない計画だ。

↓ ブログランキングへの応援クリックをお願いいたします。




↓ 拍手もお願いいたします
スポンサーサイト


●サファリさん再収用される。

 前回書いたこと。
 東日本入国管理センター(茨城県牛久市)から「死を賭したハンスト」でやっと勝ち得た「仮放免」(収容を一時的に解くこと)は、当人たちにすれば初めから喜べなかった。
 また戻されることが判っていたからだ。
 
東京入管前での支援1 東京入管前での支援2 東京入管前で支援者にお礼を述べるサファリさん←東京入管前で支援者にお礼を述べるサファリさん。礼儀正しい人。この数時間後再収用された。

 イラン人のサファリさんは、6月7日からハンストをして体重を15キロ落とし、ときに吐血し、ときに昏睡状態に陥った。
 死なれたらたまらない・・とでも判断したのか、1か月後の7月9日、入管側は、「条件付き」で仮放免を出すと約束した。
 ★ハンストを中止すること
 ★血液検査を受けること

 これを受け入れると、サファリさんは果たして仮放免されたが、その期間はたったの2週間だ。
 
 昨日、東京入管(東京都港区)にその更新手続きで赴いたサファリさんを、施設の外では多くの支援者が見守っていた。
 更新をするためのインタビュー室の待合室で私はサファリさんの隣に座り話を聞いた。
 サファリさんはこう話した。

「条件付きでの仮放免ですが、今、思えば、みごとにだまされました。初めから私たちを収容所に戻すつもりだったのですから」

 7月31日からの仮放免の2週間は苦しみの2週間だった。
 サファリさんはハンスト開始前は体重が86Kgあったが、ハンストで70.25Kgまで落ち、ハンスト中止後に75Kgにまで回復したが、「またあそこに戻るのか」の絶望感から食事を摂ることができず、今、体重は減っている。73Kgだ。

「昨日食べたのはコンビニのサラダだけです。睡眠も朝5時からの1時間だけで、睡眠剤を飲んでもまったく眠れないんです」

 見ると、サファリさんの足元には小さなリュックサックが置いてある。
 中身を尋ねると

「着替えです。そして私に関連する入管の資料です」

 サファリさんは、間もなく牛久に戻されることを意識していた。そしてこう言い切った。

「戻ったら戻ったで、私はすぐにハンストします。入管は人をいつまでだますのか。私は何も悪いことはしていないのです」

 午前10時25分、入管のインタビュー室に入ったサファリさんはそのまま待合室に出てくることはなく、牛久入管に再収用されてしまった。


●明日はデニズさんの番

 サファリさんの2日後の8月2日に仮放免で出たのがクルド人(トルコ出身)のデニズさんだ。
 彼もやはりハンストをして、2つの条件を受け入れてハンストを中止して、もらった仮放免は2週間だけ。
 明日、16日に東京入管に赴き、仮放免の更新手続きに臨む。

 デニズさんは3年2カ月も収容されていた。

 じつは、牛久入管で私が最も多く面会取材したのがデニズさんだ。5回くらいだろうか。

 サファリさんはとても穏やかな物腰だが、デニズさんは直情的になることがある。面会取材しても、私に長期収容で受けている屈辱や差別的扱いへの憤りをぶつけてくる。

★懲罰房
 屈辱的な扱い。
 たとえば、担当職員を呼ぶために、手のひらで「担当さん!」とガラス窓を叩く。これだけで懲罰房に入れられる。
 また、あるときは、ボディチェックが長い職員に対して「もうやめてください」と軽く体に触れたら、それだけで懲罰房。
 デニズさんはかれこれ30回ほど懲罰房に入っている。

★自殺未遂
 また同時に、絶望的な収容生活に、いつ出られるかわからない見通しのなさに絶望して、自殺未遂を4回起こしている。

自殺未遂←入管に残っているデニズさんの自殺未遂直後の記録写真

★職員からの暴力

 また、たびたび職員からの暴力も受けているという。
 もちろん、入管側はこの事実を認めない。ところが、今年、初めてそれを認める事件が起きた。

 1月18日夜。
 デニズさんは収容生活のストレスから、精神安定剤をくれるよう担当職員に頼んだ。
 だが職員は「あなたが1か月半前に服用を中断した睡眠薬がある」としてそれを拒否。
 デニズさんが「私が欲しいのは精神安定剤です。それをください」としばらく口論が続くと、15人くらいの職員がいっせいに入室してきて、デニズさんを制圧した。
 デニズさんは背中側で手をねじられ、口と鼻をふさがれ、職員の親指の先であごの下を刺した(これにより数日間は食事ができなくなった)。そして懲罰房に送られた。

