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●まさかの無担保だったJR東海への3兆円融資

 昨年(2016年)10月と11月、衆議院と参議院の国土交通委員会で、独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」にJR東海への融資機能をもたせるための法改正についての審議が行われ、それぞれ即日に可決。果たして、「機構法」は改正され、早くもその11月に5000億円、この1月に5000億円、3月に5000億円と計1兆5000億円が融資されます。

 私にはどうしても知りたいことがありました。
 それは、同機構は政府系特殊法人である財投機関の一つです。
 財投機関とは、すなわち、財政投融資での融資の対象となる組織のことです。
 つまり、財投機関である限りは、財務省が「財投債」の発行で集めた資金を受けて事業に活かし、事業の利益から利子をつけて、財務省経由で、財投債を購入した銀行などに返済がなされるのです。
 
 財政投融資について整理したブログはこちらをご覧ください。

 私が判らなかったのは、財投機関にはもともと「日本政策投資銀行」という政府系金融機関があります。
 財投債で得た資金を、財務省が同銀行に回し、同銀行は、日本のなかで必要な事業に融資をするわけです。当初、新聞報道で財投機関を通じてJR東海に融資をする・・・といった記事を見たとき、私はてっきり、同銀行がJR東海に融資をするのかなと思いました。

 しかし、同銀行の前身の「日本開発銀行」に勤務していた橋山禮治郎氏(「必要か、リニア新幹線」などの著者)によると、同銀行は民間銀行との協調融資が原則。つまり、民間銀行が首を縦に振らねば同銀行も融資できない。そして、金融機関ならば当然ですが、担保を必要とする。おそらくJR東海には東海道新幹線を除いては、合計で3兆円に相当する担保物件はない。しかも、同銀行はかつて兆単位の融資をしたことはない。だから、同銀行からはどうしてもJR東海には融資はできないでしょう…ということでした。

 では、今回、融資機能をもつことになった同機構はいかなる担保で融資に踏み切ったのか。

 私はこれを、参議院の国土交通委員会委員である山添拓議員(共産党)に尋ねてみました。
 すると、1月13日に山添議員が国土交通省に確認したところ、「無担保で貸している」とのことでした。
 国交省は「JR東海からの償還が怪しくなった際に担保を検討する」との見解を示したようで、つまり、施設などを抑えるとの腹積もりを見せてはいますが、山添議員は「通常ではありえない」と驚いています。

 なお、お金を貸す以上は当然審査を経なければなりませんが、機構の内部審査なので守秘義務があるため非公開となるようです。

 3兆円もの巨額に「担保なし」と「30年据置」。なぜこれほどの好条件で超巨額の融資が可能なのか。
 また財政投融資の場合は当然ですが、利子は安い。年利0.6%です。
 何かの力が動いているとしか思えません。

●推測は書くべきではないが

  一昨年から今年にかけて、JR東海は各地で工事契約を交わしていますが、本格着工にはまだ程遠い状態です。
 先日もJR東海の柘植社長が「2027年開業は厳しい」と発言しましたが、では、なぜ今「機構」から3兆円もの融資を受けるのか?
 以下、以前、ネット記事で見たり、鉄道に詳しいジャーナリストから教えられて整理した情報です。

 ★一つには、東京・名古屋に必要な5.5兆円もの金を工面できないこと。
 5.5兆円のうち、2.5兆円は東海道新幹線からの収益を充てることができるかもしれないとはいえ、それでも3兆円足りない。しかし、その3兆円を借りようにも、担保物件が3兆円もないJR東海に金融機関は融資をしようとしなかったのでは。借りたとしても、金利も3%台。
  また、海外の投資家は、数年前にJR東海の社長が「リニアはペイしない」と発言したことと、自己資金だけでは、いずれ5.5兆円以上のカネが必要になる東京・名古屋の建設は無理なのではとの読みからやはり投資に動いていなかった。

 ★一つには、財投機関でも融資は難しかった。
  これは前述のように、日本政策投資銀行のことです。

  そして、どうしてもわからないのは、本格着工なされていないのになぜ今、巨額の融資が必要なのか、ということです。

 本ブログでも伝えていますが、リニア工事で発生する約5700万立米もの建設残土の8割前後の処分先は未定です。
 つまり、トンネルを掘れないということです。
 また、処分先が決まったとしても、そこに至る道路の拡幅や重量制限をクリアできるよう補強工事が必要で、それにも何年もかかる。
 
 なぜ、これほど急いでの3兆円の融資が必要なのか。
 わからない。だが、一つの推測として、各地で工事契約することで「どんどん着工している。もう後戻りできない」との「既成事実」を見せることはできる。これが3兆円を引っ張っる材料になったのではとの説もあります。

 それにしても、この3兆円だけで足りるのか? 足りない場合は財投債を追加するのでしょうか?
 
増補悪夢の超特急
←拙著「悪夢の超特急 リニア中央新幹線」。

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新年早々、訃報です。

 山梨県富士川町小林地区の有泉實さんが12月31日にお亡くなりになりました。享年84。

 小林地区は、リニアが地上走行することで数十件の家屋や農地が立ち退き対象となる土地です。

 しかし、一昨年、JR東海が、事前説明もないままに「中心線測量をさせてほしい」と小林地区に回覧を回したことで、不安に思った住民はその日のうちに自治会館に集まり話し合いをもちました。そこで決まったのは

「戸別交渉をされると補償金をちらつかされ個別撃破されてしまう。だから戸別交渉は拒否して、誰か一人を窓口にして、自治体やJR東海との窓口にしよう」

 ということでした。
 その窓口に決まったのが有泉さんです。

有泉實さん


 以後、町長を伴わない限りはいかなる話し合いにも応じないと主張する有泉さんの姿勢に、JR東海も手続きを進めないでいました。
 有泉さんご自身の家屋も、母屋の一部、そして駐車場と農作業小屋のすべてがリニアのために立ち退き対象とされるため、「慣れ親しんだ自宅を手放し、地域の人たちがバラバラになっていいことがあるのか。ワシはここを動きません」と、一貫してリニア反対の立場を貫いてこられました。

 一昨年に取材したときのことはこちらに書いています。

 私が有泉さんに初めてお会いしたのは2015年5月。
 再会したのは昨年8月です。そのときの有泉さんは、1年前と比べやややつれた印象を受けました。体の動きも重い。
 尋ねてみると、確かに体調が悪いらしく「二日に一度は点滴に行っています」とのことでした。

 それでも、有泉さんが頑張っていることで、JR東海も自治体も土地買収の話を自治会に持ち込めないでいました。

 有泉さんの周囲にいる人たちは当然、その体調を心配していました。
 リニアに関わる市民運動の住民が12月上旬に有泉さん宅を訪ねたとき、その体調の悪さから面会ができなかったようです。

 今後、誰が有泉さんに代わっての窓口になるのかはわかりませんが、まずは、体の弱さがあっても、自らの意志を曲げることのなかった故人に敬意を表すると同時に、そのご冥福をお祈りいたします。

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 ちょっと遅れての報告です。
 11月下旬。神奈川県相模原市緑区で3人の住民に会いました。それぞれが、リニアの地下通過でいろいろと思い悩んでおります。

●一人目。Yさん。「水がなくなる」

 Yさんは、シイタケ栽培農家。
 福島第一原発の爆発事故で、特に大きな農業被害を被った一つがシイタケ栽培農家です。放射性物質が蓄積しやすく、東日本のシイタケは売り上げが激減しています。Yさんのシイタケも例外ではありません。
 とはいえ、Yさんは、シイタケをビニールハウスで育てている。つまり、放射性物質が降りかかることはないのに(実際、測定をしても高い放射線は検出されない)、風評とは怖いもので、売り上げが激減しているようです。4人いたパートタイマーさんにも辞めてもらい、栽培規模も5分の1にまで縮小しています。今はお得意様を相手にビニールハウス前の直売場などで売る、固定客に宅配するなどでしのいでいますが、いったい、いつ以前のように売れるようになるのかまったくわからない状態です。