 この事実に対してデニズさんは、弁護士を介して、入管に「不服申出書」を提出
 すると、入管はその判定として「理由あり」と回答したのだ。

理由あり

 「理由あり」

 とは、不服申出には理由があった、つまり、この場合は暴力があったと認めたこと。
とはいえ、具体的にどういう暴力を認めたかについては、情報公開しても出てこない。ということで、この件は今後裁判で争われる予定。

★そして、デニズさんにしても、たった2週間の仮放免で再びあの場所に替えるのかとの恐怖感をぬぐえない。
 3年2カ月もの長期収容はデニズさんの精神バランスを崩し、仮放免後に受診した精神科では「拘禁反応の疑い」との診断が下された。
 その病気を作り出した場所にデニズさんは明日帰るのか?
診断書 拘禁反応

 これはどう考えても異常な措置だ。
 お時間と心ある人たちは明日、8月16日午前9時頃に(それ以降でもOK)東京入管(東京都港区)に集まってください。

↓ ブログランキングへの応援クリックをお願いいたします。




↓ 拍手もお願いいたします

2019/08/15 10:05 人権 TB(0) コメント(0)



●たった2週間の仮放免…

 8月13日。
 東日本入国管理センター(茨城県牛久市。以下、牛久入管)から仮放免(一時的に収容を解く措置)された二人の外国人が記者会見を開いた。
 デニズさん(トルコ出身のクルド人)
 サファリ・ディマン・ヘイダーさん(イラン人)

短期仮放免者の記者会見

 牛久入管では「かつてない」事態が起きている。
「生きてここから出るか、死ぬか」といった死を賭したハンストが5月から続いている。
●多くのハンスト者が体重の激減、吐血、昏睡などを経験し、体調不良に陥っている。
●その結果、6月あたりから仮放免を勝ち取るハンスト者が現れているが、その仮放免期間はわずかに1~2週間。
 そして! それを更新するために東京入管(東京都品川区)に出頭すると、不許可が告げられ、即日で牛久入管に戻される再収用が続いている。

1.デニズさん
 私が牛久入管でもっとも多く面会取材してきたデニズさん(トルコ出身のクルド人)は、じつに3年2カ月もの長期間にわたって収容されてきたが、彼も6月からハンストに参加した。毎日水だけを飲み、体重は減り続け、医務室脇の静養室で横たわることもたびたびだ。
 だがデニズさんにもついに仮放免許可が出ることになる。
 ここで牛久入管がデニズさんに、仮放免を出す条件としてあげたのは

★ハンストを中止すること。
★血液検査を受けること。

 デニズさんはこの指示に従った。
 そして普通の食事をして仮放免を待っていると、5月に最初にハンストを始めたイラン人で、7月に2週間だけの仮放免で外に出たシャーラムさんが、その更新が不許可となり即日で牛久入管に戻ってきた。

 記者会見のなかでデニズさんはこう証言した。

「私はそれに驚かなかった。というのは、職員から『仮放免の人たちは戻ってくる可能性があるよ』と聞かされていたからです」

 デニズさんは8月2日に仮放免されるが、やはり自身の仮放免延長が認められないのではと怖れている。難民認定申請中の人物に対して3年2カ月も収容し、わずか2週間の仮放免ののちに、再収用する?

 その不安から、デニズさんは記者会見中に涙した。


泣くデニズさん

 記者会見にデニズさんの弁護士として出席した大橋毅さんも「入管関連の問題に携わって25、6年になるが、今回の『短期仮放免+再収用』はかつてないことです」と明言した。

 仮放免中にやってはいけないことは二つある。
「就労」と「許可なき移動」だ。
 だが最初にハンストをしたイラン人のシャーラムさんはこれを遵守したのに仮放免更新が不許可となったのだ。
 それに続く短期仮放免者も一様に更新が不許可となり、牛久入管に続々と戻されている。
 デニズさんの仮放免更新手続きは8月16日朝9時。私以上に本人がもっとも不安を抱えている。