DSC04358_size.jpg


 こういう「泣きっ面」の状態にやってきた「蜂」がリニア計画です。
 Yさんのビニールハウスの真ん前の市道には、JR東海が実施した中心線測量の赤いビョウが打たれています。つまり、ビニールハウスの真下をリニアが通過するということです。
 ここで、なぜ地下走行のリニアが「蜂」かというと、Yさんは、シイタケ栽培に大量の水を散布するのですが、それがすべて地下水で賄っているため、もしリニアが地下を通ると、その地下水が枯れる可能性があるからです。

DSC04364_size.jpg←手前にある赤いビョウが中心線測量で打ったもの。奥の白い箱のようなものが地下水ポンプ装置。リニアはまさに真下を通る。

 暑い夏には最大で一日10トンの地下水を使い、冬でも3トンは使うシイタケ栽培。その地下水がなくなるのは、すなわち廃業を意味しますが、JR東海からは、もし水が枯れた場合の対処についての具体的な話はまだないようです。

 Yさんは、リニアに賛成するとか反対するとかの立場にはありません。もっといえば、水さえ確保してくれるなら、地下走行するリニアに反対する理由はありません。
 
 ただし、これまでの一連の経過にYさんには強い不満があります。それは、いったい誰が自分の将来についての窓口なのかがまったくわからないことです。

「これはJR東海の事業ですね。では彼らが対応してくれるのかと思ったら、機構(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)の人から挨拶の連絡があり、では機構の人が来るのかと思たら、やってきたのは地質調査の会社の人やボーリング会社の人で説明もなく測量やボーリングが始まるのです」

 一昨年の豪雪でYさんのもつビニールハウスの一つは潰れました。当然立て直しを考えるわけですが、そのタイミングでリニア計画の話がやってきたので、もし新設しても水が出なかったら、新設の意味もなくなるので、Yさんは踏み切れないでいます」

 この点でJR東海に質問をすると、JR東海は「工事には7,8年かかります」と答えただけで、地下水が枯れるかどうかには言及しませんでした。ただし「水は確保します」とだけは回答したようです。
 しかし、Yさんが求めるのは地下水。なぜなら上水道なら塩素を含むため、シイタケ栽培には不適切なのです。もし上水道を使うなら塩素除去装置が必要とのことですが、それへの回答もありません。また、仮に塩素除去装置を使ったとしても、上水道は地下水の2倍は代金がかかります。その補てんもなされるのか。

 いずれにせよ、Yさんは「ほかの土地に行くつもりはサラサラない」と言うように、この土地でシイタケを作り続けるしかありません。
 一つには、ここが愛着のある土地であること。
 一つには、かつて坪20万円はした地価が、原発事故後、ほぼ0円になり、売るに売れないこと。だから、他のシイタケ農家のように「放射線が検出されればよかった。そうすれば補償金がもらえたのに」とぼやくのもわかります…。


●二人目。Aさん。引っ越して来たら、そこは地下をリニアが走る場所

 同じ緑区に住むAさんは、今年5月、分譲の一軒家を購入。
 ところが、引っ越してきて初めて知ったのは、その地下20メートルをリニアが走り、自分たちの駐車場とリビングルーム半分が補償対象になるということでした。
 これはなんだ! 分譲を仲介した不動産業者は一言もそんな説明をしていなかったのです。

 また、平日に働いているAさんは説明を聞こうにもJR東海の事務所に行けないため、説明を求め、JR東海に電話。

「すると、電話に出たTという職員の態度がよくないので、言いました。『ウチに来て説明して』と。考えてみれば、私たちがわざわざ出向くことじゃない。来てくれるのが筋です」

Aさん宅←リニアルート上にあるAさん宅。駐車場はすべて、リビングの半分ほども補償対象となる。

 そして10月29日、JR東海の職員3人が自宅に来て説明をしてくれました。Aさんがそのときに撮影していたビデオ動画を見せてくれたのですが、この時、JR東海とガシガシ対応に当たったのはAさんの妻です。

 地下40メートル以深なら、事業者には地上の地主との交渉や保証も不要になる「大深度」開発が可能になりますが、地下20メートルであれば、地主との交渉も補償も必要となるため、Aさんご夫妻の依頼を無下にできなかったのかもしれません。、

 まず、JR東海がどういう説明をしたかというと、大雑把には以下のようになっています。

★家屋調査
 工事前に調査をして、工事後にひび割れや傾きなどが確認されれば、補償の対応とする。
★水枯れ
 地下の水枯れは起こらないと考えております。そういう工法でやります。リニア中間駅(JR橋本駅の隣に予定)でも地下水には10センチの変動が出るだけと予想しています。
★自然破壊
 極力ないようにいたします。
★地価の下落
 地下は社会的情勢で変わります。少なくとも弊社では(因果関係があれば)補償金は払います。

 そしてご夫妻はJR東海と以下の会話に入ります。

A「私たちがここを移転したくないと言えばどうするのですか?」
JR東海「まずはご理解が第一と考えております。来年中には測量説明の機会を設けます」
A「土曜、日曜、祝日も工事事務所は空けておくべき。平日の昼間はみな働いているので、事務所に行けないのです」
JR「貴重なご意見として社内に持ち帰る。(中略)まずは事業を進めるため、測量をさせていただきたい」
A「ということは、測量をさせなければ、計画は中止になるということですね。そうかあ、測量させなければいいんだ」
JR「…」
A「リニア計画で私たちに具体的なメリットってあるんでしょうか?」
JR「…」
A「デメリットしかないんじゃないですか? それで理解はできません。あなたが逆の立場なら嫌ですよね?」

 この会話のほとんどはAさんの妻によるもので、その発言には白黒はっきりさせようとの強い意志が見えます。

 とはいえ、今、Aさんご夫妻が困っているのが、不動産の瑕疵の保証期間は不動産購入後から1年間であることです。
 つまり、引っ越すなら来年の5月がタイムリミット。
 とはいえ、そもそも、地下をリニアが通ることを不動産業者が説明しなかったことが、不動産の売買で必要な「重要事項説明」を怠ったかと問えるかです。これも、はっきりさせたいところで、リニア裁判の弁護団の一人、和泉弁護士も「今後、3,4人の弁護士でチームを作って、宅建業法や民法上の瑕疵担保責任を調べてみたい」とのことでした。

juuyo-setumei001.jpg←同じ相模原市のある不動産業者の広告に載っていた販売物件の図。地下をリニア走行することが説明されている。
 
●三人目。Oさん。測量はさせません。 

 Aさんのご近所に住んでいるOさんはもうここに20年も住んでいる人です。
 Oさんは2年前、JR東海が開催した事業説明会に参加したところ、その内容がほとんど理解できず、質問に対しても具体的な回答がないことに、未だにリニア計画を認めることができません。
 Oさんの場合も、リニアはまさしく自宅の真下を走ります。
 Oさんの主張は「測量させません。まだ、騒音、振動、電磁波など具体的な予想や対策を何も説明されていないのに、この計画を受け入れるわけにはいきません。そして、私が今さらよそで暮らす理由はどこにもありませんから」