2.サファリさん
 サファリさんもデニズさんとほぼ同じ3年1カ月も収容されていた。そして今回のハンストで、何度も吐血や昏睡を経験し、体重が15Kgも落ち、仮放免後の今も、摂食障害に陥っていて食べても食べても体重は増えるどころか減っている。
 サファリさんは7月31日に仮放免されるが、そのとき、職員から以下のことを言われた。
「今回の仮放免は2週間だけど、逃げないで帰ってきてね」
 つまり今回の仮放免は初めから再収用することが決まっている措置としか言いようがない。
 サファリさんの仮放免更新手続きは、これを書いている数時間後の8月14日の午前9時頃だ。
 また収容されるのか、またあの外の景色も見えない施設に入るのか、また6畳間に4~5人で暮らす生活を始めるのか。
 7月31日の仮放免は喜べなかった。むしろ、常に不安に襲われ、サファリさんは仮放免後、精神科を訪れると「抑うつ状態」との診断を受けた。
 加えて、仮放免翌日の8月1日、サファリさんは数年前から申請していた難民認定申請の結果を受けたーー不許可。
 このタイミングは何なのか。堂々と彼を再収用するための準備なのか?
 
 仮放免後の今もサファリさんは不安に襲われていて、会見中に涙した。

泣くサファリさん

 私は記者会見のあと、サファリさんと話した。
――入管は、被収容者を極限の状態に置くことを続けることで、被収容者から『母国に還ります』と言うのを待っているのでしょうか?
「その通りだと思います。でも私は1991年、23歳で来日して以来、人生の半分以上を日本で過ごし、生活の土台も日本にあり、今イランに帰っても家も知人もほとんどなく、迫害の恐れもあります。帰れないんです」
――失礼ですが、もし明日の更新手続きが不許可となった場合、牛久に戻ることになりますが、ハンストにはもう関わらないのですか?
「いえ、私はすぐにハンストをやります! それしか私のとるべき道はないんです。生きてあそこを出るか、死ぬかのどちらかです」

 悲しきながら、メディアも議員も一般国民も、多くがこう言うのだろう。
「そうはいっても、彼らはオーバーステイなんだろ。仕方ないよ」と。
 実際、私はその言葉の前に、幾度、編集者たちから企画ボツにされたことだろう。
 印象でモノを語るな。せめて、想像しろ。なぜ、彼らがオーバーステイになったのか。なぜ母国を出てきたのか。
 もちろんなかには、初めから金稼ぎ目的の偽難民はいる。そういう人たちにはお国に還ってもらうのは否定しない。だがすべての外国人がそういう人間ではない。

 明日8月14日、そして16日の朝9時、サファリさんとデニズさんは仮放免更新に臨む。
 二人の望みは、できるだけ多くの人に東京入管(品川駅港南口から『品99』系統バスで『東京入国管理局前』下車。頻発)に集まってほしいことだ。
 世間が騒げば状況は変わるからだ。

●ちなみに、デニズさんは3年2カ月の間、30回ほど懲罰房に入っているが、それはガラス窓を軽くたたいて担当職員を呼んだ、デニズさんの体をしつこくボディチェックする職員に「やめてください」とその体に軽く触れた・・といったことでの懲罰だ。本当だとすればあり得ない話だ。
 ただ、今回はそこに話は割けないので、またいつか。

 最後に、デニズさんの日本人妻からの手紙だけ添付します。

deniz妻の手紙01 deniz妻の手紙02 deniz妻の手紙03 deniz妻の手紙04







↓ ブログランキングへの応援クリックをお願いいたします。




↓ 拍手もお願いいたします
2019/08/13 23:45 人権 TB(0) コメント(1)





●いったい何が起こっているんだ。わずか2週間の仮放免

 茨城県牛久市の「東日本入国管理センター」(法務省・出入国在留管理庁の収容施設の一つ)には今、難民認定申請が不許可となった人たちを中心に約300人が収容されているが、5月から一個人が自発的にハンストを開始して、それがあれよあれよと増えて、気づけば今、約100人が、ポーズではなく、死を賭したハンストに入っている。