●連絡会のアンケート

 「リニア新幹線を考える相模原連絡会」は数カ月前にリニアが通る地域にアンケート用紙を配布し、JR東海の対応についての質問を投げています。

相模原連絡会アンケート1 相模原連絡会アンケート2



 このアンケート結果は、現在、連絡会で整理中なので、ここで書くことはありませんが、あるマンションではマンションとしてJR東海を呼んで説明をしてほしいとの要望を出していること。実現していないようですが、マンション全体の問題としてとらえているのであれば、注視したいところです。

 JR東海は、昨年から今年にかけて、あちこちでリニア事業の起工式はしていますが、まだまだ本格着工には時間がかかるような気がします。 

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●この場所を皆が使えて、皆が楽しめる場所に

 リニア中央新幹線計画に少しでも歯止めをかけようと、神奈川県相模原市緑区鳥屋(とや)で今年4月から始まった土地トラスト運動。

 地主の栗原晟さんは鳥屋の渡戸(わたど)地区に住む住民で、12月9日の「ストップ・リニア!訴訟」の第二回口頭弁論で意見陳述をした人でもあります。

 その栗原さんの土地に借地権を設置したのは市民団体「リニア新幹線を考える相模原連絡会」の11人です。

 この「連絡会」が、単なる借地権設定だけにとどまることなく、その場所をみんなが楽しめる場所にしようと計画しています。

 その第一弾として、12月14日、連絡会はトラスト地の清掃に取り掛かりました。具体的には、誰もが歩いてもつまづかないように、地面に落ちている枝を拾い集め、密集している竹を切り払ったのです。
 私は昼食時までしか滞在できませんでしたが、小雨のなかでも15人ほどが集まり、午前中の作業だけでもけっこう歩きやすくなりました。

事前説明←作業前の事前説明。右端が栗原さん。左端で黒いジャンパーを着ているのが高橋さん。

枝を片付ける←枝を片付ける1
  枝を片付ける2←枝を片付ける2  木を運ぶ←邪魔な木も撤去する  竹を切る←密集している竹を切る  地面がきれいになった←午前の作業だけでも地面の枝がなくなり歩きやすくなった


●トラスト地の将来図

 この調子なら、将来的には、ここに子どもの遊び場を作ったり、(非営業の)カフェを開いたり、ステージを造ったりするという計画も実現しそうです。ただし、トラスト地は4000平米もあるので、これから月に一度のペースでゆっくりと作業を進めるようです。

トラスト地基本設計図←あくまでも将来のイメージ図。これからの作業で構想はどんどん変わっていく。

 トラスト地を活用する。

 それで思い出すのは、もう20年以上も前、東京都日の出町の山林に計画された一般廃棄物の最終処分場計画を全力で止めようと頑張っていた住民たちが、やはりトラスト運動をはじめ、そこに、寝泊りできる部屋も設けたステージ、井戸、美術品などを設置したことです。
 これは最終的には東京都の収用委員会に諮られ、強制収用されてしまいましたが、あのときの、下は10代から上は70代(80代もいたかな?)までの様々な人たちが毎日集って、運動に活力を与えていたのをまだ覚えています。

 ということを、今回のトラスト運動の将来図を基本設計した高橋政行さんに話したら「私は日の出の運動にずっと関わっていたんです」。
 ということは、高橋さんとはどこかで会っていたはずですが、もう20年以上も前なので思い出せませんでした。

 本ブログで、以前、相模原市緑区の牧馬(まきめ)のリニア非常口計画地で怪しい不動産業者が跋扈していることを書きましたが、高橋さんはその牧馬を含む篠原地区の住民。
 昔、日の出。今はリニアと対峙しているわけです。

 高橋さんが書いた「鳥屋トラストの森ワークショッププラン」には以下の目的が書かれています。

①シンボルサイン、ガイドサインの制作設置
②現地への道整備
③竹の伐採と溶剤としての活用
④現地の調査と縮尺模型
⑤集会、作業、イベント用テントカフェの建設
⑥間伐材の確保と製材
⑦未来に向けての森の暮らし方と自然エネルギー活用技術。
⑧アートの方法論を書くとした精神面での講座と実践

 次回は1月に、間伐、皮むき、竹取り、枝打ち、井戸調査、ソーラーセット地点調査等々が行われる予定です。



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●栗原晟さんの意見陳述

 12月9日14時半。
 東京地裁で「ストップ・リニア!訴訟」の第2回口頭弁論が行われました。

リニア第2回裁判記者会見←左端が栗原さん。裁判後の司法記者クラブでの記者会見。

 この日、原告側から意見陳述したのは、神奈川県相模原市鳥屋(とや)に住む栗原晟(あきら)さんです。
 栗原さんのことは、本ブログでも書いています(こちらこちらです)。
 鳥屋に建設予定の巨大車両基地予定地に隣接する山林の所有者ですが、リニアが地域にもたらすであろう環境破壊と地域破壊に黙っていられず、土地トラストを始めた人です。

鳥屋車両基地鳥瞰図←JR東海が作成した車両基地予想図。長さ2キロ。さながら滑走路のようだ。反対運動がない限りは、予定地の全員が立ち退くことになる。

トラストフレンド募集←車両基地に隣接する山林を所有する栗原さんたちが始めた土地トラスト運動では資金的なサポーター(フレンド)を募集中。

 以下、栗原さんの意見陳述を公開します。


平成28年(行ウ)第211号
原告 川村晃生 外
被告 国(処分行政庁 国土交通大臣)
参加人 東海旅客鉄道株式会社

意 見 陳 述 事
       2016(平成28)年12月9日

東京地方裁判所 民事第3部 B②係 御中

原告 栗原 晟

 原告栗原晟が準備書面1について意見陳述します。

 私は、神奈川県相模原市緑区鳥屋に居住しており、関東車両基地建設予定地一帯の山を所有しています。この辺りの県道沿いの民家の多くがそうであるように、栗原家も江戸時代の頃からこの地域で暮らしてきました。先代はこの地域で学校の教員を務め、私は現在民生委員などを務めております。

 私が、この地域に車両基地が建設予定であることを最初に知ったのほ、2013年9月の「鳥屋に車両基地」と題する記事でした。記事を読んだ当初はどんなものができるのか全く見当がつかず、まさかこんなに大きなものができるとは思いませんでした。同じく9月にJR東海は環境影響評価準備書を公開していました。周囲の人はあんな分厚い物が読めるかと言っていましたが、私としては、地域にとっては重大事であり、賛成反対の結論は別としてまずはどういうものが出来るのかを知りたいと思い読むことにしました。

 準備書に記載されていた地図はたんに四角い点線で該当地域を囲んだだけのものであり、どの地番の地が工事の対象になるのか、車両基地の換業によってどの程度近隣の住環境に影響が生じるのか正確には分かりませんでした。ただ、リニアの必要性については疑問を感じましたし、工事量車両がピーク時には1日1000台以上も走行することが分かりました。残土処理捨て場を作るためにこのような場所に車両基地を作っているのではないかと考え、こんなもののために町の人間が土地を奪われ、退去させられるのは堪らないと思うようになりました。

 2014年1月には県の公聴会に出席して意見を述べました。JR東海の地域での説明会などは行われておらず、準備書以外に資料は無い状態でしたが、土砂捨て場のために町の人間が土地を奪われるのはおかしいこと、鳥屋は歩道未整備の箇所も多く、安全上も大問題であること、騒音・振動・排気ガスなどのために住環境が破壊されることなどについて、意見を述べました。
 その後2014年4月に発表された環境影響評価書を読んで、私の考えは確信に変わりました。準備書に対する各地域からの意見を読んで、リニアがペイするとは到底患えないし、地方の経済力が一部の大都市に吸い上げられて疲弊するだけだと思いました。このようなもののためになぜ鳥屋が犠牲にならなければならないのかという思いを強くしました。