 じつは私も6月にここを訪れ、ハンストをしている一人と面会取材はした。
 ただ、今回のハンストへの私の捉え方は甘かった。
 ハンストは今回が初めてではない。毎年誰かがやっている。そして数週間後には体力の限界と同時にハンストは終わるが、その結果、管理センターが彼らの望む「仮放免」(一時的に収容を解く措置)をすることもなかった。
 つまり、管理センターには「どうせハンストが終われば、また普段の生活に戻る」との読みがある(実際、職員からその言葉を私は聞いている)。

 もっとはっきり言えば、被収容者も、「死を賭けた」ハンストに臨む人は多数派ではなかった。。
 だから、私も今回はまた数週間後には終わるだろう・・と思っていた。

 ところが今回のハンストは異常だ

 以下、被収容者への面会活動を続ける市民団体「牛久入管収容所問題を考える会」(牛久の会)の情報を基に、今回のハンストの経緯を紹介する。

●経緯
★5月10日 イラン人シャーラムさんがハンスト開始。
 だが1 週間後に倒れ、医務室脇・静養室で静養することになる。
 それを見た同じイラン人たちが次々とハンストを開始。全員が 2 年以上の長期収容者。

(現在の収容所の最大問題が長期収容。刑務所ならば刑に応じていつ出所できるかがわかるが、難民認定申請をしただけの人たちに対しては、実質、無期限拘束をしているからだ)

 5月、イラン人ハンスト者は4人に。

★6 月中旬 ハンスト者が次々体調不良になり静養室へ。
 その静養室のベッドも一杯になり、新たに ブロック6Bとブロック6Aという通常は使われていない居住区間の居室をハ
ンスト者用にあてがう。
 そのうち、スリランカ人も 1 人、そして自殺未遂のクルド人が懲罰房に入れられたが、その人もハンストに入る。

(私が面会取材したのはこのクルド人)

 そしてこの頃から、ハンスト者にぽつりぽつりと仮放免が許可されるようになる。

★7月3日  ハンスト者は23人に。

 同時にハンスト者への仮放免も続く。

 一つの背景として、以下の事実がある。

 ◆6 月 24 日 
  長崎県の大村収容所でナイジェリア人のサニーさんがハンストの末、死亡したと伝えられた
  サニーさんは、じつに3 年7 ヶ月も長期収容され、今年 3 月から 水もほとんど摂らないハンストを2か月間も続け

ていた。その行動が問われたのか、単独房に隔離収容されていた。

 ◆7 月 2 日
  山下法相の閣議後会見
 「健康上の問題などで速やかな送還のめどが立たない場合には、人道上の観点から仮放免制度を弾力的に運用する」
 と説明した。

★7 月 4 日  クルド人ユージェルさんが仮放免された。
 ただし、長いハンストの影響で「拒食症」になってしまい、「水も食べ物も食べたいけれど食べられない。摂ろうとすると吐いてしまう」。
 彼を6月26日に診断した収容所外の病院医師は「このままでは死んでしまう! 内臓の問題ではなく心の問題」と断言
した。
 ユージェルさんは難民認定申請者。牛久に2年半収容され、仮放免時には体重が 30 キロも減った。この30キロのうち20キロがハンストの 70 日間での減少だった。


★7 月 9 日
 ブロック6 Bに収容されていたイラン人 4 名が仮放免。うち一人が、最初のハンスト者のシャーラムさん。
 仮放面の条件として、「ハンスト中止」、「血液検査を受ける」こと。

 ところが!

 4人に与えられた仮放免の期間はわずか2週間。
 果たして2週間後、どうなるのかと関係者を不安にさせた。

★7 月 12 日
  イラン人 2 名が仮放免。
 うち一人は、羽田空港での入国時に「上陸拒否」となり、そのまま牛久に移送された。
 そのまま2年間収容されていた。
 つまり、今回の仮放免で彼は初めて日本の土を踏んだのだ。

★7月23日 
  6 名の仮放免。
  イラン人、クルド人、スリランカ人など。
 この動きに合わせ、以後、毎日のようにハンスト者が増え続けている。
 それが今、100人もの規模に膨れ上がっている。


●●しかし! 2週間後に「再収用」だって!?