 2014年11月に地域への説明会がようやく始まりました。基本的には評価書の説明を繰り返すだけで、誰の土地が工事対象地域なのか、当事者は誰なのか全く分かりませんでした。地図も平面図があるだけで高さのイメージもつかめませんでした。補償についても一般論が述べられただけでした。
 その後も2014年12月、2015年1月、同年2月と説明会がありました。車両基地の鳥瞰図は地域住民の要望により、2015年の2月になってようやく住民に公開されました。何より、いずれの説明も基地建設が前提で、建設自体の是非を地域住民と議論する機会ではありませんでした。2014年の10月には既に工事実施計画の認可処分が行われています。処分前は情報を極力伏せておいて、処分後に説明会を開催するやり方はフェアではないと思いました。その他質問に対する回答はほとんどが口頭であり、持ち帰って詳細に分析できる資料を貰えることはありませんでした。2014年10月には鳥屋地域振興協議会から工事が引き起こす環境悪化についてJR東海、県、市に対して要望書を提出していたのですが、これに対する回答もありませんでした。

 立ち退きを求められている谷戸地域の方が困っているとの話も聞きました。自分は当事者ではないので関係ないという人もいます。しかし、それでは同じ町の人間が困っているのに関係ないと言っているのに等しいでしょう。私はたまたま準備書を読んでこれはおかしいと思ってしまった。知ってしまった以上は無関心であることは許されないと考えました。この裁判に参加する多くの原告の気持ちも同様だと患います。

 最後に、足尾鉱毒事件の田中正造の言葉を引用します。「其の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし。」リニアの是非を問うこの裁判を通じて、私達の文明が真の文明と言い得るのかが問われていると考えます。



 この陳述には、JR東海の住民への「丁寧ではない」説明のことも述べられていますが、その説明以前に栗原さんが「おかしい」ととらえているのが、赤線で示したように、手続きの順番が逆であることです。

 つまり、2014年10月に国土交通省が事業認可する前に、丁寧な住民説明会が開催されるべきなのに、事業認可のあとにそれが(丁寧ではないが)実現するのはおかしいと訴えたのです。


●裁判長の質問

 さて、今回の裁判を担当する古田孝夫裁判長が過去、原告の主張も被告の主張もよく分析し、まっとうな判決を出してきたということを、以前本ブログで書きましたが、口頭弁論のあとの記者会見前、弁護団の一人も「今回の裁判長が東京地裁にいる間に判決を出してほしい」との期待を匂わせています。
 その古田裁判長は、今回、被告にこんな質問を投げました(要約)。

被告は全国新幹線鉄道整備法(全幹法)をリニア事業に適用している。原告は、民間の鉄道事業である以上は『鉄道事業法』を適用すべきだと主張している。全幹法だけでの適用では、鉄道事業法を適用しないとしても、鉄道事業法5条1項で明記されている実質的内容を、本件の新幹線事業は満たす必要はないとまで仰っているのでしょうか

被告「まずは法令の適用関係について、国としての認識を示したうえで、必要範囲で今後、安全性を含め、輸送需要なども触れていく」

裁判長「全幹法内や関係法令のなかでそういう論理を持たす必要性があるとの具体的な条文があるのかを指摘していただきながら進めていくのがいいかと思う」

 鉄道事業法5条1項とは以下の内容です。

第五条  国土交通大臣は、鉄道事業の許可をしようとするときは、次の基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。
一  その事業の計画が経営上適切なものであること。
二  その事業の計画が輸送の安全上適切なものであること。
三  前二号に掲げるもののほか、その事業の遂行上適切な計画を有するものであること。
四  その事業を自ら適確に遂行するに足る能力を有するものであること。