 7月22日。
 驚くべきニュースが入ってきた。
 7月9日に仮放免されたシャーラムさんとマジットさんが、「2種間」の仮放免を更新しようと、東京出入国在留管理庁(東京入管)に赴いたところ、「不許可」の裁定を出され、そのままバスに乗せられ、牛久に直行したという。

 伝え聞く話では入管職員は「ハンストをして仮放免されても、すぐに戻される」と言っていたようだ。つまりもともとそのつもりの仮放免だったのか?

 本日15時から、牛久の会がつくば市で緊急記者会見を開催。
 じつは、本日を逃せば、他の原稿執筆に大きな遅れが出るので、迷ったが、やはり行こう。
 とんでもないことが進行しているかもしれない。

 また近いうちに牛久にも行かねば。

↓ ブログランキングへの応援クリックをお願いいたします。




↓ 拍手もお願いいたします


●「医師に聴診器を当ててもらったことはただの一度もない」
 先日投稿した、チョラク・メメットさんについての補足情報。
 チョラクさん初め被収容者が収容施設のなかでどんな医療を受けてきたのかについて書いてみる。

 救急車拒否事件から約1カ月たった4月10日、私はチョラクさんに面会取材した。

 チョラクさんに会うのは初めてだったが、アクリル板の向こうに現れたチョラクさんに「体も心も疲れ切っている」と感じた。それほどに、表情はやつれ、体の動きも緩慢だった。
 救急車拒否事件の翌日に国会でもこれが取り上げられたこともあるのか、3月13日にチョラクさんはやっと外部の病院に搬送された。そこでどんな医療を受けたのかを尋ねた。 

チョラクさん記者会見← 6月24日の記者会見でのチョラクさん

「その日の午後1時過ぎに、NTT東日本関東病院(品川区)に連れていってもらいました。脳梗塞と動脈硬化があるかの検査をしただけです。脱水症状は指摘されたけど、結局診断はつかず午後四時過ぎに帰されました」

――それだけですか?

「それだけです」

 ここでチョラクさんは憤りの声を上げた。それは入管の医療システムをあぶりだすものだった。

私はここにいる1年3カ月の間、40回以上も施設の病院に行っています。でも、医者や看護師に聴診器を当ててもらったことがただの一度もありません。体を触ってもらったこともありません。ちょうど今、あなたと離れて話しているこの距離に医者がいて、私の病状だって同行する職員が医者に説明するだけです。なぜ難民申請しただけでこんな目に遭うのですか! 私はもういつ死んでもおかしくないです。今、精神の興奮を抑える薬を飲んでいますが、一昨日は寝れたけど、昨日は寝たり起きたりの繰り返しでした」

 極めて不安定な精神状態だ。チョラクさんを一刻も早く仮放免すべきだと思った。不十分な医療だけではない。一人の人間として扱われないことにチョラクさんは深く傷ついている。

 医師からの触診がない。ケースバイケースであろうが、同じような話は複数の被収容者からも聞いている。


●診察を受けるには平均14日待つ。最長は54日。

 現在、仮放免で暮らす韓国人のKさんは茨城県牛久市の「東日本入国管理センター」(牛久入管)で長期収容された経験をもつが、医療の不備を以下のように話してくれた。

「私たちは、医療を受けるには申請書を書かねばなりません。問題は、書くのは本人ではなく職員の代筆であり、また、すぐに医療を受けられないことです。牛久センターには外から通いで来る医師や看護師はいます。でも、頭痛ひとつとっても、人により原因は様々なのに汎用薬を与えられることが多い。そして、場合によっては外の病院に行かねばなりませんが、すぐに行かせてくれません。これは絶対におかしいです」

 この言葉を裏付けるデータを認定NPO法人「難民支援協会」(以下、支援協会)がもっている。支援協会は2018年2月26日、国会議員4名、市民団体、個人で牛久入管との意見交換を行った。そこで牛久入管が明らかにしたのが、「2017年、被収容者が申請書を提出後に診察が受けるに要した時間が平均14日」という数字だ。申請書提出後、診察まで3日以上を要する件数も2341件と一般社会ではありえない数字も明らかになった。

牛久入管の庁内病院が設置する診療科は、内科、歯科、精神科のみ。内科は、常勤医1名と日替わりの非常勤医、そして常勤看護師三名で診療にあたっているが、その運用は平日のみ。歯科は週一日、精神科は月二日だけとなっている。

皮膚科医や整形外科医はときどき来るが、この点を、意見交換会で牛久入管はこう回答している(要約)。

「整形外科などは診療が混み合い、診療まで最長で54日待った人もいる


●放置された「骨折」

 Kさんの収容中にこんなことがあった。被収容者には一日40分の運動が許可されているが、あるインド人が転んで足を骨折した。すぐに手術が必要だ。だが、その日は金曜日の午後。申請書を書いても、牛久入管の事務は土日が休みだから、許可が下りるのは月曜日以降になる。Kさんは「お願いします! せめて鎮痛剤を!」と訴えたが、かなわなかった。

 韓国で徴兵による軍隊経験のあるKさんは自分のTシャツを破いて、応急的にインド人の足を固定した。結局、インド人が外部の病院に行けたのはその翌週となったのだ。

「これは刑務所でもあり得ないのではないでしょうか」
 
 Kさんは今でもそれを思い出すたびに憤りを覚える。

 収容施設の医療をめぐっての被収容者からの不満については、ここでは、その10倍書いても書ききれないほどの話を面会取材を通して聞いているが、ここでのポイントは、入管自身が「医療を受けるには時間がかかる」と認めていることだ。
 
 それにしても、私は8月から再びリニア中央新幹線の取材に時間を割くが、加えて、この問題もやる。果たして自分の頭がパンクしないかが心配だ。(;_:) 

↓ ブログランキングへの応援クリックをお願いいたします。




↓ 拍手もお願いいたします
リニア取材費用70万円をクラウド・ファンディングで集めます
 リニア中央新幹線の取材範囲は、東京都から愛知県までと広範囲で、多大な取材経費を要することから、ついに昨年後半から財布が悲鳴を上げ、ここしばらくは本格的取材から遠ざかっていました。とはいえ、来年には新たなリニア関連の単行本も出したく、ここで取材中断するわけにはいかず、考えた末、ReadyFor社のクラウド・ファンディングで取材費用を集めることにしました。目標金額は70万円。予定では4月22日にReadyFor社のサイトで資金を募るサイトの公開が始まります。以下はまだ決定ではないですが、ご支援には1口3000円、5000円、1万円、3万円、そして5万円の5パターンを考えていて、それぞれ、「私の取材記録公開」「過去に出した拙著の謹呈」「来年発行する新しいリニア関連の本の謹呈」「リニア沿線地域の特産品その1」「同じくその2」を構想中です。  ご支援は以下の用途に活用する予定です。 ★取材地までの往復交通費。 ★取材地での宿泊費。 ★リニア中央新幹線に係る資料代。★食費は自己負担とします。  暖かなご支援をいただければ嬉しい限りです。力の限り、取材を続けます。どうぞよろしくお願いいたします。
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
必要か、リニア新幹線
リニア中央新幹線の問題点を『環境性』『技術性』『採算性』の3点から理論的、実証的に解説した一冊。リニア計画の入門書。
リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」
リニア中央新幹線を巡る問題を語らせては、その理論に一部のすきも見せない橋山禮治郎氏の第2弾。このままでは,リニア計画とJR東海という会社は共倒れになることを、感情ではなく、豊富なデータを駆使して予測している。必読の書。
自爆営業
国会で問題にされても一向に改まらない郵便局の自爆営業。年賀状1万枚、かもめーる700枚、ふるさと小包便30個等々のノルマはほぼ達成不可能だから、ほとんどの職員が自腹で買い取る。昇進をちらつかせるパワハラや機能しない労組。いったい何がどうなっているのか?他業種の自腹買取も描いている。
アキモトのパンの缶詰12缶セット
スペースシャトルの宇宙食にもなった。保存期間は3年。しっとりおいしい奇跡の缶詰。24缶セットもある。
共通番号の危険な使われ方
今年10月に全国民に通知され、来年1月から運用が始まるマイナンバーという名の国民背番号制度。その危険性を日本一解かり易く解説した書。著者の一人の白石孝さんは全国での講演と国会議員へのアドバイスと飛び回っている。
マグネシウム文明論
日本にも100%自給できるエネルギー源がある。海に溶けているマグネシウムだ。海水からローテクでマグネシウムを取り出し、リチウムイオン電池の10倍ももつマグネシウム電池を使えば、スマホは一か月もつし、電気自動車も1000キロ走る。公害を起こさないリサイクルシステムも矢部氏は考えている。脱原発派は必見だ。