つまり、鉄道事業に必要な「経営性」「安全性」「計画性」について考慮しないままでも、このリニア事業を進めていくのか、と裁判長は問うたわけです。

被告(国土交通大臣)は、準備書面のなかでは

「『鉄道事業法5条に違反する』との原告らの主張は失当である。本件許可処分は、全幹法4条1項に基づき決定された中央新幹線の基本計画を全体として、整備計画及び工事実施計画を全幹法の規定に基づき順次決定し(中略)、そのプロセスにおいて鉄道事業法5条を適用すべきとする全幹法の規定がないのであるから、原告らの主張は失当である」

 と述べていますが、この点において裁判長は「詰め」の質問をしたわけです。

 弁護団の一人は、裁判長について「原告のも被告のも準備書面をきちんと読み込んでいる。過去の判例を見ても行政に厳しい判断をしている裁判長だけに、地裁の判決までは東京地裁にいてほしい」と評価しています。

 次回、被告は裁判長の投げた質問にどう回答するのか。注目したいです。

リニア第2回裁判開廷前行動1 リニア第2回裁判開廷前行動2 リニア第2回裁判開廷前行動3




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 リニア中央新幹線の取材範囲は、東京都から愛知県までと広範囲で、多大な取材経費を要することから、数十組もいる会うべき人たち・組織の多くに会えないでいます。また、リニアに関する記事を書こうにも、ほとんどの雑誌はJR東海が広告主であるため、記事を掲載できず、取材するほどに資金力が落ちる状態が続いています。今後は、再び単行本の発行を目指しますが、私のリニア中央新幹線に関する取材へのご寄付をお願いできないでしょうか?  カンパをしてくださった方には ★ブログに記事を掲載する際のお知らせ。 ★雑誌に記事を載せる場合の、掲載誌送付。 ★単行本を出した際の、一冊謹呈。  など、せめてもの特典を用意いたします。  なお、いただいたカンパは以下の用途に限定します。 ★取材地までの往復交通費。 ★取材地での宿泊費。 ★リニア中央新幹線に係る資料代。  食費は自己負担としますが、使用明細は公開します。  ご協力いただける方は以下の口座への入金をお願いいたします。  みずほ銀行・虎ノ門支店・普通・1502881 カシダヒデキ  ご入金に際し、ご住所や連絡先などを教えていただけたら助かります。どうぞよろしくお願いいたします。
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必要か、リニア新幹線
リニア中央新幹線の問題点を『環境性』『技術性』『採算性』の3点から理論的、実証的に解説した一冊。リニア計画の入門書。
リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」
リニア中央新幹線を巡る問題を語らせては、その理論に一部のすきも見せない橋山禮治郎氏の第2弾。このままでは,リニア計画とJR東海という会社は共倒れになることを、感情ではなく、豊富なデータを駆使して予測している。必読の書。
自爆営業
国会で問題にされても一向に改まらない郵便局の自爆営業。年賀状1万枚、かもめーる700枚、ふるさと小包便30個等々のノルマはほぼ達成不可能だから、ほとんどの職員が自腹で買い取る。昇進をちらつかせるパワハラや機能しない労組。いったい何がどうなっているのか?他業種の自腹買取も描いている。
アキモトのパンの缶詰12缶セット
スペースシャトルの宇宙食にもなった。保存期間は3年。しっとりおいしい奇跡の缶詰。24缶セットもある。
共通番号の危険な使われ方
今年10月に全国民に通知され、来年1月から運用が始まるマイナンバーという名の国民背番号制度。その危険性を日本一解かり易く解説した書。著者の一人の白石孝さんは全国での講演と国会議員へのアドバイスと飛び回っている。
マグネシウム文明論
日本にも100%自給できるエネルギー源がある。海に溶けているマグネシウムだ。海水からローテクでマグネシウムを取り出し、リチウムイオン電池の10倍ももつマグネシウム電池を使えば、スマホは一か月もつし、電気自動車も1000キロ走る。公害を起こさないリサイクルシステムも矢部氏は考えている。脱原発派は必見だ